本部

エクストリーム雪合戦(仮)

影絵 企我

形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
寸志
相談期間
5日
完成日
2017/01/30 12:19

掲示板

オープニング

「面白い事思いついたぁ」
 澪河宅兼、澪河神社社務所。黙々とFPSのRTAに取り組んでいた恭佳が突然立ち上がる。恭佳の発狂などいつもの事だが、雑誌を読み込んでいたヴィヴィアンは相変わらず不思議そうな顔で首を傾げる。
『えーと、どうしたんですか。恭佳様』
「雪合戦よ雪合戦! エクストリーム雪合戦! この前グロリア社から融通してもらったジャンクで色々何か出来ないかと思ってたんだけど、ようやく思いついた!」
『はぁ……そもそも、雪合戦とは一体……』
「ヴィア、雪合戦知らないの? あのねえ雪合戦ってのは……」
 恭佳がヴィヴィアンに向かって雪合戦についての説明をあれこれしているのを横目に、巫女服姿の青藍はココアを飲みながら溜め息をついた。隣には新聞を広げて紅茶を啜るエイブがいる。
「また何か言ってやがる」
『お前はこんなところで油を売っていていいのか』
「休憩中。何でへとへとになって帰ってきた途端いきなり社務所で売り子なんてせなならんのよ……厨二病の変態兄貴め、恨むぞ……」
 ”巫女という穢れを知らぬ清らなる存在に男とは惹かれるものなのだ”とか何とか兄に言われ、渋々巫女の格好で遅まきながら初詣にやってくるリンカー達におみくじやら何やら売りつけていた青藍。すっかり疲れ果てていた。
「姉さん! 五日後に山梨の方に行くよ! エイブさんもね!」
「はぁ?」
『……』
 良からぬ雰囲気を感じて顔を顰める青藍と、無言を貫き紅茶を啜るエイブ。恭佳は既にやる気満々、目をキラキラさせている。こうなったらもう止まらない。
「競技雪合戦をさらに発展させた究極の雪合戦! ニューウィンタースポーツとして定着させてみせるわ!」
『……出来るんでしょうか……でも少し、面白そうですね……』
「いや、無理でしょ常識的に考えて……」

――五日後、山梨某所――
 君達は雪合戦への興味から、あるいは僅かな小遣いを求めてやってきた。だがしかし寒い。今回は英雄と共鳴できないせいでなおさら寒い。それは目の前に立つ恭佳も同じはずだが、彼女は目をキラキラさせていて、寒そうな様子はおくびにも出さない。
「ようこそいらっしゃいました皆さん! 今日は競技雪合戦をリンカーの皆さんでも全力で楽しめるようなアシストツールを考えてみました! それが、皆さんにお配りしたスノーシューターと、今着ていただいた雪合戦用スーツです!」
 君達は自分達の身なりを見つめる。見た目はスキーウェアに似ているが、背中には軽く重みのくるバッテリーが取り付けられ、肩や肘にはプロテクターがある。手に持たされたのは、早朝にアイドルをやらせで叩き起こすために使いそうな緑色のバズーカ砲。なんだこれ。青藍も感じているのか、隣で呆れたような顔をしながら説明を始める。
「えーと、ルールは概ね競技雪合戦に則ります。能力者対英雄で戦っていただきますが、敵を全員退場に追い込めば勝利です。本家は一回ですが、今回は雪玉五回ぶつけられたら退場とします。また、もう一つ、リスクはありますが、敵陣のフラッグを獲得し、自陣に持ち帰れば勝利となります。これも本家は奪取した時点で勝利ですが、皆さんは戦闘のプロなので、奪取しただけではヌルいと考えこの改変です。もちろん武器を持ち込んだ場合は退場です。共鳴してないので上手く扱えるとも思えませんが……また、雪玉はそれぞれの陣にある雪玉製造機で作った雪玉のみ使う事を認めます。即ち自分の陣地でしか雪玉の回収は行えません。ちなみに、一応そのスノーシューターとやらはお渡ししましたが、手で投げつけても構いませんし直接叩き込みに行っても構いません。でも雪玉の中に石とか入れるのは無しでお願いします。危ないんで」
 君達はよくわからないようなわかったような気になった。要は普段固い絆で結ばれた仲間と全力で戦えという事だ。たかが雪合戦、されど雪合戦。仲良く遊びたい者もいれば、こんな時だからこそ全力で喧嘩したいという者もいるだろう。これは良い機会かもしれない。
「評判が良ければもう少し大規模化して試して、雪原での戦線でも役立つような作戦演習の機会にもしていきたいと思っています。なので皆さん、仲良く喧嘩してください!」

解説

メイン エクストリーム雪合戦の試験運転に参加せよ
サブ フラッグ奪取で勝利せよ

NPC
澪河青藍&エイブ
 色々一段落したのをいいことに駆り出された。基本的にフィールド外から様子をカメラで撮影している。格好いいところも格好悪いところも撮られる。目立ちたい場合はカメラ目線推奨。
仁科恭佳&ヴィヴィアン
 いつかの黒幕。今回は普通に楽しんであげよう。
モブリンカー
 参加者が足りなかった場合の数合わせ。基本的に肉盾or雪玉供給係。戦力として期待しない事。

