本部
- 形態
- イベント
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
- 500
- 参加人数
-
- 能力者
- 25人 / 1~25人
- 英雄
- 25人 / 0~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- 締切
- 2017/07/21 22:00
- 完成予定
- 2017/08/03 19:00
このシナリオは5日間納期が延長されています。
掲示板
-
この刹那に命燃やして
最終発言2017/07/21 00:44:25 -
質問卓
最終発言2017/07/20 08:45:44 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/07/18 22:41:05
オープニング
このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
●奇怪な肉片
夜は夜明け前が最も暗く、寒い。
いつまで続くか先の見えない警戒態勢、しかも徹夜とあって、ここ七十五番札所善通寺を防衛するエージェント達の疲労はピークに達していた。
四国を地獄と化した愚神・神門勢力の動きは、掴めていない。
だが四国結界の三つの要のうち、残るひとつを狙ってくることは間違いがない――として、善通寺周辺住民の避難と、二十四時間体制での警戒は続いている。
べちゃり、と湿った小さな足音がした。
夜間照明の中で、地上に落ちる小さな影。土と変わらない色をしている。
蟇蛙のようなそれは不恰好に跳ねながら、東院の赤門を通って参拝道を通り、金堂へと向かう。
――蛙か?
よくいる小さな生物にしては、やけに禍々しかった。
弱々しい四肢を不器用に動かして、べちゃり、べちゃりと跳ねる。
訝りながらもひとりのエージェントが、『それ』を剣で貫くと――いきなり爆発した。
あたりに広がる爆風と、飛び散る『それ』の得体の知れない肉片。
小規模でも、ライヴスによる爆発だ。
「敵襲!」
赤門の外の道路は、奇怪な蛙で埋め尽くされていた。
背中には毒を思わせるイボと斑点。手足は潰れたように細く、躍動感はない。
『それら』はちょうど子供の工作のように、大きさも色も形もバラバラ。左右対称でなく、目の位置と数すら揃わないものたち。
「こいつらはおそらく従魔だ! 爆発に気をつけろ!」
エージェント達は範囲攻撃スキルで『それら』の動きを縛り、次々に仕留める。
――べちゃり、べちゃり、べちゃっ……。
金堂の警護に当たっていたエージェントは、なにも見なかった。
ただ湿った足音だけがして。
堂のなかに納められていた薬師如来像の、胸部が突然に爆発した。
●つわものどもが、夢のあと
その少し前。
赤門の東、避難によって人気のなくなった深夜の住宅街に、一組の男女が立っていた。
男はフードつきの黒いコートに身を包み、女はダークグレーのタイトなパンツスーツで、大きなバレッタで長い髪を纏め上げている。
「意外と見つからないものだな。監視カメラに細工をしたら、すぐに小蝿が飛んでくるかと思っていたが。他の仲間達も、すぐに到着するだろう」
男はここまでの途上にあった監視カメラを、黒ペイント弾で狙い撃ちにしてきた。
避難地域は夜の照明が少ないこともあいまって、気づきにくいはずではあるが。
「結界の要に向かわせた奴らは、妹達の作品なのだよ。俺の細胞も入れて強化してある。素材は蛙でなく、人間の肉だが――ああ、保護色能力のある奴が早速、成功したか」
女はあらぬ方向を見て呟く。彼女には見えている。ライヴスの神経線維で繋がった下僕たちの成果が。
「こんなに簡単に成功するなら、要の完全破壊もすぐだろう。皆で広い世界に出てゆこう」
それから少し、表情を曇らせる。
「弟たちや他の者たちを連れてゆけないのが、残念だが」
「彼らの魂は、貴女様と共にあります」
黒コートの男は言う。
「何故誰も彼もが、俺に闘えと言うのかね? 弟達とゆっくり過ごしたって、よかったんじゃないか」
黒いフードがずれて、灰色の髪と狼耳が覗く。その顔は、穏やかな笑みを浮かべていた。
「皆、貴方様の闘う姿が好きなのですよ。命を懸けても悔いのないほどに」
「俺に厳しすぎやしないか? 悲しむ間くらい欲しいものだが」
そうこうしているうちに、暗闇の中にがしゃがしゃと古い具足と鎧の擦れあう音が響く。
それは古い時代の武者たちの姿。鎧の中では、腐った肉で覆われた骨が動いている。
女は武者姿の動く屍を見て、自嘲気味に呟く。
「つわものどもが、夢のあと――いまの俺には、ふさわしい仲間だろうな」
男の後ろにも、生々しい銃痕や傷跡を持ち、口から泡を吹く狼が現われる。男は静かに言った。
「御一緒いたします、どこまでも」
