本部

極限限界集落!

弐号

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2017/05/08 07:59

掲示板

オープニング

●押し寄せる黒波
「今日はあったけぇなぁ」
「そうだなぁ。もう春も大詰めと言ったところだ」
 柔らかな日なたの下で二人の老いた男性が世間話に興じている。
 人の会話は付き合いが長ければ長いほど共通の話題が少なくなり、最終的に天気の事しか話せなくなるという。
 毎朝顔を合わせるこの二人の会話は常に天気の話から始まる。それはある意味二人の付き合いの長さを現していた。
 ここはのどか、というには少々簡素過ぎる、山間の集落。
 峠の合間の平地にぽつぽつと建物が立っただけの、高齢化に悩まされるいわゆる限界集落だ。
「そういえば佐々木さんの所の子供がよ。色気づいてきたみたいで若い女の子を探して……」
「ん、ちょっと待て」
 しばらくして話がようやく天気の話から逸れた頃合いで片方の男が話を中断した。
「どうした?」
「ありゃなんだ?」
 そう言って道路の先の方を指差す。
「ああ?」
 視線をそちらに送ると、その先には黒い塊が何やらもぞもぞを動いている。
 よくは見えない。二人とも年もあってそれほど目の良い方ではない。
 しかし……人生経験は豊富だった。
「ありゃあ、従魔ってやつじゃねぇのか」
「でなきゃ熊だ。イノシシにしてはデカすぎる」
「どっちにしても事だ。おい、こうしちゃいられんわ。逃げるぞ」
 その黒い塊はまだ活発に動く様子は見えない。今の内であればまだ逃げられるかもしれない。二人の男はそう考え、その塊から離れようとして――
「――!」
 思わず息を飲んだ。
 黒い塊が現れた道とは逆側。そちらにも同じような黒い塊がいた。
 こちらは先ほどのものよりも若干近い。だから、その姿も明確に確認できた。
 ――蜘蛛だ。人の腰ほどの大きさのある蜘蛛がのたのたと歩いている。
 疑いようもない、従魔だ。
 2匹の従魔。こんな限界集落の人員で対応できるわけがない。
「いかんわ。こりゃいかん」
 否、事はそれで収まらなかった。
 男が逃げ場を探して見上げた山の上。
 そこには無数の動く黒い塊が見て取れたのだった。

●不審
 捨てる神あれば拾う神あり。
 不幸にも従魔の群れに襲われた集落であったが、幸運な点が三点あった。
 まず一点。偶然近くにH.O.P.E.所属のエージェントが車を走らせていた事。
 これにより従魔出現の一報を受けたH.O.P.E.はほんの十数分で現場に一人のエージェントを派遣できた。
 二点。限界集落にしては立派な公民館があった事。
 その昔、この集落に人とお金がそれなりにあった頃に建てられたもので、古いが大きさ的には避難に最適であった。
 そして、三点。これが一番大きかったのだが、従魔達に積極的な攻撃の意志が見られなかった事。
 従魔達はゆっくり集落を徘徊したが、積極的に住民たちを襲わなかった。これにより住民たちの大半はこの公民館へと非難することができたのである。
 無論被害がなかったわけでもないが。
「ひい、ふう、みい……うーん、パッと見ただけでも十匹以上いるな……」
 公民館の二階の窓から外を眺めて初老の男が呟く。
 彼の名前は二ノ宮利勝。偶然近くにいて派遣されたH.O.P.E.のエージェントである。
 戦闘をこなすエージェントとしては大分高齢でそろそろ引退を考えるような年である。
『見たところミーレス級だ。一か八か打って出てみるか?』
「馬鹿言うな。その間に住民が襲われたら終わりだ」
 からかう様な英雄の声に利勝が返す。
 ちらりと建物の中のホールに目を移す。
 そこにはこの集落の避難してきた人たちが身を寄せ合って座っている。
 人数は100人ほど。大体が高齢者で中には若い人間も数人。幼い子供もいるようだ。
 彼らを守りながらここを突破するのは難しいだろう。
「H.O.P.E.に連絡はいっているんだ。ほどなく増援が来る。それまでは籠城だ。幸い従魔どもが無理やり押し入ってくる様子はない」
『それがおかしいと思わんのか、爺さん』
「……まあな。しかし、考えても分からん事は後回しだ。今は犠牲者を出さないことが最優先事項」
 そう言って再び窓の外を見張る。
 地面を蠢く蜘蛛の従魔達。
 大人しく徘徊するだけのその行動は、利勝にはどこか不気味に映るのだった。

解説

●目的
公民館に群がる従魔達を殲滅せよ

●敵
・ミーレス級従魔『黒蜘蛛』 ×20
(PC情報)
 高さ1mほどの蜘蛛の姿をした従魔。現在は何故か積極的に襲ってこない。
(PL情報)
 遠くから【BS:劣化(回避)】を付与する糸を放ち、同時に別の個体が攻撃を仕掛けるという連携を主にして戦う。
 また、設置型の巣も張るようで、こちらは非常に見えにくく、触ると【BS:翻弄】を付与されます。
 攻撃力は平均的なミーレス級程度はあるが、防御力はかなり低めである。

