本部

霧の通い路吹き閉じよ

影絵 企我

形態
シリーズ(続編)
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,300
参加制限
-
参加人数
能力者
8人 / 4~8人
英雄
8人 / 0~8人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2017/06/16 17:29

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掲示板

オープニング

●The Killer of Pax Britannica
 夜霧、モンタギュー・シッカートと出会ったのは凶星の巡り合わせだったのかもしれません。一人目の吸血鬼を偶然によって殺し、私もまた吸血鬼と化す定めを背負った時に、私はロンドン――もちろん、私の世界の、です――に潜む吸血鬼を全て討ってから、私もまたテムズ河に身を沈める事と決めました。どうせ死ぬのなら、大好きだったゴシック小説の、憧れの主人公のように戦ってから死にたいと思ったのです。
 その決意を固めた私は、吸血鬼へと変わっていく身体を利用して見つけた、一人目の吸血鬼女に手を掛けました。その時に現れたのが、その女の愛人だったという夜霧だったというわけです。
 私はうろたえました。吸血鬼を野放しにすればいつかロンドンは死都と化します。ですがそうとは知らずその女を愛していた男に罪はありません。私はただ己の大義を唱え、赦しを請う事しか出来ぬまま、その場を逃げ去ったのです。
 その男に、私という存在はどのように映ったのでしょう。おそらく、大義で己の身勝手を赦す理不尽な存在と見えていたに違いありません。……奴があれ程までに正義を嫌うのは、ずっと、この瞬間に拘り続けているが故でしょう。

 あれは、一切の誇張なく、私が生み出したバケモノというわけです。

 そしてその化け物は私をつけ狙い続けました。三人目の吸血鬼を殺した時には人を呼び、どうにか逃れた私が四人目の吸血鬼を殺して去った時には、とうとうその死体を自らの手で八つ裂きとするに至りました。ですが、私は夜霧を責める事が出来なかったのです。責める資格も無いと思っていたのです。
 そんな私を嘲笑うかのように、夜霧はついに自らの手で一人の女を殺めたのです。私が吸血鬼へと変わっていく中でも、変わらず傍で支えてくれていた、看護婦のセーラ・スミッソンを。一目では彼女と分からないくらい、無残な死に様でした。その姿は、吸血鬼化さえ堪えられない、身も心も弱い私を責めているかのようでした。
 私は後悔しました。恥じました。怒りました。やり場の無い想いに駆られ、私は夜霧を殺しに行きました。セーラの血を啜り、紛う事なき吸血鬼となって。……それからの記憶はありませんが、おそらくそこで私達はこちらの世界に飛ばされたのだと思います。

 ……皆さんのおかげで、私はこの世界で得た、かけがえの無い絆を失わずに済みました。ですが、向こうの世界から繋がる因縁がまだ残っています。……勝手な話ですが、どうかこの因縁を断つため、協力して頂けないでしょうか。



――市街地に小規模なドロップゾーンが発生しました。速やかに内部の愚神を撃破し、ゾーンを消滅させてください。内部の敵勢力は分析中、後ほど情報を転送させていただきます。くれぐれも気を付けてください。



 その霧は鼻を突き刺すような臭いだった。否、実際に鼻を刺していた。その霧はただの霧ではない。工場から絶え間なく吐き出され続けた煤煙が地に降り注ぎ、霧に紛れ込んでいるのだ。
 黒く汚れた霧は夜の帳を重くする。古きロンドンの貧民街を陰鬱に飾る。日の沈まぬ帝国、ヴィクトリア女王が誇る栄華の影に押し込められていた現実がそこには広がっていた。
「Conscience is but a word that cowards use,」
 霊魂が揺蕩い、偽りの世界に迷い込んだ人々を脅かす。
「Devised at first to keep the strong in awe:」
 死霊が飛び交い、逃げ惑う人々の魂を奪い去る。
「Our strong arms be our conscience, sword our law...」
 死神が彷徨い、それでも生き延びようと足掻く者の首を刈る。
「March on, join bravely, let us to't pell-mell」
 蒼い馬に跨る蒼鎧の騎士が、虫食いに黴だらけの旗を掲げる。この世は死が占拠したと言わんばかりに。
「If not to heaven, then hand in hand to hell.」
 黒い襤褸に身を包み、深紅の涙を流す夜霧は牙を剥き出しにして笑う。彼は刃で切り刻んだ亡骸を重ねて座っていた。舌を伸ばし、ナイフから滴る血を舐め取る。鉄の味が広がる。死んだ愛人の傍に這いつくばり、その血を啜った記憶が甦った。
「どんな言葉で飾ろうと、お前達は越えたんだ。人間の領分を越えたんだ。正義だ悪だなんてのは、所詮言葉遊びだ。お前の汚れた手がいかに綺麗かなんて聞きたくもねえ。汚れてるには違いねえだろうが」
 顔を顰め、夜霧は広場の向こうに眼を向ける。エージェント達のシルエットが、黒い霧の向こうに映っていた。

