本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/07/19 12:00
- 完成予定
- 2018/08/02 12:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/07/17 00:32:20 -
相談卓
最終発言2018/07/17 18:12:52 -
質問卓
最終発言2018/07/18 18:05:39
オープニング
●イザングラン
「……宰相の予測が正しければ、これで問題ないはずだ」
砂浜の上に描かれた幾何学模様。月の光を浴び、淡く輝いている。生き残った狼とハイエナは、満身創痍の体でそれを見下ろしていた。
「俺達にもう少し力があったら、もっと上手くやれるんだろうけどなぁ」
ハイエナは懐から革製の本を取り出すと、紋様の前に開いて放り出す。
「宰相亡き今、我々が存在している意味もあるまい。後の事は、我らが“閣下”にお任せしよう」
「そうだな。……さぁて」
狼とハイエナは短剣を取り出すと、首筋に刃先を当てる。
「ヘイシズとライネケはこの世界にとっての悪魔になった」
「なら……ヴォルク閣下。貴方はどうなさる?」
刹那、二人は同時に首を引き裂いた。ライヴスに満ちた鮮血が、紋様の中に撒き散らされる。青白い光と赤黒い血が混ざり合い、紋様はいよいよその光を強めていった。
●誇りの為に
CGW作戦もあってさらに注目を集めるようになったH.O.P.E.芸能課。ロックとアイドルパフォーマンスの融合で売り込みをかけてきた異色のグループ、デュアルハーツもその恩恵に与かっていた。ハワイでのライブイベントに名を連ねる事が出来たのである。
「君は行っちまったけど それでも見ててくれよ 俺はまだ泳ぐ 人混みの海を」
紅と蒼の装いに身を包んだ中学生くらいの少女が壇上で力強く歌っている。紅のハスキーな歌声と蒼の少女らしい歌声が交ざり合い、独特の世界を作り上げている。男ばかりだけでなく、女たちの黄色い歓声もそれに応えていた。
真江行弘は舞台袖に立ち、神妙な顔でそれを見守っていた。英雄の方は変わりがないが、能力者は声変わりのおかげか、すっかり声が低くなってしまった。
その声を聴いていると、行弘はどうしても失った恋人の事を思い出してしまう。最近は、彼女や他の仲間と組んでいたバンドで歌う予定だった歌を掘り起こして彼女達に歌わせているくらいだ。
「ったく。さらりと歌いこなしやがって」
マネージャー兼楽曲提供者として、これほど嬉しい事は無い。しかし、彼女達に恋人の代わりをさせているようで罪悪感に襲われてしまう。
「……随分と憂いのある顔をしているな。青年」
不意に声を掛けられ、思わず行弘は飛び上がる。振り向くと、朧げな姿の白い人狼がアウトドアチェアに座っていた。その姿は、初めて出会った時の恋人にそっくりだ。
「英雄……か?」
「どうだろうか。今のところは迷っている。どうやら、宰相は私に二つの選択肢を与えられたようだからな」
「宰相……ヘイシズの事か」
行弘が尋ねると、人狼は頷く。
「ああ。彼は私の盟友だった。共に、国の為、民の為に戦っていた。……彼がこの世界に遺していた手記によると、それも徒労に終わっていたらしいが。……確かに、それならこの喪失感にも説明がつく」
人狼は行弘を見上げる。
「君も似たようなものか?」
行弘は溜め息を吐くと、舞台袖に腰を下ろす。
「国を失ったとか、そんな大層なもんじゃないんだけどさ」
眼を閉じると、いまだに想い人の笑顔が蘇ってくる。ハスキーな歌声が聞こえてくる。
「今でも思うんだ。……俺がもっとしっかりしてれば、あいつは消えずに済んだんじゃないかって」
「そうか。私も似たようなものだ。一騎当千と呼ばれていたのに、結局私は何も出来なかった」
俄かに舞台の方が騒がしくなる。黄色い悲鳴というにはあまりにも声が尖っている。どちらかといえば、恐怖の悲鳴だ。行弘は咄嗟に立ち上がった。
「安心してください! 皆さんには手出しさせません!」