ルール
・敵を全滅させれば勝利
・敵陣のフラッグを自陣に持ち帰れば勝利
・武器持ち込みは退場
・雪玉の補給は自陣でのみ行える
・チーム分けは赤:英雄、青:能力者

フィールド
旗R□□□□
RR■■□□
□■■■■□
□□■■BB
□□□□B旗
(一マスは2*2sq)

・旗 敵陣へと持ち帰られたら負け。
・R 赤組の陣地。雪玉の補給はここで行う。
・B 青ry
・□ 圧雪ゾーン。行動に困らない。
・■ 新雪ゾーン。めっちゃ足取られる。回避が半分になる。

装備
・スノーシューター
 雪玉を発射する玩具みたいなバズーカ砲。圧縮空気を用いているため非共鳴時にも使える。共鳴しながら使うとそれはそれはすごい威力になるらしいが今回はお預け。ステータス補正無し。射程1~3sq。各種スキルの影響を受けない。
・雪合戦用スーツ
 雪玉を何回ぶつけられたか計測する機能を持ったスーツ。5回で警告が鳴り退場させられる。能力者が着用した場合、身に帯びる微量のライヴスによってシステムにある程度の補正をかけてくれる。英雄は素が強いので所謂ハンデ。また、付属のポーチで雪玉を六個携行できる。
攻適……スノーシューターの威力を二倍にする
防適……50%の確率で雪玉を無効化する
生適……10回に体力増加
命適……スノーシューターの射程を二倍にする
回適……新雪の影響を受けない

リプレイ

●作戦会議!
――能力者サイド――
「(眠たぃなぁ……寒いし……)」
 フクジュソウの花を髪に挿した天海 雨月(aa1738)、オフモードで雪原に突っ立っていた。艶朱(aa1738hero002)に誘われ何となく来てみたが、寒くてやる気が出ない。その隣ではエジプト人モニファ・ガミル(aa4771)が雪を素手で掬い上げてじっと見つめている。
「はぁー、雪ってこんなに冷たいんですね……」
「おやおや。雪を素手で触っては霜焼けになりますよ。きちんと手袋をつけて」
 守屋 昭二(aa4797)はそんな彼女の赤くなった手を見かねて、手袋を彼女に差し出す。孫の面倒を見るおじいさんそのものだ。エレオノール・ベルマン(aa4712)もそっとモニファの傍に寄り、雪合戦スーツのジッパーを引き上げる。
「ダメですよ……風邪ひいちゃいますから。ちゃんと着てください」
そこからやや離れて、というより全員から距離を取って、五十嵐 五十鈴(aa4705)はじぃっと周囲を見渡す。
「どうしてこんなところに……まぁあいつが連れてきたんだろうけど……寒っ。帰りたぃ」

「……無気力系男子にエジプト人少女、爺さん……スウェーデンの羊飼いはともかく、向こうにいるのは現引き籠り? ハッ、無理ゲー! AoJでもこんな不利マッチングねーぞ」
一ノ瀬 春翔(aa3715)は呻く。雪原の彼方に目を向ければ、白銀に映える紅髪の少女が一人、春翔をじっと見つめている。勝ち誇ったように。
「くそ、ふざけんなよ……」
「まだ負けと決まったわけではありませんわ。作戦を練れば十分勝機はありましてよ」
 ヴァイオレット メタボリック(aa0584)がそんな春翔の肩を叩く。厚手のスキーウェア越しにもはっきりとわかるその肉質豊かな体格。げんなりして春翔は肩を落とした。
「その見た目で言われても説得力がないんだが――あぃてっ!」
 そんな時、春翔の横っ面にいきなり一発の雪玉が飛んでくる。
「う、うわわ! すみません!」
 天野 雛(aa4776)はスノーシューターを片手に持ち、慌てて春翔の方に駆け寄る。突然の仕打ちに春翔は彼女を見て目を白黒させる事しか出来ない。ゴーグルを上げた雛は、春翔を見上げてぺこぺこと頭を下げる。
「すみません。イーグレットさん抜きで撃ってみた事が無くて……」
「うっかり誤射っちゃったって? ……勘弁してくれ……はぁ」
 春翔は懐から煙草を取り出し火を点ける。ひとまず落ち着かなければ。泡食ったまま戦って勝てる相手ではない。奴らのしぶとさ逞しさは自分達がよく知っているのだ。正面切ってぶつかればまず粉砕されるだろう。だが、ただ黙ってやられるわけにはいかない。
「おい。みんな集まってくれ……」