●Dear, Agent
「澪河の名の下に命じる! 今こそその力を示せ!」
 青藍の込めたライヴスが天津風の中で増幅する。やがて刃は割れ砕け、中からライヴスで出来た蒼い刃が現れた。天に刃を掲げると、風は吹き荒れ嵐となって、偽りのロンドンを包む霧を残さず吹き飛ばす。その嵐に堪えきれず、霊魂の群れは残らず掻き消えた。後に残るは死霊に死神、病の騎士。そして夜霧だけである。
「さぁ。これであんたが隠れる場所なんてどこにもない。ここでお前は終わりになるんだよ!」
 柄だけが残った天津風を幻想蝶に戻し、彼女はアマツカゼを抜く。この世界で、ウォルター――エイブラハムと共に、仲間達と共に戦場を切り開いてきた刀を握りしめ、青藍は夜霧を睨みつける。夜霧もまた、彼女以上の憎悪を込めて睨み返した。
「良心が何だ。正義が何だ。そんなモンは罪を免れたい弱い奴の言い訳だ。自分がバケモノな事を受け入れられない弱い奴の戯言だ。自分の手が汚れている事を認めたくない奴の繰り言だ。……あまつさえ、その言い訳で、戯言で繰り言で俺を否定する。お前達と俺は、本質の部分で同じだってのにな」
 夜霧は立ち上がりナイフを握り直す。蒼の騎士はその隣に立ち、槍を真っ直ぐエージェント達へと向ける。剣を手を振り上げ、エージェント達を威嚇する。
「俺はお前らが大嫌いだ。憎んでいるとも言っていい。だから、俺はお前達を全力で否定する」
 剣を構えた死神が、襤褸を纏う死霊が、するするとエージェント達を取り囲んだ。
「死ねよ。愚神、従魔、英雄、能力者。この世には化け物が溢れ過ぎてて気持ちが悪い」
 ふと夜霧が飛び出す。青藍が咄嗟に振り抜いた刃と、夜霧の突き出した刃が交錯し、甲高い音を立てる。虚ろな眼の“死神”は、舌打ち一つ、青藍を、エージェントを淡々と嘲った。
「……そん中でも、お前らがとびきり気持ちが悪いんだ」

解説

メイン 夜霧の討伐
サブ 夜霧に己との違いを知らしめる

エネミー
●夜霧
 前回の戦いから瀕死の体で逃げ延びた愚神。何者かからの力を受けて復活した。幽谷の死神を引き連れ、“己の同類”を殺すためにエージェント達と対峙する。
・脅威度
 ケントゥリオ級
・ステータス
 物攻C 物防C 魔攻B 魔防C 命中A 回避B 生命B
・スキル(1R中に両方を発動する)
 魂魄破壊……ランダムに3人が対象。(30-特殊抵抗)分ダメージを与える。敵のライヴスを強引に枯らす。
 滅多切り……単体物理。(2D3)回連続攻撃する。

●ペスティレンティア×1
 又の名をペイルライダー。病を司る死神を模した従魔。
・脅威度
 ケントゥリオ級
・ステータス
 魔攻A 生命B その他C以下
・スキル
 死の舞踏……魔法、前方5sq。命中時、最大生命力がシナリオ終了まで2割減少する。効果は重複しない。
 ファントム召喚……ファントムを2体召喚。

●リーパー×3
・脅威度
 デクリオ級
・ステータス
 命中S、物・魔攻A、その他B。空中。
・スキル
 首狩り……物理。射程1sq、周囲1sq全てが対象。命中した場合、減退(1D6)を与える。

●ファントム×5
・脅威度
 デクリオ級
・ステータス
 命中B、魔攻・魔防D、その他E。空中。
・スキル
 呪いの声……魔法。射程1-6sq、ランダムに1体を対象とする。防御、カバーリング不能。障害物など貫通する。
 

NPC
澪河青藍&ウォルター・ドルイット
 仲間達の助けも借りて、ようやく正真正銘のリンカーとなった。まずは過去世界の因縁を断ち切るため、暴走する夜霧に正面から対峙する。
レベル
55/35(回避)
性質
未指定の場合は回避壁に努めている。
スキル
ライヴスブロー
ライヴスショット
守るべき誓い

