本部

【ドミネーター】 退院祝い

玲瓏

形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/09/29 23:21

掲示板

オープニング


 マイホームの床を歩くために一カ月以上かけた。ラベンダーの香りがいつも通りに出迎える。
 一昔前ならば空気だけが彼女を出迎えていただろう。延々と一人暮らしを続けていたのだ。それが瞬く間に三人暮らしとなった。一方通行だった人生の道が急カーブだ。
「退院おめでとう、坂山」
出迎えたのはスチャースだった。彼は四足歩行、犬型のメカニカルなロボット。ふとした切っ掛けで坂山の家に居つく事になったのだ。
「ありがとうねスチャース。一時は本当に、どうなるかと思ったわ」
 自宅のリビングに並んでいた椅子に坂山はまず腰を掛けた。病院から持ってきた荷物を片付ける事が優先だが、この椅子に座りたかったのだった。
「仕事は後二週間は休憩だ。その間にしっかりと体を休める事は非常に大事な事だ」
「分かったわ、ありがと。でもやりたい事があるのよね」
「やりたい事?」
「ええ、そう。ドミネーターという組織に関する事よ」
 これは真剣な話だ。尻尾を振っていたスチャースは椅子の上にお座りして坂山に体を向けた。
「このままじゃ危険だと思うの。向こうは組織で行動してるわ。だから情報の共有が隅々まで行き届くの。だけれど私達はドミネーター以外にも様々な脅威があるわ。だから一人当たりの情報が分散して――要するに、私達も対抗する組織を作る必要があるという事よ」
「理にはかなっている。そして今すぐにでも行動を起こす必要があるだろう」
「ええ。今ノボルは?」
 ノボルとは坂山の英雄の事だ。
「オペレーター室でシリアルを食べている所だ」
「そう……。一応、今から集める組織はH.O.P.Eに属さない団体という事になるわ。構成員はH.O.P.E所属のリンカーに頼む予定だけれど」
「メリットとしては、ドミネーターの狙いがH.O.P.Eではなく、そちらの団体に向かうという事か」
「それと構成員の人達も分別がつくと思うの。結構、そういう切り分けって大事なのよね」
「坂山がこれから何をしようとしているのか、私に想像がついた。ならばノボルに坂山からこう依頼があったと伝えてこよう」
「待って」
 椅子を下りたスチャースの尻尾を、坂山は人差し指と親指で挟んだ。
「この依頼は私がやるわ。怪我はもう痛くないから、安心して」
 ドミネーターには幾つかの借りができている。体に残った傷跡の事だ。
「もしリンカーが集わず組織の設立が難しい状況ならばどうする」
「その時はその時よ。私が全力で、ドミネーターを徹底的に追い詰めてやるわ」
「坂山。厳しい事を言うが、一人では何もできない。構成員を集める協力を、私にもさせてほしい。そうでなくては私の存在定義が損なわれてしまう」
 彼は、今度は床にお座りをした。坂山の返答待ちだった。
「分かったわ。ありがとう、スチャース。組織の設立は、良い退院祝いになりそうね」
 スチャースを見送ってから椅子を立ち、冷蔵庫を開けた。一ヵ月の間にどの程度変わったかと思えば、結構な量のアイスが入っていた。それと少し値段の張る牛乳と、菓子パン数種。
 今日の献立を入れるスペースを作る事に苦労しそうだった。中々、ノボルも隅に置けない存在だと坂山は苦笑した。彼女がいない間、家の管理はノボルにまかせっきりだった。
「そういえば、退院祝いとかって誰かやってくれるのかしら」
 ほんの少しの期待だけを浮かべた。あまり大きく期待すると我儘になってしまうからだ。


 数日の間、坂山一家は対ドミネーター組織設立のために様々なリンカーに電話をしていた。過去、この組織に携わった事のあるメンバーや、見知った顔、強力なリンカー、それぞれに声を向けていた。
 その成果が出て、オペレーター室には複数人のリンカーが集まっていた。
「皆協力してくれてありがとう」
 椅子から立ち上がってノボルはまず、深々と一礼した。
「今日はまだ体験入隊っていう所なのかな……。えっと、早速なんだけれど皆には任務があるんだ。退院した坂山からのお願いなんだけどね、ドミネーターの情報を一つでも多く集めるために、過去に被害にあった町や人を尋ねて欲しい。手分けしてね」
 こういう場合、大体がその地域に何を聞きに行くべきなのかその事まで説明されるはずだが、隣にいたスチャースもノボルも言及しなかった。
「僕たちが有利になるような情報を、聞いてきてほしいんだ」
 慣れてないのだ。坂山もノボルもオペレーターに就任して日は浅い。こういう時どういった質問をするのが効果的なのか、その知識は疎かった。だから説明できなかったのだ。
 ノボルは任務の説明を続けた。
「この任務が終わって情報が纏まったら、正式に組織として動き始めるよ。この組織はドミネーターという組織の情報を纏めて効率良く討伐する事を目的としているって……最初の方に言い忘れちゃったな……」
「失敗は誰にでもある。ノボル、ひとまず今回の作戦の班分け参考リストを提示した方がいい」
「ああ、そうだった。えっと、ドミネーターの被害にあった地域を情報つきで纏めたから、目を通してね」
 少しぎくしゃくした説明ながらも一通りの解説を終えたノボルは、大きなモニターにリストを表示した。