●味方(PC情報)
・二ノ宮 利勝 
 &ベンド タグハーツ
 この事件でいち早く派遣されたエージェントコンビ。既に共鳴状態で現場で住民を護衛している。
 それなりに熟練度の高いシャドウルーカーで、ミーレス級と1対1ならまず負ける事はない。
 特に指示がない限りは公民館から外には出ず、住民の護衛に専念する。
 こちらからの連絡は可能。二人とも割と口が悪い。

●状況(PC情報)
 朝8時。晴天。
 公民館の二階のホールに住民たちは全員集まっている。
 従魔達は公民館まわりが最も多く十匹強。
 その他、数匹単位の塊で集落を動き回っているものがいる。
 多くの住民は避難に成功したが全員という訳ではない。
 集落の広さはリンカーであれば十分もあれば回り切れる程度である。
 ※PL情報
 公民館から見て集落の反対側、北限の方に巨大な蜘蛛の巣が形成されつつある。
 公民館からは遠すぎて現在は誰も気づいていない。

リプレイ

●虫嫌いの憂鬱
「蜘蛛の従魔に囲まれた村、か。想像するとゾッとするよね」
 現地に向かうバスの中で、建物の周りを取り囲むように蠢く蜘蛛の姿を想像し村主 剱(aa4896)が身を震わせた。
「これはこれは。畜生にも劣る虫けらごときを恐れるとはね……程度が知れますよ、村主」
 それにやたらと棘の籠った言葉を返すのは彼と誓約を結んだ英雄、茨城 日向(aa4896hero001)だ。
「いや、恐いとかじゃなくて――いや、恐いけどさ。それは別として、やっぱりおっきな蜘蛛とか嫌でしょ、普通」
「何を言っているのか、さっぱりですね。何を恐れる必要があるというのですか」
 説明はしてみるものの、現代人とは感覚の異なる日向には伝わらない。
「ほんのこって、そこなあんさんのいう事はもっともだど」
 その会話に合いの手を入れるように頷くのは島津 景久(aa5112)である。
「所詮は心の無い獣。どんだけ数が集まったところで物の数でなか!」
「いや、だからそうじゃなくて……」
「私は分かりますよ、村主様の言いたい事……」
 景久の隣に座る新納 芳乃(aa5112hero001)が初めて剱の意見に同意する。
「だよね。良かったぁ。俺の方が間違ってるのかと不安になっちゃったよ」
「お前も分かるよな、リーヴィ」
 隣にいるオリヴィエ・オドラン(aa0068hero001)の頭をポンポンと叩きながら、ガルー・A・A(aa0076hero001)がいたずらめいた口調で話しかける。
「……もう、あんなへま、しない」
 ガルーのからかいにオリヴィエはムスッとした表情で返す。とはいえ、普段から表情の薄い彼のそれは、親しい者でなら分かると言った程度のものであるが。
「せーちゃんも虫苦手だもんね、大丈夫?」
「ひゃい!? あ、も、もちろん! 大丈夫ですとも!」
 考え事をしていたところに木霊・C・リュカ(aa0068)に話しかけられてワタワタと返す紫 征四郎(aa0076)。
 妙に時代がかった口調になっているあたり、彼女の緊張が手に取れた。
「ワハハハハ! 怖いのなら叩き潰してしまえばよいのだ、幼子よ!」
「もう、トールはそうやってすぐに勢い任せに適当な事を言うんだから……。ごめんなさいね、このオジサンのいう事は無視していいから……」
「ふん、間違った事はいってないだろう」
 豪快に笑いながら言うトール(aa4712hero002)の言葉にエレオノール・ベルマン(aa4712)が静かに首を振る。
「まあまあ、そんな緊張しないで紫さん! 誰にだって苦手なものはありますよ」
 そう言って彼女を励ますのは友人である六道 夜宵(aa4897)だ。彼女の持ち前の明るさ朗らかさで、少し緊張感の漂う車内に明るさが灯った。
「今回の依頼には結構なベテランエージェントも参加してるんだな。頼もしい事だ」
「この有り様だけどな」
 征四郎を見て言う若杉 英斗(aa4897hero001)にガルーがため息とともに相方を親指で指す。
「ほ、本当に大丈夫です。心の準備さえしてれば……ええと、急にさえ来なければ大丈夫です」
 言いながら徐々に語尾が弱々しくなっていく。
「……いささか不安な部分もあるが、斯様にベテランの方がいるというのならば心強い。ボク達は実は今日が初めての仕事でね」
「しかも、相手は蜘蛛ですよ。キリギリスは元々虫でしたから、天敵も天敵。それが初仕事なんて信じられます?」
 郭 詩雨(aa5090)に続いてキリギリス(aa5090hero001)がため息混じりに嘆く。
「ボクも蜘蛛は嫌いだ。研究の障害だからな。しかし、手ごろな依頼がこれしかなかったのだ」
「ふ、だが新兵が経験を積む作戦としては確かに悪くない。良い選択だ」
 詩雨の隣に座っていた女性がふと呟く。彼女も招集されたエージェントの一人、ソーニャ・デグチャレフ(aa4829)だ。
 ちなみに誓約英雄であるラストシルバーバタリオン(aa4829hero002)はあまりに大きく重すぎる為、今は幻想蝶の中に納まっている。
「蜘蛛狩り。確かに厄介な仕事ではあるが、今のところ敵はミーレス級のみ。しかしそれでいて人命を守る必要もあり、適度な緊張が見込める。後方都市の防衛は戦いにおける重要任務であり、速やか且つ断固たる切除が必要となるからな」
 つらつらと報告書を読むかの如く雄弁さでソーニャが語る。今回の任務の概要については頭に叩き込んであるのだろう。
「でも、少し気になる事もありますよね……この従魔」
 それに口を挟んだのは藤林 栞(aa4548)である。
「……敵の動きが鈍い点は確かに疑問を感じるでござる」
「うん……普通の従魔じゃあり得ないかなって……」
 自分の母親と同じ顔をした英雄、藤林みほ(aa4548hero001)の言葉に頷く。
「確かに……聞いている限り、従魔の動きは不審ですね」
 今まで静かに話を聞いていたキース=ロロッカ(aa3593)が口を開く。
「村の襲撃以外に何か別の目的があるように感じられます。警戒はしておいた方がいいでしょうね」
「でも、公民館に避難した人達を守るのも一緒にしないといけないし……。皆さんの安全を確保する? それとも敵の目的を探る?」
「それはもちろん、安全確保を優先とします。目的は……まあ、可能なら、ですね」
 匂坂 紙姫(aa3593hero001)の問いに迷わず答える。
 目的を手段をはき違えてはならない。敵の真意を探るというのは、あくまで愚神達の悪意から人々を守る為だ。それを探る為に罪のない人々を危険晒してしまっては本末転倒である。
「……着きました、お願いします」
 車が停車し、運転手がそう告げる。
 現場の公民館にはまだ少し距離があったが、車を運転するのはH.O.P.E.の一般職員。リンカーではない。
 これ以上近づくのは危険だという判断である。
「ま、習うより慣れろ。いくらか慣れりゃあ苦手も克服できんだろ」
 そう言って立ち上がったガルーを先頭にエージェント達は降車し公民館へ向かい始めた。

