本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 5人 / 4~6人
- 英雄
- 5人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/11/23 22:00
- 完成予定
- 2018/12/07 22:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
相談:ノースバイノースウエスト
最終発言2018/11/23 09:44:50 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/11/22 22:22:17
オープニング
●引退したゾーンブレイカー
これから行く道程を考えれば、あまりに小さな船だった。
グレーの厚いコートを抱えた女が快活に笑いかけた。
「あんたたちが、今回のあたしのサポートをしてくれるエージェントってわけね」
──神代 華。
五十代半ばの引退したゾーンブレイカーだ。真直ぐに伸びた背筋と大股できびきびと歩く姿は年を感じさせない。
「実はあたし、二度目の復帰でね。本部には辞める辞める詐欺とか陰口叩かれてる婆よ。ま、道中よろしく」
僅かに苦笑しながら、神代はエージェントに握手を求めた。
「元々H.O.P.E.の所属とは言え、うちの本家が別口であんたたちによくお世話になっていてね。ついこの間も甥が面倒かけたみたいだし──まあ、礼もしなきゃならない、何よりゾーンブレイカーはリンカーより数が少ないからね。非常事態に恥を忍んで参上したってわけよ」
今は関係ない話だけどね、と神代は付け加える。
「さて、今回の依頼はあたしを北極の氷の中に隠された小島に届けること。北極は知っての通り『王』とかいう愚神の親玉が陣取ってるわけなんだけど、そのせいでその周辺で様々なドロップゾーンが発生しているわ」
そう言って神代は甲板に置かれた簡易テーブルの上に地図を広げた。
「温暖化で氷が減り──何より、クリエイティブイヤーによってもたらされた技術の恩恵は、かつては厳しかった北極海航路を進む手助けとなった」
シックなネイルアートを施した爪がロシア沿岸の大陸沿いを進む北極海航路、北東航路をなぞって……止まった。
海上に巨大な氷塊が浮かぶ写真をその上に置く。
「この氷自体がドロップゾーンよ。航路を阻む形で、ヒトの侵入を許さない密室型のドロップゾーンが発生したの。
勿論、ある程度はワープゲートだって使えるし迂回だってできる。でも──王との戦いには万全を期したい。何よりこれを破壊することはグライヴァー側の勢力を削ぐことにもなるってH.O.P.E.は判断した。でも、こんな時期で人手は無い。
そんなわけで、あたしとあなたたち少人数での奇襲が計画されたってわけよ」
神代は和柄の柔らかな布の包みを人数分取り出した。打ち紐を緩めるとそれぞれの中から金や銀の煙管のようなものが出てくる。
「筆と墨壺を携帯する矢立なんだけどね、中身はお得意のオーパーツってやつさ」
筆軸に細かな文言が漢字で綴られた小筆と青い墨をよく含ませた布の入った墨壺を紹介する。
「これを氷のちょいと描けば……」
さっと丸を描く素振り。
「氷の壁の丸の中を一人が一分だけ通れる空洞となるのさ。仮に『通抜筆』とでも呼ぶか」
大丈夫、凍らないのは実験済みだから、と彼女は言った。
●氷の迷宮
青空の下に横たわるそれは、氷塊というより氷壁だった。
広い海に突然現れた空高くそびえる氷の壁。
船を近づけて張り付いて見れば、雲った氷の壁の中に更に白く濁った氷壁が見える。
「じゃあ、始めようか。ほら、ちょいちょいっとね」
さらさらっと氷に青い墨が円を描く。端と端が結ばれると、氷の表面が揺れた。
「先行くよ」
厚いコートを着た神代はその中に飛び込む。
警護対象がさっと消えたのにも驚いたが、即座にそれを追おうとしても、神代が水に潜るようにくぐれた氷壁は防寒用の手袋が冷たく張り付くだけだ。説明通り、この筆を使った本人しか潜れないらしい。
円を描き次々に中へと飛び込むと、そこは思ったより広い通路であった。
天井まで届く壁は白く濁っているが氷で出来ている。時折、クリアな部分を覗くと、その先にも壁があるのが見てとれた。
「無駄に墨を使いたくない。ぎりぎりまで進もうか」
防寒具は完璧に揃えたはずだが、やはり吐く息は白く身体は冷える。
