本部
ボランティアで大掃除
- 形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- 参加費
- 500
- 参加人数
-
- 能力者
- 25人 / 1~25人
- 英雄
- 25人 / 0~25人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/04/15 19:00
- 完成予定
- 2017/04/29 19:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/04/15 18:47:44
オープニング
●事の発端
「逃がすな! 人的被害が出る前に倒しきるんだ!」
『おう!』
東北地方北部の山間部にて、1人のエージェントの怒号が響いた。背後にいた仲間たちはしっかりと頷き、逃走中の従魔を追う。
数時間前、とあるゴミ集積場に従魔が出現したとの一報が届き、10名ほどのエージェントが派遣された。人里離れた場所にあった現場付近で発見するも、従魔はエージェントの姿を見るなり即座に逃亡。
追跡の最中、エージェントたちは従魔の目的が人の住む近隣の村だと推測し、より足を早めている。
「目標発見! 散開して討つぞ!」
程なくして、エージェントたちは多種多様なゴミを素材にして作られた、巨大なイノシシ従魔の背中を視界に捉えた。その近くで併走するウリボー従魔も複数散見され、歩みを止めるために各個撃破に移る。
「くそ、村に入ったか! 一気に決めるぞ!」
しかし、攻防を繰り返していく内に、従魔とともに村へ到着してしまう。ただ、道中で従魔へ蓄積させたダメージも大きく、あと一息で倒せるとエージェントたちも察している。ゴミの肉体で暴れ回る従魔へ、次々とAGWやスキルを叩き込んだ。
「これで、終わりだ!」
そして、とどめの一撃とばかりにリーダー役のエージェントがイノシシ従魔へ強力な攻撃を放った。同時に、村の中を逃げ回っていたウリボー従魔へも攻撃が入り、一斉に動きが止まる。
幸い、侵入からさほど時間をかけずに討伐できたことで住民への被害もなく、エージェントたちに安堵の表情が浮かんだ。
その時。
「よし、これでもうだいじょうぶへぼっ!?」
消滅する一瞬前、イノシシ従魔とウリボー従魔が肉体を四散させ。
緩んだエージェントたちの顔面へ、ライヴス混じりの生ゴミがへばりついた。
●諸君、お掃除の時間だ
「ボランティアに興味はありませんか?」
H.O.P.E.東京海上支部にて、依頼を探していたエージェントへそう声をかけたのは、オペレーターの佐藤 信一。彼が提示したのは、依頼書ではなくボランティア募集のチラシだった。
「実は急ぎの案件で1つ、解決して欲しい問題がありまして。東北地方北部の村で大量のゴミが散乱しているのですが、撤去作業に必要な人手が足りないんですよ」
詳しい話を聞くと、数日前ゴミに憑依した従魔討伐依頼があり、見事成功した。が、従魔たちは消滅の寸前に自爆し、肉体を構築していたゴミを広範囲にまき散らしたのだとか。
従魔はゴミの種別に関係なく無節操にゴミを取り込んでいて、大小種々のゴミを村中にばらまいて消えていったらしい。
「討伐に参加したエージェントも責任を感じていたのですが、全員従魔の自爆を受けて安静の状態です。あ、彼らの怪我は大したことなくて、飛び散った生ゴミを誤飲してしまい、揃って腹痛を起こしてしまって動けないんです」
生ゴミを食わされたことを想像して、エージェントたちも微妙な表情になる。
腹痛は従魔のライヴスが生ゴミに残っていたことが原因らしく、胃腸からすべて排出するまでは続くのだそう。今もまだ、吐き気と下痢で苦しんでいるらしいエージェントたちを想い、密かに完治を祈っておいた。
「ボランティアとしてお願いしたいのも事情がありまして、被害に遭った村はいわゆる限界集落であり、住民のほとんどが高齢者なので自力での片づけが厳しいのです。加えて、その地域を管轄する自治体も金銭的余裕がなく、清掃作業員を雇うことも難しいらしくて……」
『無償』である必要性は理解できたが、どうして作業を急ぐ必要があるのか? という疑問に、信一は苦笑する。
「……ここだけの話、今回の件で村の周辺地域からは感謝の声がある一方、エージェントの過失を問う声も寄せられていて、H.O.P.E.としてはネガティブなイメージが広がる前に早期決着が望ましいんです。もちろん、従魔討伐に感謝してくれる声がある中に紛れた、ほんの一部なんですけどね」
