本部
誓約と神と
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 6~8人
- 英雄
- 6人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/09/22 15:00
- 完成予定
- 2015/10/01 15:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/02/17 13:51:25 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/09/18 03:53:06
オープニング
リーンゴーン、リーンゴーン――――
都心から離れた小さな町に、こじんまりとした協会がある。小高い丘の周囲には何もなく、その日は雲一つなく空が晴れ渡っていたこともあって、緑の芝生や真っ白な協会は色鮮やか。最高の結婚式日和だった。
今日この日、二人は神に祝福され長い生涯を共に乗り越えるようにと、送り出される。
「良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も……」
神父がそう口上を並べ、新郎も新婦も穏やかな顔で見つめ合い。うれしくてたまらないという表情をお互いに向ける。
「共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い……」
人で埋め尽くされた長椅子からは、柔らかな視線と暖かな空気が向けられていた。
この場にいる誰もが、二人の長い苦難の道を知っているからだ。二人は何度も別たれ、何度も出会い、そして不遇な環境をものともせず、お互いを愛し続けることを誓い、この日を迎えている。
「他の者に依らず、死が二人を分かつまで、愛を誓い、お互いに添うことを誓いますか?」
誰もが祝福するその婚約は、しかし一転して打ち砕かれることになる。
「誓います」
そう二人が答えた瞬間だった。
神父の口元が吊り上り、それまであった穏やかな表情は消えうせた。
「今、神に誓ったな!」
そう言って神父はその手に持つ聖書を無造作に床に落とした。そのページには血文字で『Guilty』と書かれており、それを見た来客たちはざわめいた。
「何をふざけたことを言ってるんだ、式が台無しじゃないか?」
「黙れ!」
その時、未来を誓い合った二人の目の前に神が顕現した。
まるで最初からそこにいたように、身長二メートルの白い布だけを纏った、背中に黄金の十字架を背負った男が現れたのだ。
「捧げよ、私が神だ」
そう言うと男は新郎を片手で払い、壁に叩きつけると、新婦を片手で持ち上げた。
「イヤっ!」
そう鋭く叫ぶも、その圧倒的力を振りほどけず、恐怖に顔が引きつる。
「やめて!」
そしてその男は新婦の首筋に牙を立てた。その瞬間新婦の目はうつろになり、そして。物言わぬ人形とかしたのだ。
「ほら、死が二人を別つまで……、ふははははははは!」
そう神父が叫ぶと、男が纏っていた白い布がはためき、伸び会場にいた全員の首筋へと突き刺さる。
その後残ったのはわずかにうめき声をあげながら、虚ろな両目を開き息をするだけの人間電池たち。
そう彼らは人間を生かして保存することによって、ライヴスの安定供給を図るつもりなのだ。
「なぜだ、なぜ私はこんなことをしている、ほんとに私はこんなことをしたかったのか?」
そう神父が血の涙を流し。神は笑う。
そして大量のライヴスを得たことによってドロップポイントはドロップゾーンへと変化し、直後町を飲み込んだ。
* *
そんな未来を予知したH.O.P.E.所属のプリセンサーは、直ちにこの事態を司令官に伝えた。
事態は一刻を争う。司令官ははすぐにリンカーたちを収集した。
「すまない、緊急で対処にあたってもらいたい事件がある」
そう司令官は焦った様子で皆の返事もきかないうちに話を始めた。
敵はケントュリオ級が一体。現状ライヴス不足なのかドロップポイントを生成する程度の力しか持っていないようだ。従魔も使役していない、こいつだけの対処であれば苦労することはないだろう。だが注意するべき点が二つある。
いくら力が弱くても愚神としての能力をきちんと持っていることに加え、奴が得意としているのは洗脳。
「どうやら体内にライヴスを流し込むことによって人間を洗脳できるらしい。それこそ一般人に至ってはかすり傷からでもライヴスを流し込めるようだが、おそらくリンカー相手にはそうはいかない」
しかし、あの牙につかまればどうなるか分からないと司令官は続けた。
「さらに、彼が見た光景で死人は一人もいなかったが、おそらくそれはあえての行動だ。殺さず洗脳することで盾にも使えると計算しているんだろう。狡猾な奴だ、頭が切れる」
もし一般人が操られている場合は、なるべく傷つけないようにしてほしいと司令官は続けた。彼らには全く戦闘力はないが、愚神をかばうことや、リンカーたちにまとわりつくことはできる。
「幸い洗脳を解くにはライヴスの流れを妨害すればいいとわかっている、つまり一度でも攻撃を当てると正気に戻るが加減が必要になる」
そして最後に、と言いにくそうに司令官は続けた。
「おそらく、神父も操られている、あの愚神と契約していることは間違えないが口車に乗せられたのか、もしくは洗脳されて、望まない悪行を強いられている。なるべくなら彼も助けてやってほしいとおもう」
司令官は一つため息をつき、そして言葉を続けた。
「時間は二時間後、準備と移動時間を考えるとギリギリなんだ。引き受けてくれるか?
彼ら、彼女らの幸せな時間を取り戻すことはできないかもしれない、けれどあの新郎新婦なら今後幸せな時間を作っていけると思うんだ、その時間すら奪わせたくない。だから頼む、協力してほしい!」
そう司令官は皆に頭をさげた。
解説
*目標 愚神の討伐
<ケントゥリオ級愚神(以下ギルティと呼称)の討伐〉
近接攻撃型。体にまとう布で広範囲中距離を攻撃可能だが、威力が低く洗脳効果もリンカーに及ぶほどのものではないと推測される。
ただしその鋭い二本の牙は高い洗脳能力があり、捉えられるとBS洗脳を受ける。血を吸っているわけではないため体力が奪い取られるといったことはない。
〈一般人〉
洗脳を受けている一般人、一般人を洗脳するとややステータスが上がるらしく、リンカーの攻撃で死ぬことはないが、怪我をする可能性は十分考えられる。
また一撃でも攻撃を受けると洗脳効果は解除される。(BD洗脳のルールと同じものが適用される)その場合意識を失っていなければ自分で逃げ出すだろう。
ただ、一般人への攻撃はリスキーなので、そこはリンカーの実力が試される。
<神父>
神父もおそらく洗脳されているものと思われる、ただし神父に戦闘能力はなく一般人の少し耐久力が高い程度なので洗脳の解除には最新の注意を払うように
<追記>
建造物の破壊はやむなしとの判断、人命の被害以外は考えなくてもよい
マスターより
はじめまして、鳴海です。
今後ともよろしくお願いします。
今回はスタンダードな戦闘物を目指してみました。妨害要素は多くありますが敵も一体なのでそこまで複雑でもないです。
気軽にプレイしたい方にお勧めです。よろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2015/09/29 13:36
参加者
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/02/17 13:51:25 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2015/09/18 03:53:06