本部

ダイヤモンドは永遠の暴力(かがやき)

睦月江介

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
6人 / 4~6人
英雄
6人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2016/04/12 19:03

掲示板

オープニング

「ハーッハッハッハ! 無駄無駄ぁ!!」
 イギリス某所の警察署に、愚神が堂々と単独で殴り込みをかけた。当然警官が黙っているはずも無く、拳銃を向け発砲するが全く通用しない。それならば直接特殊警棒で殴りつけてやれと数名がヴィランに近づくが……。
「フン、愚かな! ならばこの永遠の輝き、しっかりと目に焼き付けるが良い! エターナルフラーッシュ!!」
「ぐわああああ! 目が、目があああああ!!」
「おっと、すまんすまん。あまりに眩しすぎて見えなかったようだな。ともあれこれで能力者が動くだろう……これでもうここに用は無いので俺は失礼する、ダイヤモンドビーム!!」
 一度目の閃光で近づいた警官たちは目をやられてのたうち回り、二度目の閃光は警察署の分厚い壁に一撃で風穴を開けた。シャッターに空いた『人型の穴』を悠々と通り去っていく愚神に対し、相手の思惑通りで癪ではあるが自分達では対処できないと判断し警察は応援を要請した……。

「とある愚神が、警察署を襲撃した。それで手に負えないとのことで、HOPEに応援要請が来た」
 今回はどうやら最初から能力者をおびき寄せたうえで力を試すこと自体が目的のようで満足すれば逃走するだろう事が予想されるが、逃走に専念された場合、捕捉は案外簡単ではないと職員は告げる。
「相手は強力な閃光を放つ能力を持っていて、警察はそれに目をやられた隙に警察署からの脱走を許してしまったそうだ」
 つまり、逃走に関しては対応策が無いと、止められない可能性が高い。しかも逃げる前に速攻で終わらせる、というのも楽ではないという。
「相手の姿なんだがな……ダイヤモンドで覆われたマッシブな男だ」
 ダイヤモンドの装甲に覆われている事で物理攻撃、とりわけ射撃攻撃には強く生半可な攻撃ではダメージを与えられないらしい。一方で、あくまで物理的な強度が高いだけなので魔法攻撃の防御に関しては平均的。攻撃に関しては閃光を放つ以外は見た目に反してそこまで攻撃力は高くない。しかし、ダイヤモンドの光り輝くマッチョ……
「実に、暴力的だ……二重の意味で。しかも閃光を放つ時は無駄に洗練されたポージングを決めるとの事で閃光だけでなく目をやられる可能性がある」
 まさに物理的にも視覚的にも暴力的なこの愚神を、何とか撃退、できれば撃破して欲しい……健闘を祈る、と締めくくり、職員はエージェント達を送り出すのだった。

解説

 ダイヤモンドで全身を覆われた愚神を撃退してください。愚神はある程度戦闘し、自身の能力を試すことに満足すれば閃光による目くらましからの逃走します。そのまま逃走させても撃退には成功しているので、撃破は必須ではありません。退路を塞がれればそのまま戦う可能性もあるでしょう。能力は以下のとおりです。