どうやら、人的被害を出さずに解決した賞賛とは別に、少数ながら村への被害が出る前に従魔を倒しきれなかったことを問題視する非難もあった、ということらしい。
「H.O.P.E.は主に愚神やヴィランなどが関与する問題を解決するための機関ですが、未だに残る能力者や英雄への迫害や偏見を減らすことも重要な課題です。正直なところ、社会奉仕活動は能力者や英雄の社会的地位を向上させる戦略の一環でもあるんですよ」
世界中で起こる様々な問題を解決してきたH.O.P.E.だが、まだ設立されて10年ほどの若い組織だ。今でこそトップリンカーをはじめとしたエージェントたちの活躍や、メディア露出を通じてプラスイメージが大きくなってきたが、すべての悪意ある視線がなくなったわけではない。
中でも、ヴィランから直接的な被害を受けた人々の一部が、能力者に対して向ける目はかなり厳しい。彼らの批判的な声を大きくさせないため、何より能力者たちに矛先を向かせないためにも、不穏な火種は早めに消しておきたいのだろう。
「とはいえ、悪いことばかりじゃないんですよ。大勢のエージェントが集まった作業で、ベテランからルーキーまで幅広い層の交流が可能となります。特に新人エージェントには、研修として依頼の大まかな流れを経験してもらう、いい機会になりますからね」
なるほど。熟練のエージェントからしたら新たな人脈を結び、後進を育成する場になる。一方で新人からしたら多くの先輩との出会いはいい刺激になるし、比較的安全な環境で依頼を体験出来れば自信や経験を積める。
いずれにせよ、エージェント同士の交流や人材育成の場としても期待できるということか。
「もちろん、純粋に困っている人を助けたいという思いでの参加も大歓迎ですよ。実際、僕を含め多くの職員もボランティアとして手伝う予定ですから。組織としての本音や建前を抜きにしても、見過ごせない状況ですからね。興味があれば、参加してください」
そう言って信一はチラシを差しだし、笑みを浮かべた。
解説
●目標
従魔が散らかしたゴミの清掃
●場所
東北地方北部の寒村で、若年層の転居や高齢化が進んだ限界集落。住民の大半は足腰が弱った高齢者。元々は昔ながらの木造家屋や、山に囲まれた田園風景など、風光明媚な土地だったが、現在は生ゴミ・埋め立てゴミ・粗大ゴミなどが散乱。
●状況
付近のゴミ処理場から発生した従魔が村へ逃げ込み、討伐と同時に憑依対象だった大量のゴミをぶちまけて消滅。討伐部隊は全員、従魔の自爆により軽傷。人的被害こそ少なかったものの、村中のゴミは放置されたまま。
しかし、住民たちが自力で清掃するだけの体力はなく、清掃業者に依頼しようにも自治体に金銭的余裕がない。
以上の事情から、H.O.P.E.が慈善活動としてエージェントや職員を中心にボランティアを募集。村の清掃活動が実施される予定。
名目上はエージェントたちの奉仕精神の育成や、社会貢献の組織理念などを前面に押し出している。
が、一部から寄せられる『村への被害はH.O.P.E.の過失だ』とする苦情の声を沈静化する狙いがある。同時に、経験が浅い新米エージェントの研修の場としても利用され、疑似的な依頼体験としての機会でもある。
作業の全日程は数日間で、PCたちはその中の1日に参加。作業時間は朝9:00~夕方17:00、昼休憩は12:00~13:00の予定。昼食はH.O.P.E.から弁当が、住民からおにぎりが提供される。
事前にマスク・軍手・ゴミ袋・ゴミ拾い用トングが配布される。幻想蝶の使用も可能だが、運搬物がゴミなのでオススメしない。作業グループなどは各自で決め、自由に撤去作業を行う。
住民たちも可能な範囲で掃除をする姿がちらほら見られ、エージェントたちへの印象はおおむね好意的。
マスターより
立つ鳥跡を濁して消えた、従魔の粗相の後始末です。体力的にも財政的にも自力での対処が難しい集落ですので、気力・体力が十分あるエージェントの皆さんにお任せいたします。
お知り合いと参加され、一緒に行動することを希望される方は、その旨プレイングに記載をお願いいたします。
また、本シナリオは交流的な側面が強いので、ランダムに清掃グループを編成する可能性があります。もしも単独で黙々と作業したい、などという方もプレイングに記載していただけると助かります。
リプレイ公開中 納品日時 2017/04/29 19:58
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最終発言2017/04/15 18:47:44