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マジでやばいほんとやばい
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/23 20:24:21 -
まじやばい(相談卓)
最終発言2016/11/24 18:58:03
オープニング
●す語彙
「いやほんと、マジでやばいっていうかほんと、無理、マジで無理ってなった、やばみを感じるっていうか、つらさしか感じないというか、マジでやばくてほんと、いやマジで、全部ダメになってマジ無理になったし、うまくこうできないというか、クリアレイとかも無理みだったし、ほんと無理、やばい、圧倒的やばみ」
●目と目だけで通じ合えたら
資料映像が終了した。
従魔と交戦したエージェントによる証言記録、という内容だった。
「ええと、状況を整理しますね」
オペレーター綾羽 瑠歌が困惑を隠せないままエージェントへと振り返った。
曰く。
出かけていた非番のエージェント二人組が偶然にも従魔を発見。一体だけのミーレス級と思しき存在だったので、そのまま撃破を目論んだ。
が。実は三体もいた――だけでなく。その従魔の能力が厄介だった。
「周囲の者の語彙を強烈に鈍くさせる、というものだそうで……」
瑠歌が説明を続ける。そういうわけで、件のエージェントは語彙がアレしてコンビネーションが上手く取れず、このままではマジやばみと思ってそのまま撤退したという。先ほどの資料映像は彼らの証言である。全然役に立たなかったと言うか、アレだったけども。
「という訳で……本日お集まり頂いたエージェントの皆様に課せられたミッションは、このミーレス級従魔『ゴイキラー』の殲滅でございます。
件の従魔は、戦闘能力こそ高くはないものの、言語能力を鈍らせることによって作戦や意思伝達を強烈に阻害してくるそうです。十二分に注意して下さいね」
そうそう、とオペレーターが補足する。
「語彙力が低下する能力についてですが、一度食らってしまうと最長でも半日程度は続くそうです。その後は治癒すると報告が上がっていますのでご安心を。……いや、安心できないかもしれないですが」
その、なんというか、頑張って下さいね。
解説
●目標
従魔『ゴイキラー』の殲滅
●登場
ミーレス級従魔『ゴイキラー』×3
周囲(範囲不明)の対象の語彙をアレさせる能力を持つ。バッドステータスではないようで、クリアレイなどで回復不可能。
モヤモヤとしたなんかよくわからん外見をしている。大凡人間サイズ。
戦闘能力は低い。回避がやや高め。
PC達の語彙をアレして作戦やコンビネーションをアレすることが主な戦法。
●状況
現場は郊外の空き地。平坦で広い。足場ペナルティ無し。周囲にひとけはない。
周辺封鎖や避難勧告は既に行われているので、PCは戦闘専念可能。一般人について留意する必要なし。
時間帯は日中。晴れ。
PC達が空き地に到着したシーンからリプレイ開始。
●注意
このシナリオのリプレイは全体的に語彙がなくなります。
全PCのプレイングや改造武器の説明やスキル描写などが全体的に語彙がなくてやばみになります。
どれだけクールなセリフでも、スタイリッシュな作戦でも、語彙がアレします。
「黒き稲妻のかいなに抱かれ、無残な灰燼へ帰するが良い!」とかが「マジでこのやばいすごいめっちゃ強い攻撃を受けてみろ!」とかになります。
なぜならばコメディだからです。
プレイングはあえてすっごいかっこいい真面目な感じで書いてもOKですし、最初から語彙がアレなやつでも大丈夫です。フィーリングで言いたいこととやりたいことを汲み取ります。いつも通りでも勿論OKです。
リプレイ
●まだ語彙があった頃
「下らない依頼だな。帰るぞ」
