本部

君と花見がしたいのだ

睦月江介

形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
5人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2018/04/07 19:32

掲示板

オープニング

「なあ、ナオミ。いい加減ききわけてくれないか……それは危険なんだ」
  ここはとある東北の地方都市。親子ほども年の離れた少女に、中年の男が諭すように言うが少女は不機嫌を隠そうともしない。
「今は無害だろ。それに、こいつらがいると桜が元気になるんだよ……ようやくお祖父ちゃんの後を継いだオレが、それを歓迎しない理由なんてあるわけないだろ」
 桜守(さくらもり)、と言うのを知っているだろうか? 日本の春の風物詩、桜は実は人の手があってこその美しさを誇る花であり桜守というのはその名の通り桜の手入れをする職人である。数年前祖父の後を継いで桜守となったナオミがいうこいつら、と言うのが今回エージェント達に持ち込まれた問題であった。
「……小人? 何ていうか、妖精っぽいな」
 資料として提供された動画を見ると、花見会場をちょこちょこと歩き回る小人……のように見えるがれっきとしたイマーゴ級従魔である。
「どうもこいつらは桜とある種の共生関係にあるみたいなんだ……従魔が花見客から少しずつライヴスを奪い、桜にもそれを与える事で桜が活力を増して通常よりも早く、長く咲いている」
「で、桜が長く咲いていれば当然花見客が増え、従魔はライヴスが奪える、と」
「そういうことだ。現時点では花見客がたまに疲労感を訴える程度で目立った被害はないしむしろ従魔の見た目のせいか、ちょっとした名物になっているフシすらあるが従魔は従魔、倒してしまいたいのがこちらの本音なんだがそれでちょっと交渉が難航していてな」
「交渉?」
「花見会場の桜の手入れをしている桜守のナオミちゃんだよ……イマーゴ級と言えど、桜のすぐそばで武器を振るうのは向こうとしては気が気じゃないんだろう。おまけに、あいつらがいると桜が元気になるし花見客も増える……花見客の援助があってこそ何とかやれている桜守としては都合が良いんだよ。だからそっとしておいてほしいって言われていてな……そんなわけで、イマーゴ級に対して現状取れる方法は3つだ」
 1つは、桜守のナオミを説得して許可を得たうえで倒す。本人が意固地になっているためかなり大変ではあるが、一番穏便に事を済ませられるだろう。第2に、こっそりと倒してしまう方法。見つからなければいい、と言うのは間違いではないがイマーゴ級は基本的に桜のすぐそばにいるため、うっかり桜を傷つけてしまえばナオミは烈火のごとく怒るのは想像に難くない……最悪HOPEのイメージダウンになってしまう可能性もある。第3に、放置。一番消極的だが、現に危険はないのもまた事実なので何かあってから行動する、と言うのも致命的な間違いではない。
「正直俺がいくら説得しても聞いてくれないんだ、何とかナオミが納得する形で、イマーゴ級の対処を考えてくれ。一応、イマーゴ級は知能が低いためか花見客を装って桜の下で待っていれば比較的簡単に集まってくるぞ」

解説

 桜の木と共生関係にある従魔の対処法を考えましょう。鍵となるのは新米桜守のナオミです。
ナオミ
 桜守としては祖父の後を継いだばかりの新米ですが桜の木を思う気持ちは非常に強いため、桜にとって良いのならと言う理由でイマーゴ級に対してもそっとしておいてほしい、と考えています。一人称はオレであったりして男勝りな性格。

 今回は下記の条件に触れない限り、大成功、及び失敗にはなりません。そのため、あえてそっとしておいて大人しい小人型イマーゴ級従魔と一緒にお花見をする、と言う選択肢すらあります。ただし、その場合はいずれ従魔が成長する可能性がある事は考慮に入れてください。もちろん、ナオミに見つからないようこっそり従魔を倒す、と言う方法もありますが従魔は基本的に桜のそばに固まっているため桜を傷つけずに倒すのはある程度の難易度をお考え下さい。なお、ナオミの同意さえ得られていれば桜に傷がついても失敗にはなりません。
 ナオミを説得する場合は、彼女は今の『桜が元気で、観光客がそれを喜んでいる状況』を歓迎していて、イマーゴ級に対しては外見的なものもあり「少し疲れる程度だろう」と全く危険性を感じていないことがポイントとなります。

