本部

紫色の亡霊

影絵 企我

形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
9人 / 4~9人
英雄
9人 / 0~9人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2017/01/21 22:29

掲示板

オープニング

●絶望の家
 酒の臭いがツンと漂う一軒の家。一人の男がロッキングチェアにもたれて酒を呷り続けていた。その目は透き通っている。死んだ湖のように、美しく。
 それはスナイパーの宿命とも言えた。北方で展開される作戦に参加していた彼は、持ち前の狙撃能力を以て任務の遂行に貢献していたが、スナイパーは時に孤立する。その孤立を敵に襲われると、太刀打ち出来ない。
 脳挫傷。治療のお陰で生還だけは成し遂げた。しかし、その代わりに彼は大切なものを失った。スナイパーの宝、鷹のように鋭い眼だ。
 サイバネティクスの発展は、失われた眼を蘇らせることも可能とする。しかし、彼は眼を取り戻すことは出来ない。眼そのものを取り替えても、根っこにある視覚野が死んでいたら、意味がない。脳機能を補えるほど、サイバネティクスはまだ発達していない。共鳴しても……彼は目の前に広がる歪んだ世界を抱いて、希望の外へと消えた。
「……」
 無言で男は酒を呷る。隣にいるべきパートナーは追い払った。能力者一人で二人の英雄を抱え込める時代だ。誰かが拾ってくれるだろう、と。後悔など微塵もない。あるとしたら無念だけだ。腕利きのスナイパーだった彼が、こんなところで酒を飲んでいるだけの無能力者になってしまったのだから。

 そんな人間の元にこそ、かの愚神は現れる。

「……貴方の心に闇が見えます。映してみませんか、その闇を……」


●絶望の街
 新しい年を迎えた街に悲鳴が響いた。紫色の弾丸が飛び抜け、白い雪を緋色に染めていく。雪崩を打って人々は地下へと逃れていく。
「はっ、はっ、はっ……」
 必死に走る一家の背に向かって、海月のような従魔が迫る。

「ふ、ふふふ……」

 街の中心に建つビルから放たれた紫色の弾丸。海月が触腕を伸ばすと、その弾丸は一家をめがけて大きく弧を描く。
「させるか!」
 大きな盾を構えたエージェントが飛び出し、弾丸と一家の間に割って入る。その弾丸は、エージェントの突き出す盾に向かって突っ込んでいく。

「……!」
 エージェントは呆然と立ち尽くす。盾には傷一つ無い。彼の背後には、血に染まって倒れる一家の姿があった。

「ひ、ひひ……ムラサキ、ムラサキだ。俺はムラサキなんだ……!」
 既に人としての心を失った男は、よだれを垂らしながら次弾を装填する。そんな彼を背後で見つめながら、黒装束の愚神はポツリと呟く。
「世は無常。誇り高き心は移ろい、やがて大罪なる傲慢へと変わる……哀れなものです」


●希望を求めて
「下野平祐。かつて私と誓いを結んでいた方です」
 郊外に設けられた対策本部。その天幕の中で、鷹のような雰囲気を持つ青年が周囲に向かって告げる。
「彼は戦えなくなった自分に絶望し、私との誓約も断ち切り一人となりました。今の主人に厚意を賜り今もこうしてこの世におりますが……彼のことはずっと気掛かりでした。……まさかこのように再会することになるとは……」
「御託はいい。今はあの街をどう解放するか考える時間だ!」
 一人が叫ぶ。魔弾の射手となった下野平祐によって街の中心は制圧され、人々は地下に引き籠るしか無い有様だった。このままでは街は経済的に大打撃を受ける。一刻も早く解放しなければならなかった。
「立て籠もる場所は分かっています。全員に盾を支給して突撃――」
「馬鹿を言え。”アイツが操る銃弾は付近を滞留するクラゲ型の従魔によって操作され、回避は難しい。”弾道を見切れるほどのエージェントが来ればわからんが……」
「む……」
「ならまずクラゲを破壊……」
「バカ言うな。あんな上空にいては近づく事すら難しい。ついでに下野からの援護射撃と来た。死ぬぞ」
「スナイパーにはスナイパーを――」
「馬鹿! 1.5km先から狙いを付けられるAGWがどこにある!」

