本部

宝探し!? いえ、お仕事です。

gene

形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/09/12 19:21

掲示板

オープニング

●馬
 沼津は馬が好きだ。屈強な筋肉は一目見ればよくわかる、あの馬の逞しさが好きだ。
 優しい素朴な眼差しをしている馬の目が好きだ。
 人の腕にグイグイと鼻を擦り付けてくるところも可愛いと思う。たとえ、それがただ鼻が痒かっただけだとしても、可愛いと思う。
 人と馬が一体となって走る競馬も好きだ。
 しかし……有馬記念は少し苦手だ。
 あの宿敵を思い出してしまうから。
『有馬がそちらに向かいました』
 通信機から仲間の声が聞こえる。
 いよいよ、有馬と暴力団桐生組がつながっているところを抑えることができる。
 沼津が張り込んでいるカフェに有馬が入ってきた。
 カフェでは桐生組の会長が朝食を食べているところだった。
 有馬が桐生組の会長に近づく……
「……」
 競馬新聞を読むふりをしながら沼津が二人を見つめていると、有馬は桐生組の会長がいる席を通り過ぎた。
(え?)
 そのまま沼津のところへ向かってくる有馬に沼津は緊張する。
(ばれたのか……いや、そんなまさか……)
 沼津は考えながら、どんどん新聞へ視線を落としていく。しかし、有馬の気配は確実に沼津に近づく、そしてとうとう、有馬が声を発した。
「いやー、ちょうどよかった! 沼津さんにお願いしたいことがあったんですよ!」
「え?」と声を発した沼津の顔は、きっと有馬にはひどく間抜けに見えたことだろう。

●美化委員的お仕事です
「えーーー……新しい依頼だ」
 やる気ゼロの沼津が説明を始める。
「場所は有馬克也のプライベートビーチだ」
 沼津のやる気のない説明はこうだ……
 有馬は友人、知人の家族をプライベートビーチに招いて、日頃の感謝を込めて宝探しのイベントをするという。
 子供達でも探せる安全な場所と大人が挑戦する少しスリリングな場所の二カ所でそれは行われる。
 しかし、今回、スタッフの手違いで、隠す景品を間違えてしまったらしい。
 つまり、子供向けの場所には大人用の景品を、大人向けの場所には子供用の景品を隠してしまったというのだ。
「大人達の景品は子供たちと一緒に探してもらえればいいわけだから、そのままでも問題はないし、子供達の景品も新しいものを正しい場所に隠したから問題はないらしい」
「じゃ、あたしたちは何をすればいいっていうの?」
 沙羅が聞いた。
「お前たちには間違って隠した子供達の景品を掘り起こして回収してほしいということだ。中身は主にちょっと高級なお菓子の詰め合わせとか、文房具らしい。たまに駄菓子の詰め合わせも隠してあるとか言っていたな。見つけた景品は持ち帰ってもその場で食べても構わんということだ」
「要は……」と、沼津は苦々しげに言った。
「プライベートビーチの海岸清掃をしてくれということだ」
 沼津の要約の仕方は乱暴ではあったが、間違った場所に埋められたものを回収して海岸をきれいな状態に保ってくれと言っているわけだからあながち間違いでもない。

解説

●目標
宝探しせよ

●登場
有馬克也 ヨーロッパを拠点にビジネス展開しながら、裏では暴力団桐生組に莫大な資金援助をしていると思われる富豪。いつも沼津をからかって遊んでいる沼津の天敵。

●場所と時間
場所 有馬克也のプライベートビーチ
時間 日中

●宝(景品)について
・隠されている場所は普通の砂地、岩や木の影、海の中(深いところで海底3メートルほど)、木の上、洞窟の中など(地図あり)
・ちょっと高級な洋菓子詰め合わせ 5
・駄菓子詰め合わせ 5
・ちょっと高級な文房具セット 5
・ぬいぐるみ 3
・プラモデル 3

