本部
- 形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 500
- 参加人数
-
- 能力者
- 21人 / 無制限
- 英雄
- 19人 / 無制限
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 16日
- 締切
- 2015/11/26 09:00
- 完成予定
- 2015/12/17 18:00
掲示板
-
カンガルーパニック!
最終発言2015/11/26 08:54:17 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/26 02:09:05 -
【選択肢1】カンガルー対策
最終発言2015/11/26 02:33:09
オープニング
自然公園は今日も賑わっていた。
滝や森など自然の合間を、そして動物たちのいるエリアの合間を、一台のバスが縫うように走っていく。
バスの中はほぼ満員。人々は窓の外を見て、ときに歓声をあげる。
そんな中、バスが大きめの建物の前で止まった。
この建物は休憩所になっており、テーブル、ベンチが設置されている。窓も大きくとられた明るい場所だ。
窓の外はカンガルー達の棲むエリアとなっており、動き回るカンガルーをじっくり観察することもできる。
バス誘導のおじさんが指示をし、停車したバスのドアが開き、人々が乗降する。そんな中――。
「おじさん、こんにちはなのです~」
大きなカンガルーのぬいぐるみを抱えた、7歳くらいの少女が一人。少々危なっかしい足取りでタラップを降りる。
彼女の姿を見て、バスの誘導を行っていたおじさんがにこりと笑った。
彼女が最後の乗降客と確かめ、おじさんはバスに発車するよう指示を出し、それから少女へと向き直る。
「嬢ちゃん、今日も来たのか。お前さんのツレも、もう来てるぞ」
おじさんが指す先は、大窓の前。
そこには腕白そうな少年がいた。年頃は少女と同じくらいだろう。
彼は腕を組み、カンガルーに目もくれず、じっとこちらを睨んでいる。
「ありがとうなのです!」
少女は、おじさんへと軽くお辞儀をし、それから少年めがけてぱたぱたと駆けだした。
「……ススムくん、もうきてたのです?」
少女に声をかけられ、ススム少年はニッと笑って見せる。
「おせぇよ、あかね」
「ごめんなさいなのです~」
少女――袋谷・あかねはぺこりと頭をさげた。
「今日はどうしたんだよ」
ススムの問いかけに、彼女は抱えていたカンガルーのぬいぐるみをむいっとつきだした。ぬいぐるみの耳の部分は、ちょっぴり破れた跡がある。
「やぶれ耳さんを忘れてきてしまって、大慌てで迎えにいったのです……あと……」
「あと?」
少しだが曇った表情に、ススムも心配げに問いかける。
だが、あかねは何かを振り切るように首をぶんぶん、と左右に振った。
「なんでもないのですよ~」
「それにしても、あかねはカンガルー好きだよなぁ」
彼女の抱えたぬいぐるみ「やぶれ耳」の頭を撫でながらにススムが告げる。
「ほよ? ススムくんだってカンガルーすきですよね?」
「まあそうだけどさぁ……」
初めて会ったのも、このカンガルーエリア前の休憩所で、二人で出かけるときの待ち合わせは、いつもこの場所。
動物が好きで、とりわけカンガルーが好き。そんな会話から友達になった。
「そんじゃ、次のバスで園内まわってくか。お前ちょっとボケボケだからさ、一人だと危なっかしいだろ? オレがナビゲートするよ」
「ありがとうなのです」
ススムはさりげなく、あかねの手を握る。
「さて、今日はどんな動物みたい?」
「えっと、えっと~……」
あかねが考えはじめた時、先ほどバスの走り去った方から悲鳴が上がった。
休憩所にいた人々はそれを耳にし、怪訝そうな表情を浮かべる。
直後、異形の存在が建物の中へと飛び込んできた。
「従魔だ!!」
即座にススムが声を張り上げる
突然の従魔の出現に、バス誘導のおじさんはあわてふためき、居合わせた客たちが悲鳴をあげ逃げ惑う。
だが、あかねも、ススムも、恐怖に凍り付いたように動かない。
しかし――。
「みなさん、動物はお好きですか?」
H.O.P.E. 受付はエージェントたちへとそう切り出した。
「ここから北西にしばらく行った所に、自然公園があるのですが、そこに従魔と愚神が現れたようです」
H.O.P.E. の感知した所によれば、愚神はすくなくともデクリオ級以上。自然公園はドロップエリアと化しているという。
「一刻も早く倒さなければ、愚神は残された一般人や動物などのライヴスを奪い、さらなる強化をとげることでしょう」
厳しい表情で彼女は告げる。
従魔や愚神には一般的な兵器はきかない。故に対等に渡り合えるのはAGWを自在に操る事のできるエージェント達だけ。だからこそのH.O.P.E.の依頼なのだ。