「……ありますよ。一挺だけ」

 大人が喧々諤々の議論を続ける中、折りたたみ椅子にもたれかかったまま、したり顔で少女、仁科恭佳は呟いた。大人達は振り返り、信じられないといった顔で彼女を睨む。
「冗談言ってる場合じゃない! あのビルから周囲1.5kmは射程圏内なんだぞ! どんな銃も届くわけないだろう!」
「そうですね。皆さんが頭の中に叩き込んでいる種類の銃は全てライヴスの塊を撃ち出す銃です。弾は威力減衰どころか消滅するでしょう。ですが、実弾を使う銃ならどうでしょうか」
「お前……まさか!」
 恭佳の上司は顔を顰める。ここぞとばかりに勝ち誇った笑みを浮かべ、恭佳はブローチの幻想蝶から長銃身の白いライフルを取り出す。
「だから言ったんですよ。殺られる前に殺る事を目指せって」
「スカパードレールガン……仁科、棄ててなかったのか」
 恭佳とチームを組んでいる青年は、白いライフルを見つめてぽつりと呟く。彼女がリンカーとなり、さらに加速させた才能が作り上げた一つ目の武器。かつて見た抜刀術に彼女が感銘を受けて作り上げた、遠距離狙撃に堪えうる弾速を実現したレールガン。だが、その本質はそれが撃ちだす弾。超小型のAGWとも呼べる、霊石を用いて射手のライヴスを長く滞留させる仕組みのライヴスカートリッジ弾だ。これによって、射手の腕次第で、果てなき射程を実現した。ただし威力はお察し、そのくせコストがかかり、ついでに恭佳しか作れないという事で上からはすっぱりと切り捨てられてしまっていたのである。だが、そんな事で、彼女が諦めるわけも無かったのだ。
「この武器は絶対に役に立つ。そう言ったでしょう」
 慈しむように自らの発明品を撫で、恭佳はふっと笑みを消す。
「さっさと呼んでください。悪魔ザミエルも仰天するようなエージェントを」

解説

メイン:都市を魔弾によって制圧した下野平祐を討伐する
サブ:愚神unknownに100以上のダメージを与えて負傷撤退させる(難易度高)

エネミー
下野平祐
脅威:ケントゥリオ級相当
ステータス:命中S、物攻B、他C-D
特徴、武器
傲慢
 彼は自らこそ最強の狙撃手だという自負があった。その自負はいつしか傲慢に他を見下し、自らを慰めるようになった。下野が標的の射程外から攻撃を加えた時、標的の物防を半分にしてダメージ計算を行う。また、ヘイトは必ず最後にダメージを与えたキャラへ向く。(無傷時は完全ランダム)
レミントン
 失明する以前に使用していた彼の狙撃銃型AGV。射程0~500sq。
スキル
Der Freischuetz
 発射した弾丸を意のままに操作する事の出来る能力。彼が放った紫色の弾丸は、彼の意のままに動き敵を貫く。弾道思考を持っているキャラクターと、その周囲2sq以内にいるキャラクターのみ防御、回避、カバーリングを行うことが出来る。弾道思考の強化版。

クラゲ型従魔×10
上空10mほどに滞留しているクラゲ型の従魔。この従魔を中心とした半径100sqの球体空間に入った下野の弾丸は、この従魔のライヴスを受けて威力減衰なく操ることが出来る。

unknown
『シューメイカー事件』にて姿を現した新たな愚神。自らを鏡と名乗り、鏡を操る以外にその性質は何も明らかとなっていない。人の闇を映すが使命と嘯いている。
脅威:不明
ステータス:不明
スキル
紅い鏡?
攻撃を受け止める際に使用した。効果不明。
蒼い鏡?
攻撃を加える際に使用した。効果不明。

シナリオ専用武器
スカパードレールガン
ステータス補正なし、最大射程1000sq。ただし(使用者の命中/2)sq以上離れた相手への攻撃は命中判定に失敗する。

ライヴスカートリッジ弾×5
距離に関係なく敵に3ダメージ与える。この攻撃でトドメを刺すことはできない。

フィールド
ビル街。碁盤の目区画。

リプレイ

●Tri-0-Sniper
「スナイパー対決か。……これもロマンだな」
『(……ん、どちらが上だろう、ね?)』

 白銀の銃を構え、ユフォアリーヤ(aa0452hero001)と共鳴した麻生 遊夜(aa0452)は街の中心に聳えるビルを見上げた。その最上階には、正気を失った哀れなスナイパーがいる。スコープ越しに見える男は、血の涙を流していた。
「……」
 遊夜は眼を失った者同士、シンパシーを感じていた。ユーヤと出会い、がむしゃらに生きてきた自分。相方と共に生き、その果てに全てを失った下野。二人はコインの表裏だ。
「(失ったものはデカいだろうが、アンタは歩みを止めるべきじゃなかったんだ)」
『(……ん、『歪んだ眼』で、……周りが見えてなかった、ね)』
「(ああ。ここで、止めてやらんとな)」
 狼の耳が震え、赤い眼が鈍く光る。銃のグリップに力を籠める。その隣にすくと立つのは扇を構えた泉 杏樹(aa0045)。遊夜を守るために、ぴりぴりと感覚を研ぎ澄ませていた。
「麻生さん、杏樹が、お守り、する、です」
「ああ、頼む」
『(全力でサポートいたしますので、お嬢様は味方を守る事に集中してくださいませ)』
 榊 守(aa0045hero001)の支えを受け、杏樹は恐れる事無く立つのだった。


