本部
- 形態
- ショートEX
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
- 1,500
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 7人 / 0~8人
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/04/08 15:00
- 完成予定
- 2017/04/17 15:00
掲示板
-
質問卓
最終発言 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/04/05 02:00:50 -
HOPEやめました
最終発言2017/04/05 19:50:17
オープニング
●さよならHOPE
「お世話になりました」
とある任務の後、椿康広が告げたのはそんな言葉だった。
「椿くんたちは今日で最後だったわね。さみしくなるわ」
答えたのは、オペレーターの胡蝶 空音(こちょう そらね)である。
「すいません」
「謝ることじゃないわ。おめでたいじゃない。それにね、私もこの仕事長いから……ちょっと慣れちゃったわ」
空音はウェーブした豊かな髪を後ろに流す。今年30になるというベテランオペレーターだが容貌は若く、夢のように美しい。
「康広、空音、私そろそろ出るわ。飛行機に乗り遅れちゃうから」
ティアラ・プリンシパル(az0002hero001)はサングラスをかけ、キャリーバッグの取っ手を掴む。
「すごいわね、ティアラちゃんは。あっという間に世界的スターだもの」
ネットに上げたコミックソング動画が話題となり、ティアラは世界中のメディアから引っ張りだことなっていた。動画の再生回数は一億回を超えるという。
「いってらっしゃい。次のライブはどこで?」
「ニューヨーク。次がロンドン、香港、モスクワ……、あとは忘れちゃったわ」
「拠点はブロードウェイだそうですよ。ミュージカルの主演も決まってる。俺とエージェント活動することも、もうないでしょう」
そう言う康広は、日本を旅行中だったアラブの石油王の令嬢と恋に落ち、この度花婿修業を兼ねた留学が決まったのだという。
「バンドと彼女、どっちかを選ばないといけなかったんすよ。仲間には悪いことしたけど……俺はもう、彼女無しでは生きられませんから」
空音は眩しいものを見るように目を細めた。
「やめると言えば、たしかあの人たちも……。そろそろ挨拶に来るかもね」
「あの、赤須サンはまだ……」
空音は目を閉じ、首を横に振る。康広は無念そうに息を吐いた。
「ティアラ、やっぱ空港まで送る! 最後くらい相棒らしくさせろ!」
廊下の向こうから返事が返る。
「別にいいけど、来るなら走って追いついて!」
康広が振り向くと、空音は淋し気な笑みを浮かべて手を振った。康広は深く頭を下げ、1秒と待たずに身を起こす。
「みなさんによろしく伝えてください。さよなら、胡蝶サン」
――さよなら、HOPE。椿康広とティアラ・プリンシパルは、今日HOPEをやめた。
●暴走狼の再来
肉裂きジャック事件。それは昨年の初夏に世間を騒がせ、いつのまにか忘れ去られた事件。何者かが深夜の精肉店に忍び込み、荒らし回ったという奇妙なものだ。メディアは犯人に『肉裂きジャック』というふざけた名をつけ、おもしろおかしく取り扱った。
犯人は未成年の少女で、動機は不明。たったそれだけの情報が公開され、事件は解決とされた。
犯人はリンカーの少女、という事実をHOPEに所属する者以外は知らない。彼女が事件後、エージェントとして活動を始めたことも。動機を挙げるならば「自分を狼だと思い込んだから」。能力に目覚めたショックによって、混乱状態に陥っていたと推測されている。
少女の名は赤須 まこと(az0065)、英雄の名は呉 亮次(az0065hero001)である。
「おらあ! 有り肉全部出せやぁッ!」
「あ、有り金じゃなくて!?」
「ああ? あんたは何屋なんだよ、コラァ!」
壊れたオモチャのように謝罪の言葉を繰り返しながら、肉屋の店員はショーケースケースから容器を丸ごと取り出す。赤いフードをかぶった小柄な女は、怒りのせいか荒い息を吐いている。否、これは「待て」をしている犬の表情だ。
「い、命だけは勘弁してください!」