●不穏
「やっほー、利勝ちゃん。調子はどう?」
 実に軽い口調で部屋に入ってきたガルーに、今まで住人の護衛をしていた二ノ宮利勝が苦々しい顔を向ける。
「何が利勝ちゃんだ。年上を敬うという事を知らんのか」
「英雄に年齢の概念なんてあって無いようなモンだぜ、『利勝ちゃん』?」
「やめるのです、ガルー。護衛任務お疲れ様です、救援に駆け付けました」
 利勝の如何にも頭の固い反応に逆に楽しくなってきたガルーを押し留めて、征四郎が恭しく頭を下げる。
「一番小さい子が一番礼儀がなってるじゃないか、どうなってるんだ」
「……その辺りの話は後で。今の状況を教えて頂いてもいいですか」
 何となく不毛な会話が始まりそうな雰囲気を察して、キースが食い気味に問いかける。
「H.O.P.E.に連絡した時から特に変わっとらんよ。連中はここを取り囲んで周りをうろつくばかりでこちらに踏み込んでくる様子はない」
「変だよねー。ここに入ってくるときも全然攻撃してこないしね?」
「ですね。従魔に無視されるのって初めてかも」
 利勝に促され窓から外を望み、呟いた紙姫に夜宵も同意する。
「何か不気味だねぇ。あっさり終わればいいんだけど」
「存外、杞憂でも無いかもしれない、な」
「何かを守っている……? 公民館を俺達の砦とするのなら、彼等の砦がどこかにあるのかも」
「ええ……人の襲撃が目的でないとすれば、営巣か、本格的な侵攻に向けた準備か……」
「暴き出す必要がありそうですね」
 リュカ、オリヴィエ、剱、日向の意見にキースが続ける。
「いずれにしても違和感があります。従魔達が何を企んでいるかは分かりませんが警戒はしなければなりませんね」
「引き付けておいて待ち伏せって線もありますよね。釣り野伏、でしたっけ」
「おいの家に伝わる伝統的な戦術じゃな。引いた兵を追ってきたもんを伏兵で取り囲んで押しつぶす戦術じゃ」
 栞の言葉に付け足すように補足する景久。彼は島津家の末裔。一種の専門分野だった。
「見えるだけが敵ではなか。気を抜くと首ば取られる」
「ふむ、ここを守れば済むという話ではなさそうだな。周辺の偵察がいるようだ」
「ここの公民館に逃げ込めなかった住民もいる。打って出る人員はどの道必要だろう」
 ソーニャの言に利勝が付け足す。彼の視線の先には一つところに集まり身を震わす避難住民たち。
「エレオノール達が来たからには大丈夫ですよ、安心してください」
 その内一人の老婆の手を取り、微笑みかけるエレオノール。それに安心したのか老婆は強く手を握り返し、祈る様に頭を下げた。
「お願いします……お願いします……」
「……うん、気合入った! 頑張ろう、英斗」
「もちろんだ」
 己の頬を叩いて気合を入れる夜宵に、英斗も静かに闘志を燃やしながら返す。
「そうですね……作戦会議はこれくらいにして急ぎましょう。話をしていても従魔が減るわけでも人命が助かるわけでもありませんから……」
 キースの言葉に一同は頷いて、手早く班分けをし始めた。

