本部
その天狗、嵐と共に
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/01/22 09:00
- 完成予定
- 2016/01/31 09:00
掲示板
-
質問卓
最終発言2016/01/22 00:43:11 -
天狗の仕業じゃ!
最終発言2016/01/21 00:15:34 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/01/17 16:53:53
オープニング
●狐は好奇心旺盛である
その日もいつもと変わらず、ソロ デラクルス(az0036hero001)を膝に抱きかかえ、風 寿神(az0036)はソロの耳や尻尾のモフモフ堪能していた。幸せそうな寿神の一方でソロはテレビでやっている特番『日本の水百景』を真剣に見ている。
「スー、スー」
「なんじゃ」
興奮したようにぱんぱんと寿神の腕を叩くソロに折角堪能してたのにとそろそろと顔を上げる。それにソロは、テレビ見てと指を指し、寿神はソロの頭に顎を乗せ、テレビを見た。そこには愛媛の冬の風物詩ともいえる「肱川おろし」が映し出されている。ゴォゴォ唸るような音を立てて山から海に霧が駆け下りる様はなんとも幻想的だ。
「この中を小さい子が行くんだって」
「そりゃあ、学校があるけんなぁ」
「あのね、ボクも歩きたい! で、嵐の中、見てみたい」
キラキラとした目でダメ? と首を傾げられ、寿神は否と答えることなどできはしなかった。
●水が生み出す芸術
そうして、二人は連泊で愛媛に来ていた。見られる時間帯は朝ということもあり、初日は地元の人に話を伺う。話の終わりに明日は見られるだろうかと問えば、天気を見て、この天気だったら起こるかもしれないねと皆、口を揃えていた。中には船の上から見るとまるで龍が迫ってくるよう見えるよと教えてくれる人などもいた。しかし、ソロの目的はその中を歩くということなので、船上はまたの機会とし、よく映像にもある架道橋に目的地を設定をする。
「えへへ」
「楽しみじゃのぅ」
「うん! あ、もし、明後日も見られそうだったら次は船の上で見ようよ」
「そうじゃな」
時間も空き、手を繋いで二人はぶらぶらと観光して過ごした。
翌早朝、まだ日も昇らない時刻、寿神はソロに叩き起こされ、眠たい目を擦る。ソロは楽しみで仕方がないようで架道橋の欄干に上ったりして遊んでいた。
「ソロ、危ないけん」
「大丈夫だよ。スーは心配症だね」
ひょいと欄干から飛び降り、寿神の前に、ほら、大丈夫でしょと笑みを浮かべる。それに、俺が怖いんじゃと言えば、大丈夫大丈夫と彼女の手を握った。
そんなことをしていると、遠くからゴォゴォと唸るような音が響く。
「起こった!」
「みたいじゃな。風も強うなってきた」
顔を覆うベールを飛ばされないように掴む寿神と降りてくる山を目を大きく開いて見つめるソロ。そして、やってきた霧の波はあっという間に寿神たちを飲み込む。
バサバサと服やベールが風にはためき、それを押えることに意識がいってしまい、寿神はそれに気づくのが遅くなった。
「スー!!」
叫ぶように呼ばれた名前にバッと顔を上げれば、人が巻きあげられる風速ではないというのにソロは宙にいた。そして、それには何かの風の力が働いているようでソロをどこかに連れ去ろうとしている。
「フーリ!!」
ソロがいなくなってしまうと恐怖した寿神は宙にいるソロに飛びつく。ただ、その際に巻きあげているだろう風が寿神の白い肌に細い傷を作った。そして、二人の重さを苦にすることなく、風は霧の流れに逆らい、運び始める。
●天狗の風牢
寿神とソロが運ばれたのは入り口が風に塞がれた洞穴だった。その洞穴にはランドセルを背負った子供が数人身を寄せ合っていた。
「……これは」
「ボクたちと同じように連れてこられたのかもね。それにこの入り口」