Tips
・ゾーンルールは天津風によって無効化されている。対等な条件で戦闘は開始される。
・フィールドは半径15sqの円形広場。武器を取り回すのに支障はない。

リプレイ

●夜霧の恨む時
「正義とは覚悟! 手を汚す事を恐れず言い訳などしない。喩え世界の敵となろうとも貫くべきもの! ボクの正義を甘く見るな!」
『御主人様の命の下、力を振るいましょう。私は刃。思想無き純然たる力』
 ユーガ・アストレア(aa4363)とカルカ(aa4363hero001)は高らかに叫び、周囲に武器を広げる。彼女の前にずらりと並んだヘパイストスの重い鈍色が、ランプの光を浴びて輝く。その一台の引き金に指をかけ、深紅のメタルスーツを纏った少女は叫ぶ。
「正義とは、道を切り開くもの!」
 モーターの回る駆動音、吹雪のように飛ぶ大量の弾丸。避け損なった一体の死霊は全身を貫かれて霧散する。夜霧は飛び跳ねて躱し、憎々しげな表情を浮かべる。
「狂ってやがるな。今更だが」
「それがどうした。勝ってこそ正義。故に正義には力が無ければいけないのさ! 化物がどうした。人間がどうした。そんな議論は正義の前には意味など無い!」
 ユーガの闘気に反応し、一体の死神が処刑人の刃を構えて滑るように向かっていく。しかしそれは脇から放たれたライヴスの波動に絡め取られ、黒のローブを纏う青年の方へ矛先を変える。桜小路 國光(aa4046)は左の刃で薙ぎ払いを受け流し、右の刃でその胸元を斬りつける。黒く澱んだライヴスが噴き出し、死神は堪らず空へと舞い上がる。
「事実は小説より奇なり……とはよく言うけど。むしろ小説が案外退屈だったな……」
『(そうですか? 本のお話の方が面白かったのです)』
 メテオバイザー(aa4046hero001)は不思議そうにしていた。彼の放ったライヴスに引っかかった死霊が二人に押し寄せる。すかさず攻撃を切り返しながら、國光は呟いた。
「そもそも余所の世界の事実なんて、この世界にとっては小説みたいなものかもね……」
 二人はちらりと広場の中心に目を向ける。夜霧は今、一ノ瀬 春翔(aa3715)と真正面から対峙していた。
『やっとマトモな言葉を吐いたわね』
「……テメェの言う事は別に間違っちゃいない。テメェも俺等も、結局行きつく所はバケモノの誹りさ」
 両刃の大斧を肩に担ぎ、春翔は夜霧を視界の中心に捉える。ナイフを弄び、血の涙を流してソレは春翔を睨み返す。
「そうだ。だから俺は――」
『でもそれが何だと言うのかしら? ええ、何も、何も変わらないわ』
 アリス・レッドクイーン(aa3715hero001)は女帝の貫禄で夜霧の言葉を押し潰す。苛立ち交えてナイフを構えた夜霧に向かって、春翔は鋭く啖呵を切る。
「俺等が掲げる正義は所詮“エゴ”だ。だが、テメェが抱く憎悪も結局“エゴ”だ」
「……そうだ。だから俺はお前達を否定する」
 夜霧は飛び出す。低く構え、切っ先で地面を引っ掻き、襤褸を靡かせ春翔の懐へと飛び込んでいく。一歩大きく飛び退いた春翔は、大きく斧を振り抜いた。咄嗟に振り上げたナイフの刃で、夜霧は一撃を受け止める。再び視線が交錯した。
『私達も同じ。私達が我を通すには、アナタの我が邪魔なのよ』
「さあ、どっちが通るか決めようぜ」
 春翔達と夜霧の剣戟が交差する様を眺め、獅童 恭介(aa5207)は軽く震え上がる。そもそも彼はこれが初めての戦いなのだ。下っ端の片づけで貢献しようと思っていたが、その下っ端は青藍が神刀で思いっきり討ち払ってしまった。
「……何てことしてくれるんや。ごっつ強そうな敵しか残っとらんやん……」
『(案ずるな。わらわが手を貸してやるんじゃから、心配する事はない。それに矢面に立つだけが戦いではないわ)』
 玉(aa5207hero001)はそんな恭介を励ます。背中は緊張の汗でじっとりと濡れていたが、英雄の言葉で覚悟を決めた。
「そうやな。まさかここまでとは思わへんかったけど、来たもんはしゃーないわ。僕は僕の出来る事をしよか」
 霊気を纏った双剣を構え、恭介は一体の死霊に向かって突っ込む。それは突撃銃を構えて狙いを定める志賀谷 京子(aa0150)を背後から襲おうとしていた。
「悪霊、退散!」
 振り下ろされた刃は、死霊を鋭く切り裂いた。京子はそんな死霊に最初から気付いていたが、処理は恭介に任せて振り返らない。
『敵の数が多いですし、戦場の主導権をまず握りに行きましょう』
「そうね。最初から全力で派手に行こうか!」
 アリッサ ラウティオラ(aa0150hero001)の言葉に頷き、京子は一気にトリガーを引き切る。銃身が紅く染まるのも構わず、横殴りの豪雨の如く弾丸を死神達に叩きつけた。死神は脇から弾丸を喰らって姿勢を崩し、死霊は頭を抱え悲鳴を上げる。“病”はただ一人悠然と闊歩し、京子をじっと見据えた。その両脇に、どこからともなく現れた死霊が付き従う。京子は煙を上げる銃を投げ出し、氷の拳銃に持ち帰る。
「伝奇物の世界に迷い込んだ気分ね。……でも、終わりを告げるこの世界にあなたは不要だからね。退場してもらうよ」
 京子の挑発に“病”が身じろぎした瞬間、深紅の花弁が舞い散る。旗を振るって衝撃波を受け流した“病”だったが、それを追って銀鎧の戦士が突っ込んでくる。赤城 龍哉(aa0090)はアンカー砲を構え、気合の叫びと共に、ライヴスを詰められるだけ詰めて爪を打ち出す。
「まずはこいつでも喰らっとけ!」
 しかし騎士も伊達に“死”を名乗ってはいない。槍を素早く振るい、アンカーを払って直撃を防ぐ。龍哉は構わず突き進み、そのまま騎馬の足下に滑り込む。
「これで終わりと思ったか?」
 嘶き跳ね上がった馬には構わず、達哉は騎馬の股をすり抜けそのまま高く跳び上がる。同時に鎖が馬の脚に絡みつく。
『これでどうです』
 ヴァルトラウテ(aa0090hero001)の叫びに合わせ、龍哉はアンカーを“病”に向かって放り投げた。鎖は固く締まり、馬の脚を封じる。地の底から噴き出るような嘶きを上げ、馬はそのままどうと横に倒れる。横目にその様子を眺めていたリィェン・ユー(aa0208)は称賛の口笛を鳴らす。
「流石だな」
『妾たちも負けてはいられぬ』
 イン・シェン(aa0208hero001)が言うと、リィェンは頷き“極”を構える。神経接合型の強化外骨格が輝く。相棒を横で支える、燻銀の光だ。
「そうだな……こいつらをさっさと掃除してしまいますか」
 呟くリィェンの背後に一体の死神が現れる。左手の燃える石が詰まったカンテラを妖しく鳴らし、右手の剣を振り上げる。
――この剣を振り上げし時、我は咎人に――
「はっ。いい度胸じゃねえか」
 素早く振り向いたリィェンは、その勢いで背後を薙ぎ払う。処刑人の剣とリィェンの大剣が交錯する。その勢いにいとも簡単に押し負け、剣は弾けて死神の手から吹っ飛んだ。
「俺の首を狙うかよ。その勇気に免じて、俺が貴様の首を狩ってやるぜ」
 素早くその場から逃れようとする死神だったが、神の首も捩じ切る刃から逃れる事は出来ない。投げつけられた細いワイヤーが、カンテラを持つ腕を捉える。