解説

●目的
 ドミネーターに関する情報収集。組織の設立。

●リスト
A:廃工場
 スチャースが戦闘用に改造され悪用された事件が起きた工場。その工場は元々違法改造団体の拠点だった場所だった。取り壊されず、まだ残っている。違法改造の組織は全員逮捕されていて、ドミネーターとの繋がりを尋問できる。
 工場内の探索も可能。ドミネーターに譲渡される予定だった武器もいくつか置かれているが、それは工場内の資料を確認しなければ分からない。

B中学校
 ドミネーターの作成したフリーゲームによって人々が誘拐された事件の拠点。体育館の地下に存在している。その時の犯人とも面会可能。
 学校関係者、生徒から話を聞く事ができる他、誘拐された人々のリストから話を聞く事もできる。地下には犯人が使っていた拷問部屋と様々な器具が置かれている。

C:病院、廃研究所
 この事件で坂山は傷を負った。
 坂山に止めを指すべく病院に侵入した集団の映像記録が残されている他、不可解な事象が発生していたと看護婦の一人から聞く事ができる。
 研究所については資料の宝庫。任務時にリンカーの一人がおおよその資料を持ち帰ってくれたが、まだ余地は残されている。当時張ってあった罠等は全て解除されているために安全に探索が可能。敵もなし。犯人と面会可能。
 また、研究所に辿りつくための家政婦ロボットを調べる事ができる。

D:イギリスのL町
 ドミネーターが大きく動いた事件。市長を殺害し、大きな損害を与えた悲劇的な事件になった。幸い、死者は少数で抑えられた。
 当時の状況を街の人々に聞く事ができる。さらに街の中にある施設の監視カメラから組織達について視覚的に知る事も。街を襲った彼らは全員捕らえられているために、犯人探しには使えない。面会可能。
 街の復旧作業の手伝いも、この班は兼ねる事になる。

 更にエージェントが尋ねたい事、希望する行動があれば通信士に報告した上で実行。

リプレイ


 薬の副作用と昼間の陽気が一定の室温を保たせて、坂山の眠気は最高潮に達していた。家の机に両肘をついて、手で器を作ってその上に顎を乗せていた。
 瞼の重さを助長していたのは退屈も原因である。ドミネーター対策のための組織については色々と考えを終えていて、する事があんまりないのだ。瞼が完全に閉じきるのも時間の問題だ。
「坂山」
 玄関の扉を開けて、ノボルは資料を手にして坂山のいるリビングへと入って、寝ている彼女に真っ先に向かった。
「ん……?」
「眠いの?」
「あ、ああノボルか」
「エージェントの皆がちゃんと調べてきてくれたよ。その報告書、僕がまとめたんだ。目を通して、これでドミネーターに対して、少しは分かるかも。対策も立てやすくなるよ」
「ありがと。これで仕返しができるって事ね」
「うん。でも、涎の後が残ってる人が言っても、あまり威圧感がないなあ」
「え?」
 これが英雄の前で良かったと、彼女はティッシュを手にして心から思った。エージェントの前でなくて、どれだけ幸運であったか。本当に。
「組織の独立に関しては考え直した方がいいと思うんだ」
「そうなの? ノボルがそういうって事は、何か……あったの?」
「うん。迫間さんが率先して言ってくれたんだ。独立組織って、支援はどうするのって。それと、拘束時間も増えるから、学生や社会人のエージェントには負担になるんだよ」
「好意的な意見はあるかしら」
「あるよ。カグヤさんからなんだけど。意思決定権の明確化と、迅速に動ける事についてメリットがあるって」
 足を組み替えて、彼女はまた黙った。さてさて難しい問題にあたってしまったぞ。目覚め後の頭に思考させるのは、酷使とも呼べるだろうか。
「これを全部読んでから決めるわ」
「僕もそうした方がいいと思う」
 坂山は報告書を手にして、眼を開いて一ページ捲った。