――英雄サイド――
『英雄対能力者の雪合戦とはな』
「はい……勝つための事を考えると、何も出来ない状態で放置してあげても良かったんですが、ここまではちゃんとしてあげますね」
 酒又 織歌(aa4300)は相棒であるペンギン皇帝(aa4300hero001)に改造した雪合戦スーツを着せる。その背中にはスノーシューターも取り付けた。その姿はウェイブ何とかにそっくりだ。
『おおっ、これは良い物であるな!』
「そりゃあ私が直々に改造しましたからね! 着心地もばっちりでしょう! どうですどうです。いやあ、ペンギン直に触ったの初めて、カワイイー」
 様子を眺めていた仁科恭佳はどさくさに紛れて皇帝をぺたぺた触りまくる。突然の狼藉に、皇帝は戸惑いおろおろとフリッパーを振り回す。
『おっ、おい。……感謝はするが、いささかその態度は不躾ではないか……?』
「いいじゃないですか」
『む、むむ……』
 恭佳はしばし皇帝を撫でまわすと、満足したのかひょこひょこと走り出してしまった。織歌は歳も近い彼女の事を興味深そうに見送る。その影で皇帝は悪巧みだ。
『……紆余曲折あったが、これは織歌に一矢報いる好機……存分に――』
「え? 陛下、何か仰いましたか」
 そんな皇帝に気づいてか気づかずか、織歌はにっこり笑う。びくりと震え、皇帝は俯く事しか出来なかった。
『……な、なんでもないぞ』

「ぎゅーっ! アーにゃん成分補充だよっ! ミーだけじゃ不公平だから、ミーニャ成分あげるんだよ!」
『こ、これ、待たんか、皆が見ておろう……がっ! ……仕方ないのう……』
 黒猫と見せかけて黒豹のミーニャ シュヴァルツ(aa4916)に押し倒された妖狐のアーニャ ヴァイス(aa4916hero001)。じゃれついてくるミーニャの頭を仕方なく撫でてやる。ミーニャは満面の笑みで起き上がると、パタパタと雪の上を走り出す。
「やっぱり雪を見ると心が躍るね! 野生の血が騒ぐよ! あ、準備運動もしなきゃ!」
 自陣に帰る途中で気が付いたミーニャ、新雪の上で早速ストレッチを始める。
「足の筋肉をぎゅーっとっとっと……うわっぷ!」
 が、勢い余って雪に突っ込んでしまう。そんな姿を遠くで眺め、アーニャはやれやれとため息をつくのだった。
「全く……」

『集合! 集合せよ! 英雄達よ!』
 アリス・レッドクイーン(aa3715hero001)が陣地の中心で叫ぶ。その勢いに釣られ、思わず英雄達は彼女の周囲に全員集結した。その面子を見渡した彼女は、高らかに叫ぶ。
『我が同胞よ! 勝利の時は来たれり! 戦力は圧倒的に我らが有利! 特に機動力など、徒歩と騎馬ほどに違いがある! だが決して、我らは油断する事はない! そうでしょ?』
『っしゃおらァ! 負ける気はさらさらねェぜ!』
 アリスの檄に艶朱が真っ先に反応する。その深紅の外見に相応しい熱の篭りようだ。
『うむ! 普段からあの羊飼いには縛られて歯痒い思いをしとるからのう、ここで一つ懲らしめておくのじゃ!』
『余も気合を入れて参るぞ。余がペンギンであっても皇帝である事、一度は織歌に知らしめなければならん!』
 皇帝とフェンリル(aa4712hero001)、普段から相棒にじりじりさせられている二体はものすごく張り切っている。
『ふふ。ヒッキーニートなんかに引けは取りませんよ。ここで叩きのめして更生させてやるのです。修正してやる! ってなわけですね』
『おっさんは楽しけりゃあ何でもいいよ……雪合戦なんぞ久しぶりだ』
『ふむむ。ワシも太るのはもう少し後回しにしたらよかったかもしれんのう。なんてな』
 張り切る十二月三十一日 午前九時(aa4705hero002)ことタツミと、その脇を固めるノエル メイフィールド(aa0584hero001)と神戸正孝(aa4797hero001)。その背後で魔獣アーマーン(aa4771hero001)はぴしりと挙手姿勢だ。
『はいはいはい! スポーツですし、遠慮なくやらせてもらうっす!』
『いいぞ諸君! 手を抜いたらシツレイに値する! あくまで完膚なきまでに叩き潰すのだ! オーケイ?』
『OK!』
『うわぁっ!』
 興が乗って女帝的振る舞いを演じ始めたアリスの顔面に一発の雪玉が炸裂する。イーグレット(aa4776hero001)が試射のつもりでうっかり撃ってしまったのだ。陣地に仰向けで倒れ込んだアリスは、飛び起きて拳を振り回す。
『な、何するのさ!』
『ごめん。オーケイと聞かれたら、OKと撃ち返すのを昨日の映画で観て』
『それやっていいのはコマンドだけ! ……まぁいいや! 勝てば良かろうなのだ! みんな、行こう!』
『オーッ!』