●燃え上がる炎
「薬師如来像が爆破された! 敵襲!」
赤門前にいた大小の『蛙のような肉塊』に手間取っている間に、像の胸部だけが爆破された。そこに納められていた、空海の作った像の焼け残りだという木片も粉々になってあたりに散らばる。
「赤門前の住宅街からも、火の手が!」
境内から見ると、東の住宅街にほんのりと炎の灯りが見えた。
駆けつけたエージェント達が見たのは、一組の男女と、落ち武者のような鎧を身につけたゾンビ達、狼ゾンビが数匹。
家屋に火をつけていたのは、鎧のゾンビ達だった。木造の住宅群から、次々に火の手が上がる。
誰何する声に、女はにいっと嗤う。
「俺が誰だかわからない? 顔すら覚えられていないとは」
女の姿が揺らめいて、艶やかな柄の着流しの和装と袴に変化する。唇は淡い桜色から、毒々しい赤へ。肌は死人のような白さへ。
長くうねる髪を結い上げたその姿は、四国を騒がせ続けた敵性体。
「朱天王……!」
「俺とて、毎日会社にお勤めしていたときもあったのだよ。先のようななりでね」
長い髪を払い、ゾンビに運ばせていた薙刀を受け取る。
「さて、金堂は破損し、体内仏も破壊した。結界は既に綻んでいる。こんなところで俺の相手をしていてもよいものかね? 綻びの隙間から誰かが外に脱出するかも知れないぞ」
あなたがたは敵の陽動には乗らず、闘う覚悟を決める。
この善通寺だけでも、東から朱天王、南と北からは従魔に侵攻されているのだ。
朱天王の周囲には刀を持った武者ゾンビが並び、狼の後ろには弓隊が並ぶ。
黒コートの男は、いつの間にか姿を消した。
朱天王の背後で、家屋に放たれた火があかく燃え上がる。
「俺はヨモツシコメ三姉妹の長女、名は朱天王! ここで諸共に灰燼に帰すまで、存分に闘おう!」
【模式地図(ノンスケール)】
│ ■■■□□□ ↑
☆ │ ■△■□□□ 北
門 ■■■□□□
│ ■◎■□□□
│ ■■■□□□
◎:朱天王隊位置 △:狼隊位置 ■:炎上中家屋 □:家屋
☆:金堂 門:赤門 │:壁
※朱天王隊(朱天王+ゾンビ武者・刀)、狼隊(狼+ゾンビ武者・弓)の立ち位置は、家屋内ではなく路上。
※地図の家屋エリアはおよそ100sq×100sq。
解説
●目標
メイン 金堂・薬師如来坐像の破壊阻止
サブ 朱天王部隊の殲滅
●現場状況
・周辺は密集した木造家屋。放火された。火の回りをよくするため、周辺に灯油が撒かれている。延焼を防ぐための壁等の破壊は許可されている。
・火は通常火炎であり、エージェントにダメージはない。
・開始後6ラウンドで消火隊のNPCエージェントが到着。放水車相当の消火設備を保持。指示があればその通りに、なければ北西画から順に消火。
・朱天王、狼の位置は初期位置。火炎中を移動しながら戦う。
●登場
【朱天王】
薙刀【毒百足】:物理攻撃とBS【減退(1)】、薙ぎ払い:範囲攻撃横3スクエア、黒雷:電撃スキル 等を使用。
【ゾンビ武者・刀】
平家の落ち武者の遺骨から蘇らせたゾンビ。鎧の中は腐肉と骨。朱天王周囲を守る。AGWの刀を保持。10体。
【ゾンビ狼】
銃痕や切り傷があり、口から泡を吹いている。かつて狂犬病に罹り、人間に駆除されたニホンオオカミの骨から蘇った。数が限られているので動きが早い。攻撃は咬みつきと引っ掻き。5体。
【ゾンビ武者・弓】
ゾンビ狼の背後から援護する。AGWの弓を保持、射程は20sq。10体。
【神宮寺 彬】
朱天王の側近で、狼を操る。狼のワイルドブラッドで、かつて闇社会の暗殺者でもあった。スナイパーであり、移動しながらランダムに援護射撃を行う。射程は45sq。ナイフ、投擲ナイフも保持。
●PL情報
保護色能力のある蛙型従魔はどこかにあと10体隠れている。1体あたりの爆破半径はおよそ30cm。警戒や索敵で見つかったものからPC情報とすることが可能。
マスターより
長かった朱天王の旅路もそろそろ終着です。彼女は多くの配下を得、その多くを失いました。
大切にしていた弟分達とともに四国を脱出するのが本来の夢だったようですが、多くのPC様たちの活躍によってその夢は潰えました。
いま燃え盛るのは葬送の炎。
武闘派と位置づけられた彼女は最期まで闘います。
※このシナリオの成功度は「【屍国】屍の国を望む者」に影響します。
リプレイ公開中 納品日時 2017/08/03 02:09
参加者
掲示板
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この刹那に命燃やして
最終発言2017/07/21 00:44:25 -
質問卓
最終発言2017/07/20 08:45:44 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/07/18 22:41:05