●A班
 ボロボロに崩れた防火シャッターにはトラックが挟まっていた。廃工場の中は相変わらず薄暗く、まだ中に事件当時の残党が潜んでいる感覚に紫 征四郎(aa0076)は身構えた。油の匂いや、灰の匂いがこだましている。
「ここが事件現場っていう事なのだな。確かに戦場の匂いがまだ染みついているようだ」
 ユエリャン・李(aa0076hero002)は手袋越しに床に転がっている物に興味深そうに触れては、実用的ではない事が分かるとガラクタ扱いで元あった場所に放り投げていた。
 廃工場の光源は外から指す光だけだ。以前の激しい戦闘のせいで電気関連の物はほとんど使えなくなっている。夕方あたりからは探索ができなくなるだろう。
「紫さん、手伝うよ。何か出来ることがあったら言ってね?」
「ありがとうなのです。では早速、探索を開始するのですよ」
 紫の補佐として高天原 凱(aa0990)も同行している。事件に携わってはいないが、資料に目を通しているため大凡の把握はできている。高天原はおぼつかない足取りのまま探索に身を投じた。
 様々な改造武器が乱雑に置かれている。事件の名残か元々そうだったのかは分からないが、壁際に棚があるというのに地面に落ちていたり、なんの分別もされず武具が放り込まれたダンボール箱があったりと、整理整頓が皆無だった。
「こんな雑な方法だから簡単に鎮圧されちゃうのよ」
 ダンボール箱の中には壊れた武器も入っていた。これではいざ必要な物を取り出そうとした時ハズレを引いてしまう事も考えられる。堂島 涼風(aa0990hero002)は玩具にすらならない拳銃を指でつまんでいた。
「でも、すごいなぁ……。オレにはこんな物作れないや」
 片手で何キロもある武器を持っていた高天原は丁寧に棚の上に電流放射器を置いた。管理は雑だが、技術は侮れない。
 紫とユエリャンとは、二人は別行動で探索していたが、常に彼女らがどこにいるかは明確に分かっていた。
「なかなか画期的な武器だ! 面白いぞ」
 広い廃工場は声が天井から地面から、どこまでも行き渡り反響する。特にユエリャンの声量だと、本人がどこにいるのかまで大体の目途がつくのだった。
「これはレーザーライフルか。アサルトライフル式ショットガンまであるぞ!」
 時間の経過は太陽の位置が知らせてくれた。窓から差し込む光、その影の作り方が変わってきた頃合いに高天原は紫と合流した。
「お疲れ様なのです、タカマガハラ。大体調査は済んだでしょうか」
「えっと、お疲れ様。向こうの方に何か部屋があったよ」
「ほほう。ひとまず調べてみようかおチビちゃん。どんな部屋であろうとな」
 入り口から入って正面の壁、その一番左の方向に扉はあった。扉は開いていて、中をよく見る事ができた。よく見るといってもそこまで広さはなく、四人入ったら人口密度が高くなる安っぽい部屋だ。
 更に窓は完全にしめきっており、中に入ってみると……居心地は最悪だ。長居すると病原菌を肺に送る心配ができそうだ。手っ取り早く調査を終わらせようと四人は駆け足気味だった。
 部屋の南側に置かれたガラス棚の中には二段式に資料がいくつも収納されていた。高天原は一つ手に取ると、早速と紫にその資料を手渡した。
「紫さん、これ。このグループの主要取引先一覧が書かれているよ」
 ピンク色の紙は戸棚の中では珍しい。ほとんどの紙束は白で出来ているのに対し、この主要取引先は目立つ色で収納されていた。
 太文字でドミネーターと書かれ、取引先の人物が下に載せられているに違いなかった。フランメスと「アーガルズ」と書かれている。
 今度は別の棚を漁っていた堂島が紙を見つけ出した。
「これは取引物一覧ね。ここに書かれている武器は全部ドミネーターに譲渡されたものだと思うわ」
 レーザーライフル、電流ナイフ、人形地雷、閃光ネズミ花火、電圧ネット、爆裂弾、催涙や麻酔弾を撒き散らす手榴弾まで常識外の武器が文字として並べられていた。
 寂れた部屋にはそれ以上の収穫はなかった。
 廃工場を出た四人はすぐに帰還して、捕まった隊員が捕らえられている留置所を訪れた。
「教えてください、あなた達があの事件を起こすまでの経緯を」
「話す事なんて何もねえよ。俺らはやる事をやってただけだ」
「そんな事はないはずです。あなた達にも何か理由があって行いをしたんでしょう?」
「そんなもん忘れた」
 男は自分の両手を見つめた。
「口を割らぬ場合、拷問が鉄則であるが」
「……それは、だめです」
「拷問をしないだと?」
 驚いて、苦笑した男。
「そんなんで情報を得るつもりでいたのか。……あんた、甘いよ。優しさだけじゃ誰も救えはしねえんだから」
 他の隊員から尋問を終えた高天原が部屋に入ってきた。堂島も一緒で、その表情から察する所は尋問に成功したという事だ。
「こっちの隊員は情報を提供してくれたわ。あなたはどう?」
「組織を裏切るくらいなら、死んだ方がマシだ」
「口の固い良い子であるな。だが此方も本気だ、痛い目を見てもらう事になる」
 この男は最後まで口を割らなかった。
 まだ他にも種類はいるのだろうが、一体彼らはどんな理由を持って組織の仲間になったのか。そこははっきりとはしなかった。

