本部
聖なる獅子
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/10/01 22:00
- 完成予定
- 2017/10/10 22:00
掲示板
-
白獅子討伐相談所
最終発言2017/10/01 15:20:29 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/09/27 18:57:30
オープニング
●栄誉ある選別
「ああ、きれいだ。よくこの日を迎えたね」
長老は娘の頭を撫でつけた。村で最年少の美しい娘は、彼女たちの部族が知るあらゆる縁起物とまじないを身につけていた。
「長老さま、ありがとう。でも、わたし、少し怖いわ」
「何を言うのだい。お前は選ばれたのだ。さあお行き。我らの王が待っておられる」
皺だらけの手で娘の背を叩き、長老は娘を旅路へと急かした。村中の人々が集まり、厳かに娘を見つめ、見送った。
偉大なる統治者への道は選ばれしもの独りで進まねばならなかった。娘はさみしく草原を歩いた。獣たちは沈黙していた、この娘に手を出す意味をどの猛獣も知っていたから。
起伏のある平野を進み、山岳地帯の手前まで辿り着くと、彼のものの玉座があった。
聖なるものは滑らかにそびえた岩の上で寝そべっていた。娘が近づくと、首をもたげて起き上がり、たくましい姿を誇示して立ち上がった。
「かみさま」
娘は祈りに指を組んで囁いた。神格はしなやかに草地へ舞い降りた。平原に注ぐ陽の光が、その御身を尊大な白へと輝かせた。
●牙持つ秩序
その獣が従魔だと最初に知ったのは、外から来た民間人であった。
男は神秘的な民族を追う写真家で、目的の村へ行く途中、彼は罠にかかったメスのホワイトライオンを見つけた。クリエイティブイヤーを迎え、創造の時代を迎えた今でも――いや、そのような未知の魅力にあふれた時代だからこそ――珍しい野生動物の密漁は後を絶えない。
男は離れた位置からカメラを向け、ライオンを撮影した。助け方はわからなかったし、動けずにいようともそれが致命的な生き物であることに変わりなかった。
レンズに夢中になっている男に何者かが話しかけた。
二人組の男は近代的な服装をしていて、肩から銃をぶら下げていた。罠の様子を見に来た密猟者に違いなかった。銃口を向けられ、男は死を覚悟した。
銃声が鳴り、悲鳴が聞こえた。しかしそれは密猟者たちのものであった。
一匹の獣が武装した人間へ猛烈に打ちかかっていた。残った一人が絶叫しながら獣へ銃を乱射したが、獣は銃弾を浴びながら悠然と向き直り、もう片方にも噛みついて斃した。オスライオンのようだったが、毛並みは他のどの白よりも白く、胴から前足にかけて異様な筋骨を誇り、光沢のあるたてがみからは角のようなものが生えていた。
殺戮が終わると、獣はまっすぐ男の元へ向かってきた。獅子の顔は新鮮な血肉に濡れていた。男は銃口を覗くよりもはるかに強い恐怖を感じた。
獣は震え上がる男をしばらく眺めていた。厳しい視線が心中の悲鳴まで見透かすようだった。惨殺の予感に反し、獣は男から顔を背けるとメスライオンの檻に巨大な前足を乗せ、鉄の囲いをクッキーのように易々と踏み潰した。
獣はライオンの脚を舐めはじめた。脚には穴が空き流血していて、しかし数秒も経たないうちにライオンは健康な勢いで立ち上がった。傷口は魔法のようにすっかり治っていた。
すさまじい破壊と再生にうちひしがれる男を捨て置いて、メスライオンはその場を遠く離れ、謎の獣は仕留めたばかりの人間を食べ始めた。男は震える手で獣を写真に収め、逃げるようにその場を立ち去った。
目的の村に着くと、男はすぐに獣のことを長老に尋ねた。長老は苦々しく話し始めた。意外なことに、謎の獣は村では既知の存在のようだ。
それはある日突然現れ、獣を食う人を殺し、人を食う獣を殺した。家畜を食う人間も襲ったが、人身御供を与えるとおとなしくなった。それは秩序だった。密漁は減り、人間は猛獣から守られ、民族は庇護と容赦を求めて生け贄を差し出した。それは若い男や美しい娘を好んだ。子どもを失うのは受け入れがたいことだったが、部族の滅亡には代えられなかった。
長老は言った、荷物に肉など持っていないかと。生きる為であろうと殺傷を行いながら供物を捧げない人間に王は無慈悲だ。
男は獣の正体に気がついた。そして、手持ちの食料に干し肉を選ばなかったことを自らの神に感謝した。
解説
●目的
従魔の撃破。
●現場
岩山に囲まれた平原。
何もなくひたすら広い平地と、険しい高低差のある山である。
平原には現地の民族の村が存在する。ここを戦場や拠点とすることに彼らは反対している。
山の麓には従魔の巣がある。草原のほぼ全域が従魔の縄張りとなっている。
●従魔
ケントゥリオ級。
光り輝くねじれた角を持ち、前足が異常発達した、ホワイトライオンの獅子型従魔。
生命力が極めて高い。
縄張りで獣を傷つけたり肉を食べたりした人間に襲いかかる。知能も高く、保身のため餌となる生け贄を差し出した人間の民族を生かすことで、定期的に人間の命を奪い、強力に育った。
・王の威光
生命力を大きく回復し、攻撃能力が増加する。
・ネコパンチ
近接単体物理攻撃。この攻撃によって一度に一定の生命力を失った場合、BS:衝撃を受ける。
・輝く角
短射程単体魔法攻撃。与えたダメージにつき一定の割合で生命力を回復する。
マスターより
どうも、長男です。
世界には様々な神がいます。人間を愛し望むままに与える神や、試練に打ち勝つ勇敢な人間を助ける神もいます。
しかし、人身御供を求める人間の守り神はどうでしょうか?
それが愚かな神であることは、エージェントの皆様がよくわかっていると思います。
統治者を偽る暴君を退治してください。
皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
リプレイ公開中 納品日時 2017/10/13 21:17
参加者
掲示板
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白獅子討伐相談所
最終発言2017/10/01 15:20:29 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/09/27 18:57:30