本部
絡新婦(じょろうぐも)の館
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 7人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/07/02 22:00
- 完成予定
- 2016/07/11 22:00
掲示板
-
蜘蛛さん退治作戦会議室
最終発言2016/07/02 15:31:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/07/01 22:39:31
オープニング
●行きはよいよい帰りはこわい
その館は山奥にあった。
ひっそりと身を隠すように車道から外れ、数十分歩かねば見つからないような場所に佇んでいた。
男がその館を見つけたのはただの偶然だった。たまの休日を利用しての自転車旅行。ちょっと遠出して一泊して、再び自転車で帰る。その旅行の途中、山道を走っている際にふと目に入った側道に気になって入ってみた。それだけの気まぐれだった。
「はぁー、立派な館だな」
荷物を肩に背負い――自転車は入る前に鍵をかけて置いてきた――館を見上げて呟く。
大きめの洋館だった。古めかしく中世の雰囲気を感じさせるその外装は、まるでここが日本であることを忘れさせるような不思議な雰囲気を醸し出している。
あたりに他に人工物はなく、日本という国に異質なそれは意外なほど風景とマッチしていた。
「別荘か何かかな? という事はここは私有地か……」
昼間であるものの、窓が小さいその館の内部は薄暗く見えた。あまり人のいる気配というものも感じない。日常的に使っている建物ではないのかもしれない。
そう思い、彼は道を引き返す事にした。ここが私有地ならこれ以上の長居は不要だろう。泥棒に勘違いされるのは御免である。
最後に一度洋館を振り返る。そして、それとほぼ同時にその以上は起こった。
二階の窓から何かが窓ガラスを突き破って飛び出してくる。
「おわっ!」
急な出来事に驚き声を上げる男。
「びっくりしたぁ……。なんだ?」
恐る恐る落下してきた物に近づき確認する。
それは灰皿だった。ガラス製の灰皿でかなりの重量がありそうで確かにこれならば投げればガラスを割ることは可能そうだった。だが、問題は――
「なんで、灰皿が窓から?」
そう、なぜそんなものが飛んできたか、だ。
しばらくその場で様子を見てみるが中から人が出てくる様子はない。
何らかの事故ならば人が出てくるだろうし、そもそもあの灰皿は何らかの意思がないとそう簡単には飛びそうになり代物である。明らかに異常な状況だといえた。
(やばいかもしれない……)
男が気圧されるようにその場から後ずさる。
とにかく尋常ではない。一刻も早くここから離れるべきだ。
そう判断し、駆け出そうとした男だったが、しかしその足は何かに引っかかりその場に倒れてしまった。
「うぐっ!」
地面に倒れ伏し、急いで立ち上がろうとしてそれもままならない事に気付く。体が地面に張り付いて離れない。
「な、なんだ、これ!」
「あらあら、素直に回れ右してたら帰れたのにね」
背後でギィ、と扉の開く音がする。
聞こえるのは女の声。だが、このような状況で出てくる女が普通の人間だと考えるほど男は気楽ではなかった。
「まあ、ちょうど、『食料』が尽きかけていたところだから丁度いいかな」
状況の異常さにそぐわぬ明るい女の声が響く。その明るさが男には恐怖だった。
「た、助け……」
「まったく、あの人間も大したものね。まさかまだ助けを呼ぶ元気があるなんて」
「あら、姉さん。私だけで大丈夫なのに」
男の言葉など耳に入っていないかのように、さらに女の声が増える。
「あなた放っておいたらつまみ食いするかもしれないじゃない」
「そんなの事しないわよ、失礼ね。ミラじゃあるまいし」
「どうかしら」
何の気負いもない日常会話。
男は悟った。この女たちにとって自分はヒトではないのだ。
俺は餌だ。
地面に這うように張り巡らされていた蜘蛛の糸に縫い付けられながら男は自らの死を覚悟した。
●異変察知
「ライヴスが変?」
「うむ、H.O.P.E.のプリセンサーに調べてもらったのだが……」