大成功の条件
 ナオミの説得に成功したうえで、イマーゴ級を倒す
失敗の条件
 ナオミの同意を得られない状況で桜の木を傷つけた場合

リプレイ

●守りたいからすれ違う
 無知というのは、時として災いの種となる。過去の歴史や、犯罪の事例を振り返ってみるといくらでもある話がだが『知っていれば防げた』という問題は意外と多いものだ。今回の件も、正しい知識があれば冷静な判断を下せただろうが知らなかったばかりに、そしてナオミが態度とは裏腹に心優しく、桜守の仕事に対して真摯であったばかりにおきた問題であった。
「ロー……」
『依頼人の希望は討伐ですが……なるほど、納得してもらうことに努めましょうか』
 構築の魔女(aa0281hero001)の言葉に、パートナーの辺是 落児(aa0281)だけでなく、全員が頷く。一応その気になれば秘密裏に倒すことも不可能ではないが、方針としては桜守のナオミを説得する、と言うのが全員の一致した意見だった。そのナオミはと言うと、花見会場を前にエージェント達に対して警戒を隠そうともしない。その態度に表面上は丁寧に挨拶しつつも雪ノ下・正太郎(aa0297)は怒りを隠せないでいた。
「愚神や従魔は無害なんかじゃありません、奴らは人の命を喰らう化け物です。少し疲れる程度? あなたはあなたの大切な桜に化け物を取り憑かせて人々を傷つけさせているんですよ? 従魔は成長します、桜に取り憑いたまま成長すれば奴らはそのまま桜を取り込み桜も化け物になって本当に取り返しのつかない事になります今なら桜を取り戻せるんです。自然に逆らい桜を歪めてそれで桜守と言えるんですか?」
 矢継ぎ早に語られた言葉に、一瞬たじろいだナオミだったが、キッと正太郎を睨み付ける。
「うるせえ! 上っ面だけの説明なんざ聞き飽きたよ。オレを納得させたかったらそれだけの材料を用意してから来いってんだ」
「なっ……」
 その頑迷な姿勢に、さらに怒りを募らせるがナオミは花見会場を指さしてみせる。そこにはナオミの先輩達であろう、桜守達の姿と花見で賑わう人々の姿があった。
「あれを見ろよ。桜守は伝統ある仕事だけど実態は年寄りばかりでオレみたいな若手は少ないんだよ……そうでなくても、町と花見客の援助で何とかやってるってくらい苦しいんだ。オレ達が仕事を続けられなくなったら、ここの桜はどうなる……? 確かに疲労感を訴えた奴は出た。でもそれだって単に人に酔っただけかもしれないだろ? オレだって桜守だ、誇り……って言ったらちょっと大げさだけどヘンテコな小人に頼るのは気が引ける。でもオレはこの光景が守れるなら何だって頼るし、出来る事なら何だってやってやるさ」
 彼女は彼女なりに、桜を守りたいと考えていた。そこに歓迎すべき状況がやってきたのだから、心境としては複雑でも受け入れるのは不自然ではない。もう少し言えば、従魔の被害を『人に酔っただけ』と誤認しているふしがありそれならば仕方ないと割り切っているようでもあった……少なくとも、ただ言葉で危険だというだけでは届かない。彼女もまた仕事に誇りを持っていて、桜を守りたいからこそ言葉だけでは届かずにすれ違ってしまう。
 これはアプローチを変える必要があるとわかり、彼女の言う通り『納得できる材料を揃える』ためエージェント達はいったん引き下がることにしたのだった。

