本部
【ドミネーター】街路樹が聞いた情報
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/11/10 09:00
- 完成予定
- 2016/11/19 09:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/11/08 23:43:38 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/09 08:07:59
オープニング
●
正体不明、その四文字は正しく綴られるものだった。
以前H.O.P.Eオペレーター及び「リベレーター」の責任者である坂山に不可解な電話が届いた。坂山にと言ったが、H.O.P.E宛の電話なのか坂山本人に向けてかそれは不明だ。それも含めて、正体不明なのだ。
電話がかかってきた時坂山は丁度別の事件に携わっていて真摯な応対をできる状態ではなかった。事件が終えて一段落(この一段落に一週間以上をかけたものだ)した後、坂山はようやくその正体不明の電話の応対に取り掛かった。改めて電話番号を確認するとそれは携帯電話から発せられる代物だそうだ。
調査初日、電話番号が履歴に残っていたので坂山はオペレーター室から着信を掛けた。
結果を見ると誰も電話には出なかった。坂山は五分置いて再び電話を掛ける――出ない。その繰り返しが三十分続いて、坂山は受話器を元の場所に置いた。
「こんなのでも調査になるんだから、オペレーターって楽よね」
次の日もまた坂山は同じ調査方法を取った、今のところ電話を掛けて向こう側の人間が受話器を取るために右腕を伸ばす手筈を信用するしかない。日本中の電話番号を確認するのはもう少し経ってからだ。
結局その日も誰も電話には出なかった。「まあ、まだ二日目だもんね」自分中で見え始めた焦りを言葉のベールで覆い隠しながら受話器を置いた、丁度十秒後だった。
電話が鳴った。それも、正体不明の電話番号からだった。坂山はワンコールがなり終わる前にすぐに受話器を取った。相手を驚かせないために二コールまでは待つという、坂山は独自の作法を日頃から取り扱っていたが、自分で生み出しておきながらそれを忘れていた。
「もしもし?」
――はい、こちらH.O.P.Eという定例文句も頭の中から跳ね除けていた。
「H.O.P.Eの人、ですよね」
電話先の声はそう言った。
声質は明らかに女性だった。嗄れが一切ない、若々しい声だった。
「何日か前に電話をくれた方よね」
「はい」
「良かった。連絡を取りたいって思ってたのよ」
待ち人が来たような気分だ。
「H.O.P.Eにかけてくるって事は、只事じゃないわね。何かあったの?」
「あの、今からお会いできませんか」
女性の声はなぜか細かった。わざと声を小さくしているようで、何かから隠れるような、そんな仕草が窺えた。
「分かったわ」
返事をした後、坂山は「あ、ちょっと」と付け加えた。坂山は命を狙われている身だった。
彼女は反政府組織、ドミネーターに命を狙われていた。理由は簡単だ。彼女は一人の隊員について素性を知ってしまった他、H.O.P.Eの一員であるという事実、ドミネーターの事件にこれまで何度も関わってきたという事実からだった。そのせいで安易に外出ができないのだ。
目の前に困っている人がいるのに厄介な立ち位置のせいで人っ子ひとり救えないのか。坂山は背中に錘を乗せた感覚を纏って話を続けた。
「訳あって、今は私は外に出られないのよ。代わりにエージェントを向かわせるわ。それでいいかしら」
偶然かは分からないが、この女性が電話をかけてきたのはドミネーターの事件を対処していたタイミングだった。しかも無言電話と来たもんだから、怪し気な気配は拭えない。坂山は慎重になっていた。
「分かりました。待ち合わせ場所はどうしましょう……?」
「そうね、あなたの家の近くに喫茶店はあるかしら。あまり人のいなさそうな」
「一つだけあります。えっと、テン・スクウェアという名前のお店があります。綺麗なお店です」
坂山はその喫茶店の住所をすぐに調べた。
ビンゴカードに穴が空き、リーチになった。その喫茶店の場所は、事件があった場所と非常に近い。
「最後にあなたの名前と、何か仕事をしていたら職業を教えてもらってもいいかしら」