●包囲網突破
「出るぞ。準備はいいか」
《任せてくれたまえ。いつでもいいぞ》
《待ちきれんくらいじゃ》
 玄関の扉に手を掛けながら言うオリヴィエの言葉にソーニャと景久が通信機越しに答える。
「走るのは得意ですので、任せてください」
「こっちもオッケーです! いつでもどうぞ!」
「ボクもだ。ま、遅れないようにはするよ」
 確認で振り向いたオリヴィエに、栞と夜宵、詩雨も頷き返す。
 この4人が集落に取り残された人を救助に回る機動班である。
「よし、行くぞ」
 静かにそう告げ、扉を押し開いて外へ駆け出す。
「――」
 その瞬間外にいた数匹の蜘蛛が体の向きを変え、こちらへ向き直る。
《やはり、入るのは妨害しない代わりに、出ていくのは許さない、という態度のようですね》
《ふん、ならば押し開くまでだ》
 キースとソーニャの砲撃がオリヴィエたちの進路を開くように着弾していく。
 全て当たったわけではないが、何匹ははそれに巻き込まれ体から血を流す。そして、さらに――
「俺は島津。鬼島津の血を引いた、誇り高き薩摩隼人! 命のいらんもんからかかってこい!」
 オリヴィエ達とは別の出口から、巨大な大剣を担ぎ甲冑に桜色の陣羽織を羽織った姿となった景久が敵が最も集中する場所へ突っ込んでいく。
「チェストー!」
 その一刀が敵の一体を切り裂く。
「今の内に突っ切りますよ!」
「待って! 右前方に蜘蛛の巣が張ってあります! 迂回してください!」
「分かった……!」
 敵の罠を感知した栞の指示に従いながら、その隙に乗じて機動班が戦場を駆け抜ける。
 従魔達の間に走った混乱は彼らを妨害できるほどの余裕は作らせなかった。
 こうして、包囲網を突破し、4人は今なお助けを待つ人たちを探し、集落へ向かったのだった。

●島津の魂
「どうしたどうしたぁ! おいはまだまだ二つ脚で立っとるど!」
 跳びかかってきた数匹の蜘蛛の攻撃を何とか捌き、景久が気を吐く。
『ああっ! 蜘蛛の糸が私の体に! 気持ち悪い、汚らわしい!』
「後で風呂で洗っちゃるから黙っとれ!」
 絡みついてくる糸の感触に悲鳴をあげる芳乃を一喝する。今はそのような些事を気にかけていられる状況ではない。あまり騒がれては気も定まらぬ。
《まずは数を減らさぬと危険であるな。援護射撃用意!》
《イエスマム。ライヴスショット特殊弾頭用意》
《てー!》
 ソーニャの号令に合わせてバタリオンがその巨大なカノン砲から弾丸を放つ。
 高速で地面に着弾したそれは広範囲に衝撃波を発生させ、周囲の従魔達を吹き飛ばす。
「おう、助かったど!」
『景久様!』
「うぬっ!」
 一旦敵から距離を取った景久を追って、少し離れた従魔から糸が発射される。
 べとっと付着したその糸は強い粘着力を持ち、景久の動きを制限する。
「おのれ!」
 この機を逃さんと、そこへ跳びかかってくる数匹の従魔。回避が間に合うタイミングではない。
 景久はこれから来る痛みを覚悟して体を強張らせた。
《させません!》
 しかし、跳びかかってきた従魔をキースの放った続けざまの弾丸が次々と貫いていく。
 超高速の弾丸に腹を悔い破られ、3体の従魔が沈黙する。
《どうやら守りは大したことが無いようですが……如何せん数が厄介ですね》
 次弾を装填しながらキースが呟く。
 屋上にいる自分たちはあまり被害が無いが、前線に一人立つ島津の負担は大きい。
 できるだけ、素早く敵を減らしたいところではあった。
「はぁ、こいは動きにくいのう」
『景久様、蜘蛛が……!』
 べとついてこちらの動きを制限してくる糸を振り払いながら呟く景久に、芳乃が慌てて声を掛ける。
 芳乃の声に引かれて視線を動かすと、公民館の内部へ向かう蜘蛛が数匹。
 公民館を攻撃しない方針を変えたのか、あるいは屋上部隊に近付くつもりか……。正確な意図は分からないが、状況としてはどの道あまり良くない。
「心配なか! 数匹の手柄くらい、二ノ宮ちゅうもんとエレオノールにくれてやる!」
 しかし、景久はそれを切って捨てた。手広くなんでもやろうとすれば必ずどこかで隙が生まれる。
 故に景久は割り切った。今の自分に出来るのは目の前の敵を斬って捨てる事だけであると。
 それは冷静な判断でもあり、あるいは景久の気質でもあり、そして公民館を守る仲間への信頼でもあった。
「滾ってきたど! 薩摩ん兵子の三原則! 退かん! 怯まん! 脅えん! これぞ島津の戦よ。おまんら、首おいてけ!」
 己を振り立たせるように叫び、景久は再び敵陣の真ん中へ突撃していった。