●B班
 学校の通学路。人の気配は少なく、いたとしても買い物途中の主婦とか学校に遅刻した生徒か、陽気の中を遊ぶ虫と野良猫程度。
 道順は嫌というほど脳裏に染みついていた。この道を曲がった所には携帯ショップがあって、コンビニが隣接している。ゲームの中で橘 由香里(aa1855)は何度もこの道を往復していた。
「悪夢が蘇るわ。あのゲームの難易度、並の一般人じゃクリアできない程だった」
 ゲームという娯楽を使って人を誘拐した犯人の思惑は知性だった。頭を使わなければクリアできないゲームを作成し、クリアした者を洗脳して部下にする。奇天烈な方法だが、エージェントが気付かなければドミネーターは確実に力をつけていた所だったろう。
「そういえばりんかーのみの依頼とやらで、わらわも留守番じゃったやつじゃな。確かに見落としは多そうじゃ」
 飯綱比売命(aa1855hero001)はそう言った後、何気なしを装って言葉をこう続けた。
「しかし、お主は蛍丸と一緒にいきた――ぬおっ!」
「仕事に私情は挟まない! 行くわよ」
 おかしな事を口走った飯綱比売命の頭に手刀を食らわせ、橘は学校の中へと足を踏み入れた。外には体育の授業でサッカーをやっている生徒達がいて、数人は二人に気づいていた。
 内一人は見慣れない生徒がいると目を惹かれ、片方は飯綱比売命の別嬪具合に目と心を奪われていた。
「お待ちしていました」
 校舎に入るや否や教師が二人を出迎えた。学校関係者と証明するための名札を手渡される。この教師は年齢から察するに教頭か、偉い立場の人間だろう。
 来賓室に案内され、そこで紅茶を出されて一息付いた。
「ちょいと尋ねたい事があってのう。いくつか質問事項があるんじゃが」
「学校の敷地に拠点を作るには、学校関係者に仲間がいないと非常に厳しいと思います」
「ええ、私も同じ事を考えました」
 彼は足下に置いていた鞄から何枚かの資料を取り出した。
「これらはここ三年の、職員の入れ替わり図です。御覧になれば分かりますが、事件が起きた日を境に辞めた教師は一人もおらず、また今年に離職した職員もどれもベテランばかり。悪意を持って職員になった人物は決していないと……信じられます」
「そうじゃな。職員の中に共謀者はいないと見ても良いじゃろう」
「はい。安心しました……。ですがね」
 グラフの下敷きになっていて最初は気づかなかった。教頭はもう一枚の紙を出して、机の上に置いたのだ。そこには人物の写真が写っていた。
「この男は事件が起きる一週間前にこの学校から去っているんです。彼は用務員でしたな。真面目な人物だと思っていたのに……」
「住所を教えてください。私達が直接会って問いただしてきます」
「T区の○丁目、そのアパートにいるはずでしたが、蛻の殻。誰もいませんでしたな」
「そうでしたか。一応、後で確認に向かってみます。その男の名前は?」
「黒田 邑久という名です」
 橘が学校を調査している間、赤城 龍哉(aa0090)は犯人を尋問していた。
「ああいいですよ。あんなクソッタレ組織に恩は感じませんよ」
「物分かりのいい奴じゃねえか。何をそんな不貞腐れてんだ?」
「あの時私は組織に電話したんですよ。救助連絡を。それでリーダーは分かったと答えました。だけど最後には誰もこなかった! はあ、私は裏切られたんですよ」
「組織って、ドミネーターの事か?」
「そうですね。名前もいいたくない」
「リーダーの名前は……ヘルメス?」
「フランメスです。これも言いたくない。私は捨て駒にされた。奴らは報いを受けるべきです」
 自暴自棄になっている様子だった。外見では平穏を装っているが、果てしない憎しみの感情が湧き出ている。
「あなた、自分の命を捨てるのも怖くないとか言っていましたわね」
 あまり慣れない書記をしていたヴァルトラウテ(aa0090hero001)が顔を上げて言った。
「今となっては恥ずかしい事だ。あんな奴らに命を捧げていたなんて」
 彼は放し飼いをされていたのだという。そういった人物は多く大体は捨て駒なのだと。
「こっから先、ドミネーターがどう動くかどう予想できるよ」
「破壊と暴虐の限りを尽くすでしょうね。ああ、後とっておきの情報がありましてね」
 赤城はヴァルトラウテに目で合図をよこした。彼女は走り書きで今書いていた文章を書き終えた。
「私は今までリーダーがずっとフランメスだと思っていましたが、もしかしたら違う可能性がある」
「更に上がいるって事だな」
「奴は行動的すぎる。いつ命を落としてもおかしくない。リーダーは普通慎重になるでしょうし。本当のリーダーがいるという言葉も耳にした事がありますもので」
「あながち間違った推理でもねえな。とっておきの情報だったぜサンキューな」
 最後まで組織の悪口を喋り続けていた。
「そういや学校関係者にグルがいたって話があんだが、そこら辺教えてくんねえか」
「いましたよ。用務員の奴ですがあいつもクソッタレだ! 私がピンチになる事を分かっていて逃げた!」
「今何処にいるか分かるか? あんたのその思い、ぶつけてくる事もできるぜ」
「本当なら言いたいんですが、分かりませんね。奴は隠密行動が得意で頭のキレる男です。ああ後スナイパーを武器にしていましてね」
「そいつはどうも、ありがてえ情報だ」
「他に何か言う事はありませんか?」
 ヴァルトラウテがそう聞いても、彼は首を横に振った。これ以上の情報はもうないのだ。