――能力者サイド――
「いいな。今言った布陣で行くぞ。能力の不利を補うにはそれしかないんだ……」
 春翔は雪の上に描いた陣形を足で蹴り消す。それから周囲を見渡し、彼は声を潜めた。
「みんな。これはチャンスなんだ。みんなにも経験があるだろ? 気が付いたらアルスマギカを握らされて、アイドルやらされてたなんて経験が……」
 拳を強く握りしめ、唇の端からは実感の籠った呟きが洩れる。
「ないけど……」
「ないですね……」
「ないですなぁ」
「な、ないです。むしろお世話になってます……」
「陛下はそんな事しませんよー」
「エレオノールは良くグレイプニルで縛ってしまいますね」
「むしろ太らせてしまったが」
「アーにゃんは優しいもん!」
 続けざまに首を振る八人。春翔は呆然とした。
「嘘だろ……」
「い、いえ……私は、あります。今日も、連れて来られたし……だから、えと……」
 五十鈴だけが春翔の言葉に同調して頷く。悠々自適に引きニートしていた彼女の境遇と、単なる筋金入りゲーマーだったのに不可抗力的にアイドルやらされてしまった春翔の境遇は随分と違ったものだが、それでも同調者がいるだけ春翔は心強かった。何度も頷き、いい笑顔になる。
「そうか。分かってくれるか。頑張ろうな」
「は、はい……たくさん雪玉作ります……」
「……前線に参加してくれると嬉しいんだがなぁ……まぁいいさ! いいようにやられるってのも癪だろ! 目にモノ見せてやるぞ!」
「おーっ」

 かくして、恭佳が企画したエクストリーム雪合戦は幕を開けたのだった。

●リンカーのくせになまいきだ。
『いきますよー。3、2、1――』
 ヴィヴィアンが鋭くホイッスルを吹き鳴らす。瞬間、英雄達は先手を取って動き始めた。
『ふっふーっ♪ 雪原に走る紅い閃光! アリスちゃん参上! 通常の三倍の速度でリンカーの皆様に惨状をお届けしまーす!』
『さあ雛! あたしが軍人の本気を見せてあげるわ!』
 雪原の上をバズーカ抱え、アリスとイーグレットが大外回りで能力者を北から襲いに行く。
『さぁ! 覚悟しとけよ!』
『さて、行かせてもらうぞ』
 片や新雪を踏み抜き、片やカンジキを履いて、ずんずんと本陣に向かって艶朱と正孝が押し寄せてくる。その脇から、身軽にフェンリルが飛び出す。その身軽さで、新雪も何のそのだ。
『待って! 待ってくださいよみなさーん!』
 アーマーンはその後ろを歩き、時折ふらふらと転びそうになっていた。

 ナポレオンもびっくりの分進合撃の構え。己の三倍以上の速さで押し寄せる英雄軍団に、春翔はスノーシューターを強く握りしめる。
「おーおー、ガンガン来やがる……だが!」
『だがなんだぁ!?』
 北から風のように突っ込んできたアリス。春翔の射程内に入り、互いにバズーカを向け合う。互いが引き金に指をかけ――
「今だ!」
 春翔が叫ぶと同時に、散開していた能力者集団が一斉にアリスに向かって突撃する。バズーカを抱えて、四人が一斉に照準を定めた。
『うわっ』
 アリスは慌ててバズーカを引き、慌てて後ろへ退く。次々に雪玉が放たれ、必死になってアリスはそれを躱していく。一発当たりかけたが、何とかイーグレットが撃ち落とす。
『あっぶな!』
『伏兵とは、やってくれたわね!』
「当然! 出来る事は全部やんだよォ!」
「十字の方向から相手が来てますな」
「よーしぶっ放せ!」
『おっ?』
 ずんずん突き進んできた艶朱に向かって、くるりと織歌、昭二、雛、モニファがバズーカを向けて引き金を引く。ポンと高い音を立て飛んでいく雪玉。艶朱は新雪をばふばふ言わせながら身を躱すが、ろくに避けられず二発貰ってしまう。
『うおっと! やっぱり新雪突っ切るのは中々に面倒だったな!』
 それでも楽しそうだ。艶朱はそれでもお構いなしに突っ込んでいく。その背後から、アーマーン、フェンリル、正孝がカバーに入った。
『よっしゃー! 行きますよー!』
『エレオノール! 日頃の怨み!』
『まったく、元気だねぇ』
 一番近くにいたモニファに向かって、アリス達の分も合わせて一気に六発の玉が飛ぶ。
「うわわわ」
 狙われたモニファは慌ただしく物陰――つまりそばに居た織歌の影に隠れた。ぽんぽんと脇を通り過ぎた玉もあれば、織歌にぱちぱち当たる玉もあった。モニファはハッとなり、突っ立っている織歌へちょこんと頭を下げる。
「ご、ごめんなさい」
「いいんですよ。私は盾向きですしね。その分モニファさんが働いてくれるなら」
 織歌はにこにこしながら次弾を込めて接近するアーマーンに向かって攻撃を仕掛ける。しかしその言葉尻には確かな毒が。コブラにでも噛まれたような顔で、モニファは肩を縮めるのだった。
「許されてる気がしないです……」
 撃ち合いを繰り広げる能力者達の背後をすり抜け、艶朱は能力者達の本陣に足を踏み入れる。
『ハッハッハ! 新雪抜けちまえばこっちのモンだな!』
「あっ……」
 エレオノールはその動きに気が付いたものの、目の前に立ちはだかる存在が対応を許さない。神戸正孝。彼女と同じようなカンジキを履き、雪玉を手裏剣のように構えて彼女を見つめる。
『そのカンジキ……金髪のナリだというのに、お前も忍びの者か』
「い、いや……違いますが……」
『何だと? ……なら、外国における忍相当の存在……しーあいえーとか、かーげーべーとかいう手合いの人間か』
 雪玉を握りしめ、正孝はエレオノールに向かって雪玉を投げつけた。躱しようもなくその胸元辺りに雪玉を受けてしまう。少し悔しい気持ちが出た彼女は唇を曲げて雪玉を正孝の顔面に向かって撃ち込む。
「違いますよ! そもそも私はスウェーデン人です!」
『そう! ついでにそやつは只の羊飼いじゃ。生意気にもフェンリルを縛り付ける羊飼いじゃ!』
 新雪の上を無駄にアクロバティックに跳ね回り、フェンリルは宙に跳び上がって雪玉をポーチから取り出す。
『こいつは普段の仕返しじゃ!』
「いたっ! く……」
 集中砲火。エレオノールはスーツの特性を生かして耐え忍ぶのだった。