これは出撃前のお話。依頼概要を一瞥したバルタサール・デル・レイ(aa4199)は鼻を鳴らして踵を返した。なのに直後、振り返ることとなったのは、背後で「この依頼、受けます」と英雄の紫苑(aa4199hero001)の声が聞こえたからで。
「おい、なに勝手に依頼うけてるんだお前」
「だって面白そうだし♪」
ニコッと雅に微笑む紫苑。バルタサールは盛大に溜息。
(また人を退屈凌ぎの玩具にしやがって……しかしそれが誓約内容だしな)
グヌヌ。言うに言えない相棒の様子に、「喜んでもらえたようで嬉しいよ」と紫苑は袖で上品に口元を隠しつつころころ笑った。バルタサールは渋い顔を精一杯の返事とした。
というわけでエージェント達は現地へと赴いてゆく。
「ゴイキラー許すまじ……」
鐘 梨李(aa0298)は激怒した。必ず、かの従魔を除かなければならぬと決意した。言霊使いである彼女にとって、ゴイキラーの能力は言葉達への冒涜に他ならなかった。
「おーおー、最高にキレてんなぁ梨李ちゃんよー」
そんな梨李に、コガネ(aa0298hero001)が肩を回しながらからからと笑いかける。
大切な言葉を乱すやつは、言霊使いの名にかけて絶対ぼこぼこにする。ぼこぼこ。梨李は真顔で拳握りしめていた。
「語彙力……」
丁香花(aa4330hero001)はボンヤリした顔で一言呟く。彼の語彙力はそれなりに豊富だが、それを活用する能力は現時点ではやや低めである。
「言っとくけど、ゴマとは別モンだからな?」
念の為、と春川 芳紀(aa4330)が言う。なお彼の語彙力は男子高校生の平均程度である。ちなみに朝食はゴマご飯オニギリだった。香りが丁香花の好物なのである。「わかっておるよ」と当の英雄がそう答えた。
「ならおっけ。がんばってこーぜ!」
一方で咲魔 聡一(aa4475)は百花堂 蘭丸(aa4475hero001)と共鳴状態、「『気を付けて』は、こう。『任せて』は、こう。それから……」と戦闘で使いそうな手話の内容を仲間達に実演しつつ教えている。
「覚えたね? よし、行こう」
手話も言語である為、使えるのかどうか不安は残るが。共鳴したことで声を得た聡一は、溜息と共に彼方を仰ぐ。
「僕は長く生きた。顔を失い、声を失い、俳優としての職を失い、君をはじめ多くの人に支えられながら。だから、このうえ更に小説まで書けなくなったら、いっそ潔く死ぬつもりでいたんだ」
『先生……』
ライヴス内で不安げな声を発した蘭丸。聡一は溜息を一つ吐いた。
「でも、音声証言の彼のような語彙力では満足に辞世の句も詠めやしない。それにああいうのを野放しにしておくのは、曲がりなりにも物書きとして誇り高い行いではないな。……行くよ、ラン」
『……はい!』
これが(このシナリオでの)聡一の最後の(語彙のある)言葉となる。
しかしニウェウス・アーラ(aa1428)はいきなりヤバめだった。なぜならば! 説明しよう! なんかミスったせいで英雄のアドバイスを得られない状態だからだ! 心の中で傍観モードというやつだ! これが放置プレイか……。
「ストゥルのバカッ。今日の晩御飯、エビフライをアレしちゃうから……!」
いきなり語彙が無くなってるが大丈夫か。
「みんな、アレをああだ! あそこのほら、ああいうのがアレ!」
その傍らで田上迅雷(aa4511)が声を張る。よかったねニウェウス、もっとヤバみある子がいたよ。大丈夫だ。いや大丈夫じゃない。
●ここから語彙がアレ
なんかその辺にありそうな空き地。なんかモヤーっとしたよくわからん見た目の従魔『ゴイキラー』が三体ぐらいいた。周辺封鎖とかそういう戦闘じゃないアレはアレされてるのでエージェント達は戦闘を頑張れるってわけだ。
「凄い眩しくするぞ」
そこからわりと離れたところからバルタサールがめっちゃ光る眩しいやつをポイした。ピカッ! すごい! 眩しい! これには従魔もウワッとなる!