『(残るは最後のプライドだけ、か)』
「なんだか少し、可哀想ですね……」
『(ここで終わらせてやれ。それがせめてもの手向けだ)』
 紫 征四郎(aa0076)とガルー・A・A(aa0076hero001)は、共鳴した状態でビルを見上げた。眉間に皺が寄り、桃色の瞳に強い光が宿る。心を壊された、哀れな男に、救済を与えなければ――
「うー、マジでやんの?」
『そうですよ。そのために来たんですから。能力者たるもの仕事をしなければ』
「うるさい! 年末気分な名前しやがって」
 その隣の漫才。五十嵐 五十鈴(aa4705)と十二月三十一日 午前九時(aa4705hero002)が戦いを前に共鳴したままぺらぺら口喧嘩を繰り広げていた。額を軽く押さえ、征四郎はそんな彼らに向かってぽつりと話しかける。
「あの……危険な相手ですので、真剣に」
『お任せください。(……ほら、あなたのせいで引かれていますよ)』
「(てめーだ)」
 タツミはさらりと取り繕い、水面下で煽り合いを続行する。征四郎は心配げにそんな彼らの様子を見つめていたが、何時までも見ていられない。中央のビルを目指し、彼は風となって駆けだした。
『ほら、行きましたよ!』
「ええい、くそっ!」
 五十鈴もとうとう諦め、征四郎の後を追った。

「自己顕示欲の強いスナイパーってのも新しいね」
『それが個性というものなのでは? マスター』
木霊・C・リュカ(aa0068)と凛道(aa0068hero002)は、路地の狭間からビルを見上げてぽつぽつと語り合う。リュカは、世界が見えない哀しみは知っている。だが世界を見失う苦しみまでは知らない。彼の苦しみが紡ぐ物語に想いを馳せつつ、二人は静かに歩き出す。
「……それじゃあ、行こうか」
『ええ』
 二人の姿は静かに融け合い、深蒼の髪を持つ一人の青年となった。

「(下野がマックス、愚神はザミエルと言ったところか)」
『(あんな遠距離からの攻撃なんて、防ぎようが無い気がする……)』
「(麻生が働いてくれる。俺達は役目を全うするだけだ)」
 共鳴を終え、御神 恭也(aa0127)と伊邪那美(aa0127hero001)は、ライフルの調子を確かめながら空に浮かぶクラゲを睨みつける。傍にはグワルウェン(aa4591hero001)。金色の狐耳をぴんと立て、ガウェは手を差し出す。
『ま、よろしく頼むぜ』
「……ああ」
 恭也は小さく答えてその手を取る。その沈着冷静な仕草を見て、ガウェは思わず中の伴 日々輝(aa4591)をせっつく。
『(こいつお前にそっくりだな)』
「(……そうかな。ともあれ彼は俺達の先輩だ。粗相はしないでくれよ)」
『(アイアイ)』
 慎重な相棒の言葉に適当な受け答えをし、彼はビルへ向かって駆けだす。その視線は、彼方のビルに注がれる。
「(にしても、1600ヤードも撃てる弓兵なんてな)」
『(銃兵だ。ちなみに銃の発達は騎兵の衰退理由の一つだよ、ガウェ)』
「(嘘だろ……)」

「ああ……来た、来たぞ……」
 ビルの最上階、クラゲの張るライヴスフィールドに飛び込んできた征四郎と五十鈴を察知し下野は涎を垂らしながら唸る。紫色の弾丸を創造し、銃身に装填、スコープに目を押し当て狙いを定める。眼を失った彼の行為に意味など無い。全ては宗教的な儀礼行為。“ただそこに居るであろう”獲物に狙いを定め、下野は引き金を――

「コイツで俺らが、HOPEの記録保持者だ」

 甲高い音が空気を震わす。ライヴスフィールドを貫く一発の閃光。しかし下野は反応も出来ぬまま、蒼弾を喰らった。勢いに負けて下野は仰け反り、弾丸は砕け散る。
「……誰だ! 誰だ今のムラサキは!」
 下野は弾道から敵を探り、クラゲを飛ばす。その先に居座るは、得物を構えて屈む一人の男。自分に向かって銃身を、顔をぴったりと向けている。
「ムラサキ……ムラサキ! そうか貴様も……!」
 歯を獣のように剥き出し、下野はライフルを構えた。

「弾着、確認……とんだじゃじゃ馬だな、こいつは」
『(……ん、でも届く。当たる……ボク達は、外さない……ふふ)』
 遊夜は僅かに青く光る銃弾を再び込める。一メートルに近い銃身が、薄明光線を受けて歪に光った。
「麻生さん! クラゲが、こっちに!」
 杏樹が叫ぶ。見れば、宙を舞うクラゲが二人に向かって殺到していた。瞬間に察知する、強いライヴスの波動。
『(来る……)』
「うなじだ、泉さん」
 紫色の波動を纏った弾丸が、螺旋を描きながら遊夜に向かって飛んでくる。遊夜は懐の拳銃を早抜きして弾丸に狙いを定めようとする。刹那、弾丸は大きく軌道を変え、遊夜の背後に回り込み――