「あ、これいいな……面白い」
「……」
 フラッグの側では、雪玉製造機にハマった雨月がいた。卵パックのような形のアクリル製ケースに雪を目一杯詰め、上蓋を下ろす。そうすると刃物のように鋭いパーツが雪を切り裂いて大体の形を整え、上から押し込んでいるうち、見ているだけで投げたくなる雪玉が十個単位で出来上がる。単純作業がくせになる。雨月は隣の五十鈴が若干引き気味で眺めているのも気づかず、傍に雪玉の山を造り上げていた。
『雨月! 雪玉ばっかり作ってたって勝てねえぞォ!』
 雨月のすぐ後ろにまで間合いを詰めた艶朱は、ここぞとばかりに雪玉を取り出し雨月にぶつけようとする。背を向けたまま戦場の様子にまるで気が付かないと見えた雨月だったが、不意に一個雪玉を取り、ひょいと後ろに向かって雪玉を放り投げる。銀白の球は宙を舞い、艶朱の脳天に落ちる。
『いて』

“撃破サレマシタ。速ヤカニ退場シテクダサイ”

 刹那、艶朱の背負うバッテリーから機械のボイスが鳴り響く。
『お、おわァッ!? やられた!』
「俺だって黙ってやられたりはしないさ。艶朱、ちょっと油断したな」
『くそっ! 参ったなァ……これからだってのによ……』

『ふむ……私と同じような考えに至った人間が少なくとも二人いるわけですか……』
 タツミは彼方からぽんぽん飛んでくる雪玉を躱しながら呟く。大量の雪玉で作った即席の壁に身を隠し、メタと雛が次々に撃ちかけてくるのだ。絶え間なく、絶え間なく。
「雛! 撃つ手を緩めたら一気に押し抜かれてしまいますわよ! 状況の利を生かしなさい!」
「はい! 自陣で戦う限り、無限に玉は撃ち続けられます!」
「そうよ! そして! こっちに仕掛けようとする以上、相手の攻め手には限界が起きるというものよ!」
「はい! 物量差で有利に立つ! 防衛戦の基本です!」
 まさに戦術のレクチャー。雪合戦という体験に熱くなっているのか、メタは口調に少々熱がこもっている。雛も銃兵の卵として張り切っていた。お陰で西側からの寄せ手は足が止まる。ノエルとアーニャは射程外で二の足を踏むしかなかった。
『ふむ……面倒な作戦を取るのう』
『玉で盾を作るとは、中々粋な真似をしおるわい』

『やばい! 玉切れたっす!』
 目一杯撃ち切ったアーマーンは、空になったポーチを探って素っ頓狂な声を上げる。
『言っちゃだめ! 相手が勢いづいてしまうでしょ!』
 慌ててイーグレットが止めようとするがもう遅い。能力者達は全部聞いていた。
「よーし! ミーがガンガン行っちゃうよ!」
 ミーニャが早速両手に雪玉を持って突撃しにかかる。その後に昭二も従う。すっかり童心に返っていた。
「守屋の雪玉は鋭いという事で有名だったんですよ、ほれほれ」
「戦いは数ですねー」
 織歌もその後に続く。玉を切らしたイーグレット達には逃げ帰る事しか出来ない。彼女はその顔に悔しさを滲ませた。
『くっ……このままじゃ雛に格好悪いとこ見せちゃうわね……』
『うわあああっ! 待って待って、置いてかないでくださいよぉっ!』
 英雄達がそそくさと退却していくが、ただ一人アーマーンは新雪に足を取られて転びそうになる。その後を詰めるのは他ならぬモニファ。
「ごめんなさい! 今日は、今日ばかりは敵として容赦せずに行きます!」
『ちょっと、ちょっと! そんなんナシっすよ!』

『ふ……今こそ余の出番である!』

 刹那、集団の死角からいきなり白煙が舞い上がる。スノーシューターを背負い、その堅い腹部をソリのように用いて突っ込んでくる一つの影。ペンギン皇帝の凱旋突撃だ。我が世の冬とばかり、彼は力強く突き進む。
『この雪、この寒さこそが雪原よっ!』
「やべっ! フラッグ守れ!」
 春翔は慌てて味方を下がらせ、自分も皇帝に向かって雪玉を撃ち込む。しかし、勝手知ったる皇帝はどの玉も華麗に躱し――そのままフラッグには一切手を出さずに通り過ぎてしまった。雛は皇帝を狙うべく立ち上がったが、それを待っていたかのように皇帝は一発雛に向かって撃ち込み、そのまま遠くへとすっ飛んでしまった。
『出て来なければやられなかったものを!』
「むむ……ペンギンさん、手強い……!」
「してやられましたなぁ。全ては味方を撤退させるための策でしたか」
 ポーチに雪玉を補充し、昭二はからからと笑う。皇帝の乱入で隊列が乱れた内に、英雄は自陣へと引っ込んでしまったのだ。メタは雪玉を装填し、口端にうっすら笑みを浮かべる。
「けれど一人は倒しましたわ。この優位を維持すれば勝機は見えましてよ」