自然公園はきわめて広く、通常時はバスでの移動しかできない。
しかしながら現在の状況では、バスの運行は期待できないだろう。
公園の姿は、ドロップゾーン化する前とさほどかわりはないとは言うが、公園外周付近に一般人がおり、公園中央近くにホンモノのカンガルーや、カンガルー型従魔が棲み着いている。従魔の配分から見るに、恐らく公園中央部に愚神がいるのではと目されている。
なお、カンガルー以外の公園内の動物たちは、かなり弱っているようだ。
ライヴスを奪われた以上、弱るのは当たり前の話ではある。だがそれでも不思議な部分はあった。
受付はこう続ける。
「本来ならば、もう既に死亡者が出ていてもおかしくない状況なのですが、今のところ死者が出たという情報は入っていないのです。そして、残された一般人たちは何故か全員カンガルーのきぐるみを着ているようです」
ちなみに、基本はきぐるみなのだが、ないすばでぃなおねーさんなどは露出度もなかなかのカンガルーコスチュームだったりする。
通常、ドロップゾーン内では一般人や動物は昏倒してしまう。こんな一見愉快な事態が発生しているのは、エリアルーラーである愚神によって、そのようなルールが定められている、という事なのだろうが……。
受付はどこか沈鬱そうな表情で続けた。
「更には、何故か屋台を作って、お土産物の販売しようとしているみたいなんです……」
曰く、カンガルーせんべいとか、カンガルーまんじゅうとか、カンガルーマカダミアナッツチョコレートとか「一体どこの土産だよ!?」的なものばかりなのだとか。
どう考えてもドロップゾーン内では買いに来る客などいない。もはや愉快を通り越して頭が痛くなりそうなルールである。
一体何を考えているのか、とでも言いたげに受付は頭を振る。
「どうであれ愚神たちにとっては我々は捕食対象でしかありません。生き延びるためには――」
そう言いかけた時、取り乱した様子の中年女性が駆け込み、エージェント達へとすがりつこうとする。
「助けて! あの自然公園には私たちの娘が……」
そんな女性を、夫と思しき男性が宥め、それから、エージェント達の前で深々と礼をした。
「私達は日本からやってきた袋谷と申します。実は、うちの幼い娘がたった一人で自然公園にでかけてしまいまして」
動物好きだという娘は、何かと自然公園に出かけたがった。時には伝言だけ残して勝手に出かけてしまうくらいだという。
そこに丁度この事件だ。
「もし巻き込まれていたらと思うと生きた心地がせず、妻もこの有様で……娘の名は『あかね』と言います。どうか皆さん、私達の娘を取り戻してください」
カンガルーのぬいぐるみをいつも大事に抱えているため、それが目印になるだろうと告げ、紳士は再び深々と頭を下げる。
「みなさん、私からもよろしくおねがいいたします」
受付もエージェント達へとそう述べ頭を下げたのだった。
――その頃。
真っ暗な室内に、何十人と座れる大きな机があった。
足元のあたりを僅かに照らす明りに、多数の人物が座しているのが辛うじて判る。
上座に向かうにつれて照明は更にしぼられ、ほぼそこに居るべき人物の姿は見えない。
最も奥の席には身なりの良い紳士然とした人物が一人。背後に黒いサングラスをかけた屈強そうな身なりの男を二人従えているあたりからみても、ただものではないと察することができるだろう。
その紳士然とした人物が音もなく立ち上がると、途端に席をかこむ一同が彼の方へと視線を向けた。
彼は大仰な身振りをつけその場の一同へと語り出す。
「例の自然公園で起った事件……たんなる偶然だと思うかね?」
彼の言葉に、周囲の空気が苦さを含んだものへと変わっていく。
男は更にこう続けた。
「動物たちの暴走は能力者のせいなのではないのかね?」
途端にささめく声が各所から湧きだす。
「まさか、そんな事が?」
「いや、やつらの持つ人間離れした力なら、可能かもしれないぞ」
紳士は彼らの言葉に答える事なくただ黙するのみだ。
会議場は次第にヒートアップしていく。
「そうだ! 能力者のせいだ!」
「あいつらが、我々に、人間に危害を与えようとやっているに違いない!」
「あいつらは人間ではない! 能力者を全て滅ぼせ!」
熱情に浮かされた場を、口火を切った紳士はただひとり静かに眺めていた。
解説
■注意事項
・このシナリオは全三回を予定しております。
・三話構成の予定、かつ謎解き要素があるため、オープニングでの問題提起が必ずしも一回目で解決できるとは限りません。一回目でどこまで謎が解かれるかは皆様のプレイング次第です。
・また、二回目以降、ストーリーが進めば新たな謎が発生する可能性もあります。
・他のオーストラリアシナリオと内容的にもリンクしておりますので、そちらも読むと何かヒントがあるかもしれません。
・皆様の発想で自由にプレイングをかけてください!
