本部
歪んだライヴスはどんな味
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 9人 / 6~9人
- 英雄
- 9人 / 0~9人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/06/14 12:00
- 完成予定
- 2017/06/23 12:00
掲示板
-
【相談卓】
最終発言2017/06/14 04:59:03 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/06/12 01:29:20
オープニング
●
さあ、それでは始めましょう。今日も明日と変わらない、狂った遊戯の幕を開けましょう。
これは私のクライアントを愉しませるための遊戯。どうか存分に、踊ってくださいませ。
……私がどこにいるのかって? ふふ、さて、どこでしょうね?
●
これはゲームなんですよ、とその男は言った。高級ブランドの服飾品をごてごてと身につけた嫌味ったらしい奴だった。
「皆さんに行っていただくゲームは至極単純です。十四日の間、毎日ひとつ課題に挑戦してもらいます。それは皆さん全員で協力していただくものもあれば、個人で取り組むものもあります。最後までゲームをクリアしていただければ、お約束した報酬を皆さん全員にお支払いいたしますよ」
広い屋敷の広間に集められたのは、説明する男を除いて十五人。男が七人、女が八人だった。誰も彼も説明役以外は安物の服ばかりを着ていて、笑顔のまま言葉を紡ぐ男とは対照的に彼らは口も開かず男を睨みつけていた。
「ゲームの内容は当日になるまで公開することはできません。あくまで平等な状態で、挑戦していただきます。えー、それではこちらからの説明は以上になります。何かご質問等はございますでしょうか?」
「本当に、そんな簡単なことであの金額を全部もらえるんだろうな?」
そう問うたのは、高給そうなソファにどっかりと座った大柄な男だった。服の下からでもわかる筋肉の分厚さと目つきの鋭さは、心臓が弱いものが見れば卒倒してしまうような威容を誇っていた。
「俺は、いや、俺たちはみんなあの報酬目当てでやってきたんだ。てっきり何か重労働をさせられるかと思えば、言い渡されたのはただゲームをやることだけ。本当にそんなことで報酬を満額支払ってもらえるんだろうな? 最後まで残った連中で山分け、なんて言ったらどうなるかわかってんだろうな」
もともと強面なうえに瞳がぎらついているので、飢えた肉食獣のような風貌となっている。だが男はまるで気にせずにその視線を受け流した。
「もちろん、満額、その場で現金でお渡しいたします。そうでなければ意味がないでしょうから」
この場に集まった者たちの中には諸般の理由で口座が凍結されているものも少なくない。それらに配慮した――話し方のせいで神経を逆なでしたようにも聞こえたが――言葉だった。
「よろしいですか?」
「……ああ」
「結構。それではさっそく最初のゲームを開始いたしましょう! どうか皆様、最後まで気を抜かずにご健闘ください!」
その日のゲームはツイスターだった。指示に合わせて指定された色に足や腕を乗せていくこのゲームで、肥え太った不健康そうな男が一人クリアできなかった。
するとその男は先ほどの説明役とともにどこかへと消えていった。
ライバルが早くも一人減ったことで参加者は喜んだ。心配する者など、当然いるわけがなかった。
一夜明け、再び参加者が広間に集められた。だが、いつまでたってもあの太った男が現れない。もうすでに外へ帰されたのだろうか、と誰もが何となく想像していたところに説明役がわざとらしく手を叩いていった。
「ああ、そうそう。昨日ゲームに失敗されたあの方ですが。あの後丁寧に解体して臓器をしかるべきところへ売却いたしましたので。どれだけ待ってもあの方はこられませんでした。いや失敬、私としたことが、皆様にお伝えし忘れておりました」
電球が切れていたから買ってきた、ぐらいの口調で言ってのけたので、最初は誰も言葉の意味を理解できなかった。
が、やがて言葉を飲み込んだあの筋肉質の男が声を荒らげる。
「な、お前、今なんて言った!? 臓器を売った、って言ったのか!?」
「はい、そうですが?」
「そうですが、じゃねえよ! そんなことをあのデブが許可したのか!? 一体何の力があってそんなことできんだ!」
「何の力も何も、これは私のクライアントの指示ですので」
男は胸に手を当て、苦しそうな表情を見せていった。
「私はあくまでクライアントの代理でここにいるにすぎません。私がどれだけ抗おうとしても、かの方のお力は絶対です。なので臓器を売ってしまうのも仕方のない事なのですよ」
ゲームをクリアできなければ、殺される。
その事実が、参加者の心を押しつぶした。
男はうつむく参加者をぐるりと見渡すと、満足げにうなずいてから言った。
「それでは、今日のゲームをご紹介します。このゲームは皆様が協力して行うものですので……どうか、頑張ってくださいね?」
そして、十日後。
あの筋肉質の男が、人も太陽も寝静まった真夜中に屋敷からの脱走を果たした。
すでにあの屋敷には、自分を含めて参加者は四人しかいなかった。
いいや、もう三人になっていたか?
