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【異界逼迫】連動シナリオ

戦闘

【界逼】恐竜たちの狩場

落花生

形態
イベント
難易度
やや難しい
参加費
500
参加人数
能力者
17人 / 1~25人
英雄
14人 / 0~25人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2018/09/05 09:00
完成予定
2018/09/14 09:00

掲示板

オープニング

 自然溢れる、アフリカの大地。その草原には、現代の動物たちが各々に生を謳歌していた。それは、人間も同じである。アフリカの人々は、今日も照りつける太陽の下で日々の生活を営んでいた。
 そして、それが崩れたのは突然であった。
 スワナリアを襲った大爆発。
 現代と古代を隔てていた壁は、一夜にして数十の大穴を明けたのであった。

 スワナリアから程近い地区の街では、朝から緊張が漂っていた。スワナリアの壁が壊れた、というニュースがすでに流れていたからである。日本で言えば地方都市ほどの発展を遂げた、この街の人々は見慣れたはずの動物の影にすら怯えていた。
「これは、トカゲなのかしら?」
 街のなかで、エステルが小さなトカゲのようなものに手を伸ばす。
『触ってはいけない。危険な恐竜だったら、どうするんだ!』
 アルメイヤは、急いでエステルを引き寄せる。だが、隣にいたリンカーの一人が「それは、普通のトカゲです」と呟いた。普段ならばアルメイヤの行動に笑いの一つもあがったかもしれないが、今はそうではない。なにせ、恐竜の危険は身近に迫っているのだ。
「夜通しで街の人を非難させているのに……全然終わらない」
 エステルが、街の様子を眺める。街は、最低限の荷物をもった人々で溢れかえっていた。スワナリアの壁が壊れた夜、H.O.P.E.はすぐにリンカーたちを集めて現地に派遣した。そして、現地で二チームに分かれたのだ。
 恐竜を街に入れないようにするためのチームA。
 住人たちの避難やパニック防止を優先させるチームB。
『近くの街まで、人々を非難させているが……車やバスといった移動手段が致命的に足りないからな。街と街との往復にも、結構な時間がかかっている現状だ。街の人間全員を避難させるのは、かなり難しいぞ』
 アルメイヤは、冷静に呟いた。普段住んでいる日本と違って、アフリカには電車や新幹線がない。一気に人を運ぶという手段が、ひどく限られているのだ。
「でも、空港はあるのに……」
 飛んで逃げられないものか、とエステルは呟く。
『飛行機の数が少ないんだ。そもそも置いてある飛行機もさほど大型ではない』
 徒歩で逃げようにも、外に広がるのは強い日差しと野生動物が出没する可能性がある過酷な環境。現代人が、徒歩で逃げるのは難しい。
「たっ、大変だ!!」
 通信機を握っていたリンカーの一人が、悲鳴を上げる。
「街の外を守っていたチームAと連絡が取れなくなった……」

●街の外
 もしもの時は街の外で恐竜たちを攻撃し、撃退あるいは時間を稼ぐことを目的としていたチームA。彼らがどうなったかを確認するために、アルメイヤは持ち場を離れてチームAの通信が途切れた場所へと向う。街からさほど離れていない草原。その草原で、アルメイヤはかつてチームAであったものを発見する。
『エステル……見るな』
 自分と共鳴しているエステルに、アルメイヤは呼びかける。アルメイヤが発見したのは、人間の残骸であった。足や手といった人体の一部が、食いちぎられた状態で地面に落ちている。血に染まる草原の緑に眉をひそめながら、アルメイヤは冷静に仲間に連絡を取る。
『チームAは、おそらく全滅した。食われた跡がある。一口で食べられていないところを見ると、遭遇した恐竜が大型ではないはずだ……ちょっと待て、足跡がある!』
 アルメイヤは、複数の恐竜の足跡を発見する。
 その足跡の多くは、大きさが不ぞろいであった。巨大なものもあれば、小さなものもある。鶏のような足跡の形状から言って、恐らくは肉食恐竜のものだとは思われるが……。
『大きさの違う足跡が複数? これはどういうことなんだ』
 悩むアルメイヤの元に、仲間たちから連絡が入る。
「すぐに戻れ、恐竜が街に入り込んできた!」

