本部

炎昼に死影

若草幸路

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
6人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2017/09/09 15:22

掲示板

オープニング

●炎昼
 ゆらりゆらり、人影も蝉の声もない白昼を影が、影のみが動く。古めかしいアパートと戸建てがひしめく路地と、整えられたアスファルトが輝かしい新興住宅街が複雑に入り乱れるその町を、影はその色を深めながらさまよっていた。


 最初に、軒先に放り出されたように置かれている植木が、影が通ったのちに黒くしおれた。

 次に、甲虫や羽虫が音も立てずその身を灼熱の地面に落とし、動かなくなった。

 次に、日陰で涼んでいた猫が、鳴き声を上げる寸前で塵と消える。


 影”たち”はさまよう。色濃くなり、数を増やしながら。

●死影を討て
「おそらくミーレス級で、単体での脅威はまださほどでもありません。が、成長と増殖がかなり高速です」
 迅速な討伐が求められます、と集まったエージェント達へ、オペレーターが資料を提示しながら簡潔に説明をする。
「目撃情報によると、従魔の姿は文字通りの『影』――不定形の黒い半透明の存在で、群れで動きます。攻撃手段は対象に接触してのライヴス吸収。広がっている範囲は町の一角、狭い路地と行き止まりが多い住宅街です」
 地図をモニターに広げながら語る目の前の青年は、その表情を崩さずに続ける。
「路地での挟み撃ちを警戒して下さい。ご武運を」
 その淡々とした、しかし誠実さのにじむ言葉に、エージェントたちは静かに承諾の意を示したのだった。

解説

●任務
 全従魔の討伐。
 一般人にはすでに連絡が回っていますので、救出などはプレイングに含めなくてOKです。
●従魔について
 ミーレス級×18体。不定形の黒く半透明な存在。
 3~4匹で群れて動き、取り囲んで直接接触(殴る蹴る・抱きつき、からみつきなど)でこちらのライヴスを奪う、という物理攻撃をしてきます。
 また、接敵していない従魔の群れは数を増やすことがあります。(毎ターンダイスで判定)

 PL情報:物理攻撃が効きにくく、魔法攻撃は効きやすい傾向にあります。

●場所について
 時間は真昼を少し過ぎたぐらいの、狭い路地と行き止まりがひしめく住宅街。エリア自体はそこまで広くないので索敵は容易。

リプレイ

●炎天に躍る
『やれやれ……こうも見通しの悪い場所で、増えるかもしれない敵を駆逐しろとはな。』
「それでも、誰かがやらないといけない事だからね。」
 脳裏に響くベルフ(aa0919hero001)のぼやきに返しながら、九字原 昂(aa0919)は唇を引き結んで油断なく周囲を見渡す。《鷹の目》を用いた視界には、ちらちらと動く主なき影が映る。
「……ううん」
 各区画での移動方向と位置を皆に伝えながら、昴は歯噛みした。上空に飛ばした鷹の死角に隠れているのだろう、オペレーターの報告通りの数をいちどきには見つけられなかった。増殖する特性からみて、索敵に時間をかけるわけにもいかない。
『厄介だな。ともかく、こういう時は正攻法で虱潰しにしていくぞ』
 ベルフの言葉に昴はゆるく頷き、足を動かし始めた。幾重にも折り重なる隘路の陰を視線で捉えていくと、”影”がふっ、とこちらに近づこうとする。風に吹かれる塵芥の動きにも見えたその揺れを、昴は見逃さなかった。
「そこだっ!」
 時をあやまたず《女郎蜘蛛》が影を絡め取る。身をよじるように激しくうごめき始めた影は4つ。昴はすみやかに抜刀し、涼やかな刀身を1体に突き立てた。その冷気に、断末魔の声もなく影はその輪郭をこわばらせてまさしく塵と化す。残りは眼(まなこ)なき姿ながらその光景を察知したらしく、その身をよじりながら網から逃れようとするが――
「――無駄の多い動きですね」
 声と共に空気が唸り、従魔たちは塵と化す。昴が視線を上に動かすと、石井 菊次郎(aa0866)の姿があった。支援および遊撃を請け負った彼は、いくつもの裏庭や板塀を飛び越えてここに急行し、《ゴーストウィンド》を放ったのだ。
『おそらく数を増やすことが特質で、戦闘能力に力を割いておらんのだろう。とはいえ、油断は禁物だ』
 菊次郎が開いている魔導書からテミス(aa0866hero001)の声が響く。その言に、昴はええ、と応えた。
「迅速に処理しなければ。……次へ行きましょう!」

