本部
たぶん、彼はあの日に死んでた
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/02/14 15:00
- 完成予定
- 2016/02/23 15:00
掲示板
-
難易度詐称の山登り
最終発言2016/02/14 12:10:53 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/02/10 12:43:31
オープニング
●五年前の列車事故
その日も、特別ではない日だった。
いつのように、通学のために電車に乗る。過疎に悩む地方の電車は、通勤ラッシュと言われる時間帯のはずなのに客はまばらだ。いつもの位置に友人がいて、もより駅までしょうもない話しで時間をつぶす。
「おーす、イズミ」
「今日も寒いな、ユウジ」
ところで昨日のクイズ番組みたか? という話しを俺は続けようとした。
だが、その瞬間に電車は大きく揺れて――従魔が襲ってきた。
そのときのことを俺は、実は良く覚えていない。
頭の中に『契約をするならば助けてやる』という、男の声が響いた。俺が返事をする前に、隣にいたイズミが声を振り絞った。
「契約してやる。だから、もう誰も殺させるなっ!!」
その声が、未だに俺を縛りつけている。
イズミの様子がおかしくなったのは、それからだった。
英雄と契約しただけのはずなのに、時より姿を消す。そしてイズミが姿を消すと、決まって近くの山の登山客も姿を消した。初心者用の山としてそれなりに集客力のあった山は、あいついで行方不明者が出たせいでいつのまにか滅多に登山者が来ない呪われた山になった。そして、高校を卒業した日にイズミは山に登った。
――それから、イズミは山を降りて来なくなった。
イズミは、そのときから自分の元にやってきたのが英雄ではないと気がついていたのだろう。
●失うぐらいだったら
俺には、一カ月に一度やることがある。
家出少女や不良少年あるいは浮浪者といった、いなくなっても騒がれない人間たちを都会で見つけて、山に登らせるのである。山のゴミ拾いをすれば給金を出すとかそそのかせば、それなりに人は集まった。なにより田舎の人間が悪さなどしないという、奇妙な安心感が騙した方にもあったのだと思う。
騙した人間を、俺はイズミの山に登らせる。
山のなかには、イズミだったものがいる。俺が山に登らせた人間を食らうイズミには、もうイズミの面影は全くない。熊のように、人間を貪っている。最近、都会では人さらいの噂が出回っているらしい。今後も、今までどおりに人を集められるかはかなり不安だ。
それでも俺はアレをイズミだと思って、祈るような気持ちで餌を与えている。
●案内人
「ユウジ。悪いが、HOPEからくるリンカーに山を案内してくれ」
ある日、俺は上司にそう頼まれた。高校を卒業してからすぐに役場に就職した俺だったが、リンカーを山に案内した事などなかった。
「HOPEなんて、頼んだんですか?」
「ああ、さすがに行方不明者がですぎだからな。まぁ、大方山を甘く見ていた素人が勝手に遭難していただけだと思うが……最近の人骨事件もあるしなぁ」
今でHOPEが呼ばれなかった理由の一つとして、山ガールみたいなものがもてはやされて軽装備で山を登る初心者が増えたせいもある。遭難者が出ても、それは山を甘く見た初心者のせいとされて愚神や従魔という可能性は考えられてこなかった。
だが、つい最近山のなかから多数の人骨が発見される事件が起きた。山で遭難した人間が獣に喰われる事はあまり珍しくはないが、数がでたこともあってHOPEが呼ばれることになったのだろう。
「なに、気追ってるんだ。おまえ、山には詳しいだろ」
「そうですね。あの山の事だったら……たぶん俺が誰よりも詳しいです」
高校を卒業したあの日、イズミは山から降りて来なくなった。
誰にも何も言わずに、一人で呪われた山のなかに消えてしまったのだ。
高校を卒業した日に、イズミはたぶん……。
解説
・とある地方の役所より、人骨がでた山を調査して欲しいと依頼がありました。
※OPの「五年前の列車事故」と「失うぐらいだったら」はPL情報となります。
・山……イズミが出現する場所。初心者用の登山道路が整備された、比較的登りやすい山。日中でも木々が生い茂っていて、視界は悪い。イズミは山の山頂あたりにおり、従魔は山のふもとのほうに現れる。西側に大きな崖があり、そこの一帯だけ危険なため立ち入り禁止となっている。
・イズミ……五年前に愚神に憑かれた少年。すでにイズミの意識は完全になく、大型の熊のような姿をとっている。動きは鈍いが、一撃で木々をなぎ倒すほどのパワーを誇っている。頭脳は人間並みであるが、喋る事は不可能。背後からの攻撃を狙ってくる。(PL情報――イズミから愚神を引き離すことは不可能)
・従魔(狐)……素早い従魔。山に入ると一番最初に現れる。攻撃力はあまりないが、攻撃しては逃げる攻撃しては逃げるを繰り返す。大きさは中型犬程度。多数出現。
・従魔(蛇)……音もなく近づいてくる従魔。隠密行動に秀でているが、スピードはあまりない。辺りの風景にまぎれる事が出来る。噛まれるとしばらく麻痺し、動けなくなる。多数出現。
ユウジ……イズミの餌として都会で誘った人間を山に向かわせていた。イズミが自分の代わりに愚神と契約したと感じており、イズミに対して罪悪感を持っている。役所から派遣された山の案内人でもある。(PL情報……ユウジはわざとイズミとは遭遇させないように、山頂ではなく危険なガケに通じるルートを『近道だ』と言って案内しようとする。イズミと遭遇するまでついてきて、イズミが攻撃されると身をていして邪魔をしようとする)
マスターより
こんにちわ、落花生です。
クマは利き手で蜂蜜を食べるのでそちらのほうが美味しい、と大昔にマタギのおじさんが言っていました。しかし、そのおじさんしか言っているのを聞いたことがないです。本当に美味しいのでしょうか……?
リプレイ公開中 納品日時 2016/02/18 17:54
参加者
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難易度詐称の山登り
最終発言2016/02/14 12:10:53 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/02/10 12:43:31