本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/05/20 22:00
- 完成予定
- 2016/05/29 22:00
掲示板
-
【相談】大英図書館の冒険
最終発言2016/05/20 19:03:25 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/05/16 23:19:37
オープニング
●宣誓の書とは
「成程。これは随分と難解ですね」
エステルが持ち込んだ宣誓の書を眺めながらH.O.P.Eの研究員である男性は顎に手を当て硬い表情で言った。宣誓の書は特殊な言語で書かれており、挿絵と僅かな単語しかH.O.P.Eでも解析できていない。未だエステルから詳細を聞けるような状態ではない為、宣誓の書の内容をこれ以上解析するのは難しいことだろう。
「別の観点から調査をした方が突破口が開けるかもしれません。この書と内容が被る書物がどこかにあるかもしれない。ですから……」
この世には古からの書物がごまんと存在する。それならば、宣誓の書に書かれている内容と同じ内容を示唆する存在があってもおかしくはない。そして、ここはイギリスロンドン支部。イギリスと言えば国立図書館である大英図書館が有名だ。そして、そこには本来であれば触れられないであろう貴重な蔵書も数多く存在する。
「研究員とは違う観点からのひらめきなども欲しいところです。エージェント達に依頼をしましょう。そして、宣誓の書で僅かに分かっている単語、10本の短剣、大王の存在、赤い夜、と、挿絵の情報だけを与え私達研究員が出した結論などは伝えずに大英図書館で資料集めをしてもらいましょう」
男性は古い鎧を纏った大勢の人数が戦っている絵。黒い背景に赤い丸、その下の空間に亀裂のような線があり何か得体のしれない生き物がこちらを見ている絵。王冠を被った男性と10本の短剣。短剣を振るう兵士のような男性と、門が開く絵。と順に宣誓の書の挿絵を開きながら研究員の仲間たちに問いかけた。
●大英図書館
大英図書館。そこは本の海と表現しても過言ではないほどの蔵書で溢れかえっている。大きく広い円形状の室内。その壁に沿うよう本がぎっしりと詰まっており、二階、三階と人が一人通れるような通路がついている。本棚の隙間にはところどこに収納ジャンルを示す標識。中央には司書が数人丸く囲まれたテーブルの中で数々の処理や訪れる人々の問いに答えており、そこを中心に放射状に並べられた長テーブルは本を読むにはうってつけ、更にはパソコンが完備されているのだ。天井もアーチを描き、いくつもの大きな窓からは昼の光が差し込んでいた。
この本の中には他では目にすることのできない貴重な蔵書も存在し、H.O.P.Eでさえ参考資料を探す際に世話になるほどだ。
そしてまた、その蔵書の力を借りる機会が訪れた。
宣誓の書に書かれた単語や挿絵という僅かな情報を頼りに、史書や関係資料が大英図書館に眠っていないかを探し出す、そういう依頼である。
エージェント達に与えられている情報は10本の短剣、大王の存在、赤い夜、そして数枚の挿絵のみである。
例えば大王と言えばアフルレッド大王、アレクサンドロス大王、カメハメハ大王などが有名であるが、この中で10本の短剣に符合する話を持っているのはアレクサンドロス大王のみだ。
それはマケドニア王国の史書にこう記載されている。
王が持ち続けた10本の短剣は大王の後継者らに引き渡され、彼らは互いに争いましたが最終的に勝者は現れず分裂したまま短剣も散逸してしまいました。と。
そのうちの一本がエステルが持ち込んだ短剣であることは間違いがないだろう。アレクサンドロス大王の物語、というアレクサンドロス3世の逸話や伝説を記した本に短剣の詳細が書かれている。それがエステルの短剣と一致するのだ。ならば残りの短剣はどこに行ってしまったのか。
鞘、刃、柄、全てに金が使用され、非常に細かい彫金が施されている短剣の描写がある本を探すと幾つか見つかる。その大概が見た、という記述であるものの場所が判然としているものが殆どない。その中で大英博物館の記録、冒険家ジョバンニの物語の二つの本が辛うじて資料として使えるだろうか。
しかし、大英博物館の短剣については既にH.O.P.Eが別途回収に動き出している。一方、冒険家ジョバンニの物語にはこう記されていた。
私は数々の冒険を繰り返してきたが、この金色の短剣の美しさは他に類をみない。まるで何か強い力を秘めているような、常人には触れてはならない宝であるように感じた。
これはまだ人が掘り起こしてはならないものだ。