 同時刻、陽炎の中を歩むふたつの人影。
「ふふ、なんだか不気味ですわね♪ ゴーストタウン、というものかしら?」
『……雰囲気を楽しむのはいいが、今回も仕事で来ているんだからな?』
「うふふ、わかっているわ。お仕事はきちんとこなします」
 リゼア(aa1081hero001)が身の内から苦言を呈するのに対し、上機嫌で路地を歩むセリカ・ルナロザリオ(aa1081)は鷹揚に答える。そう、連絡が回って今は無人とはいえ、そう暢気にしてはいられない。
「とっとと片付けないとな。暗くなったらたぶん見つけられないし、ここに住んでる人が困る」
『夕餉の支度もおぼつかぬしの』
「ああ、夕飯までにはケリをつける」
 無音 彼方(aa4329)と那由多乃刃 除夜(aa4329hero001)が、一つ身で語り合う。傍目には妙なテンポの独り言としか思えないそれに、そうですわね、とセリカが同意した。
「ともあれ、早く従魔を見つけませんと。視界、お辛くないですか?」
 微笑んで、セリカが日傘を彼方にかたむける。照り返しの強いアスファルトと立ち並ぶ戸建ての白壁が視界の妨げになるという現実的理由が半分、ややもすれば緩慢で退屈になりかねない索敵へのリズムを求めているのが半分だろう。
「ああ、ちょっと借りるぜ……っと、噂をすればだな」
 ゆらり、と通りの向こうを横切る影に、二人は歩みを止める。
「まあ、いかにもなお化けさん!」
「あー、何か心霊写真にいそうだよな」
『夏の風物詩、と言ったところかのう……』
 その例え通り幽霊にも似た影は、ゆらゆらと細い路地へ流れ込み、遠ざかる。その数4体。面倒な、という表情を隠しもせず、彼方は《潜伏》を用いて静かに追尾を始めた。それを見て取ったセリカは挟撃のためにその場を離れ、事前に脳裏へたたき込んだ地図通りに家々の間を抜けていく。
 潜伏を解いて抜刀し、1体に斬り込む。一撃を耐えた影だが、二の太刀の切っ先がそのおぼろな姿に食い込んだ瞬間、ぶわりと雲散霧消する。
「ち、斬ったか斬ってないかわっかんねえな」
『ふむ、空を切るとは違う感覚じゃの、これは』
 魔力のほうが効果的のようだ、と見当はついたが、あいにく彼方にはその手段がない。再び舌打ちをしながら態勢を低く取り直した彼方の眼前で、もう1体の影にいくつもの風穴が空きはじけ飛ぶ。セリカの放った銃弾だ。
「うふふ、やっぱり従魔なのね。幽霊の正体見たり枯れ尾花、っ!?」
 セリカの脚に痛みが走る。群れの残りの従魔が、2人の意識が倒した2匹へと集中している隙に行動を起こしていたのだ。影はぬるりと、セリカのライヴスを奪おうと色濃く波打つ。
「まあ、マナーのなっていないお化けさん! これでもお食べなさい!」
 言って、セリカのもう片方の足が、地に這う従魔をヒールで貫いた。華奢ではあるがれっきとしたリンカー用の装具であるその靴がもたらすダメージで、からみついた影がゆるむ。それを見逃さず、セリカはその影を振りほどいた足で強烈なトーキックを喰らわせ、続けざまに銃弾を撃ち込む。優雅かつ容赦ないその攻撃にひとたまりもなく、影の形は崩れていった。しかしその影で残りの2体が泡を食ったかのごとく素早い動きでわだかまる建物の影へ、次いでそこから曲がり角へと逃れようとしている。片方はセリカが追いついたが、もう片方が今にも路地を抜けきろうとしていた。
「逃げようったってそうはいかねえ! 神妙に成仏しろってんだ!」
 我が意ならぬものとはいえ、見目麗しい女性(にょしょう)の姿には似合わぬ啖呵を切って、彼方は路地を抜けようとする影に《縫止》を放った。