奥山 俊夫(az0048)が操作するパソコンを横から覗き込んでリリイ レイドール(az0048hero001)が呟いた。
「先日の従魔襲撃事件があった近辺なのだが、ライヴスに動きがないのだ」
「動きがないならそれでいい……ってわけにもいかないか」
「うむ、ライヴスの塊である従魔を倒したのだ。ぶり返しでライヴスの動きが多少乱れてもいいはずなのだが……」
「まったく動かない、と」
不思議な状態である。いわば強風が吹いているのに全く水面が揺れていない水たまりのような状況だ。そういった些細な違和感。
「従魔が集めたライヴスが思ったより少なかったか、あるいは……」
「さざ波を抑えるほどの『重いライヴス』があるか、かな?」
俊夫の言葉尻を拾ってリリイが続ける。
「うむ、だから念の為少しの間この地域を監視してもらうように頼んでおいた」
「よく気付くね、こんなこと。事件の度に毎回チェックしてるの?」
「まあ、肩透かしの可能性も高いがな。俺の勘違いというのならそれが一番だ」
「俊夫は相変わらず真面目だねぇ」
「茶化すな。――ん?」
パソコンを操作しながら会話していると、画面にメール受信の知らせがポップアップする。
「メール? プリセンサーからだな」
クリックして文面を確認する。
内容は『ご連絡頂いた地域に一瞬だけライブスの異常集中を感知。愚神の疑いあり』。
「ビンゴ、だね」
普段の緩んだ表情を引き締めてリリイが一つ呟いた。
解説
●敵 ※PL情報
デクリオ級愚神 レラ
三姉妹の長女。妖艶な雰囲気と穏やかな物腰を持つが、性格は最も冷酷。
その爪と牙には毒が仕込まれており、攻撃を食らうと高確率で減退(3)のBSを付与する。
爪は打ち出す事が可能でありそれなりに射程は長い。
彼女の周りには見えない糸が張ってあり、不用意に近づくと拘束のBSを受ける。
デクリオ級愚神 サラ
三姉妹の次女。快活な性格で戦いを楽しむ傾向がある。ただ姉妹、特に妹を傷つけられると非常に怒る。
戦闘時には背中から移動用の足を生やし、壁や天井などを駆使して三次元的に縦横無尽に走り回る。
単純な攻撃力は姉妹で最も高く、またタフでもある。
糸に関してはもっぱら自身の移動や、あるいは姉妹のカバーリングのために使う。
デクリオ級愚神 ミラ
三姉妹の末っ子。まだ幼く、背丈も姉達の半分ほどしかない。『食料』をよくつまみ食いする。
糸を大量に生み出す事に長けており、範囲攻撃で劣化(回避)のBSを付与してくる。
この劣化(回避)は当たる度に蓄積するが、彼女の攻撃自体にダメージは無い。
姉達は彼女を守るべき対象として考えており、基本的に戦う際は一番奥に配置される。
●場所 ※PC情報
誰かの別荘で、石造りでそこそこ頑丈な作り。
正面の扉を開くと二階分吹き抜けのロビーとなっており、正面に二階へ上がる大きな階段が設置されている。天井までは7~8mほどある。屋敷内で最も広い空間である。その他の部屋は一般的な部屋よりは多少広い程度である。
以下、PL情報。
異常を察知すると姉妹はロビーへ集まる。また、彼女たちが普段使わない部屋は糸で埋め尽くされている。
●糸 ※PL情報
糸に引っかかったものを姉妹は正確に把握することができます。ただ、現在は潜伏中らしくギリギリまで屋外の糸は粘着力を発揮しないようにしているようだ。活性化した糸に引っかかると狼狽のBSを受ける。
マスターより
蜘蛛連動第3弾です。
いろんな方向の攻め方の考えられる状況だと思います。絡め手でも正面突破でもお好きにどうぞ。
姉妹は相手がエージェントだと判断したら糸を活性化させます。作戦を立てる際はご注意ください。
ただ、現在まだ自分たちの存在がH.O.P.E.に捕捉されたことには気付いていないようです。
それではよろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/07/07 20:42
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蜘蛛さん退治作戦会議室
最終発言2016/07/02 15:31:18 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/07/01 22:39:31