だから私はこれが見つからないようにしっかりと封を施した。元々多くの仕掛けを潜り抜けた先の最深部であった為に私以外の誰もこの場所をしらない。一緒に潜った仲間は悲しいことに全員帰らぬ人となった。そして私はこのことについて一生口を噤むだろう。私が死ねばこの秘密は永遠に闇に葬られる。だが、もし誰かが本当に必要ならば……私が発掘した遺跡の資料を調べるといい。
こいぬ、おおいぬ、オリオンのアルファを線で繋げ。形が示す。
意味の繋がらない言葉が挟まっているこの本はジョバンニ自身の手記をそのまま記載しているようだ。そもそも冒険家ジョバンニとはイタリアの探検家だ。これは冒険家ジョバンニの物語の冒頭に書かれている。
身長は2mを超え大変な巨漢であった。彼は人間ピラミッドという芸を持ちサーカスなどで活躍した大道芸人であり、機械工学の専門家でもあるなど多様な経歴を持つ。趣味の天体観測が高じ天文学も極めていたようだ。アフリカ探検で知られ、アブ・シンベル神殿の出入り口を発掘。またカフラー王やデェフティ王のピラミッド、セティ一世の墓なども発掘している。
アブ・シンベル神殿、カフラー王のピラミッド、デェフティ王のピラミッド、セティ一世の墓、この四つの資料を見つけ出せば短剣の行方が分かるかもしれない。
●怪しき影
H.O.P.Eが大英図書館での資料調査に乗り出したという情報はすぐにセラエノに舞い込んできた。
「ふぅん、そっかぁ。なら、焦らなくていいね。その資料調査が終わってから奪ってしまうのが一番効率がいいよ」
白衣を纏った少年が報告書に目を通しながらニヤニヤと嫌な笑いを浮かべる。このような姿ではあるがセラエノの幹部が一人。
「4人ぐらい、大英図書館で一般人のふりをして紛れ込んでおいでよ。力じゃ到底敵わないだろうから、この杖を貸してあげる。うまく奪っておいで」
そう言って少年は一本の杖を取り出す。それはリアサ杖。オーパーツの一つだ。僅かな時間ではあるが対象者に暗示をかけることが出来る。それを部下に与えた。
「同士討ちっていうのも面白いよね?」
くすくすと面白そうに呟く少年。彼の指示により資料を調査している最中、鼠が4匹、大英図書館に忍び込むことになるだろう。
解説
●大英図書館のパソコンについて
インターネットには接続していません。本のタイトルと著者名から本の位置を検索することができます。
●関連資料
発掘書は全てジョバンニの手記をそのまま記載している部分がある。以下はその部分の抜粋である。
・アブ・シンベル神殿の発掘書
ブルクハルトに頼まれ発掘の手伝いを始めた。この作業は生半可なものではない。何日も続けるうちに私は偶像の頭部を掘り当てた。
更に掘り進めると四体の偶像に守られるようにしてこの遺跡の入り口が顔を出したのだ。
私たちは大いに喜び合った。
・カフラー王のピラミッドの発掘書
エジプトのピラミッドを発掘した。とても長い日々であった。
これ程に大きなピラミッドが他に存在するだろうか?
ピラミッドの側面は綺麗な二等辺三角形で出来ている。
一部の壁画によりカフラー王のものであることが分かった。
・デェフティ王のピラミッドの発掘書
エジプトのピラミッドをまた一つ発掘することが出来た。
ピラミッドの側面が正三角形で構成されている。これはとても珍しい。
内部を探索した結果、デェフティ王の墓であることが分かった。
そしてこの日、私は探索中にプニャーレと出会った。彼女はとても美しい。
・セティ一世の墓の発掘書
王家の谷で最大規模の遺跡を発掘した。セティ一世の墓のようだ。
玄室へと入り込んだ時、天井にある天体図が私たちを迎えてくれた。とても壮大で素晴らしいものであった。
星座が動物や人間の姿で描かれていたのだ。ここに描かれているいぬはこいぬ座ではなくおおいぬ座だろう。
このような出会いがあると、この仕事をしていて本当に良かったと思う。
マスターより
こんにちは、時鳥です。この度は推理モノを目指し謎解きを含んだシナリオの為、目的を明記していません。
また、貴重な本の海ですので本を探したり手に取ったりしてPCの皆さんに楽しんで頂けたらと思います。OPに出てきていない本を手に取っても構いません。探し方次第では早く必要な資料が集まるかも?
リプレイ公開中 納品日時 2016/05/27 19:59
参加者
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【相談】大英図書館の冒険
最終発言2016/05/20 19:03:25 -
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最終発言2016/05/16 23:19:37