●空港
 空の上からその恐竜を見たとき、正義はそれをティラノサウルスだと思った。
「あれは……アロサウルス」
 正義の隣に座った塔の女性が、心配そうに呟く。正義は、塔の女性を護衛するという任務についていた。といっても、今のところは同じヘリコプターに乗っているだけである。だが、これから仕事になりそうだ。
 正義は上空から、アロサウルスを見つめる。大小さまざまな大きさのアロサウルスたちは、どうやら群れで行動しているらしい。親と思しき成体は、逃げ惑う人々を車のようなスピードで追いかける。そして、人に噛み付くとほとんど一飲みで食べてしまった。
 近くに子供がいるのに、分け与えようとはしない。子供は親の様子を見て――やがて、親の行動を真似し始める。
「これは、狩りの練習や!」
 思わず、正義は叫んだ。
 スワナリアにほど近い街は、アロサウルスの狩りの練習場にされていたのだ。
「このあたりで、ヘリコプターが降りられるのは空港しかあらへんけど。そっちは無事なんやろか?」
 正義は、双眼鏡で空港がある方向を見た。
 そこにいたのは、建物よりも巨大な首の長い恐竜であった。
 アルゼンチノサウルス――恐竜のなかでも最も巨大で体重は90トンにすら及ぶといわれている恐竜たちが、空港を跋扈していた。
「あかん、あんな巨大な生き物が空港なんかに入ったら……」
 正義の心配は的中していた。
 アルゼンチノサウルスは歩くだけで空港のコンクリートを砕き、ヘリコプターが空港に着陸できない状態にしてしまう。
「アルメイヤ! 聞こえてるんやったら、すぐに空港のでっかい恐竜を避けるんや!!」
 通信機から帰ってくる声は「無理だ!」であった。

●西入り口付近
 アルメイヤは何とか街に戻っていた。
 だが、空港にはたどり着けないでいた。
『なんだ、この恐竜は……』
「これは図鑑で見たことがある……たしかステゴサウルス」
 草食恐竜であるステゴサウルスは、街の人々を避難させるために集めた車に威嚇していた。どうやら、車のエンジン音がステゴサウルスには肉食恐竜のうなり声に聞こえるらしい。尻尾についている鋭いスパイクを振り回し、バスや車を次々に横転させていた。バスのなかには人も乗っている――見捨ててアロサウルスが暴れる中心部や空港がある北には行くことができない。
『エステル……危険に巻き込んですまない』
 アルメイヤは、小さく呟いた。

●中心部
 アロサウルスが暴れる街の中心部には、青年が一人立っていた。塔の女性が奪った笛を弄びながら、青年はアロサウルスが人間を食らうのを眺める。
「狩りを教える本能……実に美しい。けれども、彼らはきっと腹が満ちれば眠ってしまう」
 所詮は動物、と青年は笑った。
「でも、この笛さえあれば」
 青年は、笛を吹く。
 その笛の音を聞いたと単に、まだ捕らえた人間を食べていないアロサウルスの子供は次の人間を追いかけ始める。その光景を見て、マガツヒの青年は笑った。
「この笛さえあれば、恐竜たちは美しい本能を忘れてしまう。そうだ、いいぞ。限界まで、殺し尽くせばいい」

解説

住民の保護
笛の奪還

西入り口付近――住人たちを逃がすために車を集めたエリア。大小さまざまな車があり、車以外の障害物はない。住民が多く集まっており、車のなかに立てこもり恐竜をやり過ごそうとする。恐竜から逃げようとして車を発進させ恐竜に襲われてしまう住民もいる。アルメイヤが、恐竜と戦っている

中心部――街の繁華街。大小さまざまな店が並んでおり、避難し遅れた人々が大勢いる。作りは賽の目上になっている。道幅は広く、建物以外の障害物はない。建物は木製が多く、倒壊しやすい。街の中心にあるビルは丈夫な作りをしている

北空港――住民が乗った飛行機はすでに飛び立っているため、住民がいないエリア。残っている機体は、小型機ばかり。小型機以外の障害物はなし。恐竜が歩くたびに破壊されて、塔の女性が乗っているヘリコプターの着陸が難しくなる

ステゴサウルス――5体出現。尻尾のスパイクで、攻撃する。車のエンジン音に敏感。動きはゆっくりだが10メートル以上の巨体であり、とても力が強い。知能が高くなく、危険そうなものにはとりあえず攻撃する

アロサウルス――素早く動くことが出来る。10メートル前後の大人5体。5メートル前後の子供10体出現。大人は外に出ている人間を襲い、子供は室内にいる人間を襲う傾向がある