●彼女が見つめる『現在』と指し示す『未来』
 構築の魔女は、依頼者の中年男性より得られた体調不良者の発生頻度などのデータを再度確認する。
『病院に運ばれていたら確実にわかると思うのですが……』
「ロー……」
 落児が見つけた資料を見ると、ああなるほど、と納得と同時にため息が漏れた。発生した事例は5件、だが夜中に男性が1人運ばれた1件を除いて残りは花見の最中で症状が貧血や人に酔った場合などによく似ている。最初から『ライヴスが奪われて症状が発生した』事件と言うよりも『疲労感、倦怠感がひどいので念のため調べてみたら従魔の仕業だった』と言うのが真相なのだ。これでは即座に従魔が悪いと判断できず、他に原因があると誤認しても仕方がない……せいぜい、気持ち発生件数が多いかなと違和感を覚える程度だろう。ライヴスゴーグルで桜を見てみても、確かに通常よりもライヴスが溜まっているが従魔化の兆候や末端が壊死し始めている等の様子は見られない。つまり『現在の状況』に関しては彼女に訴えるには、少々弱いと言わざるを得ない。そう考えると、目を向けるべきは『未来』だ。
『キレーだね』
「そうだな。従魔が居なければ、尚更だ」
『説得……応じてくれると良いね……』
「ああ。きっと何とかなる……何とかするのが、私達の仕事だ」
 桜を見て呟くアキト(aa4759hero001)に、力強く答える美咲 喜久子(aa4759)。彼女の中では、これは確信だった。先程のやり取りの様子を見てもわかるが、彼女は口は悪いが心根は優しい人物だ。桜と桜守の未来を案じ、人々が桜を楽しむ今の光景を守りたいと切に願っている……ただ、無知ゆえに方法を間違ってしまっているだけだ。
「知らないのなら、教えてあげれば良い。正しい知識があれば、ちゃんと判断できる」
 そう言って喜久子は、ノートパソコンを開け、用意した動画を見せてナオミに説明を始める。彼女に見せたのはイマーゴ級従魔との戦闘などの従魔による被害状況の動画だ。
「先ずはこれを見てくれ……このまま事が進んで、こうならないとは言えん」
『桜守、桜を慈しんでる人でもあるよね? この桜が、このままライヴスを奪い続けたとしたら、どうなるだろうね……』
「っ……」
 ナオミが動画を見て、更にアキトの言葉で恐ろしい未来を想像してしまったのかわずかに身震いするのを喜久子は見逃さずぐっとその肩を掴む。
「桜の木は弱い……だから守るのであろう。お前が、だ。勿論桜を傷つける様な事はしない」
 桜を傷つけないための具体的な方法としてパニッシュメントの説明を行う。危険性を理解させるだけでなく、桜への配慮もするときちんと説明するのが、筋というものだろう。
「私とアキトはこれで攻撃を行う。これであれば桜に傷はつかん」
『如何するかは決めるのは、あくまでナオミさん。俺達が勝手に何かする事は無いよ』
「実際に厄介事が起きた時にまた呼んでくれればいい……ただ、手遅れにならん内に、な……」

