本部
愚神の名は『けるぷす』
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/07/06 22:00
- 完成予定
- 2016/07/15 22:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/07/01 22:01:38 -
相談場所
最終発言2016/07/05 17:39:12
オープニング
●一応前ふりです
皆様は3つの頭を持つ犬と聞くと、何を思いつくだろうか。
もっとも有名なものとしてどこぞの門を守っている犬の存在を思いつくと思う。
ただ、『これ』はかなり違う存在……らしい。
●一応愚神です
『クックック……。凍える漆黒の夜に、のこのこ現れる愚かな人間よ。我が姿をみておしょれおののキョ……恐れおののくがいい』
「おい、言い直したところで台無しだぞ。それに今は凍える夜じゃないし、もう昼だ。昼に人間が現れるのは当たり前だろう」
人間もとい、とある旅館内にいる客の一人が『それ』にツッコミを入れると、『それ』は『可愛い声』で抗議する声を上げた。
「うわーん。人間のあほたれー。そういうのは黙ってるのが優しさってものだろー」
「そーだそーだー」
「傷ついたので、ライヴスを分けてください」
「「「どうぞ」」」
客や従業員たちのうち3人がしゃがんで『それ』に指を差し出すと、『それ』は尻尾をぶんぶん振って近付いた。
「「「わーい」」」
差し出された3つの指を、3つの頭が可愛らしい声を上げ、それぞれ甘噛み程度の力であむあむと咥える。
「もぐもぐもぐ」
「ごっくん」
「ごちそうさまー」
少しして『それ』は差し出された指から口を離すと、旅館にいる人間達に笑顔で感謝し、客達に頭を撫でられたり、従業員達にもふもふされながら、尻尾をぱたぱたと振った。
その様子を、愚神退治の依頼でH.O.P.E.よりこの旅館へ派遣されたエージェント達は複雑な目で眺めていた。
「これ、本当に愚神か?」
改めて『それ』の姿を確認する。
大きさや見た目は普通の犬のポメラニアンとほぼ同じ。
異なる点は、その頭が3つあり、見た目通りな可愛い声で言葉を話す。
そしてその首には『けるぷす』とひらがなで名札がつるされていた。
思わず『それ、ケルベロスの間違いじゃね?』とツッコミをいれたくなったが、『それ』の抗議を受けたら自分も指を差しだしそうなので、黙っておく。
そういえば、『もしもし。愚神が現れたのですが』と通報を入れた旅館の人の声もやけに明るい声だったような……。
「まあ、依頼は依頼だし、退治するか」
客や従業員達からライヴスを食べているところも確認できた。自主的だったのは見なかったことにする。
ついでに理屈は不明ながら『けるぺす』の周囲が涼しくからっとした空間になっているので、『けるぺす』を客や従業員達が自分の懐に入れたりして、『あー、涼しい』と言いながら涼んでいるところも見なかった事にする。
しかし不運にも、この時集まったエージェント達は、英雄も含めて全員が大の犬好きだった。
そしてしばらくした後、エージェント達はがくりと膝をついて呻いた。
「……駄目だ。こいつらは倒せない」
●愚神を退治するのが仕事です
「そして、先に討伐依頼に出たエージェント達は『これ』を倒すことができず、帰ってきました」
問題の『これ』の映像を見せながら、担当官は説明を続ける。
映像には攻撃しようとするエージェント達を前に、『『『が、がおー』』』と可愛らしい声を上げて、立ち向かおうとする自称『けるぺす』の姿が見えた。
「お察しの通り、この姿を見てエージェント達は戦意を喪失し、戻って参りました。戦闘自体発生してませんので全員無傷です」
そのエージェント達の名誉の為に付け加えると、恐らく『けるぺす』に魅了されているのであろう、退治を止めようとお客である人間達が壁になったり、エージェント達に組みつき続けた結果、戦闘が発生しなかったのが実情だ。
「ライヴスを食べているので、愚神なのは確実ですが、よほど少食なのか、食べられている側のお客様達の具合も、それほど悪くないとの話でした。しかし愚神である以上、このままな筈がありません。いずれ人的被害が出ます。皆様には『けるぷす』の退治をお願いします」
ただ、最大の難関は『けるぷす』よりも、自主的に『けるぷす』にライヴスを食わせ、可愛がっている旅館の人達の方かもしれない。
そして担当官は最後にこう言った。
「なお、退治までの間はこの旅館で過ごす事になりますので、それまでの宿泊する部屋の指定や宿泊、食事、各施設を利用する際の費用は全て無料です。旅館の人達の目を欺く名目で、羽をのばして寛いでくださって構いません」