店員は、『肉の虎満(とらみつ) シャンゴリラTOKYO店』の雇われ店長だった。もちろん強盗に遭った経験など無い。
「あんたの命なんていらないよ!」
赤い女は本物の犬のように、一抱えほどもあるトレーに頭を突っ込んだ。むしゃむしゃと人目をはばからぬ咀嚼音。店員は顔を顰めた。
「んふふー、やっぱ肉は生に限るよね! あっはは!」
赤須 まことが姿を消したのは、『青空お肉祭り』というイベントの最中だった。全国から集められたおいしい肉を味わえるこのイベントで、何者かが大暴れする――とプリセンサーが予知したのだ。
予知は当たった。警備に当たったエージェントによる犯行、という最悪の形で。
「あの、人間が生で食べるのは良くないですよ……」
店長は思わず口を挟んでしまう。相手はちょうど娘と同年代の少女らしいのだ。
「私は、オオカミだよ!」
彼女は吠える。赤いフードがずり落ち、灰色の立ち耳が現れた。
「……そうだよ、私は狼。何で忘れてたんだろ。ね?」
少女は虚空に向かって話しかける。
「大丈夫だよ! 鶏肉も豚肉もバランスよく食べる! 大きくならなくっちゃ、もっと大きい動物に負けちゃうもんね!」
まるで大柄な男に話しかけるような目線のやり方だ。『彼』は、彼女の中で笑っているのだろう。都会にありながら元猟師は狩人に戻り、赤ずきんはその身を媒介に『肉裂きジャック』をよみがえらせた。
――ヴィランとして生きる。それが赤須 まことと呉 亮次の選択だった。
解説
リプレイは大きく分けて2つの内容から構成します。プレイングの内容はどちらか一方に偏っていても構いません。
☆Aパート:決別の理由
HOPEを辞めるに至った理由に焦点を当てます。
何らかの場面を想定してプレイングを書いても構いませんし、簡潔な説明でも構いません。
(場面の例)
・空音との別れの挨拶
・パートナーとの会話(家、病院、HOPEの一室、任務中など)
・決意のきっかけとなった出来事の回想 etc…
☆Bパート:対岸の火事
HOPEを辞めた後の生活に焦点を当てます。オープニング『●暴走狼の復活』の続きとなります。
一般人となった皆さんはショッピングモール『シャンゴリラ』にいます。日用品を買っているのか、新しい仕事のための買い出しか、もしかするとどこか遠くへ旅立つ準備かもしれません。
そこにヴィランとなった赤須まことが現れます。行うのは肉屋強盗。食欲とちょっとの支配欲を満たしたいだけというケチなチンピラです。人を殺す度胸もありません。あなたが手を出さなくても、すぐにHOPEが鎮圧しに来ます。
一応、目の前に困っている人がいるのは事実です。あなたはパートナーと共に戦い、他人の職分を犯しますか? 「対岸の火事」と背を向けますか? それとも――共鳴すべきパートナーは、もうあなたの隣にいないのでしょうか?
【注意】
・プレイングには「HOPEを去る理由」を必ず入れてください。
・モール内の店舗は、お好きなものを登場させて構いません。
【NPC】
・胡蝶 空音は実在しない人物です。彼女と絡む場合、あなたとの関係の深さはご自由に決めて下さい。
・まこと、亮次、康広、ティアラについては、基本的には現実通りの関係です。必要ならば「何度か同じ依頼に入ったことがある」「ヴィランとなったまことたちを追っていた」などの設定をつけ加えてもOKです。
マスターより
ハッピーエイプリルフール! 「HOPEやめます!」という王道(?)の嘘をついてみました。
あなたがHOPEを去るとしたら、どんな理由ででしょうか? 夢のため? 戦いに疲れ果てて? それともエージェントとして再起不能となった時でしょうか?
プレイングはコメディ路線、シリアス路線、どちらも歓迎です。夢のようなものですので、自由に楽しんでみてください。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2017/04/15 20:59
参加者
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質問卓
最終発言 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/04/05 02:00:50 -
HOPEやめました
最終発言2017/04/05 19:50:17