●雷撃
「大丈夫です。必ず助かりますから。安心してください」
「おう、男が人前で泣くもんじゃないぞ、坊主。しっかりせい!」
 実際に戦闘が始まって色めき立つ住人たちをエレオノールとトールが励まして回る。
 建物の中にいるとはいえ、戦闘が起こっているのは壁一枚を隔ててすぐそこである。住民達が恐れるのも無理はないと言えた。
「……おい」
 その二人の背中に声が掛かる。
「エレオノールだったか? 客人だ。おもてなしの用意をしろ」
 声を掛けた利勝――いや、先ほどまでとは口調が違う。英雄の方だろうか。確か名はベンド――の視線の先を見ると、2匹の大きな蜘蛛が階段を登ってこちらにゆっくりと近づいてくるのが見て取れた。
「――! 静まれ! 絶対にここを動いてはならんぞ!」
 すぐさま共鳴し、住民達を一喝するエレオノール。
 その手には魔導書が握られ、住民達を守る様にその前に立ちふさがる。
「前に出る」
 それだけを言い残して、ベンドが前に出る。
「――」
 敵意を感じたのか、駆け寄ってくるベンドに蜘蛛が糸を飛ばす。
「ちっ!」
 飛んできた糸を躱さずにあえて受ける。それを見てもう一匹が跳びかかってきた。
「面倒くせぇ……!」
 粘着糸が付いたまま避けるのはかえって危険と判断して、ベンドは取り出した刀でその牙を受け止める。
「待たせたな! 喰らえぃ!」
 着地して動きの止まった従魔を、ライヴスを活性化させ威力を増したエレオノールの魔力弾が貫く。
 威力は十分。一撃で従魔は腹を破られ霧散した。
「――」
 相方を倒され焦ったのか、残った従魔が今度はエレオノールの方へ向かって走り出す。
「きゃあああああ!」
 公民館に響く悲鳴。目の前にエレオノールが立っているとはいえ一般人にとって迫りくる従魔の恐怖は耐えがたいものであった。
「安心せい!」
 従魔が迫るのを気にせず魔力を溜めるエレオノール。
 彼女に到達する直前で従魔の動きが止まる。その後ろでベンドがライブスの糸を発し従魔を拘束していた。
「H.O.P.E.のエージェントは決して負けん」
 再びの魔力弾が至近距離の従魔を貫いた。