●その他
・景品回収作業以外のプライベートビーチでの行動は自由です。

リプレイ

●だっつげっと
「宝探しをするのが今回の任務、ってわけね」
 レミア・ヴォルクシュタイン(aa3678hero001)の言葉に狒村 緋十郎(aa3678)は頷いた。
「ああ。地図も現地でもらえるらしい」
 集合場所に指定された駅から迎えのバスに乗り込み、エージェントたちは海を眺めながら現地へ向かう。
「海でお仕事なんて、素敵ですね!」
 はしゃぐセラフィナ(aa0032hero001)の横で真壁 久朗(aa0032)は「まぁ、ただの掃除ともいうが」と呟いた。
 カルディア・W・トゥーナ(aa4241)は「お菓子とか見つけられるといいね(≧ω≦)b」とスマホに打ち込む。
「いいのが見つけられるといいな」とソーマ・W・ギースベルト(aa4241hero001)。
「終わったら皆でビーチバレーとか楽しそうだね! 全力アタックしても壊れないようAGWボール使ってライヴス込めて!」
「それ、流血沙汰よ!」
 荒木 拓海(aa1049)の提案に、メリッサ インガルズ(aa1049hero001)が冷静にツッコミを入れる。
「金持ちのやることは……」
 赤城 龍哉(aa0090)は呆れたように言った。
「相手が相手なだけに素直に感心するのも微妙ですわね」とヴァルトラウテ(aa0090hero001)。
 龍哉はそういえばと後ろの座席に座っているヴィクターに声をかけた。
「おまえの寝不足は解消されたのか?」
「……寝不足?……ああ、自己修復不良のことか。今は毎日六時間のアップデート及び自己修復のための時間を確保しているから問題はない」
 海が見えるバスの窓を熱く見つめるガルー・A・A(aa0076hero001)は、「これはもしや……」と、慎重に声を絞り出す。
「……沙羅さんの水着姿が見られるチャンスなのでは……」
 窓ガラスには、通路を挟んで反対側の列にいる沙羅の姿が映っている。
 紫 征四郎(aa0076)は呆れた声を出す。
「ガルーは下心が漏れすぎなのです……」

 バスが止まったプライベートビーチの入り口に有馬が待っていた。
「ふふー、お久しぶりです。有馬さん」
 木霊・C・リュカ(aa0068)が挨拶をし、オリヴィエ・オドラン(aa0068hero001)もぺこりと一礼する。
「ああ、リュカ君とオリヴィエ君だったね。花嫁さんはどうしたのかな?」
「征四郎ならここにいます」
 征四郎はリュカの横に並んだ。
「ちなみに、お嫁さんではないのですよ」と、ほんのり頬を染めながら生真面目に訂正すると、有馬は楽しげに笑った。
「それはすまなかった」
「海岸清掃するのに差し入れもなしってのは寂しんじゃねぇの?」
 にぃっと口角を上げたガルーの言葉に、「あー、ダッツが食べたいな〜」とリュカが合いの手を入れる。
「征四郎君もダッツが好きなのかな?」
 有馬が聞くと、征四郎はその目を輝かせる。
「大好きなのですよ!」
「それでは、私はこれからダッツを買ってくるとして……」
 有馬はエージェントたちを見渡す。
「宝物回収作業は君たちにお任せします」
 有馬の秘書から宝の地図をもらったエージェントたちから順にプライベートビーチに足を踏み入れた。
「……今日も暑いな」
 レイ(aa0632)がぼやく。
「でも、日陰に入ればわりと涼しいよ」
 カール シェーンハイド(aa0632hero001)は木陰に入り、じっくりと地図を眺める。
「プライベートビーチ! あたしも欲しいなぁ」
 梵 すもも(aa4430)は白くやわらかい砂に足をとられて転びそうになった。
「足元お気を付け下さい。姫様」
 小さなすももの体を騎士らしくリデル・ホワイトシェード(aa4430hero001)が支えた。

●勝者とロマンス
「行くよー! ヴィクター君!!」
 リュカはヴィクターの手をがっしり握り、意気揚々と歩き出した。ヴィクターはリュカの足元にガラス片などが落ちていないか注意しながらリュカについていく。
「ふふーふ、今日も暑いね! ちゃんと遊ぶ用意してきた?」
 そう聞かれてヴィクターは首を傾げた。
「……遊び? これは仕事だろう?」
「やっぱりヴィクター君は真面目すぎるな〜」
 リュカはにんっと両の口角を上げる。
「これは、仕事の依頼と見せかけた、有馬氏からの挑戦状だよ! どれだけこの遊びを制覇できるのか、満喫できるのかというのが重要なんだよ!」
 リュカの言葉に「そうだよな!」と頷いたのはガルーだ。
「だから、これを着ろ! リーヴィ!」
 幻想蝶の中からガルーはタンキニを取り出す。
「リュカも言ってただろ! どんだけ遊び倒せるかの勝負だ! お前がこれを着れば、有馬を瞬殺でき……っぐぁ!」
 ガルーの力説が終わるか終わらないうちに、その横っ面にオリヴィエのジャンピング回し蹴りが見事に決まった。
「絶対に着ない」
 ガルーの体が吹っ飛んできたところにいたリュカをヴィクターがお姫様抱っこで避難させる。盲目のリュカではあったが気配でその状況を瞬時に理解し、思わずキュンっとときめいてしまう。
 この一瞬、勝者とロマンスが生まれた。

