本部

調査

【爻】水に咲くガランサス

形態
シリーズEX(続編)
難易度
普通
オプション
参加費
1,800
参加人数
能力者
5人 / 4~6人
英雄
5人 / 0~6人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/12/21 22:00
完成予定
2018/01/04 22:00

このシナリオは5日間納期が延長されています。

掲示板

オープニング

※先日出発した【爻】水槽のアムネシアと同時刻シナリオになります。
【爻】水槽のアムネシアに参加された方は参加を控えて頂けると助かります。


●愚神ヌル
 六月──。
 リンカーたちのスマートフォンへ謎の着信があった。
 受話と同時に流れた怪音。
 多くのリンカーはその場で昏倒し、数日間、意識を失った。
 だが、数日後に目覚めたリンカーたちは軽い疲労を覚えただけで、特に不調も無く、また何も覚えてはいなかった。

 そんな事件を起こしたのが愚神ヌルである。
 ヌルはH.O.P.E.技術開発研究紫峰翁センターの職員の水田を篭絡して協力者に仕立て上げた。
 水田の持つ情報、そして彼が創り出したVR世界を利用した悪夢を仕掛けた。
 特殊なライヴスを操る己の力と従魔を使い、催眠で英雄(リライヴァー)の洗脳を試みたのだ。

 だが、ターゲットとなったエージェントたちの一部がそれに抵抗した。
 彼らはVR世界と現実世界を交えたヌルとの戦いの末に愚神の脅威を退けた。
 その結果、一時的に暴徒と化した者もいたとは言え、アンカーを打ち込まれた多くのリンカーたちは無事に催眠の恐怖から解放された。
 そして、それは事件をよく知らない者にとってはリンカーがただ数日眠っていただけの不思議な事件として終った。

 はずだった。


「愚神ヌルについての説明は受けたかな」
 呼び出されたエージェントたちの前に現れたのはスーツ姿の男女だ。
 彼らはオーパーツを研究するパラダイム・クロウ社の灰墨信義とライラ・セイデリアと名乗る。
 信義は笑みを浮かべてエージェントたちを見渡した。
「リンカーとして事件に巻き込まれた私たちは、ヌルを退けた後も紫峰翁センターと協力して愚神ヌルを追っていた。
 その過程で君たちを知り、今回ご協力をお願いした」
 信義は集まったリンカーたちを見る。
「ヌルは独自の催眠能力を持った愚神だ。
 六月の事件の後、君らを含めヌルの催眠で昏倒したリンカーへ数度の検診を行った。
 その中で、君たちがヌルの催眠能力に対して時間をかけて特別な耐性を獲得したことが解った」
 彼は食えない笑みを崩さずに続けた。
「今朝方、プリセンサーが筑波山山中にドロップゾーンの発生を予告し、そこへ六組のエージェントが向かった。
 だが、彼らが辿り着く前にドロップゾーンは出現、向かったエージェントたちはそれから半日以上に渡り音信不通だ。
 君たちへの依頼はドロップゾーンの破壊と囚われたエージェントの救出だ」
 ライラがプロジェクターを操作すると森の中に不気味な物体──否、ドロップゾーンが映しだされた。
「ドローンが撮影した映像だ。オブジェクトの傾向からゾーンルーラーは愚神ヌルであると思われる」
 全体を見るとそれは半透明に濁った硬質の物体で、形は大地に撃ち込まれた巨大なドリルを思わせた。
「ネコザメの卵に似ているが、同一ではない」
 クローズアップされた粗い画面。そこにドロップゾーンの壁越しではあるが巨大な珊瑚が映った。
「アカヤギに似ているが違う。そして、私はこれの小さいものをヌルの世界で見た事がある。他もだ。
 このドロップゾーンは廃工場を中心に展開されている。内部への侵入は塔の最上階のみで、ヘリから降下して突入する予定だ。
 大丈夫だ、共鳴していれば滑落しても死ぬことは無い」
 そして、と彼は人数分のシルバーの指輪を差し出した。
「不本意ながら貴重なオーパーツを潰して作った「ガランサス」だ。これが生む光を叩き込めば内部に居るエージェントたちの催眠は解けるだろう。回数が限られている上、他には無いから大切に扱って欲しい」



●信義の告白
「──さて、事前に渡した守秘義務の書類はすべて揃ったかな」
 エージェントたちがサインさせられたのは『今回の事件で見知った事を正当な理由なく口外しない』というものだった。
 書類を確認し大きく息を吐くと、信義はネクタイを緩めてエージェントたちを睨んだ。
「愚神ヌルは人の心を裏を探る厭らしい術を持っている。このドロップゾーンも知りたくもない弱音を暴き出すような悪趣味なものだろう。
 前回は主に『英雄自身が恐れる邪英化した自分の幻』を使って揺さぶりをかけていた。
 効果てきめん、今まではそれに惑わされてこちら側は一手遅れていたと俺は思う。
 今回は耐性を持つ君らだ。催眠に惑わされて操られる危険性はない。
 だが、念には念を入れて──先に自分たちで愚神の幻影に付け入られるような弱味を暴露してもらおうか。
 もちろん、強制ではない。
 そして、そのためのこの書類だ」
 笑顔から一変、顔をしかめた信義は吐き捨てるように言った。
「ああ、無論。君らに書類がどれほど有効なのかは解らないが。
 仕事としてルールは守ってもらいたいし、守ることによってこの忌々しい依頼の危険性が変わる」
 室内に微妙な空気が流れた。
「つまり、まずい本音は今のうちに吐き出しておけ。
 まず、俺から話そう。
 俺は耐性が無いから最悪操られる危険もあるし、後出しで変なことを口走って混乱させたくないしな。
 俺の本音はオーパーツに関係ない仕事は請けたくないし、君たちH.O.P.E.のエージェントを仕事相手としては今一つ信用していない。正義の為に戦う志やら強さとやらは知っている。ただ、仕事相手としては騒々しい面白くない相手だと思っているよ。
 だが、俺は──少し体調に問題があってね。そう長くは戦闘ができない。タフな愚神なんかは君たちの力を借りるしかないってわけだ」
 あくどい顔で彼はにやりと笑った。
「もちろん、これはここだけの話だ。他で吹聴するような営業妨害も甚だしい行動はお断りだ。訴えるぞ」
 そして、ライラへ向かって言う。
「お前については別室で話す」
「ええ、特に驚くことも無いと思うけど」
 軽く咳払いをすると彼は続けた。
「では、ヘリが到着するまでの三十分でパートナーか仲間へ言いたいことがあったら適当に済ませてくれ。個室が良ければ個室を用意するから、そこで適度に喧嘩でもしてくれ」