 そのまま死神は、煉獄へと引き戻された。

「……こんな叫びで、六花の心は折れない」
 地から這い出る怨嗟の声。時代の犠牲者の声。魂を削り枯らすような反響を、氷鏡 六花(aa4969)は耐え忍ぶ。南極の永久凍土のように堅い闘志には傷一つ付かない。
「貴方の憎悪は否定しないわ。六花の心にも、間違いなく憎悪はあるから。こんな絶対零度の凍気を操る力も……化物だって言われたら、きっとそう」
 絶零の断章を紐解くと、六花の背に幻翼が映る。オーロラのように輝く、氷の幻。右手の平にも氷の輝きを漂わせながら、少女は夜霧の血走った眼を見据える。
「でも、この氷雪の力は……パパとママの仇を討つ為だけじゃない、もう誰も、傷つけられて、奪われる事が無いように、誰かを護る為の力。六花とアルヴィナの、絆の証」
『(六花……)』
 アルヴィナ・ヴェラスネーシュカ(aa4969hero001)はふと熱を感じる。彼女の宝物が彼女の中で凛と光を放ち、魔を討ち払う凍気をさらに研ぎ澄ます。
『(ええ。行きましょう、六花……!)』
「誰を信じる事もしないで、奪う事だけのあなたと、一緒にしないで!」
 放たれた氷の炎が、磨き上げられた氷の鏡の上で乱反射する。夜霧を取り巻く死霊は、一撃で凍り付き、砕けて光の粒となった。襤褸を振り回して凍れる炎を払った夜霧は、炎の間を駆け抜け六花へ迫ろうとする。
「黙れ。黙れ!」
 しかし、青藍が夜霧を強引に引き付ける。アマツカゼを構えた彼女は、仲間を護らんと気迫を放っていた。
「お前が憎いのは私達じゃないのかよ!」
「そうだよ。死ねよ!」