「……二人とも、なにをやっているのですか?」
 仮設の更衣室で水着に着替えてきた征四郎が気を失っているガルーとそんなガルーをせっせっと砂に埋めるオリヴィエに聞いた。
「またガルーがいたずらでもしたのですか?」
 ガルーの頬をぱちぱちと叩くも目覚めない。征四郎は沙羅に笑顔を向け、すこし大きめの声で言った。
「沙羅さん、その水着すっごく素敵なのです! よく似合っているのですよ!」
 次の瞬間、ガルーが勢いよく起きる。
「征四郎ちゃんもすっごく可愛いわ!」と微笑むビキニ姿の沙羅の手をガルーはぎゅっと握った。
「沙羅さんの美しさには誰も叶いません!」
「ありがとー」と沙羅はガルーの褒め言葉を軽く流し、ポラロイドカメラを渡した。
「沼津さんにほしーなーって言ってたんでしょ? タマ子ちゃんが持ってたから、借りてきたわ」
「美しい上に気がきくとは、最高です!」
「さっさと行くのですよ!」
 征四郎はガルーの手を掴むと歩き出した。ガルーは征四郎にポラロイドカメラを渡す。
「適当に風景とか皆の顔とか撮っといて。多分俺様よりは、お前さんの方が良い」
「……わかったのです」
 征四郎はカメラの紐を首にかけ、それからオリヴィエを振り返った。
「オリヴィエ! どっちがいっぱい見つけられるか勝負なのです!」

●落下と交換
「ゴミは落ちてないですね」
「ないね〜」
 宝探しついでにゴミ拾いもしようと思っていたセラフィナと拓海はビーチを見渡して言った。久朗も周囲を見回すが確かにゴミは一つも落ちていない。
 拓海は足元に光るものがあることに気がついた。
「これはゴミというには綺麗すぎるね」
「それ、シーグラスです!」
 両手を出したセラフィナの手の上に拓海は波が作り出した芸術品、シーグラスを置いた。
「うわぁ〜! 綺麗です!!」
 太陽の光を透かしたそれはキラキラと光輝く。
「地図によると、この木の上に宝物が一つありそうよ」
 メリッサの言葉に三人が同時に上を見ると、すでに木の上には誰かがいた。しかも、泣いているようだ。
「ソーマぁあ。゚(。ノω\。)゚。」と書かれた看板に泣き顔の紙袋だ。
 相棒を呼ぶカルディアだったが、ソーマの姿は近くにはない。
 メリッサは拓海を木の下に誘導すると、「セイッ!」とその木を蹴った。
 どんっと揺れた木の上で慌てたカルディアはバランスを崩して落下する。
「。゚(。ノω\。)゚。。゚(。ノω\。)゚。。゚(。ノω\。)゚。」
 もともと声は出ないものの、さらに言葉も出ない恐怖の落下だったが、拓海がしっかりとキャッチし、カルディアに怪我は無い。
「あ、ありがとうございます〜。゚(。ノω\。)゚。」とスマホに早打ちする。
「いや……なんかごめん。うちのメリッサが」と謝る拓海。
「宝物は何ですか?」
 セラフィナが聞くと、カルディアの紙袋の表情が泣き顔から衝撃を受けた表情に変わる。
「わ、忘れてきました。゚(。ノω\。)゚。」とスマホに打たれる文字と泣き顔に戻った紙袋。
「……本当にごめん。うちのメリッサが」と拓海。
「今度は俺が行ってこよう」
 久朗が木に登り始めた。

「レトロじゃん!」
 カールは木の下から掘り起こした駄菓子の包装紙に興味津々だ。
「なぁ、レイはこういうの食べたことある?」
「……子供の頃な」
 答えながらレイは缶ビールをぐびりと煽る。
「装丁はその頃のまま?」
「あんま覚えてねぇけど……昔もそんな感じだったぞ」
 カールのテンションがあがっているなか、楽しげな声が聞こえてきた。
 そちらのほうに目をやると、すももがくるくると踊っていた。
「ティアラあるかな!? お姫さまのティアラ!」
「子供向けの景品と聞いていますが……」
「楽しみだねー」と、すももは歌い始める。
「こうやって砂浜歌いながら歩いてたら〜♪ すてきな~王子さまが~♪」
 完全オリジナルミュージカルソングである。くるくると回転数を増して踊る。
 しかし、そこに音程の狂った歌声が入る。
「せんえつながら〜〜〜私が〜あいてや〜くを〜」
「あっ……あー! あの木の上になんかあるよ! リデル行こっ!」
 すももはぐいぐいとリデルを引っ張った。彼が音痴であることを残念に思いながら。
「すこし高いですね」
 リデルが手を伸ばせば届くところにあるが、すももには高すぎる。
「私が取りましょうか?」
「うーん……ん!」
 すももはリデルに向かって両手を伸ばした。その行動ですももの意図をすぐに理解したリデルはすももを抱き上げ、肩車をする。宝物を両手で抱えるとすももは地面に下りた。
 包み紙をとり、中身を確認するとそれはプラモデルだった。
 すももはきょろきょろとまわりを見回すとレイとカールを見つけ、カールのもとに駆け寄り、宝物を差し出す。
「これ、男の子用だからあげるわ」
「いいの?」
「うん」とすももは頷く。
「それじゃ、お返しにこれをあげるよ」
「本当!? ありがとう!」
 すももはカールからもらった駄菓子を抱きしめてリデルのところに戻ると、「一緒に食べよう」と笑顔を見せた。

