本部

その名はディエラ

鳴海

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
12人 / 4~12人
英雄
12人 / 0~12人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2017/08/03 14:09

掲示板

オープニング

● 大型怪獣出現。
 それは人類が大自然の理に背き続けた結果なのだろうか。
 あるいは、予定されていた運命の日か。
 まさかその日。海を割って怪獣が現れるとは思いもしなかっただろう。
 しかもその怪獣が、巨大な霊力発電所を狙って現れるなど、誰が思うだろうか。
「あ、あれは霊力によって巨大化したトカゲ……」
 遙華は視察に来ていた発電所の窓からその怪獣の姿を見た。
「いえ、霊力にそんな力はないわ。愚神よ」
 ロクトは淡々と遙華の言葉を否定した、しかし遙華は芝居がかった口調のまま愚神から視線を外さない。
「わたしたちがあまりに愚かだから自ら滅ぼしに来たというの?」
 その言葉にロクトがはじかれたように振り返った。
「ねぇ、映画でも見たの? 昨日仕事が終わってからしばらく起きてたわよね? 一体何を」
「ディエラ……」
「……え? なに? なまえ?」
 遙華は流し目でその姿を見据えた。体表を覆う岩石のような鱗に、短い小さな腕、尻尾は長くたくましく、それでビルなどを破壊しながらこちらに向かってくる。
 その怪獣こそディエラ。
 名前の由来はわからない。 
 時間があれば遙華に聞いてみてほしい。
「とりあえず、H.O.P.E.には通報したから、会議に戻るわよ」
「お願いディエラ! 人間にもう一度チャンスを頂戴!!」
「あーもう、楽しかったでしょう? 時間が押してるの。このあとスケジュールも知っているでしょう?」
「ああ! ディエラ」
 その後遙華はロクトのちょっと強く怒られて、ふふふと笑い声を漏らして会議室に戻って行った。
 ディエラが発電所に到達するまでおよそ二時間、そのあいだに皆さんにはこの大怪獣を倒してもらいたい。

● 大怪獣を倒せ。

 現在ディエラは海から陸地にちょうど上がったところです、皆さんがたどり着いたときには、発電施設まであと一時間というところまで近づいています。
 この状態で大火力火器(フリーガーG3)等を使うのは危険なので、まず自重してください。
 範囲攻撃で施設を破壊してしまうと思わぬ被害が出かねません。
 では、詳しい敵の分析結果をお話しします。
 敵ディエラはカタカナ三文字の大怪獣に姿が酷似しています。まったくの別物ですが。
 体長はざっと計算すると25M。
 その体表は固く、物理防御に特化しているようです。
 ただ、その体表を破壊し、柔らかい肉を表に出せばむしろ物理攻撃の方が弱点です。
 基本的にディエラは遙華たちのいる本部棟に向かって突進を続けるようです。
 注意をひきつけてもリンカーに誘導はされないようなので、この一時間の間に、この大きな的にどれだけ効率よくダメージを与えられるかが勝負です。
 ただ普通に切りかかっても踝まで攻撃が届くかどうかです。うまく地形やアイテムを使って。弱点部位を狙うといいでしょう。
 弱点部位は。基本は頭に集中しています。目や耳もそうですが。体表をはがすことができれば心臓部分などもダメージ源として狙えます。
 足は攻撃し続けると倒れる可能性がありますので注意です。

● 地形について。
 戦闘開始から二十分まではあまり建物もない、芝生地帯が広がっています、ここには駐車場だったり資材倉庫がぽつぽつとあります。ディエラはこの建物や車を気にせず突き進んできます。
 さらに戦闘開始から二十分程度過ぎた頃、高い建物が増えます、それこそディエラの頭に飛び移れるくらい高い建物が沢山あります。こちらは事務棟などが主ですが範囲攻撃などで建物が破壊されることに注意です。
 また戦闘開始から四十分もしてしまうと、発電施設が点在する地域に出ます。
 ここではちょっとした誤射やディエラの衝撃で被害が出るのでこのゾーンに入る前に勝負を決められると理想です。


● 怪獣対策グッズ
 今回は怪獣と戦うということでリンカーの皆さんに特別に戦闘機かヘリか戦車を貸し出します。
 しかしこれAGWではないので、ディエラの攻撃一発で落ちます。気を付けてください。
 操縦はリンカーがやってください。一般人の人は危ないので。
 その代り返却不要です。好きに使ってください。


解説

目標 大怪獣 ディエラの討伐。

 ディエラの攻撃方法は下記の通り。
・火炎ブレス
 前方縦20SQ横幅5SQに炎を吐いて攻撃します、この攻撃移動しながら吐くことができ、首の角度を変えると手軽に効果範囲を左右に振ることができるので、範囲は狭くありません。
 以外と魔法ダメージ。接近戦する方はお気を付けを。
・ニードルスピナー
 メインウエポンです。全身から毒針を発射します。威力はそれほどまでではありませんが、射程と範囲に優れ。全方位への攻撃となっているので避けるのは困難です。
 毒ですが特別協力というわけではないですが、とても痛いので侮るべからず。

