本部
除夜の鐘、初日の出。常陸国、参る!
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 7人 / 4~12人
- 英雄
- 7人 / 0~12人
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/12/26 12:00
- 完成予定
- 2018/01/04 12:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/26 10:09:04 -
【相談卓】盛り上げ隊
最終発言2017/12/26 12:09:14
オープニング
●2017年12月某日−−茨城県鹿嶋市、鹿島神宮
参道の大鳥居の前に集まった地元の人々の表情は、暗かった。
「空き店、増えちまったなぁ」
「定食屋のジイ様はもう歳だって、店閉めちまったしなぁ」
「みやげ屋のバアサマもまたギックリ腰やってよ。そろそろ嫁夫婦のとこさ行くかっつって」
彼らはそろってため息をついた。
ここのところ相次いで、歳で店を閉める人が出ていた。
若者はこぞって東京に出てしまうから、跡継ぎのいない店も多かった。
「そこのカフェバーの庄司さんみたいに、入ってくれる人もいっけどよ」
時々、わざわざ県外からやってきては、ここを気に入って店を出してくれる人もある。
それも全体からすれば、やはり足りてはいない。
「これじゃあ、今年の年末年始もよぉ……」
「ごじゃっぺだっぺよ」
「んだなぁ」
年越しから三が日にかけて、参道には多くの出店が並び、たくさんの参拝客で賑わうが、それも年々、勢いを失っていた。
最盛期を知る彼らとしては、歯がゆかった。
生まれ育った地が衰えていくのを見るのは、寂しい。
良い思い出ばかりではなかった。ここを出ていきたいと思うこともあった。
でも、やっぱりこの土地が好きだから、この場所で生きていくと決めた。
どうして、このまま指をくわえてみていられようか。
でも、だからと言って、どうすればいいのか……。
「……新しい風が、必要だっぺ」
皆がしょげてうつむく中、彼だけは、厳しい表情ながらも前を見据えていた。
彼の名は、門野尊仁。
高校卒業と同時に東京の大学に行き、一時はそこで就職をした。
しかし、二年前、実家の家業を手伝うため、地元に戻ってきた。
今は父とともに家業の酒屋と、代々続く土地の管理を行い、同時に、自身で行政書士の事務所を構えている。
新進気鋭の若者だった。
「つぅてもよぉ、タケやん」
「んだっぺよぉ、こんな田舎さ誰が来てくれんだぁ?」
「金だってあんましねぇしよぉ」
「情けねぇこと言うな、大丈夫だ! 世の中には、こういうイベントが大好きで、報酬も大して無くたって構わねぇっつぅ、熱いハートを持ったイケた人がいんだよ」
「ホントかぁ?」
「オレにまかしとけって」
タケやんはそう言うなり、スマホを取り出して、電話をかけはじめた。
●2017年12月某日−−H.O.P.E.東京海上支部ブリーフィングルーム
「皆さん、お祭りは好きですか? 私はもちろん、大好きです」
H.O.P.E.オペレーターの真田英雄はにこやかな表情で部屋を見回した。
おなじくオペレーターの一角真珠星は、その隣で処置なしと言わんばかりの呆れ顔を浮かべている。
「今回の依頼は、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮およびその周辺商工会からの依頼です。かの地は古くから続く大きな神社で、昔から多くの参拝客が訪れ、特に大晦日から三が日にかけては、出店が参道にずらりと並び、多くの人で賑わっています。しかし、近年、高齢化や人口の流出にともない、その規模が徐々に縮小しているとのことです。ぜひとも皆さんの力でこれを盛り上げて欲しい、というのが依頼の主旨です」
部屋中央のホログラムに現地の映像、そして例年の様子が映る。
「当初は、代表者の門野尊仁氏がリンカーの友人に個人的に話を持ち出し、『世界をまたにかけ、戦闘だけでなく芸能ごとにも長けたリンカーの力をぜひ貸してもらいたい』と熱く語っておられたようです。残念ながらそのリンカーが別の案件で動けないとのことで、こうして依頼案件とさせていただきました」
ホログラム上に、まとめられた依頼の詳細情報が浮かぶ。
「本件の目的は、大晦日から三が日の鹿島神宮および参道の商店街を盛り上げることです。参道で出店をするもよし、境内で催し物をやるもよし。何人か合同でも、地元のお店や神宮の人たちと協力してもオッケーです。とにかく自由に考えてほしい、可能な限りあらゆる案を受け入れさせてもらう、とのお話です。とはいえ、地域の振興があくまで第一目的ですから、その点はお忘れなく。他に、何か補足があれば」
真田が隣の一角に促す。
「それでは−−鹿島神宮は武甕槌神という武神を主祭神としており、その技を受け継ぐと言い伝えられる鹿島神流という総合武術は知る人ぞ知る名門です。宝物殿には多数の刀剣が展示されていますし、境内の奥には要石と呼ばれる霊石があり、地底のオオナマズを封じているとも言い伝えられています。他にも様々な縁故がありますので、調べてみると何かヒントになるかもしれません」
「それでは、説明は以上となります。年末年始の神社を大いに盛り上げていただきたく……」
しかし、そこで真田がハッとした表情を浮かべた。
一角がテキメンに嫌そうな顔をする。あ、コイツまたなんか変なこと言い出すぞ、と表情にありありと出ている。
「年末年始の神社といえば……地元の高校生やら大学生がこぞってバイトに来るという……ピチピチの若い巫女さんがいっぱい……ゴホン、私も依頼の経過が気になりますし、当日は時間を作って現地の査察に参りたいと−−」
「年末年始も社内でお仕事ですよ。ねぇ、真田さん」
「ぇ、いや、さすがにそれは、だって、クリスマスも−−」
「私から局長にかけあっておきますから。真田さんが年末年始、暇のあまり犯罪に走りそうだって」
「は、犯罪だなんて……イエス、ロリータ・ノータッチの精神で……」
「まさか、幼い女の子までなんて……本格的に病気ですね。大丈夫、3日も徹夜でカンヅメすれば、邪念も消え去りますよ。一緒に頑張りましょうね」
表情の乏しい一角には珍しく、ニッコリと微笑んだ。
それが逆に迫力を増している。
「………………はい……」
真田はがっくりと項垂れた。
解説
●目的
年末年始の神社を大いに盛り上げる
●場所
茨城県鹿嶋市、鹿島神宮
●日時
大晦日から三が日
●諸注意・備考
・報酬は寸志
・出店などの売り上げは各自の収入となる
・物の破壊などはNG
・あくまで地域の振興が第一目的
「あとはとにかく自由にやって下さい、ケツはオレが持ちます!」(門野尊仁氏)
マスターより
皆さま、よいお年を!(出オチ
MS砂部です。
今年一年もあとわずか。一年って長いようで、あっという間です。
さて、今回は年末年始の神社でのイベント、その出店側です。
幼いころは祭りの出店って全部、パンチパーマでグラサンのコワいオニイサンたちが全てバックで仕切っていると思ってました。
華やかなお祭りの光と影みたいな…
現実は意外とそうでもないようです。いえ、そういうところもあるのかも知れませんが。。。
今回、そういうコワいオニイサンは出てきませんので、ご安心を。
というわけで、大晦日から正月三が日の神社を、大いに盛り上げて下さい!
皆さまのご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2018/01/03 18:25
参加者
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最終発言2017/12/26 10:09:04 -
【相談卓】盛り上げ隊
最終発言2017/12/26 12:09:14