●C班
 廃工場と続き、廃研究所の調査だ。迫間 央(aa1445)と月鏡 由利菜(aa0873)、リーヴスラシル(aa0873hero001)は並んで中へと入った。
「月鏡さん達が来るとは思ってなかったな。騎士の精神と照らしたら見逃す訳にはいかなかった、とか?」
「坂山さんのお見舞いで訪れたのですが、私にも同行するようにお願いされたので……。それに確かに、見逃すのは難しい事です」
「手伝いに来てくれるのは嬉しいが、学生まで動かす事になるとはな。……ひとまず、別れて施設の有用な資料を全部マテリアルメモリに詰め込むか」
 月鏡はこの事件に使われた主婦のロボットを借りて研究所に持ってきていたが、そのロボットからの情報は皆無だった。このロボットも捨て駒だったのだ。
 早々に諦めた月鏡はリーヴスラシルと一緒に資料探しに出た。沢山の資料は存在するが、失敗した研究の記録である事が多い。
 その資料達からここで研究されているのは動物に関する事だと分かった。人間含む動物の体組織の変化や未だ解明されていない生命誕生の神秘の研究がおこなわれているようだが、この研究所は資金面の調達が上手ではなく研究は進まないのだろう。
 研究所内で研究する分野は二つのブロックに別れている事も新たに判明した。入り口に近い所と、奥の方のブロックが存在する。動物の探求をしていたのが入り口付近で、奥は……。
「酷い有様だ」
 資料には写真が載っていて、大型のカプセルが映っている。中に入っていたのは人間だった。
「人体の変化を研究していたんだろう、このブロックは。突然変異に人間がどれだけ耐えられるのか。そのような事だ」
「理由は何にせよ、許される事ではありません……」
 写真に移っている人間は千差万別だ。様々な実験が行われたのだろう。五体満足の老若男女が写っているだけならまだ生温い。月鏡は目を閉じた。
 迫間は実験室ではなく資料室を探っていた。ここは研究員が頻繁に出たり入ったりを繰り返すために資料室の充実具合は優れている。研究員は自分で研究所について学んでほしいという事なのだろう。
 まず登記情報を探った。この研究所の所有者はライズという男で用途は生態に関する研究だとされている。
 見つかったのは研究所の情報だけではない。非常に重要な資料も見つける事ができた。これは新人の研究員に向けての資料に違いないが、これを書いた人物は研究員として出向いたのではないだろう。ドミネーターの一員として招いたはずだ。
"ドミネーターはリーダーをチャールズと置き、副リーダーをフランメスとする。その下には数名の幹部がいる。メンバー管理や情報管理、戦闘時の緊急出動、メンバーの確保等で動いている。その下には幾つものチームが存在しており、この研究所におけるのもその一つである"
 組織体制の事が書かれてあった。ここにいた研究員は全てドミネーターだったという事だ。他にもいくつもの情報が載っている。
"チームには必ず長が敷かれなければならなず、責任と義務は長に一任される"
"もし何らかの損失でドミネーターに被害が加わるような事があれば、二度目の失敗に限り長を処分しなければならない"
"裏切りに関しては無い事を前提とする。もし確認できた場合は、フランメスの行動に任せられる"
"チーム内での恋愛は可能だが、片方がH.O.P.E等に捕獲された場合、片方は処分される"
"決して服装を定めてはならない。我々は一般人である事を忘れないようにする事"
 月鏡が資料室へと足を入れたと同じタイミングで、迫間は部屋を後にしようとした。
「あ、迫間さん。えっと……質問があるのですが、迫間さん達が目撃したスライム達からライヴス反応はありましたか?」
「確認できた。従魔や愚神とは違った種類の物だったな」
「そうでしたか……ならやっぱり……」
「ハザマ殿を襲ったモンスターはここの研究員や、拉致されたと思われる人間だったのだろうな。私に言わせれば、ドミネーターはマガツヒと同類だ。……破壊と殺戮に躊躇がないという点でな」
 沈鬱した運命だった。三人は資料をいくつも持ち帰り、研究所を出た。
 すぐに犯人との面会に移った。犯人は不気味とも思える程冷静だった。
「何を聞きたい?」
「山ほどあります。その中で……動機と目的、組織との接点をまず教えてくだされば」
「皆、口を揃えていうはずだ。復讐だとな」
「他の事件の時では世界征服が目的だと仰っていた人物もいるようですが」
「世界征服? 下らない理想だよそいつは分かってない。世界征服なんてして何になるんだろうね」
「復讐とは何の事ですか」
 怯まず、月鏡は言った。
「君たちも知っているだろう。リンカーは全員が全員歓迎された訳じゃあない事をな。私らはそれの被害者だという事に他ならない」
「そのためだけに、人を殺しているんですか」
「最早我々の心を癒すのは暴力でしかない。私は自覚しているよ。なんて、そう――狂っているんだろうって。でも正す気はない。時計の針が狂った時に、どれが本物で何が狂っているのか分からなくなる。それならばいっその事、狂った方を正しくすればいい」
 ――もう戻れない所まで来たのだよ。
「だとしたら降りる訳にもいかないか。社会とそれに守られている人を守り、正すのが私達の仕事ですし」
 ライズの前で座っていた迫間は立ち上がって言った。彼は何も言わずに俯いていた。
 迫間の隣で耳を傾けていたマイヤ サーア(aa1445hero001)は、憐みの眼で彼を見ていた。従魔や愚神と違って人間は、悪そのものではない。
「彼も犠牲者の一人ね」
「悪党な事に変わりはない」
 彼はまだ、俯いていた。