・体当たり。
 その巨体の一部、もしくは全部をリンカーに叩きつけます。
 滅多にしてきませんが、万が一されると町が破壊されます。
 リンカー的には大したダメージではないのですが、道路も建物もものすごいダメージを追うでしょう。


 遙華はこれから会議なので戦闘には参加できません。
 頑張ってこのあたり一帯の電力と、ついでに遙華の会議を守ってあげてください、お願いします。

リプレイ

プロローグ


――こんな怪物、借りた映画で前に見たな。
『テトラ(aa4344hero001)』は遠目からその怪獣を眺めていた。
 フォルムといい、登場シーンと言い、あの怪獣をほうふつとさせるが。
「あれでは新幹線だの特殊車両だの総動員で攻撃してたけど、ここじゃあそうはいかないからね」
『杏子(aa4344)』はうんうんと頷きながらもしもの話をしている。
 そんなリンカーたちは車両に乗って徐々にディエラへの距離を詰めていた。
 その車内でやけに殺気立っているのは『黛 香月(aa0790)』である。『アウグストゥス(aa0790hero001)』は共鳴しているので、脳内で彼女をなだめるように言葉を連ねているが、聞く耳を持たない。
「巨体だけが取り柄の獣が…………深海の闇に沈めてやる!」
 巨大な怪獣というのは人々にとってはどうしようもない天災のようなものかもしれない。
 だが今回の相手は愚神、滅ぼせない理由はないし、彼女には絶対に滅ぼさなければならない理由がある。
 巨体の力に溺れた愚神の身も心も跡形もなく粉砕するのみ。
 そんな闘志を抱く香月に対して。この手の巨大怪獣と戦うのがはじめてな面々は戸惑いを隠せない。
「……随分デカいな……」
『麻端 和頼(aa3646)』の言葉に『月影 飛翔(aa0224)』は頷く。
「あの大きさだと生半可な攻撃じゃ通らなさそうだな」
――巨体も武器になります。ぶつからないようにしませんと。
『ルビナス フローリア(aa0224hero001)』がそう静かに忠言する。
「某怪獣っぽい姿から、口から火炎ブレスくらい出しそうだ」
 その言葉へ『華留 希(aa3646hero001)』が愉快そうに言葉を返した。
――……コレが……地球の意志……?
「……は?」 
 その言葉に和頼は疑問符を返した。
――……デモ! 見捨てられないヨ! 行こう、和頼!
「……希? ……お前、何か……て、おい!」
 車両が停止するや否や和頼をたきつける希。
 和頼はディエラの方向へ走っていく、それに続いたのが『迫間 央(aa1445)』
「四国で八岐大蛇とやりあって以来、デカブツ相手もここまで来たか」
――大きくてパワーのある敵。シャドウルーカーが翻弄するには都合のいいタイプね。
『マイヤ サーア(aa1445hero001)』は冷静に状況を分析する。
――……私の世界の記憶の中には、あれより大きい個体の愚神もいた。
『リーヴスラシル(aa0873hero001)』が瞳を伏せてそう告げると。
「ラシル……」
 そう『月鏡 由利菜(aa0873)』はリーヴスラシルの肩に手を置いた。
――奴と私の世界を滅ぼした愚神は別だろうが、この世界にまで悲劇を広げさせはしない。
「私もあなたと同じ思いです。行きましょう、ラシル、皆様!」
 そんなリンカーたちを気にして、遙華がビルの窓に張り付いて手を振っている。
 それを発見した『水瀬 雨月(aa0801)』は手を振りかえした。傍らに『アムブロシア(aa0801hero001)』が立っている。
「遙華……なんだかんだで余裕があったみたいね。妙にノリノリだったし。色々と慣れてきたという事かしら」
 そうため息をつく雨月である。
「光の巨人とかが倒しに来てくれれば楽……は流石に無いわね」
「……従魔にはいつも驚かされますが今回もすごいですね。あと、火炎放射の反動で飛んだりしませんよね?」
 そんな雨月へと『構築の魔女(aa0281hero001)』が問いかけた。ちなみに構築の魔女はすでに『辺是 落児(aa0281)』と共鳴済みである。
「にしてもこんな状況だというのに、皆さん生き生きとしていますね」
 打ち合わせ通り持ち場につくリンカーたちを見据えて、構築の魔女は告げた。
「まぁ。この状況ですと楽しみたくなる気持ちはわからなくないですね。しっかり役目をこなしてからご一緒させていただきましょう」
 こうして狂乱の茶番劇が幕を開けるのだった。

