本部
支配者達は産声を聴かせる
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 6~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/08/11 19:00
- 完成予定
- 2016/08/20 19:00
掲示板
-
質問卓
最終発言2016/08/08 21:00:18 -
相談卓(病院側)
最終発言2016/08/11 18:46:20 -
相談卓
最終発言2016/08/11 11:39:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/08/09 00:14:08
オープニング
●
休憩中に坂山は、旧友にあう事にした。
旧友は一年前にヴィランとなってしまって、今は収容施設にいる。坂山と同じ教育者であったが、その道は全く違う方向になったという事だった。
H.O.P.Eの通信士となって、一度は挨拶をしたかったのだった。機会が巡ってきて、ようやく挨拶ができるようになった。
看守と手続きを済ませ、坂山は束の間、旧友と再会する許可を得た。
「久しぶりね、高梨(たかなし)」
胸の中に感情が溢れだした。喜びや悲しみそれ以外の感情も全て。様々な物がこみ上げて、坂山は涙を浮かべた。窓越しの対面だが、窓なんて見えなかった。
「本当に久しぶり、坂山。一年振り……だったかな」
「一年は経ってないわよ。体感では、もっと経ってるけれど。えっと……」
坂山は色々な事を言おうと思っていたのだが、すっかり忘れていた。
「通信士になったんでしょ。おめでとう。お仕事の調子はどうなの?」
「まあまあよ。最近は喋る犬のロボットもきてね。今は散歩中……なんだけどお節介で、困った人をみたら助けられずにはいられないが極まったロボットでさ。私が困っちゃうわよ」
「楽しそうじゃない」
高梨は笑みを浮かべた。
「まあね」
「結婚は?」
「う、うるさいわよ。そんなに急かさない事。まだ三十よ? これから先、まだまだ可能性はあるわ」
「どうだかねえ。坂山ってちょっとさ、硬い所あるじゃない。ちょっと重かったり。そこがだめなんじゃないの?」
「うーるーさい。あんたもお節介ね、本当に」
談笑を楽しんだ。楽しんで楽しんで、終わりが見えなかった。だが終わりは訪れてしまうのだから、意地悪な物だった。
「じゃあね。もうあと少しでここから出られるのよね。そしたらまた喫茶店にいきましょ。マスターが悲しんでたわよ」
「そうねぇ。……でも、ヴィランだからちょっと気が重いかも。私なんて、笑う権利すらあるのか分からないのに」
「あんたはヴィランだけど、高梨でしょ? 表に出た時はもしかしたら敵が多いかもしれないけど、少なくとも私は味方だから」
「ありがとう、心強いわ」
見張っていた男は時間が過ぎても私を急かす事はなかったが、何気ないアイコンタクトを感じて私は椅子から立ち上がった。同様に高梨も椅子から立ち上がる。
「じゃあね――」
男に挨拶しようと坂山は視線を下に向けた時、奇妙な物が見えた。見慣れない物で、最初はそれがなんなのかは不明だった。
だから遅かった。黒い塊。
何らかの音、耳が壊れるような、激しい音が鳴った後も何が起きたのか分からなかった。
血が見えた。
でも分からなかった。痛覚が芽生えた。そのあたりから――いやしかし。
高梨の叫ぶ声が聞こえた。男の笑う顔が見えた。薄れゆく意識の中で、低い声が聞こえたが何を言っているのだろうか。
「な、何……」
意識が薄れるまで、何も分からないままだった。本当に……何も……。
「坂山ッ!!!」
「おいお前何をしてる! 止まれ! ――ぐッ!」
開幕の声――。
●
すぐにエージェントが招集された。いつも坂山が座っている席には英雄のノボルと犬型ロボットスチャースが座っていた。
「大変な事が起きたんだ。坂山が偽物の警備員に襲われて意識がなくなって、それで――」
「落ち着きたまえノボル。ヴィラン収容施設にて坂山と職員がヴィランの襲撃にあった。そして一名の収容されていたヴィランが行方不明に。おそらく、一名だけではないという判断もできそうだ。だがほとんどのヴィランはまだ施設内にいるから、誘拐されたのは少数であると言えよう」
ヴィランの誘拐だった。
「監視カメラにはしっかりと犯人が映っている……というよりも、犯人は監視カメラに微笑みを向けてさえいる。異常に早く気づいた職員は男の車に発信機を取り付け、男はそのまま街の中へ消えた。発信機はまだ健在で、足取りは掴めている。話によると犯人は人間という事だが、おそらく協力者が複数人いるはずだ」
