本部
超人戦士タイガード=マックス(嘘)
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/07/04 12:00
- 完成予定
- 2016/07/13 12:00
掲示板
-
相談卓
最終発言2016/07/04 09:06:17 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/07/03 23:44:05
オープニング
●牙の無い虎
「聞いてくれるな、正体を。呼んでおくれよ、俺の名を。命をかけて正義を守る、誰が呼んだかタイガード=マックス!」
タイガード=マックスは、ヒーローである。しかし、現実に存在している。この2つの事象は矛盾しない。能力者という存在が生まれて以来、社会は変容し続けているが、子供達にとって最も大きな変化はこのことだったかもしれない
特撮は衰退し、リアル・ヒーロー・ショーが隆盛を極めた。街を破壊する怪獣も、極悪非道の怪人もテレビの中だけの存在ではなくなった。
オフィス街に従魔が現れた。人々は逃げ惑う。こんなときに彼が来てくれたら。タイガード=マックスが。
ヒーローは、奇しくもそのオフィス街の近くにいた。今は共鳴を解いているため、細身の日本人青年と西洋人と思しき金髪の少年の姿だ。雑誌のインタビューを終えた帰りだった。
すぐに行かなくては、そう思った日本人の男は自嘲の笑みを浮かべた。行けるわけがない。いや、何かできることがあるのではないか。
「ジョージ、何バカなことを考えてる。俺たちが行っても無駄だ」
「わかってるけど……」
彼らは二言三言交わすと、オフィス街の方向へ駆け出した。少年はガリガリと頭をかいて言った。
「ったく、お前のお人よしには付き合いきれねぇぜ」
●美しい偶像
犀川 ジョージ(さいかわ ジョージ)は孤児である。ある教会の牧師が切り盛りする貧しい施設で生まれ育った。牧師のことを「父」、同じ施設の子供たちを「兄弟」と呼ぶ彼は、美しい青年へと成長した。高校を卒業し工場で働きながら、彼はとある芸能プロダクションに入った。スカウトされたのである。
社長兼マネージャーは当時のことをこう回想する。
「街中を歩いていたら、まばゆいばかりの美男子が歩いているじゃないか。俺は一目でピンと来たね。こいつはスターになる男だって。ところが声をかけて身分を明かして、相手の第一声、何だったと思う? 『それって、稼げますか?』だぜ。とんでもない守銭奴かと勘違いしかけたよ」
彼の目的は一つだ。施設への寄付。ならば半端な役者では駄目だ。目指すは大スター。その夢は意外と早く叶えられることとなった。ひとつの大きな嘘をともなって。
「ヒーロー? 俺が?」
「犀川くん、リンカーなんだよね? 懇意にしてるプロデューサーから、欠員が出たって聞いてね。でね、うちの事務所小さいでしょ? 調べてみたら犀川くんしかいなかったの、リンカー」
ジョージは口ごもった。千載一遇のチャンスだった。しかも、子供に夢を与えるヒーロー役だなんて素晴らしい。しかし、彼には快諾できない理由があった。
「俺、リンカーっていうのは本当なんですけど……」
「じゃあ問題ないじゃない!」
「駄目なんです!」
ジョージは形のいい眉を寄せて叫んだ。苦悶の表情も絵になる。
「俺……すっごく弱いんです!」
その仕事は、能力者たちと愚神や従魔との戦いをそのまま番組にしたものだった。しかし、演出として、討伐に当たったヒーローの名乗りや能力紹介が別撮りで挿入されていた。「1回限りの脇役ゲスト」「どうせみんなすぐに忘れてくれる」「俺を助けると思って」その言葉に負け、ジョージは仕事を承った。ヒーロー名を自分でつけてくれと言われ困ったが、気づけば思い入れのこもった名前になっていた。使い捨ての名前だというのに。
番組終了後、ネット上は大騒ぎとなった。「あのイケメンは何者?」とタイガード=マックスが皆の注目を浴びたのだ。一目で熱狂的なファンになった者たちから「ゲストだなんてとんでもない、また彼を呼べ」という電話が殺到したという。ジョージは主に回復や後方支援を行っていたのだが、箔をつけるために戦闘能力をねつ造していた。
「タイガード=マックス」は彼専用の番組を持つことになった。表向きにはその熱狂的な人気のため、本当はドキュメンタリーを装ったフィクションを作り上げるため。
ジョージは苦悩した。けれど、罪悪感を胸の奥にしまって『ヤラセ』に参加した。施設の経営がのっぴきならない状態まで貧窮しきっていたのだ。相棒のケントは、その決意に反対しなかった。