第一章

『荒木 拓海(aa1049)』と『メリッサ インガルズ(aa1049hero001)』は小さな茂みの中でメンバーたちを顔をつつき合わせ、タイミングをどうするか話し合っていた。
 その茂みが気になるらしく、先ほどからディエラの視線はそちらに向けられている。
「打ち合わせはこないなかんじ」
 そう、まとめ役である『弥刀 一二三(aa1048)』がバラバラになった意見のまとめに入る。
「発電施設にたどり着く前に決めたいところだが」
 和頼がそう告げると、頷く声や、それをするためにはどうするべきかと、仲間たちが各々声を上げるのだが。
「……ほな、うち……いや、オレはレッドと呼んでおくれやす!」
 一二三がそう叫ぶと『キリル ブラックモア(aa1048hero001)』は一つため息をついた。
――……どうした、フミ。頭でも……」
「キリル! チョコ70コでどや?!」
「よく分からんが良かろう!」
 即答したキリル。チョロインである。
「おい体長。イメージプロジェクター設置終わったぞ」
 そう和頼が告げると一二三は起源よさそうにお礼を返す。
「おおきに!」
「そうだなぁ、拓海がイエロー、一二三がレッド、麻生がブラックなら……俺はブルーをいただこうか」
 央がそう告げるとマイヤが首をひねる。
――……私の色かしら?
「ほな、打ち合わせ完了っと。さっそくいくで!」
 直後茂みから散開するカラフルな人影。
 それが、色とりどりの爆炎と共に、ディエラの前に立ちふさがる。 
「地球の平和はオレ等が守る! 正義に燃える赤い血潮、レッド見参や!」
 赤いスーツに諸事情によりヘルメットはなし。一二三が刃を構える動作でディエラを睨む。
――……今日の私達はブルー。疾く、高き討伐者』
「お前の運命を決める、ブルーディスティニーだ」
 央が刃で血を払う動作。クールでニヒルなブルーの登場。
「今日のオレは地球防衛隊(略E.D.A)隊員、イエロー拓」
 拳を前に突き出したポーズ。
「それは……太古の語り部か、地球の怒りか、文明の悲しき造詣か」
――私はピンク~。
 直後、シャーっとエフェクトが入って、鮮やかなイエローは可愛らしいピンクへと標線する。メリッサピンクだろうか。
 当然の事態にパニックに陥った。拓海である。
「いや、共鳴して戦うから2色は無理!」
――えーなら私主体の共鳴に。
 そうどこかで見たような戦隊ヒーローのポーズを決めるピンク。
 そんなピンクの横暴を許してはならない。そう拓海はあわてふためき主導権を奪取、イエローへと代わるがまた、気を許せばピンクへと色が変わってしまう。
「うわ~、目に悪いなぁ」
 レッドのお小言を無視して痴話げんかを続ける拓海とメリッサである。
 そんな騒動を尻目に。
「ふん、俺は好きなように動かせてもらうぜ、ダンディーブラック」
『麻生 遊夜(aa0452)』は銃を担いで静かに笑って見せた。大人の魅力である。
 ちなみに名前は遙華につけてもらった。本当は別の名前がよかったが遙華の瞳を見ていると断れなかった。
――……もっとほかに、言わなくていいの?
『ユフォアリーヤ(aa0452hero001)』がそう遊夜に尋ねると、遊夜は小さく首を振った。
――……ん、セリフ……思いつかないもの、ね?
「そしてラストが!」
 そう切れのいい動きと共に前に出たのが和頼である。
「百鬼夜行をぶった切る!」
「あ! それあかんやつや!」
 一二三が突っ込んだときにはもう遅い。和頼はノリノリでポーズを決める。
「……仲間を傷つける奴は許さねえ! 正義のグレー、推参!」
「五人そろって!」
 一二三が全員を一瞥してから高らかに声をあげた。頼む決まってくれ。
 そんな思いとは裏腹に……。
「「「「「 ”#$%&(!! 」」」」」」
 全員が思い思いのチーム名を叫んでしまったものだからもうぐちゃぐちゃである。