デュアルハーツが壇上から呼びかけている。いざという時は、彼女達も共鳴して戦えるよう鍛錬を積んでいるのだ。
「ヴィランか。それとも……」
「愚神か従魔の類だろうな」
人狼はおもむろに立ち上がると、行弘の隣に並ぶ。
「覚悟はあるか?」
「何?」
「自分の大切な者の為に、もう一度戦う覚悟はあるか?」
行弘は眼を見開いた。言われた途端に、恋人と過ごした日々の記憶が去来する。希望と絶望。二つの感情が絡み合う。拳を固めた彼は小さく頷いた。
「……ああ、当然だ」
●希望の為に
君達はライブ会場に押し寄せた大量の従魔と対峙していた。たまたまライブ会場のガードマン役として呼ばれていたのである。しかし、デュアルハーツを足しても広い会場の観客を守り抜くには人手が足りない。
「危ない!」
誰かがデュアルハーツに向かって叫ぶ。空を飛ぶ従魔が彼女の背中を狙って急降下してきたのだ。
『For The Glory!』
刹那、咆哮のような叫びと共に、会場裏から人影が風のように突っ込む。その手から放った雷を刃のような形へ変えると、大上段から打ち下ろした。
雷が弾け、舞台の照明がちかちかと明滅する。全身を焦げ付かせた従魔は、力なくその場に崩れ落ちた。
そこに立っていたのは白狼の仮面で顔を覆い隠した一人の男。黒いレザーのロングコートが、南国の空に似合わぬ重々しい光沢を放っている。
「あ、あつそー……」
デュアルハーツが思わず呟く。狼は振り返ると、何も分かってないと言わんばかりに首を振った。
「Tシャツに短パンなんて姿じゃあ、格好悪くて戦ってられないからな」
その声には聞き覚えがある。アイドルは思わず目を丸くした。
「え、さな……」
駆け寄った男は、人差し指で彼女の口を塞ぐ。
『今の私はイザングラン。よいかな?』
「あっ……はい」
狼男は振り返ると、従魔を静かに睨め付ける。
『しっかり距離を取って戦え。わざわざ近づいて雷を浴びせる事も無かろうに』
「残念。俺は……霧江と一緒に、ずっとこう戦って来たんだ」
「さあ、さっさと片付けてライブの続きをするぞ」
狼は二振りの刀を抜き放つと、炎を静かに纏わせた。
解説
メイン ライブ会場を襲った従魔を撃破する
サブ イザングランが戦闘不能にならない
☆ミーレス級愚神ファイアバード×30
燃え盛る肉体を持つ鳥の群れ。
・ステータス
物攻やや高め、飛行(最高10sq)
・スキル
急降下
空高くから急降下して攻撃する。
☆イザングラン(真江行弘&ヴォルク)
大切なものを失った者同士、ロッカーと傭兵が手を組んだ。一線は引いていたものの、戦いの勘まで衰えたわけではない。
・クラス
攻撃ブラックボックス(55/20)
・スキル
黄の爪、赤の声、森羅の寵児
・性向
格闘志向
真江は元ドレッドノート。戦い方も自然とそちらに寄っていく。
☆デュアルハーツ
歌って踊ってついでに戦うアイドル。最近声変わりした様子。
・クラス
攻撃ブレイブナイト(40/20)
☆フィールド
・広さ20sq×40sq。開始地点は自由
・1000人単位の人々がおり、現在避難誘導中。真っ直ぐ移動するのは困難
☆TIPS
・観客にはなるべく怪我をさせないように。
・NPCに指示を出すとそのように動く。
・ヴォルクはヘイシズについての話を持ち掛けたら反応する。
マスターより
影絵企我です。
今回の能力者については知っている人もいるかもしれません。
とりあえずはブラックボックスのお披露目という事で、それに沿った感じのシナリオです。ロールプレイの参考にしてくださっても良いんですよ(オイ
狐、獅子ときたら狼というのはお決まりなのです。
ではよろしくお願いします。
マンウィズなんとかとか言わない。
リプレイ公開中 納品日時 2018/07/28 08:01
参加者
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/07/17 00:32:20 -
相談卓
最終発言2018/07/17 18:12:52 -
質問卓
最終発言2018/07/18 18:05:39