アルゼンチノサウルス――40メートル以上の巨体であるため、外敵に怯えるということがない。好物は柔らかい葉っぱだが、地上に近すぎるところにあっても気づかない。凶暴化すると尻尾を振り回し、敵味方関係なく攻撃しようとする。2体出現

塔の女性――ヘリコプターに乗っている。笛を手にすれば、恐竜たちを沈静化させることができる。正義が護衛している

PL情報
マガツヒの青年――恐竜が満腹になった頃合に笛を吹き、必要以上の殺しをさせようとする。笛の音はよく響く。街の中心にあるビルの屋上に出現。銃器を武器として持っているが攻撃力は高くない

マスターより

こんにちは、落花生です。
今回は市街で恐竜と戦うシナリオになります
このシナリオに登場する恐竜はアルゼンチンサウルス以外はオーパーツを飲み込んでおり、リンカーへの攻撃が可能です。また、一度凶暴化した恐竜は恐怖心などを失うために、攻撃されても逃げることはありません。逆に襲ってきます。

関連NPC

  • エージェント
    良田正義az0013
    人間|29才|男性|防御適性
  • シーカからの逃亡者
    エステル・スライマーンaz0062
    人間|13才|女性|生命適性

リプレイ公開中 納品日時 2018/09/09 13:58

参加者

  • 藤の華
    泉 杏樹aa0045
    人間|18才|女性|生命



  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 断罪者
    凛道aa0068hero002
    英雄|23才|男性|カオ
  • 太公望
    御神 恭也aa0127
    人間|19才|男性|攻撃
  • 非リアの神様
    伊邪那美aa0127hero001
    英雄|8才|女性|ドレ
  • 義の拳客
    リィェン・ユーaa0208
    人間|22才|男性|攻撃



  • 誓約のはらから
    辺是 落児aa0281
    機械|24才|男性|命中
  • 共鳴する弾丸
    構築の魔女aa0281hero001
    英雄|26才|女性|ジャ
  • 敏腕スカウトマン
    雪ノ下・正太郎aa0297
    人間|16才|男性|攻撃
  • チーム『従魔イーター』
    悪食丸aa0297hero001
    英雄|15才|男性|ブレ
  • 共に歩みだす
    皆月 若葉aa0778
    人間|20才|男性|命中
  • 温もりはそばに
    ラドシアス・ル・アヴィシニアaa0778hero001
    英雄|24才|男性|ジャ
  • まだまだ踊りは終わらない
    餅 望月aa0843
    人間|19才|女性|生命
  • さすらいのグルメ旅行者
    百薬aa0843hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • 苦悩と覚悟に寄り添い前へ
    荒木 拓海aa1049
    人間|28才|男性|防御
  • 未来を導き得る者
    メリッサ インガルズaa1049hero001
    英雄|18才|女性|ドレ
  • つむじ風
    豊浜 捺美aa1098
    人間|16才|女性|回避



  • その背に【暁】を刻みて
    東江 刀護aa3503
    機械|29才|男性|攻撃
  • 優しい剣士
    双樹 辰美aa3503hero001
    英雄|17才|女性|ブレ
  • LinkBrave
    夜城 黒塚aa4625
    人間|26才|男性|攻撃
  • これからも、ずっと
    ウーフーaa4625hero002
    英雄|20才|?|シャド
  • 絶対零度の氷雪華
    氷鏡 六花aa4969
    獣人|11才|女性|攻撃
  • シベリアの女神
    アルヴィナ・ヴェラスネーシュカaa4969hero001
    英雄|18才|女性|ソフィ
  • 鎮魂の巫女
    天城 初春aa5268
    獣人|6才|女性|回避
  • 天より降り立つ龍狐
    辰宮 稲荷姫aa5268hero002
    英雄|9才|女性|シャド
  • 春を喜ぶ無邪気な蝶
    クリスティン・エヴァンスaa5558
    人間|10才|女性|防御
  • 山瑠璃草
    砺波 レイナaa5558hero001
    英雄|16才|女性|バト
  • 黒ネコ
    獅堂 一刀斎aa5698
    獣人|38才|男性|攻撃
  • おねえちゃん
    比佐理aa5698hero001
    英雄|12才|女性|シャド
  • 魔法マニア
    ルカ マーシュaa5713
    人間|19才|男性|防御
  • 自己責任こそ大人の証
    ヴィリジアン 橙aa5713hero001
    英雄|25才|男性|カオ

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