 一二三はそんなグダグダ展開を冷や汗ひとつで流してディエラに向けて告げた。
「うちらが来たからにはもう、好き勝手させへん! ディエラ。ここが年貢の納め時や」
 なんとかなった! そう一二三が思った瞬間。ディエラが踏み出した一歩が、ちょうど五人の頭上に影を落とした。
 あわてて飛ぶ一行。
 そんな一行を見てユフォアリーヤが首をかくりとひねり問いかける。
――……皆、テンション高いねぇ?
「あー……まぁ、ロマンだからなぁ」
 気持ちはわかるそう頷きつつ、土ぼこりを払う遊夜。
「オレ達ならどんな敵でも! ……巨大化して来てるなぁ」
 思わず頬をかく拓海である。間一髪踏んづけられるのは拒否したが、股下から見上げるディエラはとても大きい。
 そんな戦隊ヒーロー扮する仲間たちを置いておいて。真っ先に切りかかったのが飛翔。
 ファーストアタックはディエラのすねを強打した。
「…………楽しそうだな」
 飛翔はそう言って小さく微笑むとルビナスが言葉を返してくれる。
――はい、少し。
「こっちもちょっと派手にやってみるか」
――そうですね。やるからには全力で行きましょう。
 そう奮闘する飛翔に続いて総攻撃を仕掛けるヒーローたち。
 そんなヒーローたちは遠くからかけてくるヘリの音を聞いた。
 そのヘリから見下ろすのは構築の魔女。いや、今回そう彼女を呼ぶのは適切ではない。
「博士!」
 戦隊全員が叫んだ。
「今回は私も参戦させていただこう……よいかな?」
 そう告げると引き連れてきた遊夜のヘリを降下させ、ヒーローたちを乗せていく。
 そして遊夜、いや。ブラックは操縦桿を握って小さく微笑んだ。
 その操縦テクニックでディエラの背後に回り込む博士。
――まぁ、あれだ、昔はそれなりに有名だったのだよ。
 それには負けていられないと、遊夜も乱暴にヘリを動かす。
――……おー、おっきいねぇ。
「なるほど、確かに大怪獣だな」
 まじかで見るとよくわかるのだが、瞳ですら遊夜より巨大である。
 そんなサイズ差を確かめながらヘリは旋回。そして射程距離ギリギリを維持しつつ。
 攻撃を仕掛ける。
 ディエラはうっとおしそうにこちらを睨むだけで直進を続ける。
 万が一奴が攻撃し始めた時は死に物狂いで回避しなければいけない。
 遊夜の操縦桿を握りる手が汗で湿った。
「一撃で墜ちる機体……スリル満点だな、おい」
――……これ、いくらするんだろう……ね?
 たぶん遙華に確認すれば教えてくれるのだろうが。
「嗚呼、値段を聞くのが怖い……」
 そんな遊夜の座席の後ろから杏子が唐突に声をかける。
「ブラック、もっと接近するんだよ」
「その声は、司令官!」
 遊夜は声を上げる、そう杏子は何を隠そう、すでに引退した戦隊ヒーローだったのだ。
「了解、接近する!」
 遊夜が接近するのと同時に杏子が攻撃を仕掛ける。同時に構築の魔女が援護射撃として、ディエラの眼球を主軸に攻撃する。
 眼球への攻撃は戦車や戦闘機で接近する味方の援護を意識の行動だ。
 歩行での揺れを考慮し動きの止まるタイミングで射撃している、その結果ディエラの足取りはかなり遅くなる。
 と、次の瞬間。
「……炎が来るぞ! レッド、イエロー!よけたまえよ!」
 ディエラがその口に炎をともした。
 その火炎放射を妨害しようと、構築の魔女はディエラの構内に弾丸をばらまく。
 スキルもふんだんに使った大盤振る舞い。その結果少し狙いがそれるが、火炎放射は滞りなく発射されてしまった。
 しかしその一連の流れを見ていてもレッドとイエローは反応できない。
「いやいやいや、うちら、博士のヘリに乗ってるんやで」
「むしろヘリごと避けないと!」
 とっさに操縦桿を切る拓海。
 直後、元々ヘリがいた場所を通過する熱戦。空気が焦げるにおいを一同はまじかで感じた。
 そんな様子を見て。ヘリの上で戦ってる意味がないなと判断した
「司令官!」