●D班
 悲劇的にもドミネーターの餌食に選ばれた町は牛歩並ながら以前の街を取り戻しつつあった。復興するまでの代理として決まっていた市長の活躍は非常に評価されて、そのまま市長となるだろう。
 情報収集に向かっていたエージェントだが、その片手間に復興の手伝いをする事にした。黒金 蛍丸(aa2951)と詩乃(aa2951hero001)は避難地域に住んでいる人々に食料を配達していた。
 市民ホールの体育館に向かった黒金は、大きなバッグを背負って中から昼食のパンを一個ずつ取り出し、一人一人の住民に暖かい内に配布した。
「あなた、この前の事件の時に来てくれた方ですよね」
 整った顔立ちの男性市民が黒金に言った。
「僕はその時会社にいってて、家族が安心かどうかわからなかったんです」
「そうだったのですか」
 一人の娘と妻を彼は抱き寄せた。
「エージェントさんが助けてくれたって聞いた時、心の底から感謝しました。本当にありがとうと、僕はまだ言えてなかったので、また会えてうれしいです」
「いえいえ! あ、このパンとってもおいしいんですよ。暖かい内に頂いてくださいね」
「はい。どうもありがとうございます」
 黒金と詩乃以外にもエージェントは市民達に歓迎されていた。
 ところでパンの香りというのは独特に人の食欲を増させる事がある。長い時間その香りにさらされていた詩乃はいつしかパンを見つめるようになっていた。
「人数分以上パンはある。腹の足しにしてもよいだろうな」
「スチャース様……?」
 体育館の中は静かではなかったが、スチャースの声ははっきりと聞こえてきた。黒金はロボットに一礼した。
「見学ですか?」
「その通りだ。何か情報を得る事はできたか?」
「はい。市民の人達からですが、彼らには明確なリーダーがいる事を言ってくれた人がいました。フランメスの事だと思いますが……。それと、全員気が狂っているって。市民目線だからこその感想もありました」
「部隊の行動について言及している者はいただろうか」
「それぞれの口から残虐だと……。未だに悲しみが消えてない方もいました。目の前で子供や愛人を……。僕も、同じ立場になったら声を失うと思います。そして、そういった方が非常に多いんです。この体育館にも」
「そうか……。引き続き調査を頼む」
 体育館とは離れた場所の大学も避難場所として指定されていた。黒鳶 颯佐(aa4496)はそこに足を運んでいた。ここは地獄だった。体育館以上に悲劇を味わった市民が多く、この大学の体育館は遺体安置所となっていた。
 黒鳶はここに来る最中全ての建物を見て回ったが、この大学はまだ生きている、そう思った。中央から町の半分くらいまでの建物は全て死んでいた。家、公共施設、無差別に破壊されていたのだ。
 彼は教室の中で椅子に座っていた医者の姿をした男に話しかけた。
「復旧作業を手伝いたい。何かする事はあるか」
 窓の外を見つめていた医者は振り返って笑顔を見せた。
「一階にいる市長さんに聞いてくれるといいんじゃないか」
「それと聞きたい事がある。この町を襲った部隊について、何か覚えていないか。細かい事でもいい」
「僕は外科医だった、だけどあの日化け物共が押し寄せてきたんだ僕の病院に。院長として逃げ出すわけにはいかなかった。最後まで残ったよ。でもあの化け物共は動く事のできない患者を片っ端から殺して、僕だけは逃がした。最高のシナリオだろう? 笑えるよ」
「――化け物について、覚えている事はそれくらいだろうか」
「全員男だった。容赦もなかった。あいつらは人の心を殺すのが得意だよ。僕以外にも、心を殺された人が何人もいた」
 話を終わらせた黒鳶はこの教室を出た。この部屋には最悪な空気が流れている。彼は階段を下りて子供達に歌を歌っていた新爲(aa4496hero002)に声をかけた。
「復旧の手伝いをしてくる。まだここにいるか?」
「うん。この子達、家族を失った子供達なの。もう少しニッタが傍にいてあげたいなって……」
「分かった。暫くしたら戻ってくる」
 茶色の髪をした女の子が新爲に歌の続きを促した。どうやら彼女の歌声は子供達の心の癒しになっているみたいだ。
「お母さんたち、いつ帰ってくるのかなあ」
 子供達を不安にさせないように、新爲は彼らの手を握りながら歌を続けた。大丈夫だよ、と歌がそう言っていた。子供達は一時の安らぎを得る事ができていた。
 特別な許可をもらって、天宮 愁治(aa4355)は被害の及ばないレストランのキッチンを借りていた。台の上には砂糖とミルク、クリームや小麦粉が置いてある。甘い香りが立ち込めていた。
 丁寧に包まれた箱をもって、彼は市民達のいる施設を次々と歩いていた。
「あ、エージェントさん! なになに~?」
 子供達の数が多かった。優先的に子供が避難させられていたのだろう。天宮はわけ隔てなく、全員にお菓子を配った。
「みんな非常食しか食べてないよね。たまには甘い物も食べなきゃ」
「わーいありがとう!」
 どんなに悲しそうにしていた女性でも、笑ってそれを食べていた。
「黒鳶さん、デザート」
 次に天宮は他のエージェント達に差し入れを持っていく事にしていた。最初に見つけたのは黒鳶だ。
「俺に?」
「うん、本当は男にデザートなんて作らないんだけどね」
 すぐに受け取らなかったが、黒鳶は手を伸ばしていた。
「上にいる新爲にも渡してくるといい。喜ぶだろう」
 主人とは離れてヘンリカ・アネリーゼ(aa4355hero001)は工事の手伝いをしていた。女性だというのにその力持ち具合に現場の男達は驚かせられていた。
「英雄さん、やっぱすげえな。その筋肉俺にも分けてくれよ。そうすりゃちょっとはあのドミネーターとやらに対抗できるってのに」
「私らにお任せください。この町の仇は取らさせてもらいます」
「おう、いい言葉だ! 俺は家族は元々いなくて失うもんがなかったんだが、しょげた顔した奴らの事みると、なんだかやるせなくてな。任せたぜ、エージェント!」
 ヘンリカが手伝っている所に天宮が、彼が作った茶菓子をもって訪れた。
「担当が逆だと思います。御主人様。代わってください」
「お前の料理なんか食わせられるか。新しく死人が出るよ!」
「それは心外。ところでご主人様、もうカグヤ様がドミネーターの尋問を開始しているかと思いますが、向かわなくてよろしいのですか」
「今から行こうと思ってたんだよ」
 カグヤ・アトラクア(aa0535)は隣に眠そうにしたクー・ナンナ(aa0535hero001)を椅子に座らせて、ドミネーターの一人と顔を合わせている。
「防弾チョッキ寄越せ。もしくは製造方法教えるのじゃ。アレはすごい」
「あんた面白い事言うじゃない。私を尋問しにきたんじゃなかったの?」
「その話は後じゃ」
「そう。別に今はどうでもいいし教えてあげてもよかったんだけど、私知らないのよ。あの愚神の一撃で防弾チョッキは壊れちゃったし、製造方法もさてさてねぇ……。フランメス様と取引してるマフィアとかにあたればいいんじゃない?」
「別の班が改造組織の事を調べておる。もしかしたらそこから得られるのかのう?」
「ああ。工場の? それはないわよ。あそこは武器だけだしねぇ」
「そうか。残念じゃ。で、まだフランメスに忠誠心はあるのじゃろうか?」
「無いって事もないわ。彼の理想は素敵だったし同感もできた。それに一ヵ月で簡単に忠誠心は消えるもんじゃないわよ。私、そこまで薄情じゃないし」
 彼女は自分の爪に息を吹きかけた。マニキュアも何も塗っていないが、癖なのだろう。
「フランメスがリーダーなのか、そこも気になる所じゃが」
「ううん。リーダーはいるわ、全然表に出てこないから名前は知らないけどね」
「チャールズっていうらしいぞ」
「ふうん。本当に聞いた事がない」
 天宮が扉を開けて入ってきた。彼は平常心を保ちカグヤに挨拶がてら茶菓子を渡すと早速と隊員に口を開いた。
「復讐……だっけ? 君たちの目的。聞くけど、『誰が』『何をしたんだい?』」
「頭の悪い一般市民の連中は差別が好きなのよねぇ」
 彼女はそれだけ言った。
「フランメス……彼は襲撃の際、どんな事を君たちに言ったんだ?」
「何もかもを壊すように言ったわ。人とか物とか、全部関係なく。私達以外は全員敵だともね」
「上からの命令は絶対という訳じゃな」
「そう。逆らっても殺されはしないと思うけど、誰も逆らわない。みんな仲間なのよ」
「君たちを導いたボスってのはどんな人だい? 名前は? 能力者かい?」
「私達のボスはフランメス様で、みんなと同じリンカーよ。これ以上は言えないわ。仕方ないでしょ? プライドがあるんだから」
「君たちが殺した一般市民の人達にもプライドはあったはずだよ」
 薄ら笑いを浮かべるだけで、彼女は終わった。殺人に抵抗はないのだろう、一般市民の持つ倫理観と乖離している。
「質問は以上かしら?」
「いや、まだ。「 次に君たちが復讐したいのは……誰だい?」
 相手の眼を逃さないように、天宮は見つめた。
「――いいわ、試してあげる。次フランメス様の標的となるのは日本よ。何処とは言わないけど。もし次の事件を抑えられる事ができなかったら、"諦めた方がいい"わ」
 尋問の時間は終わった。最後に部屋に残った残滓は、天宮の持ってきたお菓子の香りだけだった。クーは全部食べ、眠気を誘う結果となったが。


