本部
にゃんにゃんパニック!?
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/07/03 09:00
- 完成予定
- 2017/07/12 09:00
掲示板
-
ここで相談だよ~
最終発言2017/07/02 09:17:54 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/07/02 10:09:24
オープニング
●にゃ~ん(顔を洗う猫さん)
「そ、それにしても、今年も暑い日が続くね!」
「そうですね」
早朝、H.O.P.E.東京海上支部へ続く道を、職員の制服を着た2人の男女が歩いている。取り繕った話題とともにハンカチで額の汗をふき取る佐藤 信一(az0082)と、涼しい顔で汗一つかかずに同意を返した碓氷 静香(az0081)だ。
『……信一、昨日も同じ全く同じセリフ言ってなかった? それに静香も、一言でいいから相づち以外の返事をしなさいって、昨日の同じタイミングで言ったよね? 何回同じやりとりすれば満足するのよ?』
「……ごめんなさい」
「……すみません」
そしてすぐさま、静香の口を介して共鳴したレティ(az0081hero001)がうんざりした声音でダメ出しを入れた。少々強めの指摘に信一と静香はうなだれ、力なくレティへ謝罪をこぼす。
ちなみに、ここまでのやりとりが1週間ずっと連続している。いくら静香に甘いレティといえど、非難めいた感情を向けるのも無理はない。
付き合いだしておよそ半年になる信一と静香は、可能な限り一緒に行動する機会を増やしていた。きっかけは、交際期間が半年を過ぎても一向に進展しない関係を見かねたレティが、2人をせっついたからに他ならない。
信一と静香の関係を応援するレティとしては、そろそろ年相応の恋愛をしろよと常々思っていた。しかし現実は、大人らしい交際はおろか、キスすら未経験のまま。中学生の思春期カップルでも、この2人よりはマシな仲へ発展していることだろう。
まるで小学生同士の恋愛であり、ここまで何もないと関係が冷めてもおかしくない。が、当の本人たちは現状に満足しているらしく、距離感が広がるどころかむしろ縮まっている節があるのだから意味がわからない。
「え、っと、……今日も仕事、がんばろうね!」
「そうですね」
『……はぁ』
奥手すぎるヘタレと根が深すぎるコミュ障による、初々しいままほとんど進まない関係に、レティは今日もどうしたものかと頭を抱えていた。
――にゃ~
すると、ようやく昨日とは違う展開が訪れた。
「野良猫、かな?」
「そのようです」
それは、1匹の猫。どこにでもいそうな茶色い毛並みの野良猫は、尻尾をフリフリ2人へ近づく。
「ずいぶん人懐っこいね」
「おそらく、人間に媚びを売ればエサがもらえると理解しているのでしょう。都会の猫はたくましいですね」
『静香はそこで、もうちょっとかわいらしいこと言えないかなぁ?』
微笑ましそうに頬を緩める信一とは対照的に、淡々と身も蓋もないことを口にする静香には、レティも呆れを隠せない。
「あ、すり寄ってきたよ、碓氷さん」
「相当手慣れていますね。他の通行人にも同様の手口で懐に入り、日々の糧を得てきた、ということでしょうか」
その間に喉を鳴らしながら静香の足下に座った猫を示した信一に、静香はしゃがんで背を撫でる。野良猫への評価は相変わらずだが、自らスキンシップをとったのはレティの『かわいくない』発言を気にしたせいだろう。
それが、数分後の悲劇に繋がる。
●んにゃ! んにゃ!(猫じゃらしに猫パンチする猫さん)
『待ちやがれこのリア充がぁ!!』
「ひぃ~っ!?」
行きずりの猫にほんわかしていた信一は、現在複数の同僚たちに追われていた。理由はわからない。突然背後から怒鳴り声を浴び、直感的に危険だと判断して逃げ出したのだ。
「あの人たち、佐藤さんに構ってもらえて、ずるいです……。私も、もっと、構ってください……」
「碓氷さんこの状況で何言ってるの!?」
しかも、ただ逃げているだけではない。静香が同僚に見つかった直後に信一の腕にしがみつき、やむなくその状態で信一は逃亡劇を演じていた。
暴徒に捕まると瞬時に判断した信一は、すぐさま静香を横抱き(いわゆるお姫様だっこ)にした。それからずっと、静香は全力疾走する信一の腕の中で場違いな台詞を漏らしながら、体をぎゅ~っと密着させて甘えている。
「レティちゃん! 碓氷さんはどうしちゃったの!?」
『信一に甘えてるだけでしょ? 役得だと思って楽しんだら?』
「そうじゃなくて!!」
息が上がる中、信一はレティに助けを求めるがこちらも的外れかつ素っ気ない返答で思わず叫ぶ。
静香の匂い、柔らかさ、体温を強く感じる状態は信一としてもまんざらでもないのだが、今はそんなことを言っている場合ではない。共鳴した静香が信一を運ぶならまだしも、一般人の信一が静香を運ぶ状態では、絶対に逃げきれないだろう。
現在も殺気が混じる本気の追いかけっこは継続しているのだ。
まるで状況が見えていない言動は、どう考えてもおかしい。
(でも、一体どうして……っ!)