「坂山は病院で今手術を受けてるから、坂山の事は気にしないでいいよ……!」
彼女の英雄であるノボルは一番気にかかっているのだろう。
「先ほどもいったが、一名以外にもヴィランが誘拐されている可能性が高い。気を付けて調査に向かってほしい」
嫌な予感とはよくいったものだ。人の勘は過去の経験からくるものだ。この先の展開がどんな物になるのか想像、それが嫌な展開だった場合が嫌な予感という言葉で言い表せる。
だが今回の場合は嫌な予感というには言葉が足りていない。最悪な予感、これならば嵌るだろうか。
●
坂山が倒れたという事件を聞いたリディア=ローミン(az0046)は、海鈴 ユーリ(az0046hero001)を連れてすぐに病院に向かった。
以前二人は坂山にエージェントとしてどう動けばいいか……その方法について教わったり、教職者だった坂山はユーリに勉強を教えたりして、仲は深まっていたのだ。
「坂山さん、大丈夫かしら……」
二人は手術室の前で終わりを願っていた。命が無事だという事それだけを祈って待っていた。
椅子に座って待つ中、隣に座るユーリが対面に座る老人にずっと目を向けている事が、リディアの気に触れた。
解説
●目的
連れ去られたヴィランの行方の追跡。できれば犯人の確保。
坂山の救出(後ほど解説があります)
●犯人のアジト
つけられた車の発信機は、ある一般家庭の前に止まっていた。一戸建て二階建築。至って平凡で、中には主婦がいるだけ。
だが二階の書斎にテレポート装置が存在する。
主婦は犯人によって造られた人体ロボットである。最初は人間と区別がつきにくいものの、声や行動を注意してみると人間ではない事が分かる。
ロボットはエージェントを追い返そうと話術で対抗する。
「不法侵入ですよ」
「警察呼びますよ」
戦闘力はない。
●テレポート装置の先
本物のアジトで、乾燥した密林の中である。木々を倒して幅広い土地を占領しており、テレポートすると研究所とも基地ともとれる建物の入り口にワープする。
無機質なブロックが横に水平に並べられたような造り。
片開きの扉を開けて中に入ると突然警報が鳴りだし、落とし穴や投げナイフ、岩が転がる等の罠が至る所に設置される。他には腐臭を発するスライム状のモンスター、人型のヘドロが襲ってくる。
●ヴィラン(高梨)と犯人の行方
入り口から突き当りの廊下を抜けて頑丈な鉄製の扉(鍵がかかっており、開けるにはスイッチを作動させる必要がある。スイッチは管理室に存在)を開け地下に向かうと、犯人と高梨が存在する。高梨は全身を縄で拘束される他、目隠しや猿轡を装着。他のヴィランの姿はない。
発見すると奥から三メートルもする西洋の鎧をきた騎士が登場し、高梨に手を伸ばす。
「ランチタイム……」
犯人は騎士の後ろに隠れ、奥にある通路に逃げる。
●病院にて
ユーリと坂山のいる病院に組織だって五人のヴィランが押し寄せる。全員武装は拳銃だが、リーダーだけ触れたら爆発する特殊弾を使用し、更に改造され、連射可能となった散弾銃を手にしている。ユーリ達だけでは手に負えないどころか、死亡する可能性がある。
マスターより
※当MSはアドリヴ成分が多めです。
ついにやってみたかったシナリオがきました。一年前からふつふつと思っていた事でした。
そして、個人的には懐かしい高梨の再登場となります。彼女は昨年の十月「誰も彼女を都市伝説と言わない」に登場したヴィランでした。(以下URLですhttp://www.wtrpg0.com/scenario/replay/434)
まだMSとして慣れていなかった頃でした。坂山がNPCになった時から、再登場させたい……とは思っていたものでした。
あわよくば彼女が死亡しない事を祈ります。それではエージェントの皆様方、よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/08/17 19:03
参加者
掲示板
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質問卓
最終発言2016/08/08 21:00:18 -
相談卓(病院側)
最終発言2016/08/11 18:46:20 -
相談卓
最終発言2016/08/11 11:39:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/08/09 00:14:08