『ウワッ凄い眩しい!』
バルタサールのライヴスの内で紫苑がめっちゃ笑っている。バルタサールはムッとする。いや喋らないようにしてたんだけどついウッカリ、ポロッと話しちゃったら凄いことになったよね。もうほんと無理って思ったので、バルタサールは今後絶対に喋らないでおこうと思った。
「さっすがぁ! よっしゃ自分も、どっかーん! てな!」
ともあれバルタサールの凄い眩しくするやつでチャンスだ。芳紀はグロリア社で開発されたメチャ強の剣をビュンと振るい、ライヴスがドカーンとなるやつを発射した。武器のAIも「がんばれ! がんばれ!」とめっちゃ語彙がアレな応援してくれている。ところで芳紀は戦いのある任務が初めてで、戦いでスキルを使うのも初めてだ。これはハシャぐ。
(従魔の能力なのかどうなのか……)
そんなことを思っている丁香花の一方で、芳紀は「よっし!」と張り切っていた。武器のAIも「がんばれ! がんばれ! いけ! やれるやれるそこだあきらめんなよ!」と一生懸命応援してくれていた。
「若いって良いことだけど無茶はだめなやつだからな」
聡一は「頑張りすぎてアレしたらアレだぞ」と芳紀にアレしつつ、武器としてのなんか凄いアレをアレしてパワーアップ。共鳴したことで現れた白いマントとか植物っぽいのとかがブワーっとしている。
「お前達が今回の倒す敵か……ここはこの咲魔聡一が、すっごい頑張ってやっつけてしまうぞ」
バッと前に出て、おっかない見た目のでっかい鎌をブーンする聡一。闇の力ですごいアレ。とにかくすごい。あと語彙もすごいことになっている。どれぐらいすごいかっていうと、英雄の蘭丸がフォローの言葉も思いつかないレベル。
「ほんと従魔ムカツク、ンワーッてなる……!」
ングゥとなる聡一。言葉が思いつかずオロオロしている蘭丸。
の、一方で。
「なんかのナンガー、アレだ、アレをいくぞ!」
圧倒的にやばみしかない迅雷が、もう英雄の名前すらナンガーなナニをアレしてこうなって、アレなアレですっごいキラッキラな刀を手に従魔へと走り出した。アレがアレでアレなのでつまりはアレをやるつもりだ。
「いくぞ! アレをナニしてやる!」
すごい。すごいアレだ。でもすごい考えてる。立ち上る仏のアレはマジ五戒とか守るし。五戒はバッチリ覚えてる。アレとアレとアレとアレとアレだ! 仏アタック! ざしゅ! マジ尊い! 無理みある! スゲー南無!
「こいつァやべーな!!」
コガネが言った。ほんとそれ。
「……ちょっと試してみるか」
手に持つのは金太郎の絵本だ。ちょっと読み上げてみよう。
「むかしむかし、金太郎っていう子がすっごい強くて優しくてマジやばい、尊い、すごい、あと相撲」
そこまで読んでコガネは本を閉じる。まじやば。そう思ったので、コガネは喋るのをやめてすぐに梨李と共鳴。でっかい斧みたいな槍をシャキーンして、仲間達を見る。
「えーと、えーと」
ニウェウスは一人なりにもアレしてコレしていた。とりあえず魔法パワーで強くなって、風をヒュンヒュンしてめちゃ速になって、えーと、そっからどうしよ……なんて思いつつすごい強くて強い魔法の本をギュッと握り締めていた。
「……」
梨李は、そんなニウェウスを見て思った。彼女が持っている武器の表紙とかすごい綺麗で、こう、存在感とかあってかっこいいな、と。おお~、と思ったまま言葉を言う。
「いとをかし」
あと、「あーもうちょこまかして!」と一生懸命に従魔と戦っている芳紀の、中国っぽいオシャレな靴を見て、動きやすそうだし同時になんかこう縫い縫いしてあるのがほんとハデじゃないけども綺麗だなって思って、こう言った。
「いとあはれ」