●修練、そして卒倒
 地図をじっくり見ていた龍哉は沖へ出た海中にある宝物を取りに行くことを決め、ヴァルトラウテと共鳴するとセイレーンを着用して海へ出る。
「しかし、いつも思うんだが」
 水上を移動しながら龍哉は言った。
「共鳴すると水中でも窒息しないってのは、面倒がない代わりに修行にもならねぇな」
「その分、水中で如何に自在に動けるようにするか修練すれば良いのですわ」
「してないと思ってるのか?」
「……一応言ってみたのですけれど、本当にしてましたのね」
「お、この辺だな」と、龍哉はライヴスをコントロールしてセイレーンの動きを止めると海へと潜った。

 レミアのフリルスカート付きの黒ビキニ姿に、緋十郎の鼻の下はのびっぱなしだ。
「泳ぎを修得した私にはもう海なんてなんてことないわ!」
 イルカや人魚並みの美しい足使いでレミアはすいすいと泳ぐ。
 岩と岩の間に宝物を見つけたレミアが緋十郎に手を振って報せる。緋十郎は宝物を岩にくくりつけている紐を外すと、大きめの箱を抱えて海面へ向かった。
 浜に上がって宝が濡れないように密封されていたビニール袋を破り、さらに包装紙をはぐと大きめの白いクマのぬいぐるみが出てきた。
 狙っていたものが一発で見つかったことに喜んだ緋十郎は、それを箱から取り出すとすぐにレミアに差し出した。
「ぬいぐるみを見つけたら、レミアにやろうと思っていた……」
 慣れないことに緊張しながら言った緋十郎だったが、次のレミアの言葉に落ち込むことになる。
「要らないわよ、そんな子供っぽいもの」
 レミアの言葉に見るからに落ち込んだ緋十郎の姿にレミアは悪いことをしたように感じ、慌てて言った。
「せ、せっかくだから貰ってあげても良いわ……!」
 ぬいぐるみを奪うように受け取ると、レミアはぎゅうっとそれを抱きしめた。
「……ありがとね、緋十郎」
 白いクマにすこし顔を埋めて、上目遣いでお礼を言ったレミアに悩殺された緋十郎は、頭に血が上りその場に倒れた。
 ちょうど海から戻ってきた龍哉が「大丈夫か?」と聞いた。
「大丈夫よ。いつものことだから。それより、そっちの宝物はなんだったの?」
 レミアは龍哉が抱えている箱を指差した。
 龍哉がビニール袋と包みを開け、カラフルなデザインの箱の蓋を開けるとマカロンやマドレーヌ、ゼリーなどの洋菓子が入っていた。
「これ、どーする?」
 ヴァルトラウテにそう聞くと、「持って帰りますわ!」と即答だった。
「いいわね〜! 私もどんどん宝物掘り返して高級洋菓子セット見つけなくちゃ!」
 レミアはまだ気絶している緋十郎の頬を容赦なく叩いた。
「ほら、行くわよ!! 緋十郎!!!」