「斎藤(さいとう) 綾(あや)と言います。高校の学生で、近所の本屋でアルバイトをしています」
躊躇いを見せず斎藤は述べた。
「今からエージェントを向かわせるわ。テン・スクウェアで待っててちょうだい」
念には念を入れなければならない出会いの場だ。坂山はすぐにエージェントを呼び寄せて、坂山の頭の中にあったビンゴカードの穴のあいたマスに書かれていた言葉をエージェント全員に伝えた。無言電話、事件のあった日と同じタイミング、電話先での彼女の様子、直接会いたいという思惑。
ときに女性の勘は、思いもよらぬ効果を発揮するものだ。
●
テン・スクウェアは名前の通り十角の形に作られていた。中央にカウンターがあり、そこで店員が商品を作る。そのカウンターを囲むように机が円形に並んでいた。そして外見は中世ヨーロッパを思わせる造りになっていた。現代にそぐわない古風だが、見事な完成度だ。
斎藤は店内にいた。入ってきたお客がエージェントだと分かったら彼女は席から立ち上がり、エージェントに一礼した。
「こんにちは」
眼鏡をかけて、三つ編みで大人しめな子だった。学生服を着ていた。
解説
●目的
斎藤の依頼を達成する。
●斎藤との話
喫茶店で斎藤は自分の正体を明かす。
彼女は「情報屋」に使われている助手のような存在で、情報屋とは兄なのだと。彼女との話で、上手く話せれば以下の事を全て知る事ができる。
・兄はドミネーターに二年前から雇われていた。
・仕事は主に敵組織の情報漏洩。敵の管理体制や情報を盗む事だった。
・しかし三ヶ月前から兄がドミネーターに対して敵意を向け始めた。その理由は不明。
・その敵意がドミネーターのリーダーに知れて、命が狙われる羽目になった。
・他にも聞ける事は幾つかある。
話し終えた後、斎藤はエージェント達に必死の目でこう依頼する。
以前の事件(飛行機テロ)依頼、兄が姿を現さない。探し出して欲しい、と。
●情報屋の居場所のヒント
情報屋と利害関係が結ばれていた私立探偵の友人が町に住んでいる。その探偵はドミネーターとは一切関係なく、金絡みの利害関係である。
ドミネーターの組織は全員が情報屋を知っている。部隊長レベルの人間なら対面し、依頼をした経歴もある。
●情報屋は……?
早い段階で情報屋を見つけた場合、彼はまだ生存している。エージェントに見つかり、彼は最初あなた達に短剣と拳銃で攻撃を仕掛けてくる。
彼を探していたのはエージェントだけではなく、ドミネーターもまた彼を探していた。あなた達と刃を交わしている時、ドミネーターの隊員が割り込んできて三つ巴の戦いとなる。ドミネーターは隊員はあなた達よりも情報屋を優先して殺害にかかるだろう。
部隊員は十名いて、一人の隊長と隊員で構成されている。隊員は大きな斧と剣で接近攻撃を仕掛け、隊長は後方や上からボウガンでエージェントや情報屋を狙う。
●情報屋を無事救出できた場合
坂山からは捕獲を命じられる。
ドミネーターについて知っている情報を尋問の必要なく彼は語り始める。ただ明かすのは情報だけで、聞かれなければ自分自身の事は語らない。
マスターより
※当MSはアドリヴ成分が多めです。
私はミステリー物が好きで、リンブレに来てから書きたいなと思っていたのですが、いざ書こうとなると結構躓いてしまうんですよね。システム的に難しいな……と。ですが、私がまだここにいる内に一つくらいは書きたいなと思っています。
数は本当に少ないんですが、ミステリー小説は色々な作家のを読んできました。中でも一番好きなのはヴァン・ダインさんです。
書いてる間に、面白いミステリーのシナリオが思い浮かびました。そのうち出すんじゃないでしょうか、シナリオが纏まったら。という事で皆さん、今回のシナリオもよろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2016/11/16 19:13
参加者
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相談卓
最終発言2016/11/08 23:43:38 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/11/09 08:07:59