[艶:おい! 落ちてきた途端にカメラ持たせるなよ!]
[青:一人よりも二人ってやつですよ。手伝ってください]

「うー、寒。何でもいいからさっさと終われ……」
 その後ろで五十鈴は必死に雪玉製造機を動かし続ける。引き籠りで体力のない彼女には雪原が寒くてたまらなかった。
「体を動かさないと、寒いに決まってるよ」
「……え、いや。はい……」

●英雄より優れた能力者なぞ
「はぁ、はぁ……お互いに、あと一発……」
『ぐぬぬぬぬっ! ぬしには目にモノ見せねばならんというのに!』
 フェンリルと睨み合いを繰り広げるエレオノール。その眼にはうっすら涙が浮かんでいる。既に色んな英雄から九発の雪玉を思い切りぶつけられていた。額にぶつけられた時には雪が首筋から胸元に入った。冷たい。その怨みも込めてポーチに入った最後の一発をフェンリルに――
『己の英雄に気を取られ過ぎだぞ』
 背後に迫る一つの影。まさに忍者汚い。正孝は鋭いニンジャ投擲でエレオノールの背中に雪玉をぶつけた。バッテリーはわざとらしく白煙を噴き出し、エレオノールに敗北を知らせる。
「なっ! あ、ああっ! 勝ったと思ったのに! うう……ひどい……」
『わりいなぁ、卑怯な戦い方でよ。ちょっと余裕かましてらんねえんだわ』
 軽く泣きながら撤退していくエレオノールの脇をすり抜け、正孝は自分の相棒をちらりと見やる。
『ま、うちのじいさんも似たようなもんだなぁ……』
「隙がありましたな!」
『む?』
 助かりほっと息をついたフェンリルに一発の雪玉がぶつけられる。新雪の向こう側から昭二が撃ち込んだのだ。
“退場!”
『何をするんじゃ! せっかくエレオノールを下したというのに!』

[エ:……ふ、さっさとこっちに来なさいよ]
[フ:ふん! ぬしが先に退場となった事実は変わらんからな!]

『はっは! 大人しくしていればやられなかったものを!』
「うにゃーっ! 待てぇーッ!」
 相変わらずの猛スピードで雪原を周回し、雪玉をぽんぽん背中のシューターから撃ち込んでくる皇帝。その動きは誰よりも早く、ついでに的も小さいせいで能力者達は誰も皇帝を捉えることが出来ない。ミーニャは必死に追いかけるが、ぐんぐん引き離されてしまう。
『ふふふ。黒猫よ、大人しく炬燵の中で我が活躍を眺めるがいい!』
「ミーは猫じゃなくて黒豹にゃー!」
『む? そうか? だがどちらにせよ同じこと!』
 華麗に自陣へ舞い戻った皇帝は、雪玉をせっせこ作っているアーニャの前にピットイン。アーニャはシューターに雪玉を詰め込む。
『ほれ、装填したぞ』
『うむ。感謝だ』
 皇帝は頷くと、風となって滑り出す。背中の銃口がきらりと光った。

「ふふ、楽しそうですね陛下」
 よそ見しながら織歌はくすりと微笑む。目の前には片足新雪に突っ込んでしまったアーマーンが。
『ぐぬぬ……こんなところで脱落なんて……』
「勝負はそこまで気にしてないですけど、目の前に的があったら撃っちゃいますよね」
『な、何て言い草っすかぁ!』
“退場!”

[鰐:うう……]
[艶:おい、終わったんなら代わってくれや。写真撮るの飽きた]

『お主、それじゃただせこく戦っているだけじゃぞ。諦めてどんと構えたらどうじゃ』
「くっ……やはり隠伏は無理がありましたかしら」
 全身に付いた豊満な肉を揺らして雪原を駆けまわるノエル。既に懐へ潜り込まれ、あっちへひらりこっちへひらりと飛びながらぽいぽい雪玉を投げつけてくる。哀しいかな体格のせいでその雪玉を躱す事が出来ず、ボコボコ喰らってしまう。もう堪えきれない。メタは立ち上がると、目の前の雪玉を両手に抱えた。
「ふん! ノエル、ワタシの奥の手を喰らえ!」
『お、おい! それは反則じゃないかのう?』

[青:所詮雪合戦なんでねぇ……当たったもんは仕方ないかと]

『ぬ……しかしただでやらせはせん!』
 青藍のつれない茶々を聞いたノエル。やんぬるかなと、最後の雪玉を掴んで一気に迫る。零距離の雪玉パンチと、大量の雪玉がノエルに降り注いだのは全く同時のタイミングだった――

“退場!”“退場!”

