本部

日常

故郷へ

布川

形態
イベント
難易度
易しい
参加費
500
参加人数
能力者
9人 / 1~25人
英雄
9人 / 0~25人
報酬
少なめ
相談期間
5日
締切
2017/07/21 22:00
完成予定
2017/07/31 22:00

このシナリオは1日間納期が延長されています。

掲示板

オープニング

●帰還
 戦いにもようやくひと段落が付き、シベリアを中心に発されていた避難指令のあらかたが解除が発表された。

 ドロップゾーンの影響が無くなったエリア、敵の掃討が完了したエリアなど、避難指示の解除されたエリアには、順次住民が帰還しつつあった。
 彼らの帰宅を支援するため、エージェントたちも東へ西へと奔走していた。

 それは、ほんのわずかに暖かさも感じる一日だった。

●線路の道
「並んでください、一列に並んでください」
 鉄道のホームに、駅員の誘導が響いていた。

 先の避難命令の部分解除に伴って、『新式シベリア鉄道』の路線が再び復活することとなった。
 かつて危険地帯から逃れるために使用された列車は、こんどは戻るためにと向きを変え、住民たちを彼らの故郷へと運ぶ。

 乗客は様々。
 退屈からはしゃぎまわる子供たちがいるかと思えば、神経質に新聞をめくる紳士もいる。
 中には、昼間から酒を飲んでいる赤ら顔の男まで。
 列車の空気は、様々な住民たちがいるせいでひどく混沌としている。半日以上も同じ車両に乗っていれば、良くも悪くも関わり合いが深くなるものなのだろう。

「あ、もしもし? そっちは……ごめん、電波が悪いみたいで……うん」
「はやくおうちに帰りたいよ、ママ」
「親父は無事かなあ」
「なんだ、何見てるんだよ?」
「ああ、神様……」
「あ、財布がない!」
「夫を見かけませんでしたか? 避難所ではぐれてしまって、ずっと……」
「ああ、もう、いつまでちんたら走ってるんだよ。荷物が多すぎる!」
「おなかがすいたな。何かないのか?」

●帰れえぬ故郷
 彼らの複雑な様子は、ひとえに喜ばしいとくくることもできないだろう。
 待ちきれずに故郷へと雪崩こんでいく住民もいれば、落胆し、足を引きずるようにして帰る住民もいる。
 騒ぎを起こす老人が目に付いた。

「すみません、ここでは降りられないんですよ。荷物の積み替えだけです」
「なんじゃ! すべての駅にとまるのではないのかね!」
「けれど……ここは廃線となっておりまして……」
 理由はすぐにわかるだろう。老人が駅と言い張るそこには、何もないのだ。駅はぼろぼろにくたびれており、一つの明かりすらもなく荒廃している。
 おそらく、従魔に襲われて壊滅した集落なのだろう。
「誰が何と言おうと、ワシはここで生まれた。そして、ここで死ぬんじゃ」
「ですが」
「誰も文句は言わんよ、おろしてくれ」
 老人は頑固に言い張った。

●道路の道
 鉄道の路線がすべてではない。
 もしも辺境の村々へ向かうなら、エージェントたちもトラック移動する、あるいはトナカイでそりを引く彼らに遭遇することがあるかもしれない。あるいは、エージェントが目的地へと向かう途中で、偶然に出くわす場合もあるだろう。
 そんな彼らを護衛するのも、エージェントたちの任務である。
 道路沿いには、ヒッチハイクを求めて札を下げている住民たちもいる。
「どうだい? 乗っていくかい?」

「昔からこんな生活だったから、別に故郷、なんて胸を張って言えるものではないのかもしれないが。それでもさみしいよ、大事なものは全部置いてかざるをえなかった。いくつ残ってるものやら」
 焚火を囲み、星を見上げる。
 空は澄んでいた。
「全く、飲まないとやっていられないね。長い夜だ。君たちの話を聞かせてくれないか?」

解説

●目標
 住民たちの帰還に同行し、避難住民を送り届ける。

●インフラ
 移動は
・鉄道
・バス、個人のトラックや乗り物
・キャラバン隊に同行する、あるいはキャラバン隊を組織する
 などの方法がある。鉄道で移動するだけで1日かかる。
 昼出発し、次の日の朝ごろに終点に到着する。
 基本的に1移動に焦点をあてており、何往復もすることは想定していない。

●シベリア鉄道・列車内
 帰り道ということでそれほど悲壮な空気は漂っていないが、どこかピリピリした雰囲気もある。
 泣く子どもたち、退屈そうな大人、乗客同士の言い争い。トラブルを挙げればきりがない。
 財布をスラれたと主張するもの、まだ再会できない家族を探しているものもいる。

・駅
 乗客はそれぞれの駅で降りていく。
 逆に、家族と再会して喜ぶものも多くいる一方で、荒廃した故郷に落胆するものや、駅員に無理を言う者たちもいる。
 ともすれば、帰る場所がない住民もいるかもしれない。

 途中で駅から降り、ルートを変え、そこから小さな集落に帰っていく住民もいる。
 彼らに付き添うこともエージェントたちの任務である。

・その他の移動手段
 駅から、あるいは初めから別の移動手段を使用することもできる。
 ともすれば、エージェントたちはH.O.P.E,から正式に依頼を受けたわけではなく、偶然に住民らと出くわしたのかもしれない。
 バスや個人のトラック、乗り物を運転してもよいし、あるいはトナカイがそりを引くキャラバン隊などというものもある。

マスターより

7月も半ばとなり、すっかり暖かくなりましたね。
シベリアはもう少し涼しいと信じたい。
MSの布川です。
避難住民たちに寄り添いつつ、少しの旅情を感じていただければ幸いです。

リプレイ公開中 納品日時 2017/07/30 21:50

参加者

  • 花咲く想い
    御代 つくしaa0657
    人間|18才|女性|防御
  • 共に在る『誓い』を抱いて
    メグルaa0657hero001
    英雄|24才|?|ソフィ
  • 絆を胸に
    麻端 和頼aa3646
    獣人|25才|男性|攻撃
  • 絆を胸に
    華留 希aa3646hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • 緋色の猿王
    狒村 緋十郎aa3678
    獣人|37才|男性|防御
  • 血華の吸血姫 
    レミア・ヴォルクシュタインaa3678hero001
    英雄|13才|女性|ドレ
  • 絆を胸に
    五十嵐 七海aa3694
    獣人|18才|女性|命中
  • 絆を胸に
    ジェフ 立川aa3694hero001
    英雄|27才|男性|ジャ
  • 葛藤をほぐし欠落を埋めて
    佐藤 鷹輔aa4173
    人間|20才|男性|防御
  • 秘めたる思いを映す影
    語り屋aa4173hero001
    英雄|20才|男性|ソフィ
  • 不撓不屈
    ニノマエaa4381
    機械|20才|男性|攻撃
  • 砂の明星
    ミツルギ サヤaa4381hero001
    英雄|20才|女性|カオ
  • 守りもてなすのもメイド
    Гарсия-К-Вампирaa4706
    獣人|19才|女性|回避
  • 抱擁する北風
    Летти-Ветерaa4706hero001
    英雄|6才|女性|カオ
  • 明日に希望を
    ナイチンゲールaa4840
    機械|20才|女性|攻撃
  • 【能】となる者
    墓場鳥aa4840hero001
    英雄|20才|女性|ブレ
  • エージェント
    ヴェロニカ・デニーキンaa4928
    人間|16才|女性|回避
  • エージェント
    藤山長次郎aa4928hero001
    英雄|67才|男性|ソフィ

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