本部
病的な踏みつけ
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/12/07 22:00
- 完成予定
- 2017/12/16 22:00
掲示板
-
進撃する愚神相談卓
最終発言2017/12/07 19:21:03 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/05 19:56:58
オープニング
●突き抜ける絶望
「うるせえ踏み潰すぞ!」
愚神はもう駆けていた。足首から先が三角に歪んだ4本の脚が道路を踏み砕き、足下と進行方向にいたエージェント数人を吹き飛ばして、あるいは踏みつけて生き埋めにした。愚神が立ち止まると、それはありえない形状に上半身を捻って病的に細長い腕でまた一人を殴りつけた。
「くそ! みんな、無事か!」
「ごめんなさい、全部は治しきれないかも……!」
生き残ったエージェントたちが隊列を組み直し仲間を回復する。彼らは焦っていた。戦闘が始まって間もないながら、愚神がもたらす破滅的な暴力の嵐を前に、とても持ちそうになかった。
上半身が正常な位置に戻され、顔のない愚神の頭が彼らを向いていた。脂ぎった光沢を放つ外殻に覆われた顔面からの発声は奇妙にくぐもって聞こえた。愚神は心底失望した様子で頭を振った。
「ハァ……つまらん。小さく脆い、壊しがいのないザコども。英雄入りとくればもっと楽しいかと思ったが、お前らと遊ぶのはもうやめだ」
「何を……!」
「もっと踏み潰しがいのあるところへ行く。たとえば、そうだな……人間の街だ。ビルとかいうあれはいくつもある上にでかく重く脆い。しかも人間を踏み潰せるおまけ付きだろ。あれをひたすら踏み壊すのは楽しそうだ」
愚神の頭部が道路の奥へ向けられた。小山ほどもあるその体高なら見えるかもしれない。そこは市街地で、避難はまだ完了していなかった。
「させるものか!」
エージェントの一人が殺気立って針めいた愚神の脚へ斬りつけた。ぶつかり合う金属質の音が響き、ほんのかすかな切り傷を残して無情に剣は弾き返された。
別のエージェントは電撃の魔法を唱えて愚神を麻痺させようとしたが、愚神の体を覆う鉄っぽいぬめりが電流を滑らせて逃がした。
「邪魔をするな!」
「行かせるか!」
愚神が踏み出そうとするのを両脇から伸びた鎖が咎めた。彼らは先ほどの決して軽くない打撃の傷をこらえながら、愚神の脚を捕らえたアンカーを全力で引いた。その抵抗は炎に立ち向かう羽虫ほどの印象と効果であった。
暴れ馬のように愚神の脚がつり上がって鋼線につかまったままのエージェントを逆に引き寄せ、愚神に剣を向けたものもまとめて無慈悲かつ執拗に踏みつけた。道路が割れ、離れた位置で震え上がる少女英雄の肩に破片が浴びせられた。
「うるせえ! 黙れ! 俺は! 踏み潰すぞ!」
愚神の脚は踏み荒し続けた。道路の破片と血肉が混ざり合い、おぞましい足跡が繰り返し彼らに刻みつけられた。
●砕けぬ意志の砦
「緊急事態です。大型の愚神が市街地へ向けて進行しています。待機状態のエージェントは今すぐ出撃し防衛ラインを配備してください」
職員が増援を集め始めたころ、すでに愚神はエージェント数人からなる討伐隊を少なくとも2度撃退していた。さらに悪いことに、彼らはみな愚神の脚を破壊しようと試みて、その規格外に硬い外皮に阻まれ、踏み潰されてしまったという。
「体組織の末端ほど耐久力の強固な愚神のようです。脚を壊して静止させるという定石にこだわりすぎず、どうか臨機応変な対処を願います」
幸い死者は出ていないが重傷者多数、現時点での前線も間に合わせの時間稼ぎにすぎず、実質ここに集まったメンバーが最終防衛線と言ってよかった。
「この愚神について、これまでにわかっていることがみっつあります。まず、平らな地面を――障害物があってもお構いなしに――進むのを好むということ。平地を舗装した都市なんかに出られたら最悪です。しかし道路上で戦えば愚神のほうから横道にそれることはないでしょう。次に、移動よりも驚異の排除を優先する傾向のあること。そして、驚異と見なさなければ戦闘中であっても興味を失うということです」
恐るべき巨体と防御力を誇る反面、攻撃は肉体による単純なものばかりで、手足が長く射程のあるほかは遠距離攻撃の手段も備えていないとのこと。それでも大きさと怪力を活かした打撃攻撃は単純だが効果的なようだ。
「住民は避難を開始していますが、この速度で進行されたら間に合わないかもしれません。もはや予断を許さない状況です。街を背にして戦う厳しい作戦ですが、逃がさず、通さず、必ずここで撃破してください。私は皆さんを信じています」
解説
●目的
愚神の撃破
市街地の防衛
●現場
市街地から数キロ離れた道路上。
高速道路の出口付近となる開けた場所であり、ここから侵入しようとする愚神を迎撃することになる。
多少の高低差やガードレールなどの障害物が存在するものの、完全に隠れることなどはほぼ不可能。
●愚神
ケントゥリオ級。
顔のない人型の上半身を備える屈強な胴体に、異様に細長い2本の腕と4本の脚を生やし、毒々しい光沢の金属質な外皮に覆われた、全長・全高5m前後の異形の愚神。
イニシアチブ、物理攻撃が高い。腕と脚のみ、物理防御と魔法防御が極めて高い。
踏み潰し叩き壊すことを手段、目的共に好んでいる。特に巨体で踏み潰す爽快感がライヴスを得る充実感に勝っている傾向があり、しばしば短絡的な楽しさを優先して相手や行動を選ぶ。
・叩き付け
短射程単体物理攻撃。この攻撃に対してカバーリングが行われた際、カバーリングしたキャラに与える最終的なダメージを半分にしてもよい。そうしたなら、残り半分のダメージをカバーリングされたキャラにも与える。
・踏み潰し
パッシブスキル。自身が通常移動を行う際、あらゆるキャラや障害物やバッドステータスが存在しないかのように移動を行う。その後、この移動によって通過したスクエアに存在したキャラに少量のダメージを与え、障害物や罠であればそれらを破壊する。
・油性金属殻
パッシブスキル。自身が効果にバッドステータスを含むスキルの対象となったとき、バッドステータスひとつにつき、その使用者が生命力を少量払わなければ、そのバッドステータスを無効にする(複数のバッドステータスを同時に付与する場合、生命力を払うたびにどのバッドステータスを有効にするかは使用者が選んでよい)
マスターより
どうも、長男です。
運動が気持ちのよいことであるように、何かを力尽くでどうにかするのは(特にそれでうまくいったときには)往々にして爽快なものです。
しかし、破壊的な衝動と目的、それに手段が同居してしまうと、それはときに本当の破滅をもたらします。
壊すほうは気分がよいかもしれませんが、壊されるほうもまた身を守り生き延びようとする権利があります。
今回は極めて直線的な壊し屋との対決です。
生き延びるための手段は力比べか、それとも何か知恵を絞って受け流すか。
皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
リプレイ公開中 納品日時 2017/12/21 23:15
参加者
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進撃する愚神相談卓
最終発言2017/12/07 19:21:03 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/05 19:56:58