[メ:……終わってしまったか]
[ノ:……終わりじゃのう。ま、もう戦局も佳境じゃからな]

「いけいけー! 挟み撃ちだよっ!」
「二対一なら、イーグレットさんにだって!」
 ミーニャと合流した雛は、イーグレットに向かって引き撃ちをかます。射程の差で有利に……と行きたいところだったが、イーグレットの脚は雛の倍の速さを持っていた。まるで後ろに目でもついているかのように、ミーニャが撃ち込む雪玉を躱しながら、ずんずんと雛の方へと近づいていく。
『ふふ……まだまだね、雛』
 口元にうっすらと笑みを浮かべ、一気に雛へ間合いを詰めた。雛は反射的に腰撃ちの体勢を取るが、その銃口を弾き自分のシューターを押し付ける。
『これがあたしの十八番よ。これから一緒に戦う時に実践してもらうわね』
「くぅ……」
 雛はしゅんとうなだれた。

“退場!”

「うにゃー! 雛ちゃんの仇! なんだよ!」
『ふふ、やれるものならどーぞ!』
 ミーニャがすばしっこく動き回ってイーグレットにスノーシューターを突き付ける。うっすら笑みを浮かべて、イーグレットもまた彼女に対峙するのだった。

「タァツミィイ! よくもこんな寒いとこに連れてきやがって! 今日こそ許さないわよ! 埋もれてしね!」
『五十鈴、いい加減懲りて宿題やって学校行きなさい! それが貴女のためだしご両親のためだしなにより、私のためになるのよ!』
「確かにその方が社会にとってはいいかもしれない。だが断る! てめえを倒して私は自由を手に入れる! 厨共が私の帰りを待ってんだぁ!」
『ならば私を越えてみせろ! そのへなちょこ雪玉を、私の胸にぶつけてみせろ!』
「上等だぁあ!」
 その頃、新雪の真ん中では互いに雪玉を抱え込んだ女二人が死闘を演じていた。その派手な戦いぶりは、敵も味方も寄せ付けない。

[艶:あー、いいなァ。俺もも少し慎重に行った方がもっと戦えたかもしんねえな]
[鰐:よし、アレを重点的に撮っておけばいいんすね]

「アリスゥ! お前最近夜な夜なAoJやり込んでるようだが、まだまだだなぁ!」
『はん? ハルト、言うに事欠いて何を言い出すかと思えば! それがどうした!』
 戦いも佳境となり、作戦も何もなくただの乱戦状態に陥る中、フィールドいっぱいを使って春翔とアリスは駆け回りながらシューターの銃口を向け続けていた。
「キルの取り方が下手だ! 俺達なんかよりずっとスペック高い連中引き連れて、結局やるのは消耗戦か!」
『ハルトもだろ! わざわざこんなに戦線ぐちゃぐちゃにして何がしたいんだよ!』
 互いに放った雪玉がぶつかり合って破裂する。二人は新たな雪玉を込め、再び銃口を向け合う。
「ハッ。そんなん決まってるだろ! 勝つためだ。このゲームは四発まで喰らっていいって保証されてる。つまりまとまって戦うよりは散開して戦った方が、一人の生存時間は延びるってわけだ」
『はん。だからどうしたんだ、ハルト。何が言いたいんだよ?』
「わからねえか? こういうことだ!」

「と、取った!」
『頂くぞ!』

「えっ」
 春翔が英雄側陣地を指差し、モニファが手薄な陣を突いて旗を取ったのと同時に、背後でも不穏な叫びが聞こえた。滑り込んだ皇帝が、能力者のフラッグを奪取したのだ。その瞬間、アリスは思い切り高笑いする。
『フーハッハ! 考える事は同じだったようだなあハルト! だが考えが同じという事は、どういうことか分かるか!』

『ふふっ! ここは通さんぞ?』
「わ、ちょ、ちょっと、通してくださいよー!」
 傍で守っていたアーニャがすかさず立ち上がり、モニファの往く手を塞ぐ。両手が塞がっていては彼女を倒す事も出来ず、モニファは右往左往するしかない。しかし――
「あら。取られちゃったか……」
『ふはは、勝ちは頂いていくぞ!』
 雨月は雪玉を皇帝に向かって投げつけるが、皇帝はそれをすかさず躱し、旗を背に乗せてすいすい滑っていく。誰も止めることが出来ない。