「別に。金がたくさん入るなら、俺は構わねえよ。貧乏暮らしはうんざりだ」
施設を出てから出会った少年は、向こうの世界に居た時のことを話したがらない。
「タイガード=マックス、か。もっとセンスのいい名前を付ければよかったな。……まあ、お前には似合ってるよ」
●ニセモノとホンモノ
やあ、初めまして。僕は、タイガード=マックス。え、知っている? ありがとう! いきなりだが君たちはリンカーだね? ご覧の状況だ。手を貸してくれないか? ……ありがとう、助かるよ。どこかへ行くところだったんだろうに、悪いね。うん、そうだな、緊急時だから。
……緊急時だから打ち明けるけど、僕の番組は……すべて嘘なんだ。僕に戦闘能力はほとんどない。もちろん一般人よりは身体能力が高いけれど。僕の本当の能力は回復特化なんだ。後は……カメラのフラッシュのような光を起こせる。雷が鳴った時みたいにあたり一面真っ白になる。……それだけ。目くらましができても、攻撃ができなきゃ意味がないよな、ハハ。
ワガママを承知で頼みたいんだが、僕を助けてくれないか。詳しい事情は後で説明する。お礼もできるだけのことをする。だからお願いだ。僕が戦って敵を倒しているように見せて欲しい。アドリブは得意だし、ダイガードは多彩な攻撃が売りだから、君たちの能力に合わせて演技をするよ。
まだ、ヒーローをやめるわけには行かないんだ!協力してくれ!
解説
【場所】
高層ビル街
【味方】
・タイガード=マックス
人気ヒーロー。見た目はジョージに近いが金髪碧眼に変化し、アメコミヒーロー体型に。
実は回復能力に特化したバリバリの後方支援型。共鳴しているだけあって運動神経はいいので、撮影用のアクションは問題なくこなせる。攻撃力・防御力など実践での戦闘能力は能力者としては最下層。
名前は「全力(マックス)で、虎(タイガー)のように強く、人々を守りたい(ガード)」という意味を込め、ジョージが名付けた。番組内容は、熱くてベタ。ちょっと古臭い。幼児にはもちろん、一周回って大人にも人気。
・タイガードの正体
能力者:犀川 ジョージ(さいかわ ジョージ)
施設の子どもたちのためにお金をたくさん稼げる職業に就いた。フチなし眼鏡を着用したハーフ顔の美形。誰にでも分け隔てなく優しいが、流されやすいのが欠点。リンクを解けば、変装なしで街を歩いてもバレない。
英雄:ケント・ミラー
15歳くらいに見える少年。金髪碧眼。「暑苦しいのは苦手」を公言し、ジョージの番組を冷めた目で見る。もともとは合理的に判断するタイプのはずが、ジョージと出会ってからはつい人助けをしてしまう。
【敵】
巨鳥型従魔(デクリオ級2体)
羽を広げると1mくらい。猛禽類のような見た目。飛び道具はなく、くちばしや鉤爪で攻撃。
鳥型従魔(ミーレス級7~8体)
羽を広げると50cmくらい。能力は上の劣化版。
【カメラ】
3方向から報道番組のヘリが狙っている。開始時点で到着済み。顔が判別できないくらい距離が開いている(タイガード=マックスが戦っているというのは衣装で判断できる)ので、ごまかしはききやすい。
※タイガード個人からの依頼です。また突発的なミッションでもあるため、HOPEの支援は期待できません
※討伐後、タイガードからお礼が欲しい方は遠慮なくご請求ください。ダイガードと弱小事務所ができる範囲で叶えてくれます。
マスターより
嘘はよくないですが、彼には守りたいものがある様子。
いつもは物語の主役を務める皆さんですが、今回は黒子+エキストラに挑戦してもらいます。カメラに映りたい人は映ってしまってもOKです。番組的には通りすがりの名無し助っ人という感じになります。もちろん黒子に徹するのも大歓迎です。
タイガードの番組ですので、とどめをさすところなど要所要所でおいしいところを譲ってあげましょう。実際はみなさんのうちの誰かが攻撃を放っているのですが、うまく隠れたりごまかしたりみてください。腕の見せどころです。以上、高庭ぺん銀でした。
リプレイ公開中 納品日時 2016/07/11 20:29
参加者
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相談卓
最終発言2016/07/04 09:06:17 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/07/03 23:44:05