●エージェントの条件
 包囲網を抜けた機動班は捜索の為、二手に分かれて行動していた。
「だれかいませんか~。H.O.P.E.です。助けに来ました~」
 夜宵は歩きながら周辺の住宅に聞こえるように大声で呼びかける。しかし、その反応は帰ってこない。
「こちら側は外れか?」
『敵にも気を付けろよ、夜宵』
「わかってるよ。でも今は私達の危険より住民の人の安全だからね」
《夜宵さん、詩雨さん、聞こえますか?》
 そこまで話したところでオリヴィエと行動を共にする栞から通信が入る。
《そちらの道すがらに数匹の従魔が住宅の周りをたむろしているのが見えました。注意してください》
 鷹の目で得た情報だろう。その報告に二人の間に緊張が走る。
「従魔と一緒に逃げ遅れた人がいる可能性もあるか」
「そうですね! 急ぎましょう!」
 素早く方針を決め、栞の指示の元、その現場へ急ぐ。
「いたな……!」
 視界内に従魔を捉えて詩雨が呟く。数匹の従魔は確かに一軒の住宅を取り囲んでうろうろと周辺を動き回っている。
 明らかに不自然な動きである。
「私が引き付けます! 郭さんは中を!」
「分かった」
 夜宵の提案に素直に頷き、詩雨は従魔に取り囲まれた住宅へ走る。
「さあ、私が相手だよ、蜘蛛さん達!」
 守るべき誓いを発動させた夜宵に従魔を任せ、詩雨はその家へたどり着いた。
「誰かいるのか! 返事をしてくれ!」
「あ……」
 大きめの窓から中を覗き込み声を掛けると、奥から赤子を抱えた女性が顔を出した。
「あ、あの……私、この子を見てて、逃げ遅れて……!」
「安心しろ、ボク達はH.O.P.E.のエージェントだ。ここは危ないから早く離れて――」
 そこまで口にしてから詩雨の耳にカサ、という微かな音が届く。
 本当に微々たるその音を聞き取れたのは詩雨が虫に造詣の深い研究者だったからか、あるいは彼女の英雄が元々虫だったからか。
『詩雨、いますよ』
「分かってる……。おい、絶対に動くなよ?」
「え……は、はい……」
 女性にこの場に留まる事を指示して慎重に辺りを見渡す。
 幸い敵の姿はすぐさま確認できた。すぐ隣の車庫の上に一匹の従魔が今にも跳びかかりそうな姿勢でこちらを見下ろしている。
『……とりあえずあれだけですね。いっぱいいたらお手上げでした』
「不幸中の幸いという奴だな。正真正銘の初陣という奴だ。行くぞ!」
 先手必勝、従魔が跳びかかってくる前に鞭を片手に敵に跳びかかる。
 近くに守るべき対象を置きながら戦うなど器用な真似ができるほど、詩雨はまだ戦いに慣れていない。故にそれが最善手である。
「食らえ!」
 頭上の敵に鞭を振るうも、これはあえなく飛び退いて避けられてしまう。しかし、一先ず住宅の上から地面に従魔を降りたたせる事には成功した。これで、状況は五分だ。
「――」
 着地してすかさず糸を放ってくる従魔。
「しゃらくさい!」
 あえてこれを避けようとはせず、そのまま射出姿勢の従魔へ攻撃を仕掛ける詩雨。
 糸にまみれながらも詩雨の鞭は従魔を捉える。
「どうだ!」
『まだ浅い! 気を抜かないで!』
 キリギリスの言の通り、まだ従魔を倒しきるには浅い傷だった。
 それでも、それなりに傷を負った従魔は一旦距離を離さんと後方へ飛び退く。
「逃がさん!」
 すかさずそれを追って走る詩雨。再び鞭を放つも空を切る。
 詩雨の鞭を避け、高々と跳躍する従魔。
 それは後方の住宅の壁に一旦着地し、そしてそのまま間髪入れずもう一度跳躍した。
「……まずい!」
 ――頭上を飛び越えられる。
 咄嗟に鞭を伸ばすがわずかに届かない。彼女を飛び越えた先にいるのはもちろん――
「きゃあああああ!」
 女性が子供を守る様に抱き締めながら悲鳴をあげる。一直線に襲い掛かる従魔。
 ――鮮血が舞う。
「私の目が黒いうちは――」
 交差させた両腕で従魔の牙を受け止めて夜宵が女性の前に立ちふさがる。
「絶対に手出しはさせない!」
 啖呵を切って従魔の腹を蹴って距離を離す。
「くそっ! 今度こそ……」
 バランスを崩し、不自然な体勢で地面に転がる従魔に詩雨が鞭を振るう。
「これでどうだ!」
 渾身の力で振るったそれは従魔の腹を引き裂き、ついにそれを沈黙させた。
「大丈夫か、六道君!」
「これくらい、大丈夫です。慣れてますから」
『慣れるのもどうかとは思うけどな』
 心配して駆け寄る詩雨に笑顔で返す夜宵。
 実際、かなりの防御を誇る彼女の腕はミーレス級の直撃を受けても多少血が出た程度で大事には至っていない。
「すまない、ボクが未熟なおかげで無茶をさせた」
「……うーん、それは多分違いますね。郭さんのおかげで無茶が出来ました」
「……?」
 夜宵の言葉に疑問符を浮かべる詩雨。
「詩雨さんがこの方を守ろうと頑張ってくれたおかげで私の無茶が間に合いました。エージェントってそういう事です、多分。私たちはチームですから」
 最高の笑顔を浮かべて夜宵はグッと親指を立てた。