必死に思考を巡らしながら逃げる信一は、ふと視線を方々へ飛ばして気づく。
「――猫か!!」
普段ではありえない数でこちらを観察する猫たちを見つけ、信一は一連の出来事を猫に憑依した従魔の仕業だと推定した。もしかしたら後ろの同僚たちも? と考えが及んだところで、信一の思考は強制的に中断させられる。
「佐藤さん。……私だけの、信一、さん」
『コロス!!』
「ちょ!? 碓氷さん火に油注がないでぇっ!!」
静香が信一の胸に顔を埋め、より一層甘える仕草を見せたことで同僚の足がさらに加速。静香の追い打ちにより重心の安定と状況の悪化をはっきり感じ、信一は涙混じりの絶叫を上げて駆け抜ける。
――くぁ~あ
そんな彼らの追いかけっこを、建物や木の上から見下ろしていた猫たちが、のんきなあくびとともに送り出したのだった。
解説
●目標
従魔の捜索・討伐
●登場(PL情報)
猫従魔×30…イマーゴ級。通称はどら猫。猫種はアビシニアン。見た目もサイズも内面もほぼ普通の猫。性格は一様に人懐っこく、気に入った人間には愛情表現として甘える仕草を取ることが多い。また知能が高い上に好奇心が旺盛で、高所へ好んで移動するくらいには運動能力も高い。
直接接触によりライヴスを奪い、人の嫉妬心を増大させ暴走を促す。暴走した人は気絶させる程度の衝撃を与えると正気に戻る。能力者・英雄へも多少影響あり。標的を定めると一般人や能力者問わず自ら近寄っていくが、AGWを強く警戒しすぐに逃走を図る。力は弱く、攻撃が当たれば簡単に倒せる。
●状況
場所はH.O.P.E.東京海上支部周辺。商店が建ち並ぶ商業区の他、居住区や研究区の路上でも目撃情報が複数ある。時刻は午前7:30頃、会社や学校に出勤・通学する人々の姿が多く見られる。天気は晴れ。朝から自然と汗ばむくらい湿度も気温も高いため、絶好の運動日和(?)。
現在進行形で『喧嘩をしている』という通報が多数あり、従魔もその現場付近にいる。暴走中は会話の成立も難しく、絡まれる理由は理不尽な言いがかりがほとんど。傾向として能力の優劣や所得格差、容姿の美醜、恋人の有無などが標的となり、親しい間柄ほどこじれやすい。
PCたちは東京海上支部に寄せられた通報を元に現場へ向かう。開始時点で従魔の関与が疑われるものの、詳細情報は皆無のためPCも奇襲を受ける可能性がある。暴れているのはほぼ一般人であり、能力者や英雄は口論こそすれ暴力沙汰は起こしていない。
●備考(PL情報)
通勤中だった信一(ヘタレリア充)と静香(無双モード)の姿を目撃し、嫉妬に狂った同僚(恋人募集中!)がトレイン中。信一の体力は限界が近い上、H.O.P.E.への連絡もできていないため位置不明。
マスターより
リア充を爆破する……もとい、どら猫従魔を退治するシナリオです。
軽く調べたところ、アビシニアンは日本のペットショップではメジャーな猫種であり、飼い主に忠実で甘えん坊な性格傾向から、嫉妬深く寂しがり屋な猫さんでもあるようです(個体差は除く)。
以上も参考にしつつ、人々を嫉妬に狂わせる猫従魔を全滅させましょう。プレに記載があれば、PCと猫従魔の触れあい(=嫉妬&暴走)も可能です。AGWを強く警戒するため、討伐には工夫がいるでしょう。
……信一さん? 放っておいてもいいんじゃないですか? リア充って爆発する生き物ですよね?(※あくまでMS個人の意見です)
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/07/11 21:26
参加者
掲示板
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ここで相談だよ~
最終発言2017/07/02 09:17:54 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/07/02 10:09:24