・物理防御が極めて高く、特に射撃に強い。
・魔法防御に関しては物理防御よりは落ちるが、それでも平均レベル程度はある
・攻撃力は高くない

能力
・エターナルフラッシュ 全身から強烈な閃光を放ち、周囲に『衝撃』を与えます。
・ダイヤモンドビーム 全身からビームを放ち、単体の敵を攻撃します。

どちらも無駄に洗練されたポージングのうえで技名を叫ぶので、どちらがくるかは何となく分かります。

リプレイ

●視覚の暴力に備えて
 白昼堂々警察署を襲撃した愚神……ダイヤモンドに覆われたマッチョという特徴的過ぎるその姿は今回撃破を依頼されたエージェントにも英雄にも様々な感想を抱かせた。
「しかし、自分の体に酔うマッチョは何故こうも多いんだ?」
『野郎の筋肉見せつけられてもな……』
 御神 恭也(aa0127)は呆れ気味でガルー・A・A(aa0076hero001)もそれに同意したのだが、彼のパートナーである紫 征四郎(aa0076)はというと
「あれはあれで鍛錬の賜物なのですよ! 相手にとって不足なしです、征四郎は燃えてきたのですよ!」
『え、えー……』
逆にやる気に火がついていた。その一方で拒絶反応を示すものもいる。
『うわぁ~、生理的に受け付けないよ』
 恭也の英雄伊邪那美(aa0127hero001)は率直に漏らす。だがその程度ならまだ可愛いもので、蝶埜 月世(aa1384)はなお嫌がっていた。
「筋肉+暑苦しいポーズ! ダメだわ……苦手の二乗カケル99乗よ? 逃げて良いわよね? アイザック」
『残念ながら奴は市民を守る警察署を破壊した危険な存在だ。野放しには出来ない』
「……ここでマル秘の警察の不祥事を10件くらい並べたら気を変えてくれるかしら? ……無理よね。はあ」
 アイザック メイフィールド(aa1384hero001)は当然だがここまで来ておいてそれはないだとろうと止めるが、よしんばそれで気が変わったとしてもそれはそれで色々と漏れてはまずい情報がダダ漏れになって大騒ぎになるのではないだろうか。
『月世、それに報告にあった特性に合わせてわざわざ装備も変えたのだ。試して見ようじゃないか』
「……はいはい」
 そう、強烈な閃光を武器とし圧倒的な防御能力を誇る事は既に知っている……だからこそ全員相応の対策は準備されていた。特に目立つのはサングラス……しかしあっちもこっちもサングラス、となると何かスパイ映画のようでシュールだった。そういえば名前を出せば大体の人が知っていると答える有名スパイ映画も、このイギリスのスパイが主人公だったか。
「サングラスは視界の邪魔になるから嫌いなんだがな」
『恭也、てれびに居たまふぃあって人達とそっくりだよ』
「……一つ聞くがそれは褒めているのか? それとも貶しているのか?」
『どっちでもないよ、そう思っただけ』
「俺もまぁ……これはまんまそっちの人だよなァ」
 土御門 晴明(aa3499)の格好はネクタイなしのスーツで髪型はオールバック……そう見えないこともない。そんなこんなで能力者達がやってきたところで、モリッっと筋肉を大きくパンプアップさせダイヤモンドの輝きを放つ愚神がポージングと共に出迎える。
「良く来た! 吾輩の素晴らしい輝きと強度、どれだけの強さか諸君らと戦う事で再度確認させてもらうぞ!!」
 素晴らしく輝いていた……が、やはりその美しくも暴力的な姿はさっさと倒して帰りたい、と思うに十分だった。見た目には完全にギャグなのだが、現実的には敵もバカではなく今回は逃走を阻むのは難しいかもしれない、と判断せざるを得なかった。
 一応、事前に地図は確認し包囲、あるいは追い込みをかけるという策を用意はしていたのだがそもそもが相手に最初からある程度戦うまでは逃げるつもりがないため、追い込む以前の問題であり逃げ場を塞ぐには至らず多少狭い路地で戦うことが出来る程度になった。こうなれば、撃破には一気に畳み掛けて押し切るしかない。想定とは違った状況ではあったが追いかけっこをするつもりなど相手には無いだろう……それが証拠にばっちこい、と言わんばかりに大きく手を広げ、輝く肉体をアピールする愚神。永遠の輝きを放つマッチョとの戦闘が、始まった。