●巣
「どんどん北へ向かって行くな……」
 そのころ村主剱は木の上にいた。
 公民館にいった蜘蛛の内一匹が包囲の中から移動していくのを見つけ、それを怪しんだ剱は潜伏スキルを駆使しながらその従魔を追っている。
 見つからない様に距離を維持しながら、どうしても距離を詰める必要のある時は潜伏スキルを使用し、慎重に尾行する。
《何か見えましたか、ツルギ》
 見つからない様に少し離れたところから追従している征四郎から通信が入る。剱が一人で行動していて敵に取り囲まれるリスクを考慮した結果だ。
「今のところは何も。向かってる先に見えるものと言ったら鉄塔くらいだけど……」
《鉄塔……ですか》
 蜘蛛の進行方向にある送電線を繋ぐ鉄塔を見る。蜘蛛は町中を離れ、真っすぐそちらの方向へ向かっており、その間にこれと言って目立つ物はない。
「うん、やっぱりそうだな。あの鉄塔に向かってる」
《怪しいですね……》
「確かめてみるか……この距離だと流石に良く見えない」
《待って下さい。私も合流しましょう。何があるか分からないですから》
「うん、お願い」
 征四郎の意見に剱も同調する。この先は敵の本拠地に跳び込むようなものだ。征四郎ほどの戦士に同行してもらえるなら安心できる。
 そうして、従魔を迂回し、鉄塔に先回りをした二人が見たのは……無数の白い糸にくるまれた鉄塔だった。
 中には結構な数の従魔達が蠢いている。
「これは……巣、か」
「そ、そのようです」
 異様な光景に飲まれながら感想を漏らす二人。
「中に数匹の従魔がいますね。卵を産むつもりでしょうか」
「分からないが、放っておくわけにいかないのだけは確かだ」
 言って通信機を起動させる。
「こちら剱。従魔の巣らしきものを発見した。とりあえずこれから破壊を試みる」
《――わかりました。こちらも余裕があれば向かいます》
 キースからの返事を聞きながら幻想蝶から武器を取り出し構える。
「――ん?」
 とその時、二人の前に鉄塔の上の方から何かが落下してくる。
 ぼとり、と落ちたそれは蜘蛛の糸を束ねて丸めた、まるで綿菓子のような見た目の物体だった。
「あ――」
 それが何なのか理解して征四郎の顔面から血の気が失せる。次の瞬間――
「うわあああ!」
「ひいいいいい!」
 中から無数の蜘蛛が一斉に湧き出してくる。
 大きさはおおよそ人の頭ほど、それが十匹以上。その全てが二人に向かって一斉に向かって来た。
「うわああああ!」
『お、おい、落ち着け!』
 パニック状態になって滅法やたらに武器を振り回す征四郎にガルーが声を掛ける。
「さ、流石に数が多いです! ちょっと待って下さい!」
『あー、もう仕方ねぇな、慣れるまで俺様がやるわ』
 一応パニックは制御したが、落ち着くにはまだ時間が掛かると判断したガルーが体の主導権を征四郎から自分へと切り替える。
「つっても、これは俺様もちょっと気持ち悪いな、流石に」
 手ごろな一匹を槍で貫きながらぼやく。
 子蜘蛛は小さいだけに未熟なのか、飛びついてくる以上の攻撃はしてこないらしい。
 ただ、それだけだが、精神的には非常にキツイ。
「で、でも皆が駆け付けるまでの間、敵の数を少しでも減らさないと……」
 剱も飛びついてきた従魔を刀で両断しながら言う。
 見ると通常サイズの従魔の異常に気づいたらしく二人に近付いてきている。
《任せろ、援護する》
 通信機越しに声が聞こえると同時に銃声が響く。
 すると鉄塔の上にいた従魔の一匹が体液をまき散らしながら落下し絶命した。
「早かったな、リーヴィ」
《たまたま位置が近かった》
 銃弾を放ったのはいち早く駆け付けたオリヴィエだった。
「ついでにこっちこいよ。可愛い子蜘蛛といっぱい戯れられるぜ」
《……それは絶対に嫌だ》
 ガルーの提案にオリヴィエは通信機越しでも分かる嫌悪感を滲ませながら返した。

●引き時
「ぬぅ!」
 公民館での戦いもかなりの佳境だった。
 かなりの糸にまみれて相当動きを制限されながらも、景久は何とか敵の攻撃を受け止める。
『景久様、そろそろ危険です』
「島津に退く戦はなか! 退き口があるとすればそれは敵ん中じゃ!」
 かなりの無茶が見て取れるが、それでも退かぬ景久。
「そこっ!」
「む!」
 景久に糸を飛ばそうとしていた従魔に飛来した苦無が突き刺さる。
「お待たせしました! 藤林栞、参上です!」
 そのまま島津の近くまで駆け付け、数本の苦無を構える。
「島津さんは一旦退いてください!」
「だ、だが……」
《島津よ》
 まだ闘志を見せる景久に諫めるようなソーニャの声が届く。
《貴公の気持ちも分かるが、戦争において退くことは恥ではない。引き時を謝る事こそが恥だ》
「……分かった。後は任せっど」
 素直に従い、公民館の方へと走り出す、景久。
《ボク達もいる。避難民を連れてきた》
《安全なところに運んだらすぐ行くから!》
 続いて通信機から聞こえる詩雨と夜宵の声。
 三人はあれからも探索を続け他にも数人の住民を見つけ連れ出していた。
《これだけいればこちらは安定しそうですね。数も大分減った事ですし。ボクは鉄塔の方へ向かいます》
「分かりました!」
 キースの言葉に栞が返事を返す。
「さあ、かかってきなさい! 藤林家が末裔、藤林栞があなた方の相手を努めましょう!」
 両手に武器を構え、栞が従魔達へ啖呵を切ったのだった。