 “病”が蝕まれた旗を掲げる。天から地から、新たな死霊が這い出して来る。恭介はもう必死だ。双剣を振り回し、一体の死霊にかかりきりである。
「こいつら! どんだけ出てくるつもりなんや!」
 そのそばを弾丸衾が掠める。
「ひぇっ」
 死霊が蜂の巣にされ、そのまま消し炭にされてしまった。彼は思わず肩を縮めてしまうが、ユーガは気づかない。既に彼女は“病”と対峙する三人の方ばかり見ていたのだ。
「正義の為なら、友情も努力も勝利も大切にするのさ! 行くんだ!」
「荒っぽい友情もあったもんだね。全く……」
 大剣で死神を叩き潰しながら、リィェンは溜め息をつく。ちらりと振り返ると、國光に向かって夜霧の方を顎でしゃくる。
「桜小路、こっちは任せて、向こうに行っていいぜ」
 國光もまた広場の中央を見つめる。斧を構えた春翔に向かって夜霧が突っ込み、何度もナイフを突き出していた。柄や刃で凌いでいたが、肩口や脇腹は血でどす黒く染まっている。
「……助かります」
 軽く頭を下げると、彼は夜霧の方へと駆けだした。リィェンもまた、“相棒”の下へと向かう。
「よう、相棒。手助けはいるかい」
「リーか」
 双銀が並び立つ。馬を引き倒され、地面に降り立っていた“病”は、親指を下にし左拳を突き出す。刹那、倒れた馬は闇に融け、“病”の足下で新たな形を取り戻す。それを見た龍哉は汗を拭って頷いた。
「ああ。思った以上に面倒だ、こいつは」
「意地でも馬からは降りてやらんってわけかい。なら多少のリスクは負っても、一発で仕留めに行くべきかね」
 騎士は振り上げた槍を地面に叩きつけた。二つの銀は素早く飛び退きその一撃を躱す。“病”は大きく槍を振り回し、二人を睥睨する。龍哉は武器を凱謳に持ち替え、切っ先を極に揃える。
「だな。ちょこまか動かれるのも面倒臭い」
「ちょっと。わたし達もいるんですけど?」
 二人でやり取りを続ける龍哉とリィェンの背後、拳銃を構えて京子が立つ。冗談めかして膨らませていた頬を縮め、えくぼを作って得意げに笑う。
『お膳立てはわたし達がやりましょう。なのでお二人は共の一撃にのみ集中してください』
「よし、任せた。狙うのは、奴が攻撃に全力を注いだ瞬間だ」

「君だって、本当は気づいていたんじゃないのか。君が愛した“女性”が、吸血鬼になっていたって事に」
 素早く繰り出される斬撃の応酬。互いに受け流し、また斬りつけながら、國光は夜霧に語り掛ける。夜霧は牙を剥き出し、乱暴にナイフを振るって間合いを切る。
「だったら何だ?」
「君は悲劇の主人公になりたかったんだろう? さっき呟いてたのもリチャード三世じゃないか。神の悪戯に泣き咽んでいれば、君は現実から目を背けられた。君だけに優しい世界の中で生きていられた」
 彼の言葉に、夜霧はふと目を見開く。
「お前に! 何がわかる!」
 激昂して放つ禍々しい波動。どこからともなく響く怨嗟の声が、國光の魂を蝕もうとする。
「わかるさ。誰だって優しい世界を失うのは怖いんだ。どんな形だとしても」
 國光は目を伏せる。兄と慕っていた英雄の消滅と、魂が砕け未だ立ち直れぬ姉。心の奥の無力感が、闇の叫びで掻き立てられた。しかし彼と、それからメテオは抗う。苦界の中で見つけた希望を壊さぬために。
『貴方は悔しかった。そしてきっと、未だに優しい世界で生きている彼が羨ましかった』
「知ったような口を利くな! これは俺だけの心だ! “俺だけのものになった”心だ! お前らの穢れた手に触れられる代物じゃない!」
 喉が切れ、口から血を吐くほどに夜霧は叫んだ。
「殺してやる。殺してやる!」
『モンタギュー・シッカート。君は私を地獄の果てに堕としても満たされやしないだろう。それだけの事を私はした』
 青藍の口を借り、ウォルターは仇敵にとうとうと語り掛ける。怒り、哀れみ。そして誇りが入り混じる声色。
『もうあの時のように許しを請いはしない。私も君を許さない。古き絆の仇。新しき絆の敵。私は貴様を断ち切る』
 刀を構えた青藍が國光と肩を並べる。真面目な顔して、いつもどこだか抜けているミディアンハンター。國光は肩を竦めると、共に低く構えを取る。
「マキナの時みたいな無茶したら、メテオみたいにお仕置きしますよ、澪河さん」
「わかってますよ。あれ痛そうですからね。絶対嫌です」