●ダイヤモンドパワーは無敵ではない
「……なんつったらいいんだろうなァ。バカなのか?」
 事前情報で何となく分かっていても、実物を見ると土御門からはそんな感想が漏れる。
『だいやもんどって何? あのきらきらしてるやつ?』
 彼の英雄天狼(aa3499hero001)は無邪気にそんな事を尋ねるが、そのきらきらは洒落にならない防御力を備えた鉄壁の鎧なのだ。
「まずは小手調べといこう、ダイヤモンドビーム!」
 上半身の筋肉を強調する、無駄に洗練されたポージング……直後に全身から一直線に放たれる閃光。
「おっと、そう簡単には受けてあげませんよ」
 晴海 嘉久也(aa0780)はエスティア ヘレスティス(aa0780hero001)と共鳴しその攻撃をクリスタルファンで受け止める。ビーム照射が終わった直後に、魔砲銃で反撃に転じる。
「恐らく……これはダイヤモンドの装甲を魔力で固めた物、なんでしようね。こんなものが量産された暁には……」
 その脅威は想像もしたくない。故に、可能な限り撃破を狙うという点において能力者達の見解は一致していた。
「くー! 無駄にクールなのが絶対ダメ! 筋肉にあんな動きさせないで!! ……しかもキラキラなのよ!」
 月世は相変わらず拒絶反応を示しつつも共鳴し英雄経巻で攻撃。そして木霊・C・リュカ(aa0068)とオリヴィエ・オドラン(aa0068hero001)も同様に弱点看破。だが、こういう場合隙間があることが多い関節部までもある程度カバーされており明確な弱点といえる場所は分からなかった。
 射撃によって牽制されているところに土御門と恭也が飛び込み、接近戦を挑む。魔法攻撃によるダメージが入ったところに土御門の刀が打ち込まれるが、わずかなヒビが入るのみで愚神の顔には余裕の笑みが見える。やはり単純な打撃による突破は簡単ではなさそうだ……だが、そのヒビに恭也は目を付けた。
『確か金剛石って、すごい硬いんだよね……皆みたいに魔法を使った方が良いんじゃないの?』
「魔法は苦手なんだ……それにダイヤモンドは物理的に破壊出来ない訳じゃ無い」
 伊邪那美に言った言葉を実践して見せるようにヒビにナイフを噛ませ、それを楔代わりに衝撃を一点に集中させるようにスロートスラストを叩き込む。すると装甲の一部が砕け、わずかに浅黒い皮膚が露呈したではないか。ダイヤモンドは確かにすさまじい強度を誇るが、靭性は低い。そこを突けばこの通り、というわけだ。
「おおおっ!? まさかこのダイヤモンドボディを砕くとは!! ならばこちらも相応の返礼をしなくては!! 永遠の輝きを見よ、エターナルフラッシュ!!」
 自らの防御を貫く相手にあったことに感動した、ということを全身で表現するかのように上半身だけでなく、それこそ全身くまなく躍動する筋肉を見せ付ける彫刻のようなポージング……そこから放たれる閃光は直視すれば視覚を奪うに十分な、まさに暴力的な輝き。それに対して『防ぐ』ではなく『対抗する』という行動をしてみせたのはリュカだった。相手の攻撃とほぼ同時に、フラッシュバンを放つ。
「みんなちゃんと目を瞑っててね! エターナルフラーッシュ! リフレクトー!!」
『それ、やりたかっただけだろ』
 すごく明るくなりそうでやりたかった、という理由でフラッシュをぶつけると周囲は太陽が2つになったかのような強烈な閃光に包まれる。パートナーであるオリヴィエは呆れたるばかりだったが、うまく行けば相手の行動も阻害できたのでこれでよかったのだ……多分。