■現状解説
シドニーから北西に200キロほどの場所にある自然公園に従魔と愚神が出現しています。
愚神はドロップゾーンを形成しているため最低でもデクリオ級以上と目されています。
自然公園の外周部には一般人が多数おり、何故かカンガルーの着ぐるみを着て、カンガルーっぽいお土産物を売る屋台を作ったりしています。
カンガルーエリアそばの休憩所に、事件発生時には袋谷・あかねと、正体不明の少年ススムがいたようです。
園内は渓谷があったり森林地帯があったりするため、通常時はバスが運行していましたが、現在はそれらの足はさすがに望めないでしょう。
園内の動物たちはかなり弱っており、人前に姿を現わす事はありません。ただしカンガルーだけはさほど弱っておらず、遭遇した場合、襲撃してくる事があります。
エージェントの身体能力的には、問題無くカンガルーの攻撃は回避できますし、受け止めてもダメージはほぼありません。しかし、園内にはカンガルー型従魔も存在しているため「カンガルーだと思ったら従魔だった」という事態も発生する可能性があります。油断は禁物です。
また、通常、ドロップゾーン内では一般人や動物は昏倒しますが、彼らが意識を失っていない上、不可解な行動をしているところから察するに、エリアルーラーである愚神により何らかのルールが定められていると見て間違いないでしょう。
■キャラクターが取り得る選択肢例
選択肢1、自然公園に乗り込む!
・解説
文字通り、自然公園内へと乗り込みます。
現在自然公園内部はドロップゾーンと化しており、愚神が出現した際その場にいた一般人たちは概ね自然公園の外周部に配置されております。なお、何故か彼らはカンガルーの着ぐるみを着ていたり、カンガルーっぽいお土産物を売る屋台を作ったりしています。
従魔が多数出現する可能性があります。
愚神について探るなり、従魔を少しでも減らして今後に備えるなり、ご自由にどうぞ。
選択肢2、シドニーで周辺で聞き込みをする
・解説
シドニーにはH.O.P.E.の支部がある他、自然公園に勤務する職員なども暮らしている市街地があります。そしてオペラハウスやハーバー・ブリッジ等、観光スポットとしても有名なので色んな人が居るかもしれません。
そういった場所で聞き込みをします。もしかしたら、あかねの行方や、自然公園の日頃の状況について知っている人がいるかもしれません。
具体的に「どの時間帯に」「どんな場所で」「どんな内容を尋ねるのか」が書かれていると有利になるかもしれません。
また、どうしても観光がしたい人は聞き込みのフリをして観光しちゃうのもアリかもしれません。
■NPC情報
袋谷・あかね(ふくろや・あかね) 7歳 女性
旅行でオーストラリアにやってきた少女。
自然公園内にとり残されているらしい。両親から捜索願いが出されている。
動物、とくにカンガルーが好きらしく、カンガルーのぬいぐるみを抱えてシドニーを歩く姿が幾度か目撃されている。
ススム 8歳 男性
自然公園内にとり残されていると思われる少年。
素性は不明ながら動物に詳しく、現地についても土地勘がある模様。どうやら、あかねと親しいらしい。
■お願い
お友達と一緒に参加される方は、お互い相手の名前とIDをプレイングの最初に書いて下さると助かります。
(同名の人物が参加していた場合の混乱や、迷子防止の為です)
団体で参加される場合は、プレイングの最初に団体名でもOKです。
マスターより
はじめまして。高橋一希と申します。
この度はオーストラリアでの皆様の冒険をお手伝いさせて頂く事になりました。
楽しい冒険にできるよう尽力いたしますのでよろしくおねがいいたします。
それでは、皆様のご参加をお待ち致しております。
リプレイ公開中 納品日時 2015/12/17 18:00
参加者
掲示板
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カンガルーパニック!
最終発言2015/11/26 08:54:17 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/11/26 02:09:05 -
【選択肢1】カンガルー対策
最終発言2015/11/26 02:33:09