「仲間を守る、壁に……!」

 差し出された扇が弾丸を鋭く受け止める。その瞬間にライヴスが弾け、杏樹の腕を僅かに傷つけた。しかしその程度で彼女は怯まない。二つの脚でしっかりと立つ。クラゲはその場で動きを止め、遊夜に向かって挑発的に触手を伸ばした。

「撃ち貫け、ドラゴンウイング!」

 瞬間、紅のオーラを纏った矢がクラゲの中心を真っ直ぐに貫き、それは体液を激しくぶち撒いて消えた。剛弓を手に取り、白銀の外套を靡かせ紅蓮の鎧を纏った勇士――飛岡 豪(aa4056)・ガイ・フィールグッド(aa4056hero001)は堂々と仁王立ちして叫んだ。
「天空さえ焦がす竜の翼に、海月風情が敵うと思うな!」
「……よし」
 遊夜は再び引き金を引いた。その瞬間に銃身は光り輝き、稲妻と共に弾丸が飛び出した。空を裂き、彗星の尾を曳きながら飛んだ弾丸は、下野の心臓辺りに直撃する。
「さあ……こっちに来い」
 遊夜は身を起こすと、ビルに向かって挑発的なジェスチャーを送る。それに応じるかのように紫色の弾丸が飛び、杏樹はすかさずそこへ割り込んで弾を防ぐ。杏樹の様子をちらりと窺い、遊夜は再び弾を込める。
「それでいい、俺だけを見ていろ」
『(むぅ……)』
 そんなことを常々言ってほしいユーヤは若干複雑であった。

「うーん……上はもう派手にやってるみたいだなぁ……」
 ビル下に待ち構える高圧放水車。既に運転席へ陣取り、クラッチの感覚やハンドルの具合を確かめながら荒木 拓海(aa1049)はぽつりと呟く。万一に備えてメリッサ インガルズ(aa1049hero001)とは共鳴済だ。
『(名スナイパーね……彼にとって射撃は誰かを守る為の手段ではなく自分を誇示するものだったのかしら? だとしたら、弱いわ)』
 メリッサは拓海の中で呆れたように呟く。拓海はハンドルにもたれ掛かり、小さく首を振る。
「(人にはさ、何かしら弱い部分が……)」
『(何よ……私が人じゃないみたいに)』
 彼女の拗ねた気持ちがダイレクトに伝わってくる。拓海はびくりと跳ね、目を白黒させて取り繕う。
「(い、いや! そんな事言ってないよ? あの、機嫌を直して……)」
『(……みんなが来たわ)』
 メリッサが呟くと同時に、ビルの屋上から三組が降ってくる。彼らはどうにか着地を決め、素早く放水車の砲台へよじ登っていく。
「拓海、飛ばしてくれ」
 無線から豪の声。緩んだ表情を一気に引き締め、拓海はアクセルを踏んだ。乗り捨てられた車をすり抜け、路地も通りながら、巧みにハンドルを捌いて寒空の下を突き進む。
『(そんなに飛ばして大丈夫?)』
「何とかなる! それに、急がなきゃ上のみんなもまずいからね!」

●Close The Eyes
「……ムラサキになれ。……俺より強いムラサキなんて!」
 下野は遊夜に向かって次々弾丸を撃ち込んでいく。その度に、隣の杏樹に阻まれる。クラゲに躱させてはいるが、豪の放つ矢も煩い。下野は苛立って呻き、荒々しく銃を構え直した。
「ムラサキ……忌々しい。何故ムラサキが傍に居る、ムラサキめ……!」

「恭也さん、伴さん、無事そうで何よりです」
「征四郎達も無傷か。作戦が功を奏しているようだな」
 ビルの下では、護衛組以外の五人が既に集結していた。遊夜側が囮になったお陰で、彼らは弾丸を免れビルの下まで辿り着く事が出来た。鉛色の空を見上げ、若干落ち着いた気配を覗かせるガウェは四人を見渡す。
『で、どうすんだ。このまま五人で突っ込むのか? それとも待つのか?』
「待ってた方がいい! 五人で何とかなるかわからないし!」
『五十鈴は黙っていなさい。どうせ役に立たないんですから』
 五十鈴の即答。容赦ないタツミ。凛道はしばし戸惑った様子でその様子を眺めていたが、やがてリュカの言葉を聞いて小さく頷く。
『先行しましょう。麻生さん達の到着を待っていては囮になっていただいた意味がありませんし、何より危険にさらす時間を長引かせる事になります』
「……なるほど。待機しようとも思いましたが、確かにその方が良いかもしれません」
 征四郎が同調したちょうどその時、懐の通信機から豪の声が響く。
「こちら護衛組! これ以上車では進めない! これより足で急行する!」
「問答するまでもないな。彼らが麻生を守っているだろうが限界はある。……制圧だ」
 五人は固く閉ざされた自動ドアのガラスを叩き割り、中へと乗り込んでいった。