「今回の愚神は変に拗らせてるみたいだな」
『人間だれしも、違ったものには敏感になるものじゃ。問題はその感情に呑まれる弱さよ』
 國光と夜霧の会話を脇で聞きながら、リィェンは呆れたように唸る。相棒の助太刀に来ただけの彼にしてみればその程度の感情しか湧かないが、一度はその非道な復讐を目の当たりにした龍哉は違った。眉間に皺を寄せ、腹に据えかねた眼差しを送る。
「奴には色々言いたい事がある。ここで決めちまうぞ」
『頼みましたわ、志賀谷さん、アリッサさん』
「ええ、任せて」
 ヴァルトラウテの言葉に合わせ、京子は“病”に向かって白い銃弾を次々に撃ち込む。挑発された蒼の騎士は槍を掲げる。歪んだライヴスが寄り集まり、腐った屍の幻影を形作った。蒼の騎士を旗手にした、死の舞踏が始まろうとしている。
 しかし、その瞬間をこそ彼ら三組は待っていた。
「まずは」
『崩します!』
 二人の素早く放った弾丸が、歪んだ空間の中を飛び交い屍の行進を阻む。その隙に、屍が纏わりつくのも構わずリィェンが一気に踏み込む。
「さぁ騎士さんや……地に足つけてくんないか」
 “極”めた刃が馬の脚を刈り取り、首を斬り飛ばす。馬は骨と化してガラガラと崩れ、騎士は槍だけ持って地面に飛び降りた。しかしその目の前には、両足を石畳の上に踏ん張り大剣を構えた龍哉が立っている。
「呼ばれたばかりで悪いが、そのままお帰り願おうか!」
 輝きを放つ刃を袈裟懸けに叩きつける。重い一撃を前に、その身がぐらりと傾いだ。続けざまに剣を振り上げ、右肩を斬り飛ばす。
「リー!」
「ああ。鬼の一閃、喰らって逝きな!」
 龍哉とリィェンが、擦れ違うように剣を振り抜く。竜が爪で人間を弄ぶように、二筋の光が騎士の身体を真っ二つに引き裂いた。
 “病”の身は宙へ跳び、その身体は黒い屑となって消え去る。同時に、屍の幻影も闇の中へと融けた。
『勇気と蛮勇は、紙一重と言いますが』
 ヴァルトラウテはぽつりと呟く。龍哉とリィェンが互いを見ると、その装いは至る所が黒く蝕まれている。数多の人間を滅ぼした疫病を操る従魔。二人の額には汗が玉のように浮かび始めていた。しかし、まだ立てる。刃も振るえる。
「俺一人ならやらねぇが、何しろ時間を無駄には出来ねぇからな」
「行くかね、龍哉」
「当然」

「どうしたんだ。それで終わりか。まだ俺は立ってるぞ」
 夜霧は歯を剥き出し、挑発するかのように春翔へ語り掛ける。賢者の欠片を口に放り込んで噛み砕き、春翔は夜霧に気迫の籠った満面の笑みを見せつける。
「確かに、このままなら俺は負けるだろうさ」
 彼の傍に、國光、六花、京子が並び立った。銘々の武器を構えて、傷つきながらも強い眼差しで夜霧を見据えている。
「でもなァ、俺のエゴは、俺だけのもんじゃねえんだ」
 龍哉とリィェンが共に並んで大剣を担ぎ、ユーガと恭介もまた春翔と夜霧の間を窺っている。皆が春翔を見ている。それを知ってか知らずか、彼は懐から結晶を取り出す。
「一つ教えてやる。……どんなに醜いエゴでも、誰かが“それでもいい”って言ってくれるなら――」

