本部
【ドミネーター】 退院祝い
- 形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/09/25 12:00
- 完成予定
- 2016/10/04 12:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/09/24 21:17:57 -
相談卓
最終発言2016/09/25 09:34:56
オープニング
●
マイホームの床を歩くために一カ月以上かけた。ラベンダーの香りがいつも通りに出迎える。
一昔前ならば空気だけが彼女を出迎えていただろう。延々と一人暮らしを続けていたのだ。それが瞬く間に三人暮らしとなった。一方通行だった人生の道が急カーブだ。
「退院おめでとう、坂山」
出迎えたのはスチャースだった。彼は四足歩行、犬型のメカニカルなロボット。ふとした切っ掛けで坂山の家に居つく事になったのだ。
「ありがとうねスチャース。一時は本当に、どうなるかと思ったわ」
自宅のリビングに並んでいた椅子に坂山はまず腰を掛けた。病院から持ってきた荷物を片付ける事が優先だが、この椅子に座りたかったのだった。
「仕事は後二週間は休憩だ。その間にしっかりと体を休める事は非常に大事な事だ」
「分かったわ、ありがと。でもやりたい事があるのよね」
「やりたい事?」
「ええ、そう。ドミネーターという組織に関する事よ」
これは真剣な話だ。尻尾を振っていたスチャースは椅子の上にお座りして坂山に体を向けた。
「このままじゃ危険だと思うの。向こうは組織で行動してるわ。だから情報の共有が隅々まで行き届くの。だけれど私達はドミネーター以外にも様々な脅威があるわ。だから一人当たりの情報が分散して――要するに、私達も対抗する組織を作る必要があるという事よ」
「理にはかなっている。そして今すぐにでも行動を起こす必要があるだろう」
「ええ。今ノボルは?」
ノボルとは坂山の英雄の事だ。
「オペレーター室でシリアルを食べている所だ」
「そう……。一応、今から集める組織はH.O.P.Eに属さない団体という事になるわ。構成員はH.O.P.E所属のリンカーに頼む予定だけれど」
「メリットとしては、ドミネーターの狙いがH.O.P.Eではなく、そちらの団体に向かうという事か」
「それと構成員の人達も分別がつくと思うの。結構、そういう切り分けって大事なのよね」
「坂山がこれから何をしようとしているのか、私に想像がついた。ならばノボルに坂山からこう依頼があったと伝えてこよう」
「待って」
椅子を下りたスチャースの尻尾を、坂山は人差し指と親指で挟んだ。
「この依頼は私がやるわ。怪我はもう痛くないから、安心して」
ドミネーターには幾つかの借りができている。体に残った傷跡の事だ。
「もしリンカーが集わず組織の設立が難しい状況ならばどうする」
「その時はその時よ。私が全力で、ドミネーターを徹底的に追い詰めてやるわ」
「坂山。厳しい事を言うが、一人では何もできない。構成員を集める協力を、私にもさせてほしい。そうでなくては私の存在定義が損なわれてしまう」
彼は、今度は床にお座りをした。坂山の返答待ちだった。
「分かったわ。ありがとう、スチャース。組織の設立は、良い退院祝いになりそうね」
スチャースを見送ってから椅子を立ち、冷蔵庫を開けた。一ヵ月の間にどの程度変わったかと思えば、結構な量のアイスが入っていた。それと少し値段の張る牛乳と、菓子パン数種。
今日の献立を入れるスペースを作る事に苦労しそうだった。中々、ノボルも隅に置けない存在だと坂山は苦笑した。彼女がいない間、家の管理はノボルにまかせっきりだった。
「そういえば、退院祝いとかって誰かやってくれるのかしら」
ほんの少しの期待だけを浮かべた。あまり大きく期待すると我儘になってしまうからだ。
●
数日の間、坂山一家は対ドミネーター組織設立のために様々なリンカーに電話をしていた。過去、この組織に携わった事のあるメンバーや、見知った顔、強力なリンカー、それぞれに声を向けていた。
その成果が出て、オペレーター室には複数人のリンカーが集まっていた。
「皆協力してくれてありがとう」
椅子から立ち上がってノボルはまず、深々と一礼した。