「……!」
 飛んでくる弾丸から、杏樹は遊夜を庇う。何発弾丸を貰おうと大した事は無いが、紙一重の攻防を長く強いられ、少しずつ疲労が溜まってきていた。雪に足を取られ、僅かにふらつく。振り返った拓海はそれに気づき、慌てて駆け寄った。
「アン!」
「大丈夫、です。少し、躓いただけ――」
「右から来る!」
 休む間もなく次の弾丸が飛んできた。杏樹は言われるがままに飛び込み、身を挺して弾丸を止める。その姿を拓海は見ていられなくなってきた。
「そろそろカバー役を……」
「いや、荒木さんはクラゲを狙ってくれ。数が無いと撃ち落とせない!」
 銃をアルパカに持ち替えた麻生は、頭上にふわりと浮かぶクラゲに向かって撃ちかける。しかしクラゲはまるで風にでも吹かれたかのような動きでそれを躱してしまう。
「ファイヤー!」
 立て続けに豪が紅蓮の矢を放つが、それもクラゲはひょいと躱してしまった。
「くそっ!」
 ままならない。拓海はアサルトライフルの引き金を絞った。散らばった弾丸をクラゲは避けきれず、次々弾丸を受けて墜落していく。
「アンごめん。任せたよ!」
「はい……!」


『……準備はよろしいですね。次の銃声と同時に突入します』
 最上階に辿り着いた凛道達は、銃声の響く部屋の前に立って突入の期を窺っていた。各々武器を構え、息を殺す。
「……ムラサキ、ムラサキ!」
 下野の叫びと共に弾けた一発の銃声。刹那、凛道と征四郎は思い切り刃を振るって扉を吹き飛ばした。
「先手必勝! 喰らえオラァ!」
 突っ込んだ五十鈴は早速下野に向かって魔法をぶっ放す。低く構えていた下野がそれを躱せるわけもなく、顔面に一撃を貰ってしまった。血の涙を散らし、下野は金切り声を上げる。
「貴様ァッ!」
「うわわ!?」
『完全に狙われましたね……』

「(愚神は……見当たらんか)」
『(きっとどこかに隠れて観察しているんだよ。趣味悪い……)』
「(ならば……!)」

「最後の弾丸は撃たせん!」
 一気に間合いを詰め、恭也は下野の銃目掛けて重い一閃を見舞う。近づかれては只の案山子、ろくな抵抗も出来ずに銃は弾き飛ばされた。下野は反射的に飛び出し、銃を引っ掴んで素早く構える。
「ムラサキになれェ!」
 至近距離の弾丸。恭也は身を庇い、冷静に急所を避ける。下野は目を剥き舌打ちするが、そのせいで傍に迫る凛道に気付けない。

『罪には罰を、驕慢には正義の刃を』

 鎌で放つ鋭い足払い。下野は紙一重で避け、返しに弾丸を撃ち込む。しかしその体勢はすっかり崩れ、追撃を狙うガウェとガルーに挟まれても、為す術無く見ている他なかった。
『ここまで近づきゃ、こっちが有利だな!』
「(油断はするなよ)」
 大剣を振るうガウェ。下野はまともに喰らい、壁に向かって吹っ飛んだ。背中を激しく打ちつけて呻く下野だったが、必死に銃を構えて引き金を引く。魔弾は蠢き、ガウェに向かって吸い込まれる。さらに下野は弾丸を込めるが、その前にガルーが眼前へ立ちはだかった。胸に銃口が突き付けられても、ガルーは怯まず弓を引く。
『さぁ散れ。尊きプライドと共に生き、殉じて死ぬなら本望だろ』
「……あぁ。俺はムラサキだ。やはり、ムラサキで死んでいく……」

 弦と銃声、二つの音が交錯した。

 ガルーは仰け反りながらもその場に踏ん張った。しかし下野は毬のように力なく跳ねる。虚ろな目をしたまま、彼は床にどさりと倒れ込んだ。力の抜けた手から、銃が落ちる。外に浮かぶクラゲも、残らず破裂し飛び散った。
「お、おのれ……」
 下野から愚神が飛び出す。人狼の実体を取り戻したそれは、忌々しげに唸った。全身の毛も逆立つ。
「ようやく実体を得たのだ。こんなところで貴様らにやられるわけには……いかん!」
 人狼は尻尾を丸め、不意を突いてリンカー達の間をすり抜ける。そのままビルの窓を目指して駆けるが、そこへ素早く一つの影が割って入った。