●桜の気持ち
 続けて、論理ではなく心情の面から触れていったのは藍那 明斗(aa4534)。クロセル(aa4534hero001)は体格の良い相方がナオミちゃんを威圧してしまわないかは気に掛けていたが、それは杞憂に終わった。明斗にしては珍しく真摯な気持ちで語っているし、信じている気持ちは同じなので説得は任せて自分は従魔対峙に備えて花見客を装うため準備をすることにした。手製の料理を弁当に詰めて飲みものも用意、
終わったあとで本格的に花見ができるようにと重箱も準備と言う気合の入り方は、花見目的か依頼目的か疑わしくなるほどだがそれは言わぬが花、というものだろう……桜だけに。
「いくら美しかろうが客が喜ぼうが従魔が関わる以上は本当の桜のあるべき姿じゃない、栄養を与えられてその美観を釣り餌に利用されているだけだ……言葉は通わせられないが、望む望まざるに関らず、自分を愛でる人間から活力が奪われていくっていうのは桜からしてみても気分は良くないんじゃねぇか?」
「桜からしてみても、か……」
「人間もそうだが、桜とその尊厳を守るために俺はこの依頼に手を挙げたんだ。いや、まぁ気持ちよく花見をしたいってのもあるんだがな!」
その飾らない姿勢に、思わず苦笑するナオミの横にすっと顔を出して穏やかな態度で優しく話し始める魂置 薙(aa1688)。
「桜、通常より早く、長く咲いてると、聞きました……それは、従魔の利益の為に、無理やり、咲かされているようにも、見えます」
 その言葉に、真剣な目を向けてナオミは先を促す。
「これを、桜にとって良い状態だと言えるのか、僕には、わからない。でも、従魔のことなら、よく、知ってます……今は少し疲れる程度だけど、被害は出てる。放っておいたら、成長して、もっと、被害が大きく、なります……そうなってからの戦闘は、従魔が成長した分、激しくなる。放置すれば、しただけ、桜を守りながら戦うのも、難しく、なっていくので、桜への被害を抑えやすい、今のうちに、従魔を倒させては、もらえないでしょうか」
 更に、ヴィクター・M・メルキオール(aa5141hero001)も顔を出し、ただ疑問を疑問を訊く。だがその言葉には遠慮というものが全くなく、突き刺すようなものだった。
『純粋に疑問なんだが、キミの守るものに得体の知れない物がついて……まぁ悪化するかはわからないにしろそれを放っておくのは良いことなのかな? 疲労感だけと言うが実際キミの桜を見に来る観光客が軽いにしろ桜を見にくることで害を被るのは、桜を護るうえで仕方ないのかな。桜守の仕事ってそういう感じなのかな?』
 その問いに対する答えに窮した様子のナオミに、恋條 紅音(aa5141)は一歩引いた姿勢で語り掛ける。
「アタシはね、桜守としてキミが考えて決めたことならそれで良いと思うんだ。アタシはそれを尊重したい。もし従魔を取り除くとしても、桜が傷付いたり……従魔を取り除いた後も変わらずお客さんが来るかって不安になるのは……わかる気がするから」
 ここまでのエージェント達の説得で大分心が揺らいでいた様子のナオミだったが、心を落ち着けるように深呼吸するとぱん、と1つ膝を打って口を開いた。
「わかった、アレの始末は任せるよ。ただし! ちゃんと桜には配慮しろよ! オレもついて行くからな!」
 こうして、条件付きではあるが無事ナオミの了承も得られエージェント達による小人型従魔の掃討作戦が行われる運びとなったのであった。

●ちょっぴり(?)過剰な殲滅戦
 桜への配慮が必要になる、と言う条件こそあるが小人型従魔はイマーゴ級である……つまり、非常に弱い。軽く攻撃すれば十分叩き潰せるレベルである。だが、それに対してエージェント達の攻撃はいささか過剰……というか苛烈を極めるものだった。
「天下御免斬りっ!!」
 正太郎は今回は義経千本桜の主人公狐忠信をモチーフとしたカブキリンカーに変身し、リンクコントロールでレートを最大まで上げて叫び必殺技のライヴスブローを放ち紅音もまたそれに便乗するようにライヴスブローを使っていく。
「大丈夫、キミが護りたいものを護る、少しだけでも手伝ってみせる!」
 こうして積極的に仕掛けていくメンバーがいる一方で、従魔の性質を生かして宴会を装う作戦を取ったメンバーもいる。
『見事なものだの』
 エル・ル・アヴィシニア(aa1688hero001)の言葉に、静かにうなずく薙。
「うん。いつまでも咲いてて欲しい気持ちも、わかる」
『ふふ。桜はの、散るからこその美しさもあるのだぞ』
 小人が寄ってくると、桜から距離を取り落児と構築の魔女はトリオとストライクを積極的に使用、薙とアヴィシニアはトップギアと怒涛乱舞を合わせて放つ。ここに喜久子とアキトのパニッシュメントまで加わるのだから、イマーゴ級程度が耐えられるはずもなく次々と消し飛ばされていく。この過剰戦力ではもちろん桜への飛び火が心配されるが、そこのフォローは万全だった。
「クロセ、今日は派手な事はできなくて悪いが」
『了解。―この刃も弾丸も、大事なモノを護るために』
 明斗とクロセルがインタラプトシールドをフル活用して、桜へのダメージは可能な限りカット。更にわずかに抜けてしまった攻撃も治療が行われ流石に完全に無傷、とまではいかないが実質的にダメージはゼロに近くほぼ許容範囲と言えるレベルだった。
『見逃していたら洒落になりませんし桜の状況も心配ですからね』
 仕上げに、構築の魔女がレーダーユニットを用いて殲滅を確認。蓋を開けてみれば、意外なほどあっけなく殲滅は完了……これもナオミの了承を得て、イマーゴ級のうちに処理ができたからでありより成長していた場合、従魔を倒すだけならばともかく桜を守るのは困難を極めただろう。ともあれこれで花見会場の不安の種は消え、今度は演技ではなく本物の花見を楽しむ時間と相成ったのである。

