本部
命諦めることなかれ
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 10人 / 4~10人
- 英雄
- 10人 / 0~10人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/12/06 07:30
- 完成予定
- 2017/12/15 07:30
掲示板
-
諦めが人を殺す(相談卓)
最終発言2017/12/05 20:51:22 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/02 23:57:37
オープニング
● 鼓動の止まる音。
その戦場は苛烈を極める。
湧き出すワニのような半人の従魔たち、中央に鎮座するのは卵の生み手。
B級ホラー映画も顔負けの惨状。この状況を切り抜けんと走るのは七人のリンカーだった。
「あとすこしだ! みんな走れ!」
もともとは十人だったその一団。
回復アイテムも使いつくし、スキルも残数僅か。
傷ついた仲間に肩を貸す余裕もない。だから傷つき歩けなくなったものは置いていくしかなかった。
背後で悲鳴が聞こえる。断末魔の悲鳴が。
「ごめん、みんな、ごめん!」
そんな切羽詰まった戦場でまた一つ『トリナ・レティレスト』の目の前で命が散る。
トリナが見あげた巨体はいつも頼もしく彼女を守ってくれた盾役の背中、だがその背中を突き破って、無数の矛先が覗き。従魔たちがギギギと笑ってる。
「逃げろ、トリナ」
そう口ずさんで崩れ落ちた体。
トリナは彼を難攻不落と称したことがある。それは絶対の信頼と、好意と。そして感謝を束ねて送った言葉だが。
大前提として死なないでほしいという気持ちがあった。
もしそんな場面に直面しても、自分が助ける、そんな思いもあったのだ。けれど。
「ああああああああ!」
トリナは傷ついた仲間の手を引いて走った。
六人になってしまった団体。
その誰もが顔見知りで、この任務を成功させようと数時間前に誓った仲間たち。
その仲間たちが一人、また一人と、おちていく。
沈んでいく、物言わぬ屍となっていく。消えていく。もう会えなくなっていく。
少し前まで、笑い合っていた仲間たちだったのに。
「くそおおおおお!」
トリナは思う。自分が弱いからこんなことになってしまったのか。
自分が間違ってしまったからみんな死んでしまったのか。
だとすればどうすればよかった。自分は何をすればよかった。
分からない、分からない。
どうすればこの悲しみから逃れられたか。逃れられるのかわからない。
気が狂いそうな悲しみと。全てをなげうって突撃せよと命じる怒りの感情が、トリナを確実に蝕んでいく。
トリナは涙を振り払って先を目指す、あと少し、あと少しで生きて帰れる。
生きて戻ることができる。
そう、この多数の仲間を生贄に生き延びた、罪深い命が。
「痛いよ、トリナ」
そんなトリナに戸惑ったように言葉を向けたのが、彼女の妹『セレナ・レティレスト』
彼女は繋がれた手の痛みに耐えかねて口を開いたのだ。
振り返るトリナ。それが間違えだとも知らずに。
「我慢して」
そう告げた矢先。地面からあの従魔が飛び出してきた。その牙は鋭く、信じられないほど大きく広がると次の瞬間。セレナを両端から包みこむように閉じられそして。
トリナの引く手が軽くなった。
ぶらりとトリナの左手にぶら下がる、セレナの右腕。
ばきばきぐちゃぐちゃと、咀嚼される音を聞いた。
そう、セレナが咀嚼され、飲み込まれることを。
「おまえ!」
次の瞬間トリナの理性が爆ぜた、その懐の刃を抜く。そしてそれを振り下ろす瞬間。地面から何本も触手のようなものが伸びてきてトリナの体をからめ捕った。
腕が止まる。
従魔が笑う。
「くそ……結局」
トリナは瞳を閉じる。
にちゃりと生臭い音と匂いを感じる。血なまぐさい、それはセレナの香りなのだろう。
「ああ、見つけた。そうか、最初からこうすべきだったんだ」
セレナはずっと自分に問いかけ続けていた。自分がどうすればいいのか。
自分がどうすればよかったのか。
正解を、トリナはこの短い時間で正解を見つけ出した。
「今行くよ、みんな」
バクリと冗談のような音が響いて。そしてトリナの上半身が、従魔の口の中に消えた。
それがプリセンサーの予知した未来。
その後の展開は皆が察しているように続く。瓦解した正体はそのままかみ砕かれて誰も、誰も生存ができなかった。
今回皆さんには大急ぎで現場に向かい、このリンカーたちを助けてもらいたい。
おそらくはメンバーが三人死んだところまでには間に合うはずだ。
どうか彼らを守ってやってほしい。
● 調査団壊滅
今回、広がり続ける自然環境変動の調査に向かったリンカーたちが、愚神と出会い戦闘。
その救援に向かっていただくというシチュエーションである。
戦闘地域は渓谷、谷と谷の隙間。そこでは水が流れていた形跡があるのだが今は流れが止まってしまっている。
それなりに広く、戦闘に支障が出るわけではないが、足元の土は柔らかく滑りやすい。
解説
目標 愚神の撃破
余裕があればリンカーの保護。
愚神 プランター
巨大な女性の見た目を持つ愚神。体長は五メートルで腰から足元にかけて地面と接続するように茎が伸びている。その茎から伸びたラッパのような器官から卵を次々産み落とすのが、この愚神の特徴である。
ケントゥリオ級愚神プランターは、従魔精製能力にすべてをささげた愚神である。
防御力以外に突出した能力が存在せず。体力に至っては前哨戦で半分になっている。
彼女を倒すことは簡単だろう。
ただ、厄介なのは生み出される従魔である。従魔については後述するので見てほしい。
唯一の攻撃手段は自分が産んだ卵を投げつけることである。そこそこ痛い。
ただ、ある程度防御力を整えているキャラクターなら、卵の中味をかぶる程度で済むだろう。
● 従魔について。
従魔については三種類の従魔が、ラウンドの最後に五体生成される。
そのどれもが、何かに特化しており見た目によって特化した能力が違ってくる。
ワニ型
上半身が鰐の従魔、腕には槍を装備しており。その物理攻撃力は脅威。
なぜか地面を掘って地中から奇襲してくる性質を持つ。常に数の確認は必須。
魚型
いわゆる半漁人。杖を握っており、射程50SQ程度の魔法弾を放ってくる、命中力がきわめて高く、威力も極めて高い。
ウナギ型。
唯一人形をしていない。地中を泳ぎ、地面から飛び出して攻撃してくる。
移動力に特化しており。この従魔に攻撃を受けると体に絡みつかれる。
その場合、両防御力がわずかに低下。移動力、イニシアチブが大低下するので注意。
マスターより
今回のテーマは守る事。
そのテーマのごとく、ブレイブナイトが活躍できるようなギミックにしてみました。
当然盾役だけがいればいいわけでなく、盾役とどう連携して従魔を倒し、愚神に攻撃を与えるのかがテーマです。
颯爽と仲間のピンチを救いだす、皆さんの姿を見せてください。
それではよろしくお願いします。
リプレイ公開中 納品日時 2017/12/13 12:07
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諦めが人を殺す(相談卓)
最終発言2017/12/05 20:51:22 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/12/02 23:57:37