●幽霊
「Kylie eleison」

 山高帽にインバネスコートのそれは、人狼に向かって右手を突き出す。その瞬間に放たれた蒼い光が鏡となり、人狼を映す。鏡の内の自分を見つめ、人狼は泡を喰って叫ぶ。
「お、おい、待たないか! 俺は……」
「……待ちません。私は愚神の行く末などには興味などない」
 氷のように冷たい声色。刹那、フェンリルと見紛う巨大な影が人狼に向かって飛び出し、呆気無く人狼を一飲みにしてしまった。

「あああああっ!」

 愚神が愚神を喰らう。突然の出来事にリンカー達は思わず立ち尽くし、ただ眺めている事しか出来なかった。やがて人狼の悲鳴は止み、フェンリルは消え去る。後には、顔を白い包帯で覆いつくした不気味な愚神だけが残った。
「みんな! って、これ、は……?」
『(ただ事じゃない事が起こったみたいね……)』
 最上階に乗り込んだ拓海達は、対峙する愚神と仲間達を見渡し言葉を失う。続いて飛び込んできた麻生は、何も言わずに銃を構える。
「また、お会いしました……ですね」
 扇を構えた杏樹が、静々と愚神の前に進み出る。愚神はちらりと顔を向け、ようやく身じろぎした。包帯を掴んでずりおろし、彼は紫に輝く眼を露わにする。杏樹も紫金の両眼を輝かせ、扇をふわりと構えた。
「……闇を映す貴方の鏡に、杏樹の心は、映せますか? 杏樹の心に、闇はない、です。紫は、杏樹の色。でも決して、ムラサキには、染まらない、です」
「誰の心にも闇は有ります。闇があるが故に光があるのですから」
 二人が睨み合いを続ける中、深紅の影が部屋の中へと突っ込んで来た。それは杏樹の隣に降り立つと、巨大な盾を振るって愚神を睨む。
「闇を祓う赤色巨星、爆炎竜装ゴーガイン! 愚神、これ以上貴様の好きにはさせん」
「……ふむ。これはまた」
 九人は武器を構え、愚神に向かってじりじり間合いを詰めた。愚神はどうするでもなく立ち尽くす。
「愚神、人は誰しも闇があって、それでも懸命に生きているのです。……それはその人だけの心。貴方が玩具にしていいものではありません!」
『人は愚かで哀しいところもある……ですが、今回そうしたのは貴方でしょう』
 征四郎と凛道は真っ先に飛び出した。凛道が正面を取り、脇から征四郎が踏み込んでいく。愚神はちらりと二人を見渡すと、凛道の大鎌に合わせて深紅の鏡を張った。構わず凛道は鎌を鏡に向かって叩きつける。深紅の鏡は僅かに罅割れ、愚神は後ろへよろめく。その隙をついて、征四郎は鉄槌で殴り掛かった。
「これでどうです!」
 愚神は罅割れた深紅の鏡を征四郎へ振り向ける。鉄槌は深紅の鏡をぶち砕き、そのまま背後にいる愚神さえ――
「!?」
 しかし、愚神もまた硝子細工のように砕け散った。手応えの無さに呆然としていると、砕けた硝子はするすると集まって再び形を成す。
「玩具にしているとは心外。己が闇を見つめ、深めれば深めるほど、やがて見出した光は強く輝く。私はそれを望んでいる……深まる闇に堪えきれず、心を壊す者もおりますが」
『それを玩具にしてるって言うんだろ!』
 ガウェは叫び、鋭く踏み込む。繰り出された切り上げを、愚神はひょいと躱す。しかしそれはフェイク、ガウェは鋭い足払いを見舞う。愚神は鏡を張る間もなくその場に崩れる。そこへ彼は再び大剣を振り下ろした。
「……少々油断しました」
 愚神は紅鏡を張る。重い一撃を前に再び毀れ、愚神はその場から動けない。
「コイツも喰らっておくんだな」
 遊夜もさらに追撃を見舞う。至近距離にワープした、避けようのない弾丸。愚神は割れかけた鏡で必死に凌ぐ。
「喜びを手放さなければならなかった者の心、抉るのは楽しかったか?」
その隙に迫った拓海は怒りを鬼神の力と変え、斧槍を猛然と振りかぶる。愚神はそれを見上げ、さっと破鏡を合わせた。巨大な刃は、鏡ごと愚神を叩き割る。しかし、拓海は跳ね返ってきた手の内の感覚に愕然となった。
「……!」
『(手応えが……ない)』
 一瞬の後、拓海の目の前で破片が組み上がり、再び愚神は形を取り戻す。それは紫色の眼で、探るように拓海を眺めていた。
「希望を失くしただけでは救いを得られません。己が闇を見つめ、深く入り果て、絶望の涯になお光を見出した時にこそ、真の救いは得られるのです」
「ならこの宿題何とかしやがれ!」
 屁理屈こねくる愚神に、五十鈴は魔法を叩き込む。愚神は鏡も張ってその一撃を受け止めた。びくともしない。愚神は真剣に憐れむような目を向けた。
「な、何なのよ! 他と態度が違う!」
「……毎朝鏡を見つめ、『お前は誰だ』と唱えなさい。さすれば……」
『それヤバいやつなんですが』
 愚神は五十鈴の方を見て溜め息をつき、包帯をさらに降ろして両目を露わにする。両の紫眼が、歪に輝く。
「皆様はまだ私を必要としていない。故にそろそろ暇乞いを……」
「させるわけないだろう」
 背後を取った恭也が、既に大剣を愚神に振り下ろしていた。しかし、不意に深紅の鏡は現れ、太刀筋を止める事も出来ないまま鏡をバラバラにする。愚神もバラバラに割れ、直ぐに新たな姿を築いた。
「困ったものです」
 愚神は手を征四郎の方へと伸ばし、蒼い鏡を創り出す。そこへ杏樹が割り込んだ。彼女もまた手にライヴスを集め、鏡を創る。
「鏡には、鏡……なの。その姿、自分で見て、くだ、さ――」