もしかしてと寿神がソロを見れば、うんと頷いた。そして、入り口にそっと手を近づけさせれば、その手に細い傷ができる。それにソロは逃がさないための檻だねと言葉を繋げた。
「つまり、あの霧の中にいた天狗じゃな」
「だろうね。それ以外にはないかな」
二人は風に運ばれる中、霧の中にいた影をしっかりと見ていた。しかし、それを共鳴して倒したところで、風の力がなくなり、落下の危険性もある。そういうこともあり、大人しく運ばれてみたのだが、思わぬ事実が分かったものだ。
「あ、あの、おね、お兄ちゃん? たちも連れてこられたの?」
「……なんで、言い直されたんじゃ」
「多分、スーの声が普通の女の人より低いからじゃないかな」
子供たちの中で上なのかおずおずとツインテールの女の子が寿神たちに声をかけてきた。その中の言葉に思わず呟けば、仕方ないよとソロは苦笑いを浮かべる。しかし、すぐに女の子に笑顔を向け、そうなんですよと同意した。
「お姉ちゃんたちも連れてこられたんですよね。いつぐらいからかな?」
「あ、私は昨日から。で、あっちの隅にいる子たちは一昨日から」
女の子が丁寧にソロに説明し、ソロはそれをうんうんと頷きながら聞く。その間に寿神は連絡が取れないかと携帯を取り出し、電波を確認した。そして、それが確認できるとH.O.P.Eへと救援要請を行う。
「肱川おろしにて、愚神と思われる天狗により誘拐が起こっている。尚、誘拐された子供たちは俺と一緒にいるので、、この携帯のGPS信号を辿ってもらえばよいじゃろう。また、愚神は天狗型を二体確認している。一人では対処できない故、至急、救援願う」
解説
●風 寿神の報告に準ずる情報
・肱川おろしに乗じて、愚神による子供の誘拐が行われている。また、この誘拐に関しては既に警察に子供の親より捜索願も出されている。ただし、この案件は愚神による犯行であることからこれをもって、警察からH.O.P.Eに委託となった。尚、今後の危険性も考え、愚神の討伐も含めるものとする。
・天狗型愚神
恐らくデクリオ級であると思われる。姿は山伏のような格好で顔はカラスのようであり、翼を持ち、自由に空を飛べる。また、手には葉団扇を持ち、腰には刀を差している。尚、葉団扇は風を操作できる模様。数は確認できているだけで二体ほど。ただ、この二体は音もなしに意思疎通し、同タイミングで行動することもあり、一つの情報を同時に共有しているものとされる。
・風牢
子供と寿神が閉じ込められている洞穴。入り口を風で封鎖しており、近づくと怪我をする。尚、こちらは中よりタイミングを見計らい、寿神たちが脱出を試みるとのことである。場所は肱川河口傍の山の中腹らしい。
・誘拐された子供たち
人数は十人。食事は子供たちの弁当を分け合っているらしい。尚、ライヴスの保有量が多い子供を狙って浚っているようである。
・風 寿神&ソロ デラクルス
NPC。動きなど指示があればプレイングに記載を。指示がなければ、子供たちを守るように動く。尚、質問には寿神とソロのどちらかが答えるが、必ず答えられるわけでもないとのこと明記しておく。
マスターより
肱川おろし。正しくは肱川あらしというらしいです。個人的には肱川おろしというほうが好きなんですよね。ちなみに写真で見るとかなり綺麗な光景です。ただ、その中を歩く学生たちは大変でしょうが……。
まぁ、それはともかく、その美しい現象を利用した誘拐天狗たちを成敗しましょう!
関連NPC
リプレイ公開中 納品日時 2016/01/30 15:24
参加者
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質問卓
最終発言2016/01/22 00:43:11 -
天狗の仕業じゃ!
最終発言2016/01/21 00:15:34 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/01/17 16:53:53