そう言った後、梨李はそっと空を見上げた。無表情だった。そんな相棒を見て、コガネは思う。「やば~い★ すご~い★ かわい~キャー♪」とか梨李が言わないあたり、こう、すごい気合いとやばみを感じる。
で、梨李の語彙がアレしている一方で、ニウェウスもすっごい頑張っていた。
「ええと、ええと、本で殴る……あ、殴る前にパニらせとく?」
そういう訳で魔力をギューンして、こう、手を前にワッとすれば魔方陣がドーンで魔法の蝶々がブワワワワー。他の味方を翻弄しているゴイキラーの内の一体をドゥーンだ。
「よし! 今だよ!」
「よっしゃ!」
よっしゃしたのは迅雷だ。
「クロスなんとかして、スイガーのほらアレ、アレあるだろお前、おまえはアレでああしてああいうかんじにいってくれ!!」
―― ? ――
「ドントシンク、なんとかなんとかっていうだろ! アレとアレとこういう感じで、こう! こう!!」
―― ?? ――
「つまり中華っぽい感じの中みの出てるアレの人とアレしてこういいかんじにああしてガッ! ってやろう! なんかジョソレノソかアソデノレセソ神父みたいなあいつとアレしてこういう感じにアレしたらいけるはずだ!」
―― ??? ――
『なるほど! よし、やるよバルタサール!』
やばみしか感じない迅雷の言葉をなんか理解した紫苑。バルタサールが「!?」となっている。バルタサールだって聡一が手話を皆に教えてたみたいに色々考えてはいたのだ。プランBとか。なんかそういう。あとは臨機応変とかそういう。そういうの考えてたけど結局通じるんかい。マジわからん。
(まあ何とかなるだろ)
とりあえず親指を立てて返事をしておくバルタサール。構えるのはメチャカッコイイすごい当たる銃だ。狙いをよくするやつもガシャンと装着して、レンズを覗き込んで従魔を狙う。ちなみに銃の射程ギリギリからだ。すっごい遠い。
「凄い離れたら従魔のアレも大丈夫だと思ってた」
『アレだもんね、すごいアレだもんね、ちょっと甘かったんじゃない?』
「ほんと黙って」
ライヴスの中であれこれアレしてくる紫苑にそう言って、バルタサールは銃をバーンした。すっごい早撃ち。三発の弾丸が従魔にドーンする。マジ精確。
「じーっと見て、ドゥーン」
梨李は自分のパワーを凄い高めてやるぞーって感じだった。なんか、斧みたいな槍みたいな、凄いでかい強そうな武器を構える。
「腕で岩とかバキバキするほどマジやばみ。無理、マジ無理」
梨李は言葉パワーで戦う言葉パワーの人だ。彼女が放つ言葉パワーはマジ言葉パワーになって凄いパワーになるのだ。なんか、斧みたいな槍みたいな、凄いでかい強そうな武器をブンブン。凄い。マジ破壊。
そして「今だ」と言ってるみたいな感じに手でこう……シャカシャカ。右手と左手がすごい頑張る。こうすることによってなんかアレ、一緒に攻撃すると絶対に強い。ゴイキラーにも絶対当たる。強い。絶対に強い。
「あ、うん、わかる。何かわかる。なんかこう、いい感じに挟んでボコる作戦ね、OK」
ニウェウスがウン! と頷く。語彙がアレだけどちゃんと見て理解してるアレ。凄いぞ。マジ強い魔法の本を構える。この本、めっちゃ遠いところにまで攻撃がビューンだけど今回のニウェウスはそんなアレはアレしない。サンキューケリュケイオン方式だ。本の角でボコスカだ。本の角でボコスカだ。大事なことなので二回だ。
「い、行くよ!」
そしてニウェウスには英雄から渡されたなんかメモがあった。ミスした罰的なアレで持たされた、その名も「必殺シャウトメモ」である。さぁ、恥ずかしがらずにいってみよう。大丈夫、今の君はアルスナントカでハイテンションだ!