 同時刻。
「みつけた、ドーン……!」
 溝板のある細い路地。両脇には古びた民家の玄関が並び、雑然と並べられた鉢植えの数々が無残に枯れていた。その路地を、閃光が走り抜ける。エミル・ハイドレンジア(aa0425)が、熊のぬいぐるみから放つビームを従魔に放ったのだ。1体が霧散し、残りの2体がずるずると這い、エミルのほうを見るかのように縦型に持ち上がる。
「ん、幽霊、ゴースト、お化けに……影…? つまり、夏の風物詩~……♪」
『結局はただの従魔だがな』
 ギール・ガングリフ(aa0425hero001)が、先ほどビームを撃ったぬいぐるみの口を借りて語りかけた。その言に、エミルがこくこくとうなずく。
「ん、それもそう。だからやることは、非常にシンプル」
『撃破殲滅蹂躙、といったところだな』
 ギールのその言葉を拒むかの如く、眼前の影たちが大きく伸び上がり、エミルの小さな影を覆い隠しながら襲いかかった。

 あちらこちらで交戦が始まる音の中、涼やかを通り越して凍てつく寒さを纏う少女が、屋根の上を飛び跳ねて空を舞う。
「……こ、こげそう……」
『そうね、暑いし、じりじり灼けてるわ……』
 そうぼやくエージェント、ペンギンのワイルドブラッドである氷鏡 六花(aa4969)と冬の女神であるアルヴィナ・ヴェラスネーシュカ(aa4969hero001)の声には、夏の暑さと日射しから来る疲労がにじむ。超人的な身体能力を誇るリンカーとはいえ、いかんせん二人とは相性の良くない季節だが、従魔は秋冬まで待ってはくれないのだ。六花はかぶりを振って気合いを入れ直し、モスケールに示される数値を改めて覗き込む。仲間が交戦している区画から離れた部分に狙いを絞ると、はたしてそこには、まだ手つかずの従魔たちが映っていた。交戦の音を察知したのか、路地を彷徨いながら他の群れに合流しようとするかのような動きをしている。
「見つけた! エリア外周、一番狭っ苦しいところに群れが2つ!」
 通信回線に向けて報告をしつつ、勢い込んで跳躍のために姿勢を低く取る。だが、逡巡が生じた。仲間と交戦している群れ、逃げて追撃を受けている2体、手つかずの群れが2つ――ひとつは2体と1体に分かれて行動し始めた――これらのどこに駆けつけるべきか? 折悪しく、六花からはいずれとの距離も、重要度もほぼ等しい。最初の予定通りツーマンセルを行っている組がもう一つあればどこか1つの群れが討伐を終えて手つかずの群れを手分けできただろうが、各自が区域の索敵に気を取られて単独行動が増え、かなり散開してしまっている。
『氷鏡さん、分解していない群れへ向かって下さい! 残りはこちらが受け持ちます!』
 通信から、状況を把握した菊次郎の声が飛んだ。ほぼ同時に、六花は改めて足を踏み込み、大きく跳ぶ。その身に纏う細氷と冷気を白くたなびかせ、群れへと突撃していいた。

●影よ去れ
『数を一定に保つように動くようだな。本当に面倒な従魔だ……』
 リゼアがセリカの心中から忌々しげに声を発する。2つのうち1つの群れが分割して動き始めた、と報告があった矢先、路地の先、少し広い道への角からふっ、と現れた黒い影。1体は彼方が《縫止》で動きを止めて仕留めたとはいえ、一気にまた3体を相手取ることになったのだ。姿を見ることはできないが、見えていたらきっと苦虫を噛み潰した顔をしているに違いない彼女を、セリカはにこやかにたしなめながら
「ダメよリゼア、前向きに考えなくては。向こうから数えやすく、倒しやすくなったと思えばいいのよ」
「ま、それもそうだ。探す手間が省ける」
 言いながら彼方とセリカは、視線を路地の向こうに移動させる。視界に捉えるのは、従魔たちと――その背後、影たちの死角に潜む菊次郎の姿だ。
「……一気に片付けるぞ!」
「ええ、いきましょう♪」
 銃声、抜刀の風切り音、そして死角から放たれる[ラジエルの書]の閃光の如き白いカード状の魔力弾。一度の瞬きのうちに3体が倒れ伏す、それぞれの早業だった。テミスが、菊次郎の手元にある魔導書からふむ、と声を漏らす。
『散った群れのうちの2体を、増やすことなくここで討ち取ることができたか』
「元々はいくつの群れだったのでしょう? リゼアの見立てによると、群れの数は3体か4体と決まっているようでしたけれど」
 はたして、セリカの問いに応えるのは菊次郎だった。
「3体の群れが2と1に分かれました。そちらにはもう援護が向かっています」