●全力逃走全力浮輪
 木の上から勢いよく飛び降りてきたオリヴィエはリュカに某ブランドのノートと筆入れとシャーペンが揃った文具セットを渡した。
「これは持って帰る」
 そう伝えると、リュカは「わかった」とそれを幻想蝶にしまう。
「さすがリーヴィ。小ささ大活躍だなっぅぐっ」
 からかうガルーには即腹パン。
「こっちにもあったのですよ!」
 岩陰を探していた征四郎も包みを手にして立ち上がった。
 征四郎が見つけたのは淡いすみれ色の可愛い形をしたガラスペンと香り付きインクのセットだった。
「ヴィクターと沙羅も楽しんでますか?」
 征四郎にきらっきらの眼差しを向けられ、ヴィクターは頬を緩ませて頷いた。事実、征四郎とオリヴィエが夢中になって宝探しをしている姿を見ているのは楽しかった。
「征四郎ちゃん、日差し強いんじゃない? 日焼け止め、塗り直してあげるわ」
 沙羅は砂浜に膝をつくと、征四郎の腕や顔に日焼け止めを塗った。
「沙羅さん! 俺も日焼け止め塗って……いや、俺が塗りましょうか!?」
「大丈夫よ。あたし、もともと焼けてるから……あ、もしかして、小麦色の女は嫌いかしら?」
「大好きです!」と叫ぶガルーに冷たい視線を送る征四郎とオリヴィエ。
「ヴィクター!」
 呼ぶ声にヴィクターが視線を向けると、拓海が手を振って歩いてくる。
「これから海の中を探しに行くつもりなんだけど、ヴィクターも行かないか?」
「いや、俺は……」
「これは仕事だぞ!」と、拓海は小さなバケツに汲んできていた海水をヴィクターにかけた。
「……」
 なぜ海水をかけられたのか理解できないヴィクターにリュカが教える。
「これは追いかけっこをしようっていうお誘いだよ」
「……そうなのか?」
「うん。そして、この誘いは絶対に断れないルールなんだ」
「しかし、俺はリュカの……」
「俺のことはいいから、行っておいで」
 リュカがヴィクターの背を押すと、ヴィクターは「わかった」と走り出した。
 走り出したヴィクターに拓海は「捕まらないさー!」とにやりと笑って逃げる。一瞬だけ青春の香りがした二人が走る風景は、加減を知らないヴィクターが全力で拓海を追いかけ始めたことにより若干異様な光景となる。
「ヴィクター! ちょ、怖い怖い怖い!!」
 追いかけられる恐怖心から拓海も自ずと全力疾走となる。

「……あの二人、なにやってんのかしら」
 二人の様子を呆れながら見つめていたメリッサは一人で海に入ることにした。途中、小さな蟹を見つけて、掌に乗せる。
「蟹! かわいい!」
 すももがメリッサの手の中を覗く。
「すももちゃんもお姫様みたいで可愛いわ。似合うわよ」
「ありがとう」とすももは嬉しそうにまたくるくると回った。
「次は如何なさいますか?」
 リデルが聞くと、すももはんーっと考え、「海!」と答えた。
「人魚姫するーっ」
「私も海に入ろうと思っていたの。すももちゃん、一緒に行かない?」
 メリッサの誘いにすももは嬉しそうに答える。
「いくー!」
「すももちゃんは泳ぐの得意?」
「得意だよ!」と自信を持って答えたすももに、リデルは浮き輪を渡し、すもももそれをしっかり装着した。
「はぁ〜! かわいいわ〜〜〜!」
 メリッサは叫ぶ。
 海に入ると、火照った体に水が気持ち良い。
 リデルはすももが流されてしまわない様に、すももの小さな手を引いた。
「なにかあるかなー」
 浮き輪にしっかりつかまって、すももは足をばしゃばしゃと動かした。
 すももに癒されながら、メリッサは水中をよく探す。
 メリッサやリデルでも足が届かない深さまで来た頃、海藻の陰に宝物を見つけた。
「すももちゃん、あそこにあるの……」
「あっお宝!」
「おや……少し深い所にありますね。ここは私にお任せ下さい」
 リデルはすももの手をメリッサに預けると、海中に潜り、箱を持って戻ってきた。
「どうぞ姫様、メリッサ様、お受け取り下さい」

「……荒木はなにをしているんだろうな?」
 そう呟いた久朗の視線をセラフィナも追うと、激走する拓海とヴィクターの姿があった。
「青春だね! あれは青春ってやつだよね!?」
 セラフィナの近くにいたカールはそう叫んだが、レイは「違うんじゃないか?」と目
を細める。
「あ、カールさんたちはあの岩陰って探しましたか?」
「んーん。まだだよ」
「それじゃ、僕が見てきます!」
 岩の周辺を探すと、一度掘り起こされたようなあとを見つける。
「きっとここだね!」
 セラフィナがスコップで砂を掘ると、すぐになにかにぶつかった。
 掘り出した宝物にセラフィナの目が輝く。
「このプラモデルは……!」
「……知ってるのか?」と、久朗もセラフィナの手元を覗き込む。
「日曜の夕方に放送しているやつですよ!」
 久朗にはまったくどの番組のことかわからなかったが、セラフィナの笑顔に「よかったな」と笑顔を返した。

●洞窟
「洞窟、行ってみたいのですが、暗いのちょっと怖くて、一人じゃ行きにくくて……」
 眉尻を下げて怯えた様子の征四郎の表情が見えたような気がして、リュカは優しく言った。
「一緒に行こうか?」
「じゃ、俺も」と征四郎とリュカと一緒に行こうとしたオリヴィエをガルーが引き止める。
「リーヴィ、ちいといいか」
「なんだ?」と聞くオリヴィエの言葉には答えないまま、ガルーは岩というには大きすぎる……五メートルほどの高さの岩の上にオリヴィエを連れて行った。
 そこからは浜から見える海よりもずっとずっと広い海、ずっとずっと長い水平線が見えた。
 まっすぐにその景色を見つめるオリヴィエの横顔をガルーは見つめる。
(……綺麗っていうのは、こういう表情になるのか)
 ガルーには『綺麗な景色』というものがよくわからない。灰色でない世界の深みを彼は理解できない。
 けれど、隣のオリヴィエには見えるのだ。
「……この世界は、まだ綺麗だな」
 小さく呟いたオリヴィエの声に、ガルーはオリヴィエの髪に触れそうになった。
 彼も灰色の世界を知っているのだ。それでも、まだ『綺麗な世界』を見ることができる……それが……
「俺とお前の境界線か……」
「え?」とガルーを見上げたオリヴィエに、ガルーは「いや」と首を横に振った。
「この景色を、一緒に見たかっただけだ」