この旅館の特徴を強いてあげるとすれば、季節に合わせた数世代前の和風料理の再現に取り組んでいるので、希望すればそれらも提供されるなど、料理に特徴が在ったり、温泉旅館ならではの設備が一通りそろっているところだろうか。
この依頼には、これまで様々な事件解決に貢献してくれたエージェント達へのH.O.P.E.が用意した慰安旅行という面もあるようだ。
何か起こった時に備え、手配されたH.O.P.E.別働隊の人達も、先に客や従業員として紛れ込み、H.O.P.E.別働隊も、任務の中で、思い思いの形で寛いでいる。
その別働隊員達の話では、確かにライヴスを喰われた客や従業員たちは、それほど具合が悪くはないと口にはするものの、やはり少しずつ具合が悪くなっていくような雰囲気だったという事だ。
『けるぷす』退治前後の旅館内にいる人達の避難誘導や周辺の封鎖など、人々に被害が及ばないために必要な行動に専念してくれるので、そちらの方面で『あなたたち』のお手を煩わせることはない。
ただこの地域のH.O.P.E.支部は他にも事件を抱えており、今旅館にいる別働隊以外の人員は別件で出払っており、旅館にいる別働隊への上記以外の行動は依頼できず、増援は出せないとの事だ。
当たり前のことではあるが、今回の敵『けるぺす』はいくら見た目が子犬っぽくても愚神である事に変わりはなく、退治したと偽ってお持ち帰りする事はできず、できる限り迅速な退治が必要な存在であることは追記しておく。
解説
●表目標
愚神『けるぷす』の退治
裏目標:慰安旅行
登場
愚神1体
自称『けるぷす』。
体高20cm。体重1.5kg。真っ白でもふもふ。1体のみ。
外見上は頭が3つあるポメラニアン。
ライヴスを喰うので愚神や従魔なのは間違いないが非常に少食(?)。会話できるので愚神と判定できる。
交戦記録(?)から見て、愚神は仮にデクリオ級でも最弱と推定される。お持ち帰り厳禁。
現段階で判明している能力としては以下の通り。
・とてとてと駆け寄っての甘噛み。皆様にはダメージなし。
・「ライヴスを分けてください」のお願い
・涼化26度(パッシブ)
周囲の気温が26度になり除湿効果もあるらしく、その状態の彼らを懐に入れると涼しいと客や従業員達から好評。
以下PL情報
懐に入っている状態から一般人から少量ずつライヴスを喰っているが、能力者や英雄にはダメージ無し。
・魅了(パッシブ)
一般人に【洗脳】効果あり。能力者や英雄には効果なし。
人間達
『けるぷす』の現れた旅館の従業員やお客で一般人。自主的にライヴスを与えており『けるぷす』を可愛がっている。『けるぷす』を倒そうとすると妨害に来るので、こちらへの対処の方が厄介。
手配されたH.O.P.E.別働隊の話では、一般人は愚神『けるぷす』に全員魅了されていると思われるが、愚神を倒せば魅了は解け元通りになるだろうとの事。
状況
とある地域の温泉旅館。5階建ての標準的な大きさの建物と敷地。『けるぷす』が現れて以降『けるぷす』が旅館の癒しの存在と化している。温泉旅館内によくある施設は一通りある。
なおこの旅館では数世代前の和風料理の再現に成功しており、無料で提供してくれる。この時期はカツオ、軍鶏、鰻などが旬との事。
お客は多くないので、探せば客達の目や耳の死角となる場所が無数にある。
退治するまでの宿泊費や食事、館内施設利用料などは全て無料。無線も申請すれば貸与可。
マスターより
岩岡志摩です。ご覧下さりありがとうございます。
身構えなくてもいいシナリオを用意してみました。
最終的に退治できればいいので、それまでどうするかは皆様にお任せいたします。
なお皆様は旅館からの退治依頼を受けて旅館を訪れているので、退治さえしっかりやって下されば、それまでの旅館内外の施設のご利用や食事、宿泊部屋などは無料で提供されます。皆様の行動も自由です。食事は数世代前の和風料理が提供されます。
そういった料理にご興味がおありでしたら旅館に頼めば調理道具一式や厨房を借りて食材を使いご自分で料理を作ったり振る舞う事もできます。
退治する時の描写はかなり省略する予定です。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2016/07/13 15:35
参加者
掲示板
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/07/01 22:01:38 -
相談場所
最終発言2016/07/05 17:39:12