●美って何だろうね
「……っていうか筋肉が全然必殺技に生きてない気がするのですよ……!」
 光を放つ必殺技に筋肉を使う要素は無い。だからこそ征四郎が至極全うな意見を口にするが、愚神は気にした風でもなく表情的にも、物理的にも無駄に輝いている笑顔で返した。ここはイギリスなのだが、どちらかと言えばアメコミのヒーローみたいなノリだった。
「理解が足りんぞ少年。この輝きこそは我が肉体美を極限まで輝かせた美しき光なのだ、故に意味はある! 筋肉の美しさとダイヤモンドの輝きで美しさ100倍なのである!」
 むしろ視覚的な意味での破壊力が100倍である。征四郎は理解が足りない、と言われたが理解したくもない、と考える人間の方が多いのではないだろうか。
「……此方は真面目にやっているのに、あの行動を見させられると馬鹿にされている気がするな」
『……ねえ、皆であの変てこな姿勢を取ったら相手もムキになって姿勢を取って足止めが出来ないかな?』
「そこまで、脳筋じゃないだろ……たぶんだが」
 伊邪那美が疑問、というか策を提案してみるものの、恭也はそれを否定して改めて愚神と対峙する。確かに、伊邪那美の言った作戦を取ってもムキになる事は無かったろう……むしろ、嬉々として一緒にポージングして場合によっては教えてきたりしそうな感じである。
 ダイヤモンドの装甲を貫かれた事に驚きつつもむしろそれを喜ぶ様子さえ見せる愚神に対して嘉久也と月世が引き続き遠距離から攻撃するもやはり防御力に特化した相手であり、決定打を与えられない。相手からのビーム攻撃も見た目ほど威力は高くなくお互いにジリ貧と言ってもいい状況……さてどうしたものか、というところで土御門がダイヤモンドのある性質を思い出した。
「そういや、ダイヤは炭素の結合した物質だったな」
『……炭素って何?』
「それは、まぁ、家に帰ってからお勉強だな」
『難しい話は嫌だよ』
「なんで難しくねェって思ってんだよ」
 天狼にゆっくりと『難しい話』をする余裕までは流石に無い。
『さて、ダイヤモンドは炭素……高火力の炎なら燃えるかもしれねぇが』
 そう、炭素なのでダイヤモンドは燃える。ガルーもそこを突けないかと征四郎にそれとなく振ってみる。
「生憎雷の弓しかないのですよ。いざ晨朝に勝負なのです!」
 まあ、高温で攻撃できるのだからそれで燃えてくれれば問題はないだろう。一方で、土御門は灰燼の書に持ち替えて炎の剣を投げつける。二人から放たれた攻撃に対しチャチな射撃など効かない、と言わんばかりにヒーローさながらの立派な胸板で受け止める愚神……結果はというと。
「うおお! 燃える、燃え上がる!?」
 いくらダイヤの鎧といえど、科学の法則には抗えなかったようだ。流石に火だるまになったりはしなかったがやはりダイヤモンドボディの一部が焼け落ちる。
 しかしながら、全身くまなくダイヤで覆われていなければ使えないというわけではないようで再び彫刻のようなポージングから永遠の輝き、エターナルフラッシュが放たれる。1回目のフラッシュバンとのぶつかりあいほどではないがやはり眩い光が放たれ、今度は1人まともに受けてしまった……月世である。その美しくも暴力的な輝きは精神にも軽くないダメージを与えてしまったらしい。
「キラキラのキラキラでキラキラがキラキラだあ……つきヨンもうかえるう」
 躍動し輝く筋肉のあまりの破壊力に幼児化した月世に苛立ち、ついにアイザックは主導権を奪う。こう言ってはなんだが、幼児化した状態のままでは足手まといにしかならないのは明白なので、妥当な判断であったといえるだろう。
『月世! 済まないが此処は私が対処するぞ』
「ひーん」

●用事が済んだら帰る
 無駄に美しいポージングと全身から放たれる強烈極まりない閃光、何よりダイヤモンドの強固な装甲をを武器に戦った愚神も人数の差と集中攻撃、魔法攻撃、高熱といった形での装甲の突破によって流石にボロボロになる。だがそれでいて表情は何故か爽やかで、自慢の装甲が突破されたというのに怒る様子が全く無かった。それどころか、大きく両手を広げて喜びと賞賛を浴びせてきたのだから、驚愕に全員が固まってしまう。
「素晴らしい……諸君らは実に素晴らしい! まさか吾輩のダイヤモンドボディをここまで破壊するとは!! ワンダフル!! 大満足だ!!」
「ダイヤモンドという割にはまだまだなのです」
 賞賛の言葉に対してドヤ顔で返す征四郎の言葉にわずかに考え込むような仕草をするも、すぐに洗練されたポーズを取り直す。
「ふぅむ……確かにこの状態ではダイヤモンドの美しさが半減であるな。もっと吾輩の美を見せつけてやりたかったがこうなっては仕方が無い、吾輩もまだこの場で倒れるわけにはいかないので失礼させてもらおう!」
 そのままの姿勢で、三度放たれるエターナルフラッシュの閃光。だがその都度ポージングしていれば予測は簡単、サングラス以外にも目を閉じたり、物陰に隠れたりで全員が無事にやり過ごす。この隙に逃亡しようというのが相手の思惑であり、確かにエターナルフラッシュを防ごうとすれば隙が生まれるのだが、だからといってそのまま逃がすつもりは無い……土御門が炎の剣を投擲し動きを牽制、更に征四郎とオリヴィエが言葉を投げかけることによる挑発を試みる。
『そうか、あんたの実力はこんな物か』
「守りでだってかっこよさだって征四郎は負けてはいないのです、勝負がついていないのに逃げるのは敗者のすることですよ!」
『筋肉量では多分負けて……』
「ガルーはちょっと黙っててください!」
 ガルーのツッコミはスルーされたが、愚神もまた挑発はスルー。しかし逃げ道が一度炎の剣で阻まれた事で一瞬動きが鈍り足踏みしてしまう……そこを逃すアイザックではなかった。ブーメランを下肢に向けて飛ばし、自分もタックルを掛ける。
「筋肉に接触? ダメダメダメ! やめてえ……」
 主導権がアイザックに移った状態で苦手な筋肉に対して敢行されるタックル……もはや悲痛なまでの月世の叫び。
 皮肉にも幼児化して泣き喚いていた月世の祈りが通じてしまったのか、ブーメランは命中するもタックルは空を切り、愚神は再び口を開く。
「うむ、殺(や)る気満々であるな! このままでは吾輩は確実に倒され、美しいダイヤモンドの輝きを披露する事ができなくなってしまう」
 いや、披露しなくていいからさっさと倒れてくれというのが全員の本音だろう。だがその直後、それまでとはわずかに違った邪悪な笑みを見せる愚神。
「吾輩の今の力では諸君らを倒すことはできないが、1つ、忘れてはいないか?」
「……何だと?」
 恭也が不信がるのと、誰に向けられるでもない、明後日の方向にダイヤモンドビームが放たれたのは、ほぼ同時だった。
「わざわざ戦わずともこの場を去るだけならばやりようはあるという事をだ! ダイヤモンドビーム!」
 路地の一角、ビームの直撃を受けた家屋の一部が崩れて瓦礫と埃が散乱する。
「しまった! エスティア、止めますよ!」
『無理です! この埃では銃の狙いが定まりません!』
 嘉久也が英雄ともども歯噛みする……想定外の形での逃走に対応できる者は皆無だった。だが一方で愚神側も決してダメージが軽いわけは無く……。
「はぁー、はぁー……ごふっ、あ、危ないところだった……」
 それまでの紳士然とした態度が崩れ、息も絶え絶え。まさにほうほうの体というのがふさわしい状態での逃亡。これだけのダメージを負っていては、しばらくは今までと同じように活動する、というわけには行かないのは自明の理……自然、細々とライヴスを集めながら回復を待つ他ないだろう。結果的には痛み分け、というのが最も近い形で事件は収束するのだった……。