「私が持っているこの四角い本のヤバそうな角をすごくちょっぱやな速さでキミのソコにいっぱいぶっこむ何かもう痛そうな攻撃ー!」
どかっばきっ!
とてもつよい!
だがやられてばかりの従魔じゃない。なんかこう、モワーッとしてモヤモヤーッとしてやばみを感じるなんか、アレしてきた。やばいやつだ。
「やばみ!」
仲間へ襲い掛かったそんなやばみに聡一が手をバッとする。するとなんか盾がめっちゃいっぱい出てきて従魔の攻撃をカキーンだ。かたい。つよい。
「おばかで見た目がアレな、違う世界から来たなんかアレな者共よ。やられちゃってからのなんやかんやはすごいアレだと思うが、私はアレしてあげないよ」
本当はすごいカッコイイ決めセリフなんだけど、いかんせんアレ。言いたいことも言えないこんな世の中じゃぽぽぽぽいずん。
「……これはやばみ」
自分の思ったことが全然言えなくて、聡一はちょっとだけ眉間にシワを寄せた。
「あっ、えっと、ありがとうございます!」
聡一のなんかめっちゃいっぱいの盾に守られた芳紀はお礼の言葉を言った。本音を言うと自分が仲間の盾になるとかそういうアレだった、守れるものは守りたいというやつだ。
『今は守られるアレだからな』
「うっさいよー」
丁香花の言葉に「むー」と口をむいーっとする芳紀。でも英雄の言葉の語彙がアレしてるのでちょっとだけホッコリしたのであった。
「よっし! 気合い入れなおしていくぞっ!」
まだまだいけます! 芳紀は張り切ってゴイキラーへと狙いを定めた。おりゃーっと接近、闇がモヤモヤしているなんかやばみあるでっかい鎌を振り上げる!
「ちょっと強い攻撃!」
『もっと説明のしようがアレのアレだろう』
丁香花の声を聞きつつ、ライヴスのめっちゃパワーを込めた攻撃を目一杯ブーンする。
『ところで、あのボードだが』
と、そこで再び英雄が。
「ああ、アレか……」
芳紀は困ったように笑った。コミュニケーション用に小さなボードにあれこれ描いて……と思っていただのが、武器で手は塞がっているし、描いている余裕はあんまりなさげ。
「まぁ、ノリでなんとかなるっしょ!」
『ノリ……』
そもそも実際にやったとして、ちゃんと伝わるまで考えてたんだろうか。丁香花はそんなことを思ったのだった。でもなんかノリとかそのへんのアレでアレできるのでもうアレか、とも思った。
『今日のバルタサールはとっても静かだね、なんかあの、アレみたい』
遠くの方で銃をドンドン撃っているバルタサールに、その英雄の紫苑が笑う。
「……」
バルタサールは口をギュッとしたまま喋らない。すると紫苑が、
『あーんバルタサールが構ってくれないー、喋ってくれないなら共鳴なしにしちゃおっかな……』
「……おい」
『ん?』
「いますごい頑張ってるところから静かにしろ」
その返事にものすごい笑う紫苑だった。ギリィと歯を噛み締め、バルタサールはイライラのままに従魔のなんかよくわからんモヤモヤーっとしたアレコレとかをとりあえずここ弱点かもしれん的なアレのままにバーンしていた。紫苑はずっと笑っていた。語彙がアレしてる感じで小馬鹿にしてくるのでバルタサールはますますおこだよ。こんなにおこなのは何年ぶりぐらいだろってレベル。
「いけええええ! このタイミングだ! このタイミングでどうするかっていうとアレをああしてやればいい!」
「ああ、任せてくれ! アレをアレすればアレなんだね?」
「そうだ! そういうかんじ! そうやってライアレエネルギーをああしてやるんだ!」
「わかった!」