それを判断する心さえ、男は持ち合わせてはいなかった。
持ち合わせ、られなかった。
●
「十数年前、とある大富豪が金に困った連中を集めて殺し合いをさせた。最後の一人になれば莫大な報酬を与える、とそそのかしてな。結局それは内部告発者のおかげで最後の一人になる前に摘発できたんだが、今同じ奴が狂ったゲームをしているという情報が入った。
場所は山奥にある奴の屋敷。今度は殺し合いではなくゲームらしいが、クリアできなければそいつの臓器を取り出して売っているらしい。立派な犯罪行為だが、事はそれだけにとどまらん。そのゲームに愚神が一枚噛んでいるらしい、と解析部から報告が上がった。おそらく内部告発者の話にあった『説明役』と推定される。
内部告発者は、死んだ。ここにきて、情報を伝えた後眠るように息を引き取った。心身ともに疲弊していたことがよくわかったよ。
我々H.O.P.E.は、この大富豪を摘発対象に指定した。君たちにはこの大富豪の逮捕と、関連性が疑われる愚神の撃滅を依頼したい。
敵性呼称名は『ブックメーカー』。健闘を祈る」
●
「――ということで、すでにネズミは逃がしておきました。いずれH.O.P.E.がここに攻め込んでくるでしょう」
「いえ。貴方がご心配なさることはありません。私が、すべて、何とかして見せますよ」
「……ですが、その前に貴方がお亡くなりあそばされた場合は、どうする事も出来ないのですが。ふふ」
解説
目的:大富豪の逮捕、並びにデクリオ級愚神『ブックメーカー』の撃破
登場人物
『ブックメーカー』
・デクリオ級愚神。大富豪の屋敷で存在が確認された。大富豪が主催するゲームでの説明役を務めている。
・この愚神が大富豪よりも現場の情報を知りえている可能性が高い。他の参加者がどこにいるか、大富豪はどこにいるかなど、聞き出せる情報は多い。
・屋敷の土地勘に優れているため、戦闘では苦戦を強いられると思われる。
・以下、戦闘データを記す。
コギト・エルゴ・スム
・相手に直接触れることで体内のライヴスをかき乱す。BS封印を付与。
タブラ・ラサ
・空間全体のライヴスを取り込み、一時的にゼロにする。空間内の対象に中ダメージ。
エッセ・エスト・ペルキピ
・対象に接触し、内臓に直接刺激を送り込む。大ダメージとBS減退(2)付与。
大富豪
・数年前にも同様の犯罪を犯した老人。出所後、自身の屋敷でこのゲームを主催した。
・この老人が持ちうる情報は他の犯罪を解決する重要な証拠と成り得るため、彼が持つ書類などはすべて押収することを要請する。
・老人が愚神とのパイプを持っているとは過去確認されていないため、『ブックメーカー』から老人へアクセスしたと推定されるが、詳細は定かでない。
(PL情報:すでに干からびて死んでいる)
参加者
・大富豪が主催するゲームに参加した人々。金銭的な問題を抱えた者ばかりである。
・現在屋敷にいるのはおそらく三人。彼らは老人や『ブックメーカー』の被害者であるため、保護を求める。最終的なメンタルケアはH.O.P.E.で行うが、可能なら一時的な処置を依頼したい。
屋敷
・大富豪の屋敷。とても広い。プリセンサーの報告では『ブックメーカー』、参加者三人はともに二階大広間にいると確認。大富豪の居場所は不明。
・大広間へは正面玄関を入ってすぐの階段を上がれば辿り着ける。
・周囲は深い森に囲まれ、家屋はない。時間帯は早朝である。
マスターより
山川山名です。
今回のテーマは『寄生』。生物界ではよくあることですが、これは『共存』とも言い換えられます。持ちつ持たれつの関係が出来上がり、それはそれでいいことなのです。
今回の敵も大富豪に寄生した存在です。どうしてそんなことをしたのか? と考えると、よりムカつくかもしれません。ここ最近の敵で一番俗っぽい奴ですし
リプレイ公開中 納品日時 2017/06/17 20:11
参加者
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【相談卓】
最終発言2017/06/14 04:59:03 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/06/12 01:29:20