 洞窟の中、カルディアはソーマにぴったりくっついて歩いていた。ぴちゃりと水滴が落ちる音がしただけで、カルディアはびくっと体を緊張させてソーマにさらに寄り添う。
「あの子じゃなくてごめんね(m´・ω・`)m」とスマホで伝えると、ソーマはそっけなく答えた。
「気にするな。そもそも、アイツはくっついてこない」
「うん。そういうこっちゃないよね!」とスマホにツッコミを入力しても、ソーマはカルディアが何を気にしているのかわからないというふうだ。
(恋愛してこなかった大人ってこうなるんだね(。-`ω´-))と、心の中の呟きにも思わず顔文字がついてしまう。
 カルディアたちの後ろからレイとカールも洞窟に入る。
「さすがにここは涼しいな」
「ここには、どんなお宝があるのかな〜」
「まぁ、頑張れよ」と、レイは岩に背を預けてビールをぐびり。
 リュカと征四郎も洞窟に到着する。
「凄い凄い、外はあんなに暑いのに中は結構涼しいね!」
 征四郎と手を繋いで洞窟へ入ったリュカはそのひんやりした空気に声を上げた。
「ちょっと肌寒いくらいなのです」
「せーちゃん、これ、どうぞ」と、リュカは日焼け対策のストールを征四郎の肩にかける。
 その時、濡れた岩の上で足を滑らせたリュカは後ろに倒れそうになり、それを支えようとした征四郎も支えきれずに倒れそうになる。しかし、そんな二人をしっかりと支えた手があった。
 征四郎が後ろを振り返ると、ヴィクターがいた。
「……大丈夫か?」
「ヴィクター……どうしてここにいるのですか?」
「……タクミを追いかけてきたら、辿り着いた」
 征四郎が拓海へ視線を向けると、拓海はカルディアたちと話していた。
「上から巨大な岩が転がってくる……のとか想像しない?」
 拓海の妄想に、カルディアはぎゅっと目を瞑り、ソーマにさらにしがみついた。
「あ、ごめん。そんなに怖がるとは……」
 紙袋に泣き顔が浮かんでいるカルディアに謝る拓海の横を、強気なレミアと緋十郎が通る。
「次こそは洋菓子よ〜! 洋菓子!!」

 十数分後、カールが小さくため息をついた。
「なかなか見つからないなぁ〜」
 地図では洞窟のなかに三つの宝物があることが示されているのみで、内部の詳しい場所までは記されていない。
 岩の上や岩陰を探すも、なかなか見つからない。それはカールだけでなく、他のエージェントたちも同じだった。
 カールの近くで探しているのは征四郎だ。ヴィクターに肩車をしてもらって、上の方を探すが、こちらもなかなか見つからない。
「ここにもないですね。ヴィクター、一旦下ります」
 征四郎を下すためにしゃがもうとしたヴィクターは、ゴツゴツとした足場ですこしバランスを崩す。
「きゃ!」と叫んで、征四郎はヴィクターの頭にしがみついた。
「せーちゃん!? 大丈夫!?」
 少し離れたところに立っていたリュカが慌てて近寄ろうとした時、足が軽い感触の何かを蹴った。
「……せーちゃん」
「征四郎は大丈夫なのです」と、体勢を立て直したヴィクターの肩から下りた征四郎はリュカに駆け寄った。
「せーちゃん、これ! これだよ!」
 リュカは足元にあったものを拾い上げる。
 それは征四郎の目にはただの岩のように見えたけれど、リュカが軽々と持つ様子から岩ではないことがわかった。
「カモフラージュしてあったのですね!」
 岩のように見えたそれは発泡スチロールで、それを裏返すと宝物を取り出すことができた。
 征四郎とリュカたちの様子を見ていたエージェントたちは岩という岩を触ってみるという方法に探し方を変えた。