「ん、ですとろーい…!」
 エミルの細腕が、太陽の如く熱と炎を迸らせる大剣を振り抜いた。今日の日射しよりも赤く熱いその炎が従魔を焦がし、細やかな灰と化して地面へと流れていく。剣を構え直し、長い腕のようにを体を伸ばしてくる残りの影たちを見据えて、エミルは眉根を寄せた。
「……ん、コシがなくてずるずるのびる。おうどんとしてはいただけない」
『これをうどんに例えるな。食欲が失せる』
「ん、うどんに失礼だった」
 ギールと軽口がたたき合える程度には余裕だが、新たに1体加わっての混戦である。いささか忙しないことは否めない。力任せに打ち合いを続けているせいで、スリのようにライヴスを奪われているのも業腹だった。負傷の程度としては小さいかもしれないが、気分のいいものではない。囲まれ気味なのも気にかかるし、そろそろ状況を打破しなければ。そう思考が巡ったそのとき、凜とした声が響いた。
「援護します、包囲からの脱出を!」
 次の瞬間、昴の放ったハングドマンが、影をふたつ絡め取る。もがく黒いしみに向けて、エミルは《メーレーブロウ》を放った。それに合わせて、昴がもうひとつの影に向けて《ジェミニストライク》を撃ち込む。ざらり、としみが溶けて消えゆくのを確認して、エミルは昴にぐ、とサムズアップをしてみせた。
「……ん、ナイス」
「いえ、遅くなってしまってすみません。負傷の程度は?」
『かすり傷だ。手間をかけさせてしまって悪いな、そっちは?』
「僕は大丈夫です。そちらも大事ないようでよかった」
 す、と昴は口の端にだけ僅かに笑みを表して頷き、すぐに真顔に戻って通信回線に向けて声を発する。二つの区画の捜索結果と、3体の撃破を報告する。担当区画に散った群れは、幸い数を途中で増やすことなくすべて討ち果たせたことを確認するその冷静な音を、ベルフは彼の内側で聞く。そして、報告のあった撃破数と交戦した区画を、指折り数えていった。
『……あとは氷鏡の向かってる群れだけか』

 蒼と冷気を纏う少女――六花が、連なる屋根から屋根へと飛び移りながら、従魔の群れを追う。仲間の情報と照らし合わせれば、この群れが最後のはずだ。眼下の影たちは4体。それらは少し速度を落とし、その輪郭をさらに不明瞭にし始め、そして、その大きさを半分ほどにした黒い塊が新たに現れた。
『今まさに増えてるってことね……またバラバラ逃げられてしまう前に、いきましょう!』
 アルヴィナの言葉に応えるように、六花の周囲に音もなく『氷鏡(アイスリフレクトミラー)』が舞い始める。《高速詠唱》でその数を通常よりも増した鏡たちは、今もなお動き続ける影たちを上空から、道々から、あらゆる角度で取り囲むように動く。複数の術式によってライヴスを高めていく背に[終焉之書絶零断章]による氷柱の翼が現れた。その氷の彫刻のように優美な翼に、禍々しくもある緋色が大きく混じる。一撃必殺の一網打尽を確実とするため、[魔血晶]を用いた証だ。ライヴスの凄まじい循環をその身に感じながら、六花は息を整え、宣言する。
「……終わらせる!」
 その言葉とともに、六花は《ゴーストウィンド》を放った。――周囲が極地と見まごうばかりの銀世界と化し、肌を刺し貫く錐のような風が吹き荒れ、しかしてそれらは傷つけるべき存在を見誤らず、従魔のみを凍り付かせ千々に砕く。形を保てず塵のように崩れていく過程さえも氷に封じ砕くその光景は、冷気で構成された砂漠だ――やがて風が止むと、光景は再び夏に復する。従魔たちは、残らず崩れ、地に溶けていた。アルヴィナが六花の内側で、安堵の息をつく。
『これで皆の報告と合わせて18体と今増えた分、ね』
「うん、討伐完了かな。別のところで増えてなければだけど」