 ヒーローたち全員が先輩の姿を案じて声をかける、だが杏子は生きた瞳で後輩たちにこう告げる。
「案ずる必要はないよ。私は現役時代。迫りくる怪人共をちぎっては投げちぎっては投げ」
「けど怪獣を投げたことはないんじゃねぇか?」
 グレーこと和頼は冷静にそう突っ込む。
「その姿は不死身の戦士と呼ばれ」
「無視された!」
 拓海が先輩の暴挙に驚きの声を上げる。
「現役最後の戦いでは全身に爆弾をくくりつけて敵のアジトごと吹き飛んだことがあってね」
「だったら、今なぜここにいはるん?」
 一二三が首をひねる。
「……はずだったがピンピンして戻ってきた」
「いきてたのか~。よかったなぁ」
 そう全員が安堵の吐息を漏らすが、そんな和やかな雰囲気をディエラが見逃すはずがない。
 またしても火炎放射、今度は空中を薙ぐように。
 だがそれを杏子はインタラプトシールドでそらして防ぐ。
 熱がわずかに伝わって装甲が泡だったが、何とかまだ飛べている。
 そんな楽しそうな一同に対して、ディエラはなぜかいらだった様子を見せる、歩むペースを少し上げたかと思いきや。その筐体が地面にめり込んだ。
 重圧空間である、その魔術を発生させたのは。
「一体誰なんや!」
 一二三が上を見あげた。その頭上遥か高高度を飛ぶのは一機の戦闘機。その後部座席から飛び降りてきたのはなんと雨月。
 髪を風でばたつかせながらディエラの頭上をとり、ありったけの魔力をぶつけていく。
 ディエラが重圧空間と受けたダメージによって地面に膝をつく。
 その後雨月は地面に華麗に着地して。髪を抑え、ディエラを見あげた。
「あ、あれは、特に役職がない人」
 拓海が声を上げる。
「役職がない人がんばって!」
 央が声を張り上げる。
「せめて名前で呼んでくれる?」
 苦笑いを浮かべてヘリを一瞬見あげる雨月。その直後雨月が乗っていた飛行機がディエラの顔面に突き刺さり爆発した。
 唖然と言葉を飲んだ一行を静かに一瞥し。
 雨月は一人でディエラを見あげる。
 ちなみにだが、大怪獣に一人で立ち向かう少女というのはとても絵になると思うのだがどうだろう。ご意見お待ちしている。
「私は足止めに専念するから、他の人は攻撃を!」
 そう雨月は叫ぶと霊力を強めた。
 目くらましの爆炎を払って、新たな脅威雨月を踏み潰しにかかるディエラ。
 だがそんなことはさせない。遊夜のヘリがディエラの眼前でホバリングする。
 央はそのデッキにて、なれない姿勢で弓を引く。
 その一矢は空を裂いて飛び、ディエラの眼球に突き刺さる。
 呻き声を上げるディエラ。
 その瞬間、お返しとばかりにディエラの体から針が発射された。
 その弾丸のごとき針はやすやすと二基のヘリ、その装甲を食い破り。そして二基ともエンジンを直撃された。
 大爆発を引き起こすヘリ。
 だがそのヘリから華麗に脱出したのは央。
 そのまま風に乗りディエラの体に取りついて、潜伏。
 そして全速力でかける。
「待っていたよ」
 その先には杏子がおり、杏子はその全火力を持って一部の装甲を引きはがすことに成功していた。
 そして央が現れたことを知ると、杏子は後ろに飛ぶ、くるくると回りながら着地し、あとは任せたと手を振った。
 後を託された央はその手の苦無を柔らかい肉に突き刺して。そして。
 霊力の刃ですっぱりと肉も装甲も内側から破壊する。
――……今日の私達はブルー。疾く、高き討伐者。
「お前の運命を決める、ブルーディスティニーだ」
 本日二度目の名乗りである。気に入ったのだろうか。たぶん気に入ったんだろう。
 そして央も身を翻してディエラから離れた。
 装甲はさらにズタズタに破壊され、その部分に杏子が追撃を叩き込む。
 そんな一行の会話に突如、一二三の言葉がさしはさまれる。
「イエロー! 今や! オレも後から行く! それまでに大ダメージ入れとけや?」
 彼が何をしようとしているのか、それはCMの後に語られることだろう。