●戦いが終われば終わり、ではない
 想定外の形で逃げられたとはいえ、撃退には成功したわけだがそれで終わりではない。残念ながらまだやる事が残っているのが現実である。まずは戦闘の結果散乱した瓦礫の撤去などをはじめとした後片付け。
「はい、さようならなんてできねェからな」
 こちらは土御門を中心に、つつがなく進んでいった。次に、今回の戦闘の反省。これに関しては相手が一枚上手だった、というのもあるが戦闘……特に閃光対策に意識が過度に向いていた事で少々逃走対策に穴があったというのもあるだろう。これらに加えて戦闘でいくら苦手とはいえかなり残念な姿を晒してしまった月世はアイザックからのお説教を受けることになった。
「い、色々反省点のある戦いだったわね」
 本人からしてそう思っていたのだが、アイザックにしてみればそれだけでなく言いたい事があるようで。
『月世、個々の反省点の前に仕事への取り組み方から反省する必要があると私は考える。まず……』
「ひーん」
 その横で考え事をしていたのは征四郎。だが、その中身はちょっと違うんじゃないか、とツッコミを入れたくなるものだった。
「征四郎ももっと鍛えればあれくらいむきむきになりますかね? 今度ガルーの真似して筋トレしてみるのですよ」
『どうかな、お前さんはならなくても良いと俺様は思うんだけどな……』
 そう、ならなくてもいいし、なって欲しくない……変なものに目覚めないで欲しいと切に思うガルーだった。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076

重体一覧

参加者

  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 仄かに咲く『桂花』
    オリヴィエ・オドランaa0068hero001
    英雄|13才|男性|ジャ
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 優しき『毒』
    ガルー・A・Aaa0076hero001
    英雄|33才|男性|バト
  • 太公望
    御神 恭也aa0127
    人間|19才|男性|攻撃
  • 非リアの神様
    伊邪那美aa0127hero001
    英雄|8才|女性|ドレ
  • リベレーター
    晴海 嘉久也aa0780
    機械|25才|男性|命中
  • リベレーター
    エスティア ヘレスティスaa0780hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • 正体不明の仮面ダンサー
    蝶埜 月世aa1384
    人間|28才|女性|攻撃
  • 王の導を追いし者
    アイザック メイフィールドaa1384hero001
    英雄|34才|男性|ドレ
  • エージェント
    土御門 晴明aa3499
    獣人|27才|男性|攻撃
  • エージェント
    天狼aa3499hero001
    英雄|8才|?|ドレ
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