●傾ぐ陽に、秋風
 討ち漏らし、特に増殖した従魔がいないかどうかの調査を念入りに終え、状況終了の宣言がなされた時にはすでに夕刻が近かった。晩夏特有のまとわりつくような暑さがわずかに去り、空は一足早く秋の茜に染まり始めている。エージェントたちはそれぞれ共鳴を解き、最後の確認を終えたところで、除夜が彼方に唐突に切り出した。
「しかし喉が渇いた! わらわはかき氷を所望するぞ。夕涼みになんぞ、当世流行りのふわふわしたものを頼む」
「あー、あの女子の好きそうなフルーツ盛ってるやつ」
「……ん。氷食べたい」
「本当に暑かったものね。ひんやり涼みたいわ」
 六花とアルヴィナがそこに加わる。共鳴を解いて言葉少なになり、けれど近年のかき氷のメインストリームである綿のような食感について語る。
 それを横目に眺めながら、エミル少し考え込むと、決意したように顔を上げて宣言した。
「……かき氷もいいけど……わたしは、予定通りおうどんが食べたい。この地区の事前調査で見つけた隠れた名店……」
「まあ、熱心なのね♪」
「ん、一日一食のおうどん、これは欠かせない……」
「……そのうどんへの情熱はどこから来るんだ?」
 ふんす、と擬音がつきそうな鼻息をついて胸を張るエミルにセリカが微笑み、リゼアがなんとも言えぬ表情で首を傾げる。その横でなるほど、と思案し始めたの昴だ。
「うどんかぁ。いいね、夏バテには熱いものって言うし」
「ええ、今回の戦いでの課題もまだ詰めたい部分がありますし。席についてゆっくりしたいものです」
 視線を下に落として思考のうちに同意をした菊次郎の言葉に、我が意を得たり、とエミルが満足げに諸手を挙げる。
「ん、うどんに決定……♪」
「……かき氷がいい……」
「まあまあ、夕餉の時間も近い。でざーととして後のお楽しみじゃ。このおねーさんが払うし」
「まあ、空きっ腹にかき氷もないしな……っておい! 勝手におごるおごらないを決めるな! おねーさんでもない!」

 かくて彼らは影を打ち払い、賑々しく去る。あとには名残のように残る暑さと、平穏が戻った我が家へと急ぐ市井の人々の姿が残った。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 死を否定する者
    エミル・ハイドレンジアaa0425
    人間|10才|女性|攻撃
  • 殿軍の雄
    ギール・ガングリフaa0425hero001
    英雄|48才|男性|ドレ
  • 愚神を追う者
    石井 菊次郎aa0866
    人間|25才|男性|命中
  • パスファインダー
    テミスaa0866hero001
    英雄|18才|女性|ソフィ

  • 九字原 昂aa0919
    人間|20才|男性|回避

  • ベルフaa0919hero001
    英雄|25才|男性|シャド
  • 繋がれ微笑む『乙女』
    セリカ・ルナロザリオaa1081
    人間|18才|女性|命中
  • エージェント
    リゼアaa1081hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • ひとひらの想い
    無音 彼方aa4329
    人間|17才|?|回避
  • 鉄壁の仮面
    那由多乃刃 除夜aa4329hero001
    英雄|11才|女性|シャド
  • 絶対零度の氷雪華
    氷鏡 六花aa4969
    獣人|11才|女性|攻撃
  • シベリアの女神
    アルヴィナ・ヴェラスネーシュカaa4969hero001
    英雄|18才|女性|ソフィ
前に戻る
ページトップへ戻る