●精鋭たち
「うっ!」
 剱の身に従魔の放った糸が張りつき、その身を拘束する。
「させねぇよ!」
 それに反応してガルーが素早くクリアレイでその糸を無力化し、剱を解き放つ。
「ありがとうございます!」
「礼は後だ! 蹴散らすぞ!」
 おかげで追撃を受け止めた剱の礼に素早く返事を返し、自身も紫色の光の軌跡を身の纏わせ、棍を振り回す。
「おらおら、一匹たりとも逃がさねぇよ!」
 放った棍の先でライヴスの爆発が起こり、蜘蛛の子を文字通り散らしていく。
 まさに八面六臂の活躍。非常に効率よくガルーは敵を排除していた。
「気持ち悪さに慣れれば、なんてことはねぇ。ただの雑魚の集まりよ」
「とはいえ、数が……」
 わらわらと集まりつつある従魔達に、ガルーと背中合わせになりながら剱が呟く。
「なあに、心配しなくても、そろそろ……」
 と、ガルーの言葉に合わせるように一発の銃声が響き渡る。
《すみませんね、遅くなってしまいました》
「いや、グッドタイミングだ。出待ちしてたんじゃねかってくらいだ」
《一応かなり頑張って長距離狙撃をしたのですが……その言い草は心外ですね》
 銃声の主であるキースに軽口を返すガルー。返すキースも口調は軽い。
「よし、役者は十分だ。攻勢に出るぜ! リーヴィもいいな?」
《――任せろ》
 絶対の信頼を寄せる相手の短くも頼りがいのある返事を聞いて、ガルーは棍を握り直す。
「さて、それじゃあ、覚悟しろよ、蜘蛛ちゃん達。俺様の相手をすることになった不運を嘆きな!」
 少数とはいえ、集ったのは歴戦の戦士達。
 従魔達が全滅するまで左程の時間はかからなかった。

●嫌なことは流すが一番
「さて、こんなところですか……」
 敵を殲滅した後、鉄塔に巻き付いた糸を処理し、念の為辺り一帯に従魔が残っていないかを確認終わった頃には空は既に夕暮れであった。
「通常蜘蛛が巣を張るのは食事の為です。ですが、あんなところに巣を張るのは奇妙です
「ふつーのクモならともかく、従魔さんだもんね?」
 巣が作られていた鉄塔を見ながらキースと紙姫が会話する。
「喋れん従魔の頭の中を探った所で疲れるだけだ」
「爺さんはもうちょっと思慮ってもんを学んだ方がいいと思うぜ……」
「うるさいな。経験上の言葉だ、これは」
「……いずれにしても、警戒に越したことはありません」
 短絡的な利勝の言葉に少しため息を吐きながら、キースは続ける。
「住民の方には特に鉄塔を中心に警戒を怠らない様に伝えておきましょう」
「よろしい。では自分が住民向けに講評会を実施しよう。任せたまえ、そういう事は得意なのだ」
 キースの提案にソーニャがノリノリで乗ってくる。
「話ば終わりなら、疲れば取っどために、風呂じゃ風呂! 芳乃も俺が洗っちゃる」
「景久様、さっきは言えませんでしたが、一緒に入るのは……」
 糸にまみれたままの景久が一段落付いたタイミングを見計らってそう提案する。
「皆でひとっぷろ浴びて嫌な事は流すのが一番じゃ! そいからだいやめ(晩酌)にすっど!」
「ですから、お酒はいけません!」
 芳乃の言葉をまるで聞く様子もなく歩き出す景久。
「ふふっ、それじゃあ芳乃さんは私が洗ってあげますよ」
 それに追随する面々。
「……ところで、苦手は克服できたかよ」
 ぼそっと呟いたガルーの一言に、オリヴィエと征四郎は力強く首を横に振るのだった。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
  • スク水☆JK
    六道 夜宵aa4897

重体一覧

参加者

  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 仄かに咲く『桂花』
    オリヴィエ・オドランaa0068hero001
    英雄|13才|男性|ジャ
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 優しき『毒』
    ガルー・A・Aaa0076hero001
    英雄|33才|男性|バト
  • 天秤を司る者
    キース=ロロッカaa3593
    人間|21才|男性|回避
  • ありのままで
    匂坂 紙姫aa3593hero001
    英雄|13才|女性|ジャ
  • サバイバルの達人
    藤林 栞aa4548
    人間|16才|女性|回避
  • エージェント
    藤林みほaa4548hero001
    英雄|19才|女性|シャド
  • エージェント
    エレオノール・ベルマンaa4712
    人間|23才|女性|生命
  • エージェント
    トールaa4712hero002
    英雄|46才|男性|ソフィ
  • 我らが守るべき誓い
    ソーニャ・デグチャレフaa4829
    獣人|13才|女性|攻撃
  • 我らが守るべき誓い
    ラストシルバーバタリオンaa4829hero002
    英雄|27才|?|ブレ
  • もちを開きし者
    村主 剱aa4896
    機械|18才|男性|生命
  • エージェント
    茨城 日向aa4896hero001
    英雄|15才|男性|シャド
  • スク水☆JK
    六道 夜宵aa4897
    人間|17才|女性|生命
  • エージェント
    若杉 英斗aa4897hero001
    英雄|25才|男性|ブレ
  • エージェント
    郭 詩雨aa5090
    獣人|21才|女性|攻撃
  • エージェント
    キリギリスaa5090hero001
    英雄|24才|女性|ドレ
  • 薩摩隼人の心意気
    島津 景花aa5112
    機械|17才|女性|攻撃
  • 文武なる遊撃
    新納 芳乃aa5112hero001
    英雄|19才|女性|ドレ
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