 春翔の拳の中で結晶が砕かれた。溢れたライヴスが春翔の身に染み渡っていく。

「何としてでも押し通さなきゃいけねェんだよ!」
 刹那、深緋の闘気を纏った春翔は飛び出した。その身が二つに分かれ、巨大な斧が次々に襲い掛かる。夜霧は咄嗟に身を庇うが、勢いに押され姿勢を崩す。
「……そんな事したら、てめぇらだってただじゃ――」
「繋がっているのは、一組だけってわけじゃないさ」
 國光が言い放つと、彼の小手の幻想蝶が輝き始める。六花と京子の幻想蝶からも光が溢れ、それは一条の糸となって春翔の幻想蝶と結びつく。
「倒れたら承知しないぞ、春翔」
「頑張って! 六花もサポートするから!」
「格好いいとこ見せてよ?」
 三人の声援が、ともすれば揺らぎ不安定になろうとする二人の心を支える。斧を盛大に振り回し、春翔は歯を剥き出した。
「……任せろ」
「格好つけやがるな、一ノ瀬も」
「ここはお膳立てに回ってやるか。たまにはそんな役回りもアリかもな」
 反撃に回ろうと武器を振り上げた夜霧の前に、H.O.P.E最強タッグが立ちはだかる。大振りに得物を取り回し、夜霧を一歩も近づけさせない。
「聞いていれば、つくづく御託の好きな奴だな」
『殺された愛人を思い遣るのではなく、奪われた自分を哀れみ、奪った相手を憎む。一緒にされるのは甚だ不愉快ですわ』
 龍哉とヴァルトラウテは怒りに軽蔑に満ちた言葉を夜霧へぶつける。口元をわなわなと震わせながら反論しようとするが、それをリィェンは上から遮る。
「まぁ、俺の手が汚れてると言われりゃ、その通りだ」
「自分が人間の範疇を超えてるなんざ、言われるまでも無い。それは愚神と対峙して、ヴァルと誓約を交わした時に覚悟を決めた事だ。それをうだうだと文句言われる筋合いはねぇ」
「……俺達は、俺達の目指すモノの為に剣を振るうだけだ」
 夜霧の言葉が彼らの心を脅かす事など端から有り得ない。
「あああっ!」
 苦し紛れに、夜霧は二人へ向かって19世紀の怨嗟の声をぶつける。ドロップゾーンの至る所から響き渡る、栄光の陰に押し込められた絶望の叫び声。しかし二人は、一切合切怯む様子を見せなかった。
 その二人の陰から、二人の少女が跳び出す。片や蒼の薄衣を纏った踊り子、片や紅の重鎧を纏った戦士。共に神の槍を掲げ、夜霧に向かってその切っ先を定める。
「口喧嘩なんてもう意味ない。確実に殺る!」
『……身も蓋も無いですね……ですが、仔細違うところなく同感ですわ』
 ユーガはグングニルを天高く掲げる。
「あなただって……、“あの人”の様に誰かの幸せを願う事は出来るはずなのに。なのに、あなたは、誰かを苦しめる事しか考えてない。六花は、そんなあなたを許さない!」
『冬の女神の裁き、受けてみなさい!』
 六花は蒼く輝く雷の槍を生み出し、目の前に構えた。
「貫け、グングニル!」『轟け、冬雷!』
 二人が一斉に放った槍は、夜霧に深々と突き刺さる。苦悶に顔を歪め、天を仰いで絶叫する。刺さった槍を引き抜き放り投げると、噴き出した黒い闇が夜霧の傷口を埋め合わせる。
「不愉快だ。不条理だ!」
 夜霧はエージェントに向かって闇雲に突っ込む。最早彼に、エージェントを嘲り笑うだけの余裕など無い。ただ、彼が暴威と見做したものに革命を試みるだけだ。
 しかし、その自棄が込められたナイフも、京子の放った弾丸が弾いてしまう。
『……最早あなたに感じるのは憤りではなく憐みでしかありません』
『あなたが純粋に復讐を望むだけなら、その意志を尊重して相対する事もあったでしょう。ですが、あなたは自らもわたし達も化け物と言う……その言葉に価値など認めない』
「アリッサはそう言うけど……私はあなたがどう思っていようが気にしないよ? うん。“気にしない”。だから、言いたい事があるなら聞いてあげるよ。これが最期だし」
 京子は微かに笑みを浮かべて尋ねる。気まぐれなノブレス・オブリージュ。しかしそれこそ夜霧は気に食わない。煙に濁る天を指し、夜霧は叫ぶ。
「持ってる奴らは何時だってそうだ。持っていない奴らからも奪うだけ奪いやがって。神は人間を平等に作ったんじゃないのか? なのに見ろよこのザマを! 俺達落ちぶれ者は畜生扱いだ!」
 彼は神をも恨むかのように喚く。襤褸から覗くその身体は、骨と筋ばかりに衰えていた。己こそ19世紀の暗黒を体現するものと言わんばかりに、彼は叫ぶ。
「俺達をそんな目で見てる奴の方が、人でなしに違いないだろうが!」
『……それが貴方の“底”なのね』
 ふと、アリスが溜め息をついた。リンカーを恨み、ウォルターを恨み、化け物呼ばわりを続けた男の根本は、即ち己とは違う者、全てへの恨みだったのだ。
「バカかよ!」
 春翔は高らかに笑い飛ばした。同じように全てを失くしてから這い上がってきた彼にしてみれば、ちゃんちゃらおかしな話だ。
「悪いが、そんな事を言う奴に何かを手にする機会なんか来やしない」
『自分の感情を、自分のエゴを背負うだけで精一杯な人は、手にしたと幻想したモノも、直ぐに失ってしまうわ』
「人間として……人の間に生きるなら、てめぇのエゴだけじゃねぇ。周りのエゴも背負ってなんぼなんだ!」
 斧に取り付けられた巨大な火打石を、勢い良く蹴りつける。飛んだ火花はやがて紅と黒の炎となり、刃を燃え上がらせた。
「決めてください、一ノ瀬さん」
「ごっつい状況やな……でも行くで!」
 恭介と青藍が一足飛びで夜霧に迫る。二人の振るった刃を、満身創痍の夜霧はどうにか躱す。そこへ、青藍の肩を踏み越えた春翔が高々斧を振り上げ突っ込んだ。
「こいつが全員の心だ! 受け取れ!」