●桜の下の祝宴
「オレ達の桜、守ってくれてありがとな……お礼に、こっそり教えてやるよ。実は今の時期おススメなのは公園の南側なんだ、一番大きな桜が満開の西側に人が集まるから意外と空いていて穴場なんだぜ。その代わり、まだ七分咲きってところだけどな」
 なんとなくばつが悪そうなナオミの案内で公園の南側へやってくると、確かに人もまばらで満開とはいかないものの美しい桜が咲き誇っていた。
 クロセルが準備した弁当や重箱に加えて祝杯セットも用意され、ささやかながら宴会が始まる。
「桜餅とかも良いけどさ、運動したらお腹空いちゃったよ……花見しながら塩とんこつラーメンとか食べたいな!!」
 紅音がそんな風情も色気もない事を口にすると、それを真に受けて便乗した正太郎はラーメン屋を探しだし、その様子を見て苦笑しながらアキトは道明寺と長命寺、どちらの桜餅を食べようかと頭を悩ませる。
「アキちゃん……そこまで頭を悩ませる事は無いんじゃないか?」
『そう言われてもねー、やっぱりどっちも美味しそうだし』
 喜久子への答え方もいい加減な辺りは従魔退治より頭を使っているんじゃないかと言う気さえしてくるがむしろそれが微笑ましくて苦笑してしまう。
 そんな様子を見るナオミに、アヴィシニアがそっと語り掛ける。
『良い桜だの。先代の仕事ぶりが伺える……殊更大事に思うのも最もよ。大事な物を守る時は、誰かが傷つく方法は避けることじゃ、それは自分の仕事にも、先代の仕事にも……行く行くは大事な物にまでも傷が返って来るからの』
 その笑みは静かで優しく、討伐に反対していた事を責める意図は無い。ただ、若い桜守へ、これからの応援を込めての言葉だった。その言葉に頷くようにして、明斗もまたナオミの横に立ちしみじみと語る。
「従魔の力添えなんてなくても桜はありのままで人の心を惹くだろう。儚く散る姿すら魅力……来年の花見も恋しくなるってな。ナオミもありのままの桜、楽しんでいったらどうだ?」
「ああ、そうだな……どうもオレは将来の不安で焦って、まともな判断ができなくなってたみたいだ。らしくもないけどな」
「ところでクロセ、俺の酒は?」
『君は酔うと従魔より迷惑だから禁酒』
「嘘やろお前」
 クロセルのきっぱりした言葉にがっくりと膝を折って絶望する明斗……せっかく綺麗にまとまったと思ったのにどうも締まらないが、これもまた彼なのだ、と言えるかもしれない。
 美しい桜を楽しめればそれでいい、というものでもない……桜をより長く、未来も楽しむためにあえて平和な今に変化をもたらす必要もある。今が良ければそれでいいというのは無責任だ、という教訓を得たエージェント達を照らす夕日が沈んでいく……今度は夜桜を楽しもうか。

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 誓約のはらから
    辺是 落児aa0281
    機械|24才|男性|命中
  • 共鳴する弾丸
    構築の魔女aa0281hero001
    英雄|26才|女性|ジャ
  • 敏腕スカウトマン
    雪ノ下・正太郎aa0297
    人間|16才|男性|攻撃



  • 共に歩みだす
    魂置 薙aa1688
    機械|18才|男性|生命
  • 温もりはそばに
    エル・ル・アヴィシニアaa1688hero001
    英雄|25才|女性|ドレ
  • 飛込みイベントプランナー
    藍那 明斗aa4534
    人間|26才|男性|命中
  • アホ毛も武器
    クロセルaa4534hero001
    英雄|16才|?|カオ
  • エージェント
    美咲 喜久子aa4759
    人間|22才|女性|生命
  • エージェント
    アキトaa4759hero001
    英雄|20才|男性|バト
  • エージェント
    恋條 紅音aa5141
    人間|18才|女性|防御
  • エージェント
    ヴィクター・M・メルキオールaa5141hero001
    英雄|27才|男性|ブレ
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