第二章 進軍せよ
 
 飛翔は猛攻を仕掛ける。その分厚い装甲に刃を通し、何としても弱点を露出させる必要があった。
 ディエラが砲撃や銃撃に気を取られている間に接近し、そしてロケットアンカー砲で身体上部まで登る。
 そして、刃を敵に叩きつけた。
「流石に固いな」
――振り落とされないように気を付けましょう。 
 そんな接近する飛翔を叩き潰そうと全身からニードルを放つディエラ。
 その針を全身に受けるが、傷は浅い、十メートル以上の距離を堕ち体制を立て直して、そしてまたディエラを見あげた。
――この毒は痛みが伴う分、集中を削りますから厄介ですね。
 そんな飛翔は異音を感じて振り返る。見れば飛翔の視線の向こうには戦車。
 キュラキュラとキャタピラが唸る。
 見晴らしのいい芝生を戦車が走る。その戦車の観測主を務めるのは『M・gottfried(aa4446)』であり、その英雄は異世界に置いて突撃砲、駆逐戦車であった『StuG III(aa4446hero001)』である。
 この戦車には魂が宿っている。
 何より戦場で戦車を駆れる喜びにgottfriedの胸は沸いていた。
「ディエラが視認できるほどの距離まで来た…… 総員、連携だ!」
 その言葉に由利菜と香月が立ち上がる、すでに戦闘は始まっている。
「近接職の諸君等が適切な距離に届くまで、自分がお送りしよう。その先は」
 その言葉に二人は頷いた。ディエラに砲撃を浴びせながら迫るgottfried。
 そしてその尻尾と交差する時に香月が仕掛けた。
「その巨体では満足に動けんだろう? 大きければ大きいほど有利だと思っているのなら貴様は大馬鹿者だな」
 尻尾へ斬撃。その体は尻尾の先まで硬質な殻に覆われているが。
 だからどうしたことだろう。
 刃が通らないなら、何度でも叩き込めばいいじゃないか。
「ここは怪獣映画の世界じゃない、厳しい現実世界だ。あまり人間を舐めると死ぬほど後悔するぞ?」
 それと同時に、ディエラの足へ刃を突き立てたのは由利菜。
「シンフォニック・ハート……響け、白銀騎士との絆」
 由利菜は次いで膝を駆け上がり空中での斬撃コンビネーション。
 だが滞空する由利菜は視界の端に明滅する赤い光を捉えた。
 対象はgottfriedの戦車だろう。それを見た由利菜は着地と同時に走った。
 ――させんぞ! エオローの守護、ここに! ルーン・ヴェール!
 バリアーを最大展開。gottfriedへの火焔を全てはじく。
 その火焔を右手で払い由利菜は戦車砲の先端で弓を構える。
 その攻撃に構築の魔女や央が合わせた。
 頭部を狙った集中砲火。
「まっとったで! 月鏡はん!」
 一二三が声を上げる、すると拓海が拳を突き上げた。
「駆けつけ人名乗り、お願いします!」 
 そんな声援を受けて戸惑うばかりの由利菜。
「え……、た、拓海さんや一二三さん達が色々名乗ってますけど、私もやらないといけないんですか?」
――別に無理をしなくてもいいぞ、ユリナ……。
「え、ええと……私は月鏡の姫、ソウェイル・アルジス! 去りなさい、怪獣!」
(ユリナ、それはまじかおてぃっくぶれいにゃの魔法騎士の名前だぞ……)
 動揺をかみ殺すリーヴスラシル、その眼前でディエラの大きな足がコンクリートの道路を踏み砕いた。発電施設中枢に侵入を許してしまったのだ。
 だが、入り組んだビル群生地対だからこそできることもある。
 建物の屋上で、スコープが光を反射した。
 的確な一撃がディエラの胸装甲、その隙間を穿ち、亀裂を生む。
 次いで放たれたアンカー。そのロープでディエラの体の周りを飛び回りながら遊夜は脆くなっている装甲の境目を狙って積極的にその防御に穴を代えていく。
「体表は硬くとも……」
 そのまま狼のようなしなやかな動作でディエラの体表に手をかけて素早く上る。型部分から頭を狙って連射。
――……ん、目や内臓までは……硬くない、狙い目。
 直後足元の肌が蠢く、針が生成されるのと同時に遊夜は飛んでディエラから離れる。
 致命傷となるニードルだけを銃弾ではじき落としつつ。遊夜は渾身の一撃を放つ。