●まだまだ楽しく
「楽しかったか?」
 すべての宝物を無事に回収できたとの知らせを受け、久朗はセラフィナに聞いた。
 セラフィナは満面の笑顔で答える。
「宝物も見つけられましたし、綺麗な貝殻もたくさん拾うことができました!」
「そうか」と久朗もセラフィナに微笑む。
 そんな二人に「紅茶どうだ?」と声をかけたのは龍哉だ。
「水の中は何だかんだで体温持ってかれるからな」
「よろしければ紅茶をどうぞ」
 ヴァルトラウテがティーカップに紅茶を注ぐ。
「ありがたくいただこう」
「いい香りです!」
 セラフィナが紅茶に口をつけようとした時、すももがセラフィナの腕を引っ張った。
「ねぇ、スイカわりしよう?」
「スイカ割り、楽しそうだね! 皆さんでやりましょう」
 ティータイムは一気に賑やかなものとなる。

「ねぇ、何故この仕事に誘ったの?」
 砂浜をゆっくりと歩きながら、メリッサは拓海に聞いた。
「最近、リサを困らせる事が多かったから、たまには素直に楽し……」
「何か……あったわね?」
「……うん」
 拓海はずっと言おう言おうと思っていたことを話し出した。
「前に話したオレに好意があると思ってた子……勘違いだったっぽい。態度だけで判断しちゃダメだな……」
 メリッサは拓海よりもすこし前を歩く。
「気持ちを態度で表すと何となくは伝わるけど、正確には無理で……逆に相手のもそうなると思うの」
「だから……」と、メリッサはくるりと振り返って言う。
「そうね。勘違いにしても良い意味で勘違いしておけば幸せじゃないかしら?」
「それなら得意だ……」と、拓海は苦笑する。
「もぅっ……お馬鹿ねーっ理解する努力はしなさいよ!」

 緋十郎は有馬の秘書に用意してもらった白い机や椅子を並べ、幻想蝶に入れて持ち込んだ冷えたビールと日本酒、焼いたソーセージなどのつまみ類を取り出した。もちろん、レミアのために赤ワインとチーズも準備してある。
 緋十郎は沙羅を見つけると、声をかけた。
「む、どうだ、良かったら一緒に呑むか?」
「いいの?」と、沙羅は嬉しそうだ。
「ビールかワインか日本酒か……幻想蝶の中には焼酎もあるぞ。青柳さんは何が好きだ?」
「どれも美味しいけど……レミアが飲んでるの、美味しそうね」
「赤ワインだな」
「ねぇ、その角って、自前なの?」
「ええ」
「ふーん、じゃあ、青柳は……悪魔か何か……?」
「あんまり記憶がはっきりしてるわけじゃないけど、この世界では悪魔って呼ばれているものだわ」
「じゃ、迫害とかもされたの? 悪魔払いとか?」
「まぁ、それはそれなりにいろいろあったんじゃないかしら」
「ふーん……そうだ、青柳は占いが得意って噂で聞いたわ! ねぇ、わたしと緋十郎のことも、占ってみてくれる?」
「いいわよ」と、沙羅は幻想蝶からタロットカードを取り出した。

「あまり海に近づきすぎるな」
 変わった生物はいないかと海の中を覗き込むカルディアにソーマは木陰で読書をしながら注意した。
「大丈夫(*`д´)b」とカルディアは看板を振る。
「……一応、着替えはあるからな」
「なに!? そのフラグΣ(゚口゚;)」
 瞬時に変化する看板。便利である。
(絶対、フラグたてられた気がするんだけど……)なんて考えていると、ドンッと背中に誰かの足がぶつかって、カルディアは頭から浅瀬の海水に落下した。
「あ、ごめん」と謝ったのはメリッサだ。そして、「ごめん。うちのメリッサが」と拓海。