「これ以上、進むのは無理そうだね」
何度か分岐があり、都度考えながら奥深くまで進んだがこれ以上は進むのは難しそうだった。
H.O.P.E.の解析ではこの迷路状の通路はドロップゾーンの中心に向かっているという。そこには、祭壇のようなもののある空間と愚神の反応がある。
「天然の迷宮か。侵入に一回使ってしまったから、矢立の墨が使えるのはあと五回だ。H.O.P.E.の事前の調査と試算じゃ五回も使わないはずなんだけどねえ……まさか、この氷が成長してるなんてこと」
続く言葉を飲み込んで、彼女は明るく壁を叩いた。
「ま、問題無いよ。ちょっと休んだらこの壁を抜けて行こうか」
●祭壇の間
神代の呟き通り、事実、このドロップゾーンは急激に成長していた。
中心たる間にはH.O.P.E.の調査の通り、祭壇があった。
この祭壇はこの地に元々あったものである。
ここは地図にも載らぬ小さな島であった。普段は氷に閉ざされ、夏の間だけ見ることができるそこにいつからか小さな祭壇を置いた者がいた。海氷と流氷に長く閉ざされるこの厳しい航路で命を落とした者たち、もしくは阻む自然の神々へ捧げたそれを中心にドロップゾーンは形成されていた。
祭壇の後ろにはその部屋いっぱいに枝と根を伸ばした美しい大樹の姿がある。
──しゃらり。
風もないのに枝がうねった。
大樹は氷に覆われていたのではなかった。白く濁り透明に輝く氷で出来ていた。
そして、その氷は生きていた。
氷の大樹を模した愚神。かつてH.O.P.E.に付けられた識別名をリメスと言う。
解説
●目的
迷路を進み、ゾーンルーラーの愚神を倒す
愚神の祭壇まで神代を連れて行く
●ルール
・愚神までの道を阻む氷壁は5枚
・氷壁1枚につき通抜筆を1回分使う
・書き始めて一分しか通れず、書いた本人しか通れない
・リンカー1組につき筆は5回使える※使用には共鳴必須
・神代は余分に墨を持っているが決して提供してくれない
※「墨を半量使う」などの調整できない(5回分)
●敵
〇ゾーンルーラー ケントゥリオ級愚神「樹氷のリメス」
氷と雪で出来たブナに似た美しい氷の大樹(枝は動くが根は動けない)
言葉は話せず祭壇の間一杯に根と枝を張る
物攻C/物防B/魔攻C/魔防B/命中B/回避F/移動F/特殊抵抗B/イニシアチブ値A/生命B
攻撃方法 全て範囲:祭壇の間全て(全体攻撃)※BSはそれぞれ判定
祭壇の間に入ると突然《フラム》で襲い掛かる
・通常攻撃:枝による打撃
・フラム:雨のように氷の棘を降らす
BS:減退、狼狽、衝撃
・フィルイン:地面を揺らし同時に鞭のように氷の枝で攻撃
BS:劣化、封印
●NPC
・神代 華 五十代半ばの日本人女性 ゾーンブレイカー
さばさば、てきぱきとした女性で攻撃手段は持たないが
自分一人だけではあるが一定時間身を護る結界を張ることができる
●オーパーツ
・通抜筆(仮称)
詳細はルール項目へ
●PL情報
神代はPCの分だけ帰りの分の墨を持っており
愚神を倒した後、神代は祭壇に残ってドロップゾーンの解体をすると言いPCたちを送り出します
「この手のドロップゾーンの解体にはね、一週間ほどかかるんだよ」
「女性を婆さんだって舐めたら承知しないよ。あたしだって立派なH.O.P.E.のエージェントの一員なんだ」
「ここはゾーンブレイカーに任せて、あんたちは怠けてないでさっさと『王』とやらを倒しておいで」
※台詞の細部調整有
迷路の詳細はありませんが迷いながら進行
その際、より良いプレイングがありましたらリメス戦が少し有利になります
マスターより
防寒具は貸出します。
マスタリングやアドリブが入ることもありますので、
NG行為がありましたらプレイングに明記お願い致します。
子供の頃、アニメを見たりして、こういう通り抜けアイテムを使ってみたいなあと思っていました。
タイトルの北北西は実際の方位ではなく、あり得ない方位の意味で使いました。
宜しくお願い致します!
リプレイ公開中 納品日時 2018/12/11 21:13
参加者
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相談:ノースバイノースウエスト
最終発言2018/11/23 09:44:50 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/11/22 22:22:17