なんかわかんないけど迅雷と聡一は完全にコミュニケーションできていた。なぜだ。神にもわからん。それはそうと聡一はめっちゃ強そうな鎌にパワーを込める。
「慈悲をこうアレでアレか? ハッ、多分いない気がする神にでも祈るがいい!」
ぶーん。ざくー。ぐしゃー。
「そこでなんか雪女みたいなアレがああしてくれる! するとああなる! 頼んだぞ!」
「えっと、なんか分かった! OK!」
迅雷のアレすぎるアレにニウェウスはなんとなくアレした。めちゃ強魔法本を握り直し、めっちゃモヤモヤしているゴイキラーへとそれを振り上げる。
「思いっきり振りかぶってキミの頭のてっぺんにこう何かすごく体重乗っける勢いで本の角をめり込ませるアターック!」
どごぉ。
ちなみにワンブレス言い切りである。
「やったぞ! 思った通りだ!」
迅雷はガッツポーズをとった。エージェント達の頑張りによって、ゴイキラーはこう、追い詰められ気味で、アレ、結構ダメージもいっぱいあったし、割と大ダメージで、今二体がやっつけられたところ。
「オレ、アレ絶対アレ考えてた。そうここまでぜんぜん想定通り、そうここからああなるからアレがうまくいく。まさか最初にああしたアレがアレしてもう まじやばみ」
ほんともうやばみしかない。ほんとやばい。迅雷マジやばい。
つまりなにがどういうことかというと、梨李がなんか、斧みたいな槍みたいな、凄いでかい強そうな武器で、こう、ゴイキラーをドカッとしてボコボコにしてて、うまいこといった感じ。ちなみに彼女は無言真顔である。
「マジ南無い」
これには迅雷も合掌。
という訳で従魔は無事やっつけられたのである。
梨李はゼェハァしながら、なんとかようやっと言葉パワーおしまいの言葉をこういう感じで口にしたのである。
「――言葉パワー、おしまい」
●終わっても語彙はアレ
ケガした人もいないのでアレだった。芳紀とニウェウスは他に従魔がいたらやばみを感じたので探してみたけどいなかった。バルタサールもなんか潜んでたらやばみだなーと思ってたけど大丈夫だった。よかったよかった。
「さて、これで終わりかな。しかし一日のほぼ半分か……」
どうやって時間をアレしよう、と聡一がウーンしている。
「あんまり人には会いたくないな、歳がアレだからアレと思われちゃうかもだし。あとアレ、妻に見られたらマジやばい、結構会えない時間がアレでつらいけど」
「あ、それなら僕、本を持ってきましたよ。先生が読みかけてたやつ」
と、共鳴を解いた蘭丸がそんなことを言う。これには聡一もニッコリ。
「マジやばい、さすが僕の英雄。パッと報告だけして、気になっていた続きを読もうか」
「はい、僕にも見せてくださいね!」
「……なんかドッと疲れたぜ……」
語彙のアレな仲間達の会話を聞きつつ、共鳴をオフにしたコガネがやれやれする。なんかこう心が疲れた。そんなコガネの言葉に梨李のお腹がグゥしてお返事。「あー、もうこんな時間か」とコガネが笑う。
「なぁ、皆で飯食いに行かねぇ?」
コガネは仲間達の方を見る。芳紀はニカッと笑い、丁香花はウンと頷いた。バルタサールはずっと口を閉じたままで、紫苑が代わりに「いくー!」と手を上げる。他の仲間も行くようだ。
というわけでその場から離れ始めるエージェント達。
ニウェウスは仲間達と歩きながら、ポツリ。
「……ストゥルにやらせたかった、よ」
ほんとそれ。
「ノウマクサンマンダバサラダンカン ノウマクサンマンダバサラダンカン」
迅雷が仏のなんかアレをナムナムする。それはエージェントにお疲れ様的なアレをアレしているようにも聞こえた。
『了』