本部
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 5~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/08/08 15:00
- 完成予定
- 2018/08/22 15:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
相談卓
最終発言2018/08/07 22:05:53 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/08/06 21:20:35
オープニング
●
「大丈夫か……っ」
ギルが声を振り絞ると仲間達が呻きを上げた。ギル達は野生動物の保護活動を行っており、彼らを密猟者から護るため今日も巡回を行っていた。
そこに突然起こった地震。慌てて車を発進させた。覚えているのはそこまで。気付けば仲間共々土砂の上に転がっていた。痛む腕を押さえながら必死に仲間へ声を張る。
「助けを呼んでくる。車はひっくり返っているしここが何処かもわからない。あと二名一緒に来てくれ。他の者はあの樹で待機だ」
安全確保のためにも怪我人を移動させた後、二名と共に歩き出した。聞き覚えのない鳴き声がそこかしこで響き渡る。近付かない方がいいと判断し、出来るだけ静かな方へ歩を進める。
「隊長、あれは」
と、仲間の一人が前を指した。指した先には街があった。ギリシャ風の彫刻が為された真っ白な建物群。だが当然、今いる筈のサバンナにこんな建物は存在しない。
「ここは一体何処なんだ」
「ブォオオオオッ!」
ギルの声を掻き消すように巨大な音が響き渡った。視線を向けるとそこには存在し得ない生物がいた。オウラノサウルス。全長約7m、四足歩行の草食で、1億2500万年から1億1200万年の白亜紀前期に存在していた、恐竜。
「どうして恐竜が生きて……動いて!」
「とにかく脱出だ、こんな所に長くはいられない!」
草食だろうが4トンの巨体は十二分に脅威である。不幸中の幸いと言うべきか恐竜の姿はまばらであり、建物の先には門らしきものが見え隠れする。門と言うより城壁に開いた出入り口と言うべきだが……近付いて気付いた、ここは五十メートル程の城壁で囲まれているらしい……ともかくあれを目指すべきだ。物音の出ぬよう注意しながら、ギル達はただ門を目指す……。
「あー、やる気がこれっぽっちも出ねえわー」
突然、恐竜とは明らかに違う人間の声が降ってきた。顔を向けるといつからいたのか、奇妙な面を付けた少年が建物の上に座っている。
「俺さー、一生遊べるぐらいの富とか全然興味ねえんだわ。だって世界ぶっ壊れたらそんなの全然意味ねえじゃん。どっちかと言うと俺は世界を壊すの希望でさー。一生遊べるぐらいの富がただの紙キレになっちゃうレベルに。つっても俺みたいな雑魚お邪魔虫になるだけなんでー、ちょろっと抜け出てこんな所でサボったりしてるワケですよ」
説明口調のようでいて間違いなく独り言。その証拠に面の目は明後日を向いている。だが人間である事に変わりない。ギルは黒地に一つ目の、面の少年へと話し掛ける。
「君、手を貸してくれ。仲間が怪我で動けない。誰か呼んでくれるだけでもいい。頼む、力を貸してくれ」
仲間達も「お願いだ」と少年へと頭を下げる。面の奥で、少年が笑った気配がした。
「いいよ」
●
救護要請が入ったのは、スワナリア出現の報からまもなくの事だった。スワナリア上部にはバリアのようなものが張られ、当時地上にいた一般人はバリアを滑り土砂と共に外縁に落下したらしい。現在アフリカ各国が彼らの救助に当たっている。
「だがバリアに一時亀裂が生じ、落下した車があったそうだ。バリアは現在も展開中で、ヘリ等を用いて上空から突入するのは難しい。またマガツヒが侵入しているため非リンカーは派遣出来ない。
なおスワナリアでは恐竜の姿も確認されているらしい。リンカーであれば問題ないが、一般人はそうもいかない。とにかく、一刻も早く救助してくれ」
●
直径二十八キロメートルを取り囲む白い城壁。その西側には狭い出入口が数多く存在していた。どの出入り口も人一人通るのが精一杯で、車で入るのは無理だろう。つまり怪我人がいた場合担いでここまで運ばねばならない。
ガイル・アードレッドはライヴスの鷹をスワナリア上空へと舞わせた。同じナニカアリ荘の住人、李永平は古龍幇に帰還しており、今後の動向について劉士文と話し合うという事だ。もしかしたらこのまま帰ってこないかもしれないが、ガイルはそれはそれとして事件に関わる事にした。なにより一人のエージェントとして。
鷹が要救助者を探し出そうと鋭い瞳を地上に向けた、刹那、一発の弾丸が鷹の胸部を貫いた。ダメージを受けた鷹は掻き消え、ガイルは地上から狙撃された事を知る。
「誰かいるでござる!」
「いるよ。いちゃ悪い? 謝ったら許してくれる?」
ガイルの声に被せるように、汚泥を思い起こすような少年の声が聞こえてきた。パーカー姿の、高校生と思しき少年。その顔に嵌まった面にガイルが大きく目を見開く。
「パンドラ!? しかし、パンドラは撃破されたと!?」