 それは壁を跳弾してディエラの目に突き刺さった。だがディエラは揺らめくだけで何の反応も返さない。
――……むぅ、しぶとい。
「流石のタフさだな、火力が足りんか……」
 むしろ攻撃よりも防御にポテンシャルを裂いたような愚神である。生粋のドレッドノートレベルでないとダメージを与えるのは難しいだろうか。
「麗しき女神! グリ・イアー!」
 そんな遊夜へと回復呪文をかける和頼。
「おお、すまないグレー」
「いいってことヨ!」
 そうウインクする和頼に違和感を覚える遊夜、当然だろう。
 声や姿は和頼であるが、表に出ている人格は希なのだから。
 だが、一同はそのことを知らない。
 そんな二人は飛んできたニードルを避けるために建物の中へ。かわりにビルから躍り出たのは央。
【ジェミニストライク】の分身で敵を撹乱しつつ【地知不】でディエラの身体を駆け上がる。
 その央を叩き落とそうと、小さな手を振るうディエラだが素早い央を捉えるには至らない。
 そんなディエラを央はさらに立体的機動でかく乱、先ほど遊夜が撃ち込んだ楔、亀裂の入った装甲部分に刃を通して。そしてついに胸部分に攻撃の通る穴が開いた。
「博士!」
 そしてそれは構築の魔女が渇望していた、致命傷に繋がる一手である。
 構築の魔女は狙撃位置を決め、そして準備を進める。
 これより、構築した論理であの怪獣を殺し切るために。
 対して慌てふためいたのは怪獣である。
 いち早く任務を遂行しなくては、そうディエラは歩みを早めようとする。
 だが、またしても足が動かない。見下ろせば雨月がディエラの足に座っている。
 決して彼女の重さで足が浮かないわけではなく、重圧空間がディエラの足を取っているのだ。
 その重圧空間の範囲外からgottfriedは戦車砲で威嚇攻撃を続ける。
 その操縦技術は素晴らしいもので速度を落とさず旋回から、砲撃もできる。
 ただ、弾は霊力を介していないのでいいところ煙幕にしかならないのだが。
「すごいな、最近の戦車は一人で操縦ができるのか」
 本来であれば戦車というものはチームで動かす者だ。具体的には装填手、砲手、機銃手、戦車長など役職に別れ、各パーツを連携し動かす必要があるのだが、この戦車はその必要がない。
 ただそれは戦車のロマンを半減させる様な気もしている。
 複雑な気持ちのgottfriedである。
 そんなgottfriedは砲弾をせっせと砲塔に供給する。
 そんなgottfriedの戦車であったがついに。
 ディエラの一歩によって踏みつぶされる時が来た。
「戦車と運命を共にする気か……」
 拓海が茫然とつぶやいた。
「見てないでたすけ……」
 大爆発を引き起こす戦車。ただ、直前で央によってたすけられたのだが。
「そんなことより穴が小さいですね。集中砲火するには少し心もとない。レッドなんとかなりませんか?」
「そんなこと!?」
 博士の非常な一言に驚きの表情を隠せないgottfriedである。
「お安い御用や」
 そんな構築の魔女の言葉に二つ返事で答えたのは一二三。
 戦場からしばらく姿を消していた一二三だったが、基地内に保有されていた戦闘機を駆り。再び全員の目の目に現れたのだ。
 そして。
「ジェットWブレイダー!」
 戦闘機からまるで打ち出されるように身を乗り出した一二三、その手の刃をまっすぐ構え。防ぐ間もなく、ディエラの胸装甲部分を切り開く。
 これで十分な大きさの穴が開いた。
 それを見た雨月が全火力をディエラの足に集中。
「跪きなさい」
 そう柔らかく微笑むと、ディエラは言葉通りに両膝をついて移動を止めた。
 霊力浸透の効果により装甲が関係なくなっていたためだ。
 これで標的が動く心配もなくなった。
 雨月はダメージコンバートを取り出す。
 霊力を刃物の形に研ぎあげ放つ。
「発電施設まであまり時間がないな」
 そう飛翔は背後を振り返りながら告げた。
――この辺りで一気に決めた方がよさそうです。
 そのルビナスの言葉に頷いて飛翔は敵を見据える。
「そろそろ決めるか、全員準備はいいか?」