 二枚の鏡が向かい合う。愚神が映る。杏樹が映る。愚神が、杏樹が、無数の愚神と杏樹が、無限遠の彼方まで映り込み、闇の中で融ける。

突如、杏樹の意識に楔が打たれた。目の前が真っ暗になり、彼女はどさりとその場へ崩れ落ちる。杏樹は起き上がろうとするが、まるで力が入らない。
「か、からだに、ちから、が……あたまも、ぼんやり……して……」
『(……御嬢? 御嬢! 気をしっかり持て!)』
 錯乱している杏樹に、守は執事の姿をかなぐり捨てて叫ぶ。しかしその言葉は届かない。愚神は冷酷にその様を見下ろし、淡々と呟いた。
「Wenn du lange in einen Abgrund blickst, blickt der Abgrund auch in dich hinein……」
 周囲が戸惑っているうちに、蒼い鏡から大剣を構えた少女の影が飛び出す。それは杏樹を乗り越え、真っ直ぐ征四郎へと突進した。征四郎は慌てて槌の柄で受け止めるが、必死の一撃は征四郎を激しく押し込み、壁にひびが入るほどの勢いで叩きつける。
「くっ……!」
「貴様、よくも杏樹と征四郎を!」
 豪は吼えると、オロチを構えて突撃した。疾風怒濤、豪は荒々しく技を繰り出す。
「友を傷つけられた竜の怒りを受けろ!」
 深紅の鎧に包まれた身を躍らせ、繰り出された紅の鏡に、思い切り豪はオロチを叩きつけた。一点を狙った寸分狂いの無い三連撃。しかし、粉々に割れる破鏡はそれをも受け流してしまった――


「皆様は、己が闇に堪える光を持っている……ですがその光は、必ず闇を強くする。そこの貴方は親に己を認めてもらいたいようですが……」
 己を再構築した愚神は、包帯の隙間から得体の知れない正体を覗かせながら、征四郎に目を向ける。
「この戦いの果てにその時が訪れるのなら僥倖、そうでなければ……」
「自分ががらんどうのくせに、わかったようなことを言わないでください!」
「がらんどうとなってこそ、見えるものもあるのです」
 征四郎は斬りかかるが、愚神はその前に窓ガラスを叩き割り、そのまま地上へと堕ちる。彼はみるみる小さくなっていき、やがて薄曇りの雪景色の中に紛れて見えなくなった。
 それを見下ろし、征四郎は窓べりに拳を振り下ろした。
「くぅ……!」
『(堪えろ、今は堪えておけ……)』

●愚神ムラサキカガミ
『厄災は去った、翳りは消えた。落ち着いて、地上へ向かえ』
 地下鉄駅へ向かった日々輝とガウェ。人々を解放し、外へ導いていた。安堵に包まれた彼らの姿を見つめながら、ガウェは日々輝に向かって尋ねる。
『俺は死んでも、“いつか”を諦めなければ輝きは取り戻せるって信じてる。……あいつも、取り戻せるよな。ヒビキ』
「……ああ。そうだと思う」


「……」
『なぁ、目を醒ませよ。生きてるなら夢はまた見られるんだぜ? おい。夢なんて最初は見えないモンなんだ。だから、自分で新しく切り開けよ』
 ガイは虚ろな目で宙を見つめる下野に、必死に話しかける。壊れた操り人形のようになってしまった彼の肩を掴み、目を覗き込んで訴えかける。だが、下野は何の反応も返さない。
『な、平祐。それじゃダメだ』
 思わず強く揺すぶりかけたが、それを豪は静かに制する。そのまま豪はガイの隣に跪くと、彼の手をそっと取り、静かに熱く語り掛けた。
「平祐……生きている限り、きっと君は立ち上がれる。どれだけ時間がかかっても俺達は待っている……」