 ――坂山さん、退院おめでとうございます!
 机の上には先ほどまでは資料しか置かれていなかったが、今はたくさんのプレゼントが置かれている。大師巻やたくさんの花束とケーキ。家事の手伝いにきている黒金と詩乃、二人の付き添いの橘が走る音が聞こえる。
 マイヤが「おめでとう」といって手渡してくれた大師巻を一つ口に入れた。これは名物らしく、初めて口にしてみたが味わい深さを感じさせてくれた。彼女はとても優しい顔をしていて、坂山はまだ温もりを忘れられずにいる。
 ケーキも美味しい。紫や橘からもらったケーキと、天宮が手作りでくれたケーキがある。食べている所を写真に撮って送ってほしいと彼がスチャースに頼んでいた事は秘密だ。
「坂山、答えはでたか」
 スチャースが坂山の前に座っていた。ノボルは仕事に戻ったのだろう。
「独立組織を作る事に決めたわ。だけど、迫間さんの言う通り本部の支援を受ける。お金とか、人員とかね」
「エージェントの言う事を聞く事に反対しない。坂山より遥かに経験があるだろうからな」
 詩乃と黒金、二人のお手伝いさんが協力して家事を行う声が聞こえる。二人は先ほど家を訪れて、何か手伝う事は……! と言ってくれたもので、坂山は愛おしさに二つ返事で了承したのだった。二人が慌てないように橘もついてきてくれて、坂山は一安心だ。
 打倒ドミネーター。
 この資料はドミネーターを倒すために必要な材料となる。坂山は大切に保管する事にした。そして今日から、新たに組織「リベレーター」を形成する――
 呼び鈴が鳴った。新たなお客さんは黒鳶と新爲だった。
「新しい情報です!」
 黒鳶は一枚の紙を坂山に渡した。
「次の標的だろう。フランメスが最後に目撃された場所に落ちていた。奴は挑発しているつもりなのだろう」
「黒鳶君の言う通りね。これは……なるほど。次の標的は東京っていう訳ね」