「今日はまだ体験入隊っていう所なのかな……。えっと、早速なんだけれど皆には任務があるんだ。退院した坂山からのお願いなんだけどね、ドミネーターの情報を一つでも多く集めるために、過去に被害にあった町や人を尋ねて欲しい。手分けしてね」
こういう場合、大体がその地域に何を聞きに行くべきなのかその事まで説明されるはずだが、隣にいたスチャースもノボルも言及しなかった。
「僕たちが有利になるような情報を、聞いてきてほしいんだ」
慣れてないのだ。坂山もノボルもオペレーターに就任して日は浅い。こういう時どういった質問をするのが効果的なのか、その知識は疎かった。だから説明できなかったのだ。
ノボルは任務の説明を続けた。
「この任務が終わって情報が纏まったら、正式に組織として動き始めるよ。この組織はドミネーターという組織の情報を纏めて効率良く討伐する事を目的としているって……最初の方に言い忘れちゃったな……」
「失敗は誰にでもある。ノボル、ひとまず今回の作戦の班分け参考リストを提示した方がいい」
「ああ、そうだった。えっと、ドミネーターの被害にあった地域を情報つきで纏めたから、目を通してね」
少しぎくしゃくした説明ながらも一通りの解説を終えたノボルは、大きなモニターにリストを表示した。
解説
●目的
ドミネーターに関する情報収集。組織の設立。
●リスト
A:廃工場
スチャースが戦闘用に改造され悪用された事件が起きた工場。その工場は元々違法改造団体の拠点だった場所だった。取り壊されず、まだ残っている。違法改造の組織は全員逮捕されていて、ドミネーターとの繋がりを尋問できる。
工場内の探索も可能。ドミネーターに譲渡される予定だった武器もいくつか置かれているが、それは工場内の資料を確認しなければ分からない。
B中学校
ドミネーターの作成したフリーゲームによって人々が誘拐された事件の拠点。体育館の地下に存在している。その時の犯人とも面会可能。
学校関係者、生徒から話を聞く事ができる他、誘拐された人々のリストから話を聞く事もできる。地下には犯人が使っていた拷問部屋と様々な器具が置かれている。
C:病院、廃研究所
この事件で坂山は傷を負った。
坂山に止めを指すべく病院に侵入した集団の映像記録が残されている他、不可解な事象が発生していたと看護婦の一人から聞く事ができる。
研究所については資料の宝庫。任務時にリンカーの一人がおおよその資料を持ち帰ってくれたが、まだ余地は残されている。当時張ってあった罠等は全て解除されているために安全に探索が可能。敵もなし。犯人と面会可能。
また、研究所に辿りつくための家政婦ロボットを調べる事ができる。
D:イギリスのL町
ドミネーターが大きく動いた事件。市長を殺害し、大きな損害を与えた悲劇的な事件になった。幸い、死者は少数で抑えられた。
当時の状況を街の人々に聞く事ができる。さらに街の中にある施設の監視カメラから組織達について視覚的に知る事も。街を襲った彼らは全員捕らえられているために、犯人探しには使えない。面会可能。
街の復旧作業の手伝いも、この班は兼ねる事になる。
更にエージェントが尋ねたい事、希望する行動があれば通信士に報告した上で実行。
マスターより
※当MSはアドリヴ成分が多くあります。ご了承ください。
リスト上にある事件は全てシナリオにあります。班ごとに参考にしていただければと思いまして、こちらにシナリオ名を列挙します。
A班 シナリオ名「幸福の瀬戸際」
B班 シナリオ名「私でなければならない理由」
C班 シナリオ名「支配者達は産声を聴かせる」
D班 シナリオ名「ドミネーター」
必読ではありません。参考程度にしていただければなと思います。
かなり自由度の高いシナリオなので、相談の際はチームワークを意識していただければと思います。
それではよろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/09/29 23:21
参加者
掲示板
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/09/24 21:17:57 -
相談卓
最終発言2016/09/25 09:34:56