「アン、大丈夫かい?」
『杏樹さん……』
「う……く。悔しい、です」
 拓海とリサの介抱でどうにか気を取り戻した杏樹は、顔を歪めて唇を噛む。守も重苦しく眉間に皺を寄せた。
『鏡に鏡で立ち向かうのは分が悪かったようですね。これからは気を付けなければ』
「問題はあの赤い鏡だよ。本気の一撃だったのに、まるで手応えが……」
 拓海達は右手を見つめる。一閃を叩き込んだ瞬間、まるで力を吸い取られたような、奇妙な感覚が過ぎっていた。征四郎とガルーも、深刻な面持ちで拳を固める。
「ゆるせないのですよ。人のこと、わかったように……!」
『落ち着けって。あの鏡が一体何なのかを知らないと、どうにもな……』
「……あの鏡は、恭ちゃんやせーちゃん、拓海くんのように、力が強ければ強いほどその力を発揮してたように見えるね」
『逆に、僕達や伴さんみたいなレベルの攻撃だと、それほどには見えませんでしたね……』
 戦闘の中でも冷静に状況を見つめていたリュカと凛道は、鏡の挙動を振り返る。紅の鏡を強く割れば割るほど、愚神は平然としていた。恭也もまた、自分が愚神に見舞った一撃を思い起こす。
「こちらが強ければ強いほど、か。俺達が攻撃に掛けるライヴスを吸収し、防御力に転嫁している事も考えられるか……?」
『あの鏡を割らないくらいで、一撃を叩き込まないと、か……厄介だね……』
 伊邪那美は腕組みして首を傾げる。
「蒼の鏡の方は……まだ情報量が少ないな。まだアレを仕留めるには難しいか……?」
『……今回は、ダメでも、次も、ダメでも、きっといつか、仕留める……』
 結局攻撃を受けたのは征四郎一人。じっくりとその攻撃を見定めていた遊夜だったが、結局詳しい事はわからずじまい、溜め息交じりに頭を掻く。ユーヤはそんな遊夜に寄り添い、ぽつりと囁いた。
「ああ。そうだな――」

「ムラサキカガミ! ヤバい!」

 不意に五十鈴が叫ぶ。タツミは呆れ果て、彼女が見つめるスマートフォンを覗き込んだ。そこには都市伝説のサイトが開かれている。
『いきなり叫んでどうしたんですか』
「だって! あいつムラサキカガミじゃん! 忘れなきゃ……二十歳になる前に忘れなきゃ……」
『ムラサキカガミ……ですか。都市伝説にありましたね。そのような話が。……奴には相応しい名前かもしれません』
 そのやり取りを見つめていた守は、目を閉じて顎をさする。杏樹は顔を顰めて両手を握りしめた。
「ムラサキ、カガミ……絶対に、許さない、です」
『ああ! 絶対に倒す! 下野の仇を討たねえとな!』
「そうだね。……あの鷹の目の英雄さんの為にも……」
 ガイと拓海は戦う決意を固めて手を取り合う。他のリンカー達も、思い思いにムラサキカガミへの闘志を燃やすのだった。

 “The Violet Mirror” continued…

結果

シナリオ成功度 普通

MVP一覧

  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
  • Iris
    伴 日々輝aa4591

重体一覧

参加者

  • 藤の華
    泉 杏樹aa0045
    人間|18才|女性|生命
  • Black coat
    榊 守aa0045hero001
    英雄|38才|男性|バト
  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 断罪者
    凛道aa0068hero002
    英雄|23才|男性|カオ
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 優しき『毒』
    ガルー・A・Aaa0076hero001
    英雄|33才|男性|バト
  • 太公望
    御神 恭也aa0127
    人間|19才|男性|攻撃
  • 非リアの神様
    伊邪那美aa0127hero001
    英雄|8才|女性|ドレ
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • 苦悩と覚悟に寄り添い前へ
    荒木 拓海aa1049
    人間|28才|男性|防御
  • 未来を導き得る者
    メリッサ インガルズaa1049hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • 夜を取り戻す太陽黒点
    飛岡 豪aa4056
    人間|28才|男性|命中
  • 正義を語る背中
    ガイ・フィールグッドaa4056hero001
    英雄|20才|男性|ドレ
  • Iris
    伴 日々輝aa4591
    人間|19才|男性|生命
  • Sun flower
    グワルウェンaa4591hero001
    英雄|25才|男性|ドレ
  • 妙策の兵
    望月 飯綱aa4705
    人間|10才|男性|命中
  • 妙策の兵
    綾香aa4705hero002
    英雄|17才|女性|ジャ
前に戻る
ページトップへ戻る