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 全てを最期まで見つめる銀
    ユエリャン・李aa0076hero002
    英雄|28才|?|シャド
  • ライヴスリンカー
    赤城 龍哉aa0090
    人間|25才|男性|攻撃
  • リライヴァー
    ヴァルトラウテaa0090hero001
    英雄|20才|女性|ドレ
  • 果てなき欲望
    カグヤ・アトラクアaa0535
    機械|24才|女性|生命
  • おうちかえる
    クー・ナンナaa0535hero001
    英雄|12才|男性|バト
  • 永遠に共に
    月鏡 由利菜aa0873
    人間|18才|女性|攻撃
  • 永遠に共に
    リーヴスラシルaa0873hero001
    英雄|24才|女性|ブレ
  • ブケパロスを識るもの
    高天原 凱aa0990
    機械|19才|男性|攻撃
  • エージェント
    堂島 涼風aa0990hero002
    英雄|19才|女性|シャド
  • 素戔嗚尊
    迫間 央aa1445
    人間|25才|男性|回避
  • 奇稲田姫
    マイヤ 迫間 サーアaa1445hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • 終極に挑む
    橘 由香里aa1855
    人間|18才|女性|攻撃
  • 狐は見守る、その行く先を
    飯綱比売命aa1855hero001
    英雄|27才|女性|バト
  • 愛しながら
    宮ヶ匁 蛍丸aa2951
    人間|17才|男性|命中
  • 愛されながら
    詩乃aa2951hero001
    英雄|13才|女性|バト
  • エージェント
    天宮 愁治aa4355
    獣人|25才|男性|命中
  • エージェント
    ヘンリカ・アネリーゼaa4355hero001
    英雄|29才|女性|カオ
  • 孤高
    黒鳶 颯佐aa4496
    人間|21才|男性|生命
  • 端境の護り手
    新爲aa4496hero002
    英雄|13才|女性|バト
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