第三章 必殺
 
「このままではまずいか。ふむ、仕方がないな……試作品だが背に腹は代えられん」
 博士は戦況を冷静に分析していた。そしてあの武装を取り出すことを決意する。
 飛翔は敵に迫った。霊力は体に満ち満ちている。ビルから飛び移っての一撃。大剣での刺突を胸の剥がれ箇所へ突き込む
「「夜神一灯流、奥義ヶ五【迅雷天駆】」」
 その時、ついに、ついにだ、今まで血液の一滴も流さなかったディエラが。胸から血を噴出させた。その血は周囲の建物にべったりと張り付き濡らしたが。ディエラからするとまだ軽傷である。
 だから。
「まだだ」
 突き刺した大剣の柄。それをずらして上に向けさせそして飛翔は、落下の勢いすら利用した世間突きを大剣に見舞う。深々と突き刺されたそれはろっ骨を寸断し、さらに奥深くに突き刺さった。
「これで心まで届け!」
 だがそれでは一手足りない。そこで、戦隊ヒーローたちがうごく。
「よし、ここからは俺達の出番だ」
 拓海が走った。その拓海を制して和頼が告げる。
「……みんな待て……先にオレに行かせろ!」
 最初に動いたのはグレー。その背後にまわり。特大のフィールドでディエラを覆う。
「最強なる女神! イディヴ・リー!」
 それと同時に拓海はメーレブロウでディエラの防備を崩しておく。
「ブレイバースピンブレーーーーードッッッ!!」
 そう一二三が繰り出す斬撃を火焔で払おうと口を開くディエラ。
 その口を閉じさせるように糸が空中を走る。
「……待っていたぞ、この瞬間……!」
 それが見る見るうちに口元に絡まって、行き場を失った火焔はディエラの中を逆走。
 そのあまりのダメージに茫然と鼻から煙を吐くディエラ。
 それを仕組んだのは央である。
 これで準備が整った。
 ビルの屋上で待機するブラックの元に全員が集まる。 
「ま、お約束って奴だな」
――……なるほど。
 コクリと頷くユフォアリーヤ。
 その言葉に一二三こと、レッドは頷くと。高らかに告げる。
 その言葉に博士こと、構築の魔女も頷いた。
「トドメだ! 必殺! HOPEブリンカー!!」
 全員が銃器を構えた、一斉放火がディエラを襲う。
「……生まれる場所を間違えたな。安らかに眠れ【Lullaby of the earth!】」
 拓海の宣言と共にその胸の穴が切り開かれていく。
「さぁ、射線から身を引きたまえ! ……ゆくぞ!」
 渾身のLQCによる一撃。
 その一撃で傾いでいくディエラの体。
「やれやれ、ミッションコンプリート……かね?」
 そう遊夜が口づさんだ時、博士は告げる。
「それは、フラグではないかね」
 その通り、フラグを回収するため起き上がるディエラ。
 だが後詰に由利菜が控えている。
「荒れ狂え、血の魔槍!」
「氷結の一撃を食らえ! ヘイル・ブリザード!!」
 杏子の氷撃も合わさってついにディエラの体が霊力に分解され始めた。
 リンカー側の勝利である。
「……すまねえ……分かってくれ……!」
 そう胸に手を当てる和頼、ほっと一安心したのもつかの間。
「……あ!? 何が分かれ、だ!」
 ポンッと軽い音がして、共鳴が解けた和頼である。
 気が付けば希が和頼の隣に立っていて。和頼は青筋を隠そうとせず希に詰め寄る。
「勝手に人の体で遊んでんじゃねえ!」
「……ノリが悪い男はスグ飽きられちゃうゾ」
 そんなセリフに少しドキッとしつつ煙草を口に含みそっぽを向く和頼。
「世界蝕が愚神の他にディエラも連れてきたとしたら……人類は滅亡を望まれてるのかも」
 そう拓海は力尽きたディエラへ向けて手を合わせる。
「あら、英雄って言う家族も届けてくれたじゃない」
「そうか……試されてるとしてもまだ救いはあるな」
 そんなメリッサの言葉に頷いて。拓海は仲間たちを振り返った。
「恐らくこれで終わりや無い……また、第2第3のディエラが……」
「……それより他の愚神、ドロップゾーンの有無や修繕等、やる事は多いぞ」
 そう、どこから持ってきたのだろうか。チョコレートをかみ砕きながらキリルは告げた。
「菓子食いながら正論言わんといておくれやす!」
 そんな一二三の肩を叩く央と拓海。
 今回の一件で、仲間意識がさらに強くなったのかもしれない。
 三人は地平線の向こうに消えゆく夕陽をいつまでも眺めていた。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • 『星』を追う者
    月影 飛翔aa0224
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
  • この称号は旅に出ました
    弥刀 一二三aa1048
  • 苦悩と覚悟に寄り添い前へ
    荒木 拓海aa1049

重体一覧

参加者

  • 『星』を追う者
    月影 飛翔aa0224
    人間|20才|男性|攻撃
  • 『星』を追う者
    ルビナス フローリアaa0224hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • 誓約のはらから
    辺是 落児aa0281
    機械|24才|男性|命中
  • 共鳴する弾丸
    構築の魔女aa0281hero001
    英雄|26才|女性|ジャ
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • 絶望へ運ぶ一撃
    黛 香月aa0790
    機械|25才|女性|攻撃
  • 偽りの救済を阻む者
    アウグストゥスaa0790hero001
    英雄|25才|女性|ドレ
  • 語り得ぬ闇の使い手
    水瀬 雨月aa0801
    人間|18才|女性|生命
  • 難局を覆す者
    アムブロシアaa0801hero001
    英雄|34才|?|ソフィ
  • 永遠に共に
    月鏡 由利菜aa0873
    人間|18才|女性|攻撃
  • 永遠に共に
    リーヴスラシルaa0873hero001
    英雄|24才|女性|ブレ
  • この称号は旅に出ました
    弥刀 一二三aa1048
    機械|23才|男性|攻撃
  • この称号は旅に出ました
    キリル ブラックモアaa1048hero001
    英雄|20才|女性|ブレ
  • 苦悩と覚悟に寄り添い前へ
    荒木 拓海aa1049
    人間|28才|男性|防御
  • 未来を導き得る者
    メリッサ インガルズaa1049hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • 素戔嗚尊
    迫間 央aa1445
    人間|25才|男性|回避
  • 奇稲田姫
    マイヤ 迫間 サーアaa1445hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • 絆を胸に
    麻端 和頼aa3646
    獣人|25才|男性|攻撃
  • 絆を胸に
    華留 希aa3646hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • Be the Hope
    杏子aa4344
    人間|64才|女性|生命
  • トラペゾヘドロン
    テトラaa4344hero001
    英雄|10才|?|カオ
  • エージェント
    M・gottfriedaa4446
    人間|12才|男性|命中
  • エージェント
    StuG IIIaa4446hero001
    英雄|21才|女性|ジャ
前に戻る
ページトップへ戻る