 一閃。肩口を切り裂き、骨を砕いた一撃は、夜霧の心臓を叩き潰した。

 断末魔の叫びが広場に響く。斧が突き刺さったまま、夜霧はその場に膝をつく。
「ふざけるなよ。俺だっていたんだ。なのにお前が奪ったんだ、クソ医者め」
『……』
 ウォルターは無言のまま、ただ夜霧を見守っている。
「だから奪ってやったんだ。恨むなら、そうさせたこの世界を恨めよ。俺も、そうする……」
 ふと、ドロップゾーンに朝日が差した。夜霧の身体は、照らされた瞬間灰と化す。

どこからともなく吹いた風が、彼の身を余す事無く浚っていった。

●エピローグ
「あー、死にそう」
『無理して啖呵切ってこのザマとか、カッコ悪ーい』
『動かないでくださいよ。塞がった傷が広がりますから……』
 寝ている春翔の傷の手当てを続けるウォルター。手際はいいが荒いやり口に、春翔は顔を蒼くした。
「いててて! もう、二度とゴメンだ……」
「……ん、六花の冷気、役に立てたりしませんか……?」
『勿論ですよ』
 ぽつりと尋ねる六花。あっけらかんとしたウォルターの言葉に、春翔は蒼くなる。
「待って? 何かヤバくないかそれ……!」

「はっはっは! ついに正義は打ち勝った!」
『お疲れ様です。ユーガ様』
「君もお疲れだ。これが初任務だったんだろう?」
 喜色満面のユーガは恭介の手を取り、ぶんぶんと揺すぶる。軽く撃たれかけた恭介は、背中に冷や汗をかくのを感じながら小さく頷く。
「ええ、まぁ」
「一緒に頑張ろう! 愚神という悪をこれからも叩き潰すんだ!」
 何やら巻き込まれてしまった。玉は小さく溜め息をつく。
『やれやれ、前途は多難じゃのう……』

「今回は助かったぜ、リー」
「ああ。どれだけでも力になってやるさ」
 “病”を真っ二つにした龍哉とリィェンは、互いを労いあう。
『終わってしまったし、次はどうするかのう』
『玉ねぎ畑で従魔が散々暴れているらしいですわ』
「たまにはそういう仕事もいいな」

『いつか……メテオにも、あんな敵が現れるでしょうか? 何も知らないメテオの代わりに、全部知ってる誰かが現れるのでしょうか?』
「……もし、そうなったとしたら……」
 どこか不安げに話す相方の頭を、國光はくしゃくしゃする。その答えは、その時にしかわからない。だから、今ははぐらかす。
「まずは、そいつにメテオの過去を洗いざらい白状してもらおうかな?」

「霧の事件もこれで終わり、だね」
「思えば、志賀谷さんには助けられてばかりでしたね。……ありがとうございます」
 京子達に向かって青藍は深々頭を下げる。アリッサは小さく肩を竦める。
『いえ……それにしても、恨み辛みに付き合うのは気が滅入りましたが』
「どうせ戦うなら熱い好敵手がいい?」
 からかうように京子が尋ねる。とんでもないと首を振り、彼女は東の空を仰ぐ。ドロップゾーンが薄れゆく中に見る朝日は、何にも遮られず晴れ晴れと輝いていた。

『何も起きないのが一番ですよ』

 “The Another” is end.

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結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

  • 生命の意味を知る者
    一ノ瀬 春翔aa3715

重体一覧

参加者

  • ライヴスリンカー
    赤城 龍哉aa0090
    人間|25才|男性|攻撃
  • リライヴァー
    ヴァルトラウテaa0090hero001
    英雄|20才|女性|ドレ
  • 双頭の鶇
    志賀谷 京子aa0150
    人間|18才|女性|命中
  • アストレア
    アリッサ ラウティオラaa0150hero001
    英雄|21才|女性|ジャ
  • 義の拳客
    リィェン・ユーaa0208
    人間|22才|男性|攻撃
  • 義の拳姫
    イン・シェンaa0208hero001
    英雄|26才|女性|ドレ
  • 生命の意味を知る者
    一ノ瀬 春翔aa3715
    人間|25才|男性|攻撃
  • 生の形を守る者
    アリス・レッドクイーンaa3715hero001
    英雄|15才|女性|シャド
  • きっと同じものを見て
    桜小路 國光aa4046
    人間|25才|男性|防御
  • サクラコの剣
    メテオバイザーaa4046hero001
    英雄|18才|女性|ブレ
  • 絶狂正義
    ユーガ・アストレアaa4363
    獣人|16才|女性|攻撃
  • カタストロフィリア
    カルカaa4363hero001
    英雄|22才|女性|カオ
  • 絶対零度の氷雪華
    氷鏡 六花aa4969
    獣人|11才|女性|攻撃
  • シベリアの女神
    アルヴィナ・ヴェラスネーシュカaa4969hero001
    英雄|18才|女性|ソフィ
  • エージェント
    獅童 恭介aa5207
    人間|26才|男性|攻撃
  • エージェント
    aa5207hero001
    英雄|11才|女性|ドレ
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