「君たち所望のダッツだよ」と、有馬がダッツを持ってきた。
「ダッツが来たぞ〜」
 ガルーが声をかければ、数人のエージェントたちが走ってきた。
「君たちは食べないのかい?」
「後でいただきます」とリュカが答える。
「有馬さん、いつも隠す側だけじゃ退屈じゃないですか?」
 リュカは一枚の宝の地図を有馬に渡した。
「ずいぶん可愛らしい地図だね」
 征四郎とオリヴィエが描いた宝の地図は、猫分子多めだ。
「宝探し、挑戦しませんか?」
 挑むような笑顔を見せる征四郎に、有馬は「受けて立ちましょう」とジャケットを脱いだ。
 有馬はビーチを歩きながら、懐かしさを感じた。夏には毎年訪れるビーチだが、こうして仕事のことを考えずに歩くのは何年ぶりだろう?
 猫がたくさん描かれた地図を見ながら進み、宝がある場所の下まで辿り着いた。
「ここか」と頭上を見上げる。岩というには大きすぎるそれは、このビーチを購入したばかりの頃に有馬自身何度も登った場所だった。
 革靴と靴下を脱ぎ、登り…… 以前に何度も見た景色に改めて息を飲む。美しい夕日と赤く染まる海が目の前に広がっていた。
「綺麗ですね」
 リュカの声に、有馬は隣を見る。
「君、目は……」
「相棒が見せてくれました」
 リュカの姿はオリヴィエと溶け込んだものとなっていた。
 岩の頂上先端に茶色い箱があった。それを有馬は手に取る。
「今日のお礼です。開けてください」
 有馬は少し緊張した様子で箱を開けた。箱の中には写真が入っていた。その写真を見た有馬は一瞬目を点にし、それから、ふっと噴き出すように笑った。
 しばらく声を出して笑っていた有馬は目に溜まった涙を拭って言った。
「久しぶりに腹の底から笑わせてもらいました」
 写真は、リュカたちが渡したびっくり箱に沼津が驚いて叫んだ瞬間のものだった。他にも今日の宝探しを楽しむエージェントたちの写真や、これまでの依頼のなかで撮りためてきた写真が箱に入れられていた。
 有馬は全ての写真を楽しそうに見つめた。
「しかし、いいのですか? こんな敵に塩を送るようなことをしても……」
「……それくらいの余裕も持てなきゃ、勝てないだろう?」
 リュカと共鳴を解いたオリヴィエの言葉に、有馬は「……なるほど」と笑った。

「もうすぐ終わっちゃうね……」
 スイカ割りも終わり、ダッツも美味しく食べ、宝物の見せ合いっこや交換も終わり、日も暮れてきた。楽しかった一日が終わることにすももは寂しさを覚える。
「ティアラはなかったし……」としょんぼりするすももに、リデルは幻想蝶の中に隠していたものを取り出した。
「……姫様。こちらをどうぞ」
「お花のかんむり!」
 いつの間に作ったのか、それはシロツメクサの花冠だった。
「ティアラの代わりにはなりませんが……」
「ううん! うれしいよ!」
 頭に花冠を乗せて、元気を取り戻したすももに朗報が入る。
「花火やる人〜!」
 カールが持ってきていた花火を掲げて見せる。すももはもちろん手をあげてカールのもとへ走っていく。カルディアやセラフィナ、メリッサと拓海も駆け寄った。
 すこし離れたところでレイはギターを弾く。様々な表情を見せる海、花火の眩しさと潔さを音楽にしていく。
「綺麗な音ですね」という声に顔を上げると有馬がいた。
 花火に征四郎とオリヴィエも加わる。
 ガルーとリュカは有馬を連れて緋十郎のところにお酒をもらいに行く。
「また皆さんで遊びに来てください」
 有馬の言葉に返事を返すように、酒好きの男たちは「かんぱーーーい!」とグラスを鳴らした。
 波の音も、楽しさも…… もうしばらく続くようだ。

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
  • 苦悩と覚悟に寄り添い前へ
    荒木 拓海aa1049
  • 緋色の猿王
    狒村 緋十郎aa3678

重体一覧

参加者

  • 此処から"物語"を紡ぐ
    真壁 久朗aa0032
    機械|24才|男性|防御
  • 告解の聴罪者
    セラフィナaa0032hero001
    英雄|14才|?|バト
  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 仄かに咲く『桂花』
    オリヴィエ・オドランaa0068hero001
    英雄|13才|男性|ジャ
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 優しき『毒』
    ガルー・A・Aaa0076hero001
    英雄|33才|男性|バト
  • ライヴスリンカー
    赤城 龍哉aa0090
    人間|25才|男性|攻撃
  • リライヴァー
    ヴァルトラウテaa0090hero001
    英雄|20才|女性|ドレ
  • Sound Holic
    レイaa0632
    人間|20才|男性|回避
  • 本領発揮
    カール シェーンハイドaa0632hero001
    英雄|23才|男性|ジャ
  • 苦悩と覚悟に寄り添い前へ
    荒木 拓海aa1049
    人間|28才|男性|防御
  • 未来を導き得る者
    メリッサ インガルズaa1049hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • 緋色の猿王
    狒村 緋十郎aa3678
    獣人|37才|男性|防御
  • 血華の吸血姫 
    レミア・ヴォルクシュタインaa3678hero001
    英雄|13才|女性|ドレ
  • エージェント
    カルディア・W・トゥーナaa4241
    獣人|10才|男性|生命
  • エージェント
    ソーマ・W・ギースベルトaa4241hero001
    英雄|24才|男性|ソフィ
  • Hoaloha
    梵 すももaa4430
    人間|9才|女性|生命
  • エージェント
    リデル・ホワイトシェードaa4430hero001
    英雄|24才|男性|カオ
  • ムーンストーン
    アインハルト・フリューゲルaa4448
    機械|20才|?|攻撃
  • エージェント
    理喰aa4448hero001
    英雄|13才|?|カオ
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