本部
忘れたい? 忘れていい?
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/10/15 07:30
- 完成予定
- 2017/10/24 07:30
掲示板
-
忘れたい過去を晒してください
最終発言2017/10/14 16:54:19 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/10/14 22:12:18
オープニング
●
ある日女性のもとに差出人の名前がない封筒が届いた。
中には手紙と複雑な紋様が刻まれた金色の鍵が入っている。
『辛い記憶はありませんか?
忘れたい記憶はありませんか?
これは秘密の図書館に入る魔法の鍵。
どの扉でもいいので鍵を使って開けてみてください。秘密の図書館に入れます。
図書館に入ったら最初に目を惹かれた本を手に取って下さい。
あなたの名前が浮かんだらページをめくります。
するとあなたの忘れたい記憶が綴られて行きますので、全て綴られたら本を閉じて図書館から出ます。
図書館から出た瞬間、あなたは辛い記憶から解放されるでしょう』
女性は胡散臭い内容の手紙をすぐ捨てたが、凝った作りの鍵を捨てるのは少し躊躇われ、インテリアの代わりとして置いておいた。
それを使って部屋の扉を開けたのは数日後。
恋人を失ってから三度目の命日を迎えた夜だった。
「姉さん、今日カウンセリングに来なかったんだって? 先生が心配してたわよ」
姉の家に訪れた妹は思ったよりは元気そうな姿を見て安心したが、ここに来るまで最悪の事態を想像していたため口調が少し咎めるものになってしまった。
姉が恋人を失ったのは数年前。ショックのあまり不安定になった彼女にカウンセリングを勧めたのは妹だった。
しかし、姉は妹の言葉にきょとんとして首を傾げる。
「カウンセリングって?」
「え?」
今度は妹の方が目を見張った。
「何を……言ってるの? 姉さんはその……恋人が亡くなってからさ……」
「あなたこそ何言ってるの。私まだ恋人募集中よ」
おかしなことを言うのねと笑う姉の顔を、妹は呆然と見詰める。
恋人の命日が近付くにつれ食事も通らなくなる姉の頬は少しこけていたが、その笑顔は何の屈託もない、恋人を失う前の明るい姉の笑顔だった。
●
「記憶が一部失われると言う事件が起きています」
職員が用意した地図には発生個所を示す赤いマークが八カ所に散っている。
被害者は亡くなった恋人や家族、仕事を失敗した事や大切な物を失くした事など『辛い記憶』だけを忘れている。その部分だけが虫食いのように記憶から失われているのだ。
記録や関係のある人物の証言を聞いても「本当にこんな事があったのか」と否定的な反応をすると言う。
「病院の診察やカウンセリングを受けた人もいますが、『異常なし』『心因性の健忘ではないか』と言う結果ですから、余計に事件として扱われなかったのでしょう」
誰しも辛い記憶からは目を逸らしたくなるものだ。
身近にいる人間も被害者が苦しんでいるのを知っているため、騒ぎ立てる事も第三者に話す事もしにくかっただろう。
依頼が出されるきっかけとなったのはあるリンカーからの報告だ。
同じリンカー仲間が記憶の一部を失い、その数日前にGPSの反応が消失していた時間があったと言うのだ。
記憶の一部を失ったリンカーを調べた所、精神か記憶に何らかの干渉を受けた形跡が見付かった。
承諾を得て検査できた一般の被害者からも同様の形跡が発見されている。
「その後各地で調査を続けていましたが、それに関わると思われるプリセンサーの予知がありました」
予知は女性がポストで奇妙な封筒を見付けた所から始まる。
この女性は数年前に恋人を亡くしている。
ショックで精神的に不安定になってからそれまでいた友人知人とも疎遠になり、家族以外に手紙をやりとりするような相手はいない。
不思議に思いつつも中身を確認すると、どう考えても胡散臭い手紙と金色の鍵が入っていた。
女性は手紙の方はすぐに捨ててしまったが、鍵は捨てなかった。
そして恋人の命日になり不安定な気持ちになった彼女は鍵を使って部屋の扉を開けてしまう。
「予知ではその先で何が起きたかまでは知る事ができなかったそうです。しかし、部屋の中に戻ってきた彼女はその後訪問した妹との会話で恋人の記憶を失っている事が判明しています」
手紙の内容通りの事が起きたとしたら『秘密の図書館』には人々の記憶を『綴った』本があるだろう。
その本を回収する事ができればH.O.P.Eで解析し、記憶を元に戻す方法も探れる。
「女性が新聞を取りに来る前にポストから封筒を取ってください。扉は近くに空き家がありますのでそこで使いましょう」
職員は女性の自宅とその近くにある空き地の位置をズームアップする。
「ごく普通の女性が入って無事に……とは言い難いですが、五体満足で帰って来れたのです。危険は低いと思いますが、充分注意して下さい」
手紙の内容を信じるならこれまでの被害者八名の名前が書かれた本がある。それを回収して無事に帰還すれば任務成功である。
『最初に目を惹かれた本』を開くと記憶の一部を本に奪われる危険があるが、最初から分かっていれば避ける事もできるだろう。
「もし皆さんの記憶が奪われたとしても本の回収に成功すれば元に戻せる可能性はあります。多大な負担をかける事になりますが、どうかよろしくお願いします」
解説
●目的
・『秘密の図書館』に潜入し『記憶を綴った本』8冊を回収する
・『秘密の図書館』の調査
・『司書』と交渉し無事に『記憶を綴った本』を持って帰る(PL情報)
●状況
・午前中/晴れ
リプレイは鍵を入手した所からスタートします。空き家周辺に人気はありません
なお鍵は一度使うと消えてしまうようなので扉が開いたら一度で全員入らないと締め出されてしまいます。別行動は取らないように
●PL情報
オープニングに記載されているもの以外、PCは知らないものとして扱って下さい
・図書館ルール!
『最初に目を惹かれた本』を手に取るかどうかを選べます
手に取るかどうか、手に取った場合どんな「忘れたい記憶」があるのかプレイングに記載して下さい
この本を置いたまま外に出ると図書館に出た瞬間記憶を一部無くしますが、これは当シナリオ限定の設定です。システム上のペナルティありませんし、PCの設定に反映する必要もありません
・『秘密の図書館』
多種多様な『本』を収蔵した図書館。『鍵』さえあればどんな扉からでも入る事ができるようです
・図書館の『司書』
図書館の本の管理を任されている屈強な体躯を持つ男性。被害者の『本』を持ち帰ろうとすると出てきます
図書館で戦闘するのは避けたいらしく「8人の被害者の本を戻す(シナリオ失敗)」か「最低でも4人のPCの記憶を綴った本を代わりに寄贈する(シナリオは成功するが記憶を一部無くす)」か選択を迫ります
どちらかを選択した場合、司書は図書館の客としてPCをもてなしてくれます。図書館や司書の事など気になる事を聞いてみるのもいいでしょう。話せる事は話してくれます
どちらも拒否するか戦闘を仕掛けた場合、問答無用で被害者の本を奪取され叩き出されてしまうのでこれもシナリオ失敗です
マスターより
秋も深まってまいりました。ススキとブタクサが辛い……。
今回は謎の鍵を使って謎の図書館に潜入して謎の本や謎の人物が出現する謎だらけの調査シナリオです。
難易度こそやや易しいですが、注意しないとシナリオ失敗なので要注意!
リプレイ公開中 納品日時 2017/10/27 15:28
参加者
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忘れたい過去を晒してください
最終発言2017/10/14 16:54:19 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/10/14 22:12:18