●その後、ヘリにて
 ──ドロップゾーンの上空へ近づく軍用ヘリには共鳴したエージェントたちが乗っていた。
 地図を確認していた信義が、ふと思い出したように言う。
「言い忘れたが、このドロップゾーンには六人のエージェントとは別にエージェントがいる。ヌルの事件に関わったミュシャ・ラインハルトとエルナー・ノヴァのペアだ。彼女らが無事なら今回の事件の先導は押し付けるつもりだったが……」
 信義は吐き捨てるように言った。
「偵察ドローンを叩き落したのはミュシャだ。
 他の六人のエージェントたちも洗脳されていると思ってくれ。
 いいか、『洗脳されている奴らは「ガランサス」を叩き込むか、共鳴を解くまでぶっ飛ばさないと正気に返らない』。
 そして──ミュシャもヌルの耐性持ちだ。わかるな?
 遭遇したら遠慮なく潰せ」

 眼下の塔を、夕陽が赤く染めた。

解説

●目的:パートナーとの対話
愚神に付け込まれそうな、知られたくない秘密や悩みなどをパートナーや仲間へ告白します
人に依っては吐露できず悩んだ末にそのままになることもあるでしょうし、告白など必要無いと斬り捨てることもあると思います
恐れるものの幻(指定が無い場合、愚神化した英雄)が襲い掛かって来ます



以下、ほぼプレイヤー情報です



●ご注意
参加PCは過去ヌルによって数日間昏倒したことになります
守秘義務のサインは強制です
ガランサスは今回使用しません
【爻】シリーズ延長戦は同じ一日内の出来事です
次シナリオでシリーズは完結予定ですが、次回に参加しなくても問題ありません(具体的に描写されません)
心情RP多めのシナリオとなりますので、NG行為等がありましたらプレイングに記載をお願いします
ドロップゾーンの内部へ降り立った時点で今回のリプレイは終了します



●プレイングについて
下記のプレイングをお願い致します
A)英雄、もしくは能力者の愚神に付け込まれそうな秘密や悩み
B)Aを告白する(またはしない)ことによる英雄・能力者の反応
C)英雄、能力者の恐れる敵の姿とその反応
※他のPCへ干渉したい場合は互いのプレイングで互いの名前を書き、干渉OKと一筆お願いします
※関連NPCへは自由に干渉して頂いて構いません
※告白は個室でも行えます
※リプレイスメントファイルを所持して参加した場合、収められたリプレイスメントを登場させることができます



●展開
ブリーフィングルーム(または別室)での告白
→上空からヘリで飛び降りて突入
→幻影世界(個別に敵の出現、場合によってチームで戦闘)
→ドロップゾーン内部へ降り立つ



●幻影世界
ドロップゾーンのあちこちで現れる心を惑わす悪意の世界
今回はドロップゾーン突入時に出現する
だが、今回参加するエージェントたちは耐性を持っているため幻影を見ても最終的に理性を失うことはない

マスターより

このシナリオはMS個人のシリーズシナリオ(延長戦)ですが、【爻】シリーズ未参加の方も歓迎致します。
今回より参加したPCは当シナリオOP情報しか知らない場合が多いと思いますので
他のシリーズシナリオを読まずに参加しても問題ありません。

【爻】及び関連シナリオはリンクブレイブ初期に英雄のキャラクター性を掘り下げたいという思いと
折角のバディ制での関係を存分にプレイングで表現し、
また、邪英化した状態を自由に動かして楽しもうという目的で作りました。
どんな結末になるかはわかりませんが、あと一話、宜しくお願い致します。
もちろん、MSの意図など関係なく自由なプレイングをお願い致します。

関連NPC

  • デーメーテールの仔
    ミュシャ・ラインハルトaz0004
    人間|19才|女性|防御適性
  • 残燭の魔術師
    灰墨 信義az0055
    アイアンパンク|22才|男性|防御適性

リプレイ公開中 納品日時 2018/01/05 19:46

参加者

  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • エージェント
    ツラナミaa1426
    機械|47才|男性|攻撃
  • そこに在るのは当たり前
    38aa1426hero001
    英雄|19才|女性|シャド
  • その背に【暁】を刻みて
    藤咲 仁菜aa3237
    獣人|14才|女性|生命
  • 守護する“盾”
    リオン クロフォードaa3237hero001
    英雄|14才|男性|バト
  • 今を歩み、進み出す
    狐杜aa4909
    人間|14才|?|回避
  • 過去から未来への変化
    aa4909hero001
    英雄|20才|男性|ジャ
  • 決意を胸に
    エスト レミプリクaa5116
    人間|14才|男性|回避
  • 『星』を追う者
    シーエ テルミドールaa5116hero001
    英雄|15才|女性|カオ

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