エージェント達は一斉に少年へと得物を向けた。マガツヒに所属していたトリブヌス級愚神、パンドラ。この少年の外見はヤツにあまりに類似していた。全くの赤の他人でも面のマークはマガツヒの物。マガツヒの一員と警戒するのは当然だ。
少年は慌てた風もなくゆっくりと両手を挙げた。敵意のない事を示すためのものではない。馬鹿にしている。そうとわかる動作だった。にたにたと嘲笑っているだろう事が分かる声音で少年はこう言った。
「待て待て待て。何考えてるか知らねーけど、俺は『人間』だぜ? リンカーでもない一般人。人間かそうじゃないかわかるスキル持ってんだろ? 使ってみろよ。俺を殺したら人殺しになるってわかるから」
「非リンカー? なら、何故マガツヒの面を!?」
「ちったあ考えてから聞けよなあ。でも親切だから教えてやるよ。従魔が乗り移ってんですよこんな感じで。あ、でもでも従魔は手甲と足甲だけで、他の部分は人間のままだから攻撃当てれば死ぬからな」
少年の内から染み出すように、緑色のアメーバ状が少年の四肢を覆い尽くした。このアメーバ状が「手甲足甲」という事だろう。そしてそれ以外の部分は生身で、そこに攻撃を当てれば、
死ぬ。
ガターンと、何かが砕ける音が少年の背後で響き渡った。目を向けるエージェント達に少年はゲタゲタ笑い出す。
「そういやさっきオッサン達に会ってさー、『力』を貸してくれって言うから従魔貸してやったんだよね。でも制御出来ねーみたいで、早く助けないと死ぬかもな。ヒヒヒヒ!」
瓦礫の上を這うように、大きさの違う赤黒いムカデが二匹現れた。否、それはムカデのように寄り集まった無数の箱型従魔だった。従魔は建物に激突しつつ暴れ回る。人間の悲鳴が箱の中から聞こえてくる。
「助けて……助けてくれぇっ!」
●場所情報
スワナリア西側
戦闘区域は50×50sq。二階建ての建物(頑丈だが壊せる)で構成された町。中央に片側二車線、計四車線、土が剥き出しの道路あり
住人なし。建物に家具等残されているが生活感なし。門付近に森がある。地下空間へ続く出入口なし。遠方に塩湖あり。オウラノサウルスが数匹おり、攻撃されると暴れ出す(ライヴス性の攻撃ではないのでリンカーならダメージを受けない)
解説
●目標
一般人の救出(面の少年は含まない)
●敵情報
奇箱・蝕(改)×2
小さな箱が寄り集まってムカデの体を為している。集合体を1体の従魔と考えて差し支えない
大きい方は全長4m、動きは遅いが防御と生命が高く、救助対象2名入り。小さい方は全長2m、防御・生命が低いが移動と回避が高く、救助対象1名入り
どちらもエージェントから逃げ回るように動き、7R経過で救助対象のライヴスを吸い尽くし殺害する。ダメージを与えると箱が壊れて隙間が出来、生命力半分以下で救助対象を引っ張り出せるようになる。ただし外に出した瞬間、従魔は救助対象を標的にする
・塵穿ち
前方5sqに突進する
・差し向ける悪意
箱から弾丸を飛ばし最大5体に1d6の固定ダメージ。射程20sq
・禍の狂持
パッシブ。1Rで2回行動可
面の少年
両手両足に従魔を装着した少年。救助の邪魔をするように行動。手甲足甲が一定ダメージを負うか奇箱・蝕(改)が1体倒れると逃亡。死亡すると……
・へらず口
少年を「敵」とする理論に穴があると反論する
手甲足甲
アメーバ状の従魔。両手両足合わせて1体ではなく、個々に独立した従魔(計4体)。少年への攻撃をカバーする
・衝撃吸収
ぐずぐずに柔らかい肉で衝撃を吸収しダメージ軽減
・優秀な細胞
触れた対象(少年含む)か自身のBS回復
・壊造:未熟
触れた対象か自身のステータスを強化or新たにスキル作成。1体につき1回使用可
・ヒトゴロシになる?
牽制や足止めなど「殺害を意図していない攻撃」が、判定の結果少年を殺害し得る攻撃で、かつ手甲足甲でのカバーが不可能だった場合、攻撃者の脳に少年を殺害するイメージが投影され意識を奪われる(【洗脳】付与)(「殺害を意図した攻撃」の場合はこの限りではない)
●NPC
ガイル&デランジェ
特に指示がなければ一般人の救助に向かう
スキル:潜伏/女郎蜘蛛
武器:二丁拳銃「パルファン」
マスターより
今回は特に以下の注意を述べさせて頂きます。
・使用可能物品は装備・携帯品のみ
・適切でないアイテム、スキルの使い方は反映出来ない(マスタリングで却下される)
・従魔にライヴスの通ってない攻撃は通用しない
・非リンカーはライヴス性の攻撃が当たれば死ぬ
・《ヴィラン》の逮捕方針について、ワールドガイド「この世界の脅威達(ヴィラン)」をご確認下さい
最後については「人間の殺害は原則許されない」という事です。この点については色々な考えがおありかと思いますが、とりあえずそのようなルールになっている事はご承知頂ければと思います。
それでも■■■■■を行う覚悟がおありならば。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/08/18 13:27
参加者
掲示板
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相談卓
最終発言2018/08/07 22:05:53 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2018/08/06 21:20:35