『考えることが同じなら! 能力者は英雄には勝てないって事だよ!』
「く、くそぉっ――」

「英雄側がフラッグ奪取! 試合終了です!」
 恭佳が高らかに叫ぶ。英雄達の快哉と、能力者達の落胆が雪原に響いた……

●平和なひと時
「楽しかったなー」
『雪合戦の楽しみ方とは違う気がすっけどなァ……』
 満足げに笑う雨月を一瞥し、艶朱は呆れたように呟く。その横では、真っ当に雪合戦を楽しんでいた雛とイーグレットがニコニコしている。
「楽しかったですねー!」
『こういうことなら、また参加してもいいわね!』
「いやぁ、そういう風に言ってくれれば色々準備した甲斐があるってもんですよ!」
 おだてられて恭佳もへらへらしている。
「ふむ……少し本気になってしまいましたなぁ。いたた」
『じいさん無理するなよ。おっさんも後半ちょっときつかったわ』
 腰を捻りながら、じいさんとおっさんは呟く。その視線の先には、獣人少女二人がいた。
「ミーニャ動いたらお腹空いちゃったんだよ! 服も着替えたいし、ご飯も食べたいんだよ!」
『ふむ……少し寒くなったし、湯にでも浸かって温まりたいところじゃな』
 ミーニャがまだまだ余る元気を弾けさせながら顔をくしゃくしゃにして笑う。その横ではアーニャも頷いていた。それを聞いていた春翔、痛む肩を回したりしながら呟く。
「風呂か……いいな。俺も入りてぇわ」
『むむ! いいね! みんなで行こうよ!』
 アリスがすかさず周りに向かって呼びかける。一番に反応したのは織歌と皇帝だ。
「いいですねぇ。温泉に浸かりたいです」
『温泉か。余は入れるだろうか……』
 青藍は素早くスマートフォンを取り出し、調べ始める。
「この辺だと……富士五湖あたりになりますかね。丁度いいんじゃないでしょうか。そのまま夕食はそこのバイキングで、なんてことも出来そうですね」
『バイキング!』
 聞いた瞬間にアーマーンが跳び上がる。
『それって食べ放題って事っすよね! いいなぁ、最高じゃないっすか!』
「はしゃぎすぎて独り占めとかしたらダメですからね……」
『たまにはフェンリルもたくさん食べておきたいのう!』
「フェンリルもね。手づかみとかダメですよ」
 獣たちが騒ぎ、使い達が諫める。メタとノエル、大人な二人組はおっとりと微笑んだ。
「いいですわね。行きましょうか」
『この姿で温泉は初めてじゃなぁ。ふふふ』
『じゃあ決定だな! 夜は酒盛りだァッ!』
『フッフー!』
『イエーイ!』
 艶朱の掛け声に、アリスやイーグレットが盛り上がる。

 こうして私達は温泉へと向かった。織歌さんやメタさんと温泉でゆっくり話し込んだり、フェンリルさんやアーマーンさんとバイキングでたくさん食べたり、これもまた楽しい一時だった。カラオケバーでのHALTO★さんの緊急ライブなんか、他のお客さんも集まってきたおかげで雪合戦より盛り上がったような気がする。始まりは恭佳の思い付きだったが、これはこれでいい一時だったろう。艶朱さんとの飲み比べになんか勝てるわけないけど……あ、イーグレットさんは結構付いていってたな……流石ビールは水の西欧人……かは知らないけど……
 とまあ、何だかんだと楽しんでいたが、私は寝る前にとんでもないことに気付いたのだった……(M.Sの手記より)


「へっくし! あれ……みんなどこ行った?」
『五十鈴! まだ戦いは終わってないですよ! 貴方を雪に埋めるまで終わりませんよ!』
「はぁあ? ふざけんな、上等だぁ!」
 五十鈴とタツミは冬の木立の中で戦い続ける。青藍が助けにくるその時まで……

Fin?

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

  • 生命の意味を知る者
    一ノ瀬 春翔aa3715
  • 悪気はない。
    酒又 織歌aa4300

重体一覧

参加者

  • LinkBrave
    ヴァイオレット メタボリックaa0584
    機械|65才|女性|命中
  • 鏡の司祭
    ノエル メタボリックaa0584hero001
    英雄|52才|女性|バト
  • 綿菓子系男子
    天海 雨月aa1738
    人間|23才|男性|生命
  • 口説き鬼
    艶朱aa1738hero002
    英雄|30才|男性|ドレ
  • 生命の意味を知る者
    一ノ瀬 春翔aa3715
    人間|25才|男性|攻撃
  • 生の形を守る者
    アリス・レッドクイーンaa3715hero001
    英雄|15才|女性|シャド
  • 悪気はない。
    酒又 織歌aa4300
    人間|16才|女性|生命
  • 愛しき国は彼方に
    ペンギン皇帝aa4300hero001
    英雄|7才|男性|バト
  • 妙策の兵
    望月 飯綱aa4705
    人間|10才|男性|命中
  • 妙策の兵
    綾香aa4705hero002
    英雄|17才|女性|ジャ
  • エージェント
    エレオノール・ベルマンaa4712
    人間|23才|女性|生命
  • エージェント
    フェンリルaa4712hero001
    英雄|16才|女性|シャド
  • エージェント
    モニファ・ガミルaa4771
    獣人|16才|女性|攻撃
  • エージェント
    魔獣アーマーンaa4771hero001
    英雄|19才|女性|ドレ
  • エージェント
    天野 雛aa4776
    機械|16才|女性|命中
  • エージェント
    イーグレットaa4776hero001
    英雄|20才|女性|ジャ
  • エージェント
    守屋 昭二aa4797
    人間|78才|男性|攻撃
  • エージェント
    神戸正孝aa4797hero001
    英雄|42才|男性|ドレ
  • おもてなし少女
    ミーニャ シュヴァルツaa4916
    獣人|10才|女性|攻撃
  • おもてなし少女?
    アーニャ ヴァイスaa4916hero001
    英雄|10才|女性|ドレ
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