本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 6人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/02/10 15:00
- 完成予定
- 2017/02/19 15:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2017/02/08 21:47:09
オープニング
●南の島のおひとりさま女子
「ニーナ! 14日、一緒にディナー行かない? あたしの奢りで」
ヘレンは陽光色のウエーブヘアを揺らしてオペレータ室に颯爽と入って来た。
彼女はハワイ在住のエージェントだ。南国らしくぴったりとしたTシャツとGパンを着て、凹凸のくっきりしたボディラインを際立たせている。
「……へレン。暇になるとオペレータ室に入り浸るの、やめなって言ってるでしょ?」
眉を顰めて嗜めるのは、やや地味な印象を受けるショートボブのオペレータ。ヘレンの親友で、名前はニーナ。
「いいじゃん。何かあったらすぐに対応できるしさ。それよりどう? 14日」
再度話題を振られたニーナは、俯いてもじもじと言葉を濁す。
「それが……今年はちょっと……先約があって……」
「先約うううううぅぅぅっ??」
いまは2月。14日と言えば、言わずと知れたバレンタインデーである。
南の島、ハワイでもバレンタインデーは一大イベントだ。
ただし、日本と違って男性が女性にチョコレートを贈る。義理はなく、本命オンリー。
友達や先生などには、キャンディなどの軽いお菓子を贈る。
ヘレンはがくりと膝をついた。
彼氏いない歴、22年。つまり年齢と同じ。
ルックスはそこまで悪いわけではない、と思う。
しかし強すぎる正義感と、すぐに鉄拳制裁を繰り出す性格のせいなのか、いままで異性に言い寄られたことはない。
寂しいバレンタインには毎年一緒にいてくれた親友が、男との約束を先に入れてしまうなんて。
「一体誰だ……あたしのニーナに告ろうなんていう不逞の輩はあっ?! このヘレン様が覚悟を確かめてやるっ!」
ジャキッと腰の二丁拳銃を取り出すヘレンに、付き合いの長い女友達はやれやれと溜息をつく。
「だーかーら、その乱暴な性格をちょっと隠してみなさいってば。そうすればヘレンだって女の子以外からもプレゼント貰えるようになるよ?」
男性からは恐れられ、モテことのないヘレンだが、その気風のよさから女子受けはそう悪くないのである。
そのとき、室内にけたたましいコール音が鳴り響いた。
●チョコ泥棒は許さない!
「……チョコ泥棒?」
「ホノルル市内の製菓店でね、バレンタイン用のチョコレートが根こそぎ盗まれるという事件が頻発しているらしいの」
受話器を置いたニーナは、さらさらと報告書にぺンを走らせながら頷いた。
ハワイではバレンタインのチョコは高価な本命用のみである。数は少なくとも、被害額は相当なものになる。
「ということは、今年チョコを用意できなかった男どもは告白失敗……いいぞもっとやれ……あ、嘘です。ゴメンナサイ」
思わず黒い本音が漏れ出たヘレンだったが、親友に足を踏まれて正気に戻る。
「もう11件も被害が出てるのか……。職人さんが精魂込めて作ったチョコを掠め取るなど、このヘレン様が許さない!」
「犯人はピエロのマスクを被り、赤と白のストライプの入ったよくあるピエロ衣装を着用。異常に逃げ足が早いこと、拳銃で撃たれても怪我をした様子がなかったことから、ヴィランの仕業ではないかということで警察から回ってきた案件なの」
「目立つ衣装なのは逃げ足に自信があるからか、何かのカモフラージュか」
ニーナはヘレンとお喋りを続けながら、手際よく送信されてきた地図をプリントする。
地図に目を落とし、ヘレンは言った。
「ふーん、被害店舗は市内全域に広がってるわけね……ん? いっこだけ製菓店じゃない場所がある……?」
「そこは最初の被害現場ね。生鮮食品のマーケットで、屋台が入れ替わりで出店しているの。季節商品として市内の製菓店が出店したブースが狙われたらしいの。防犯対応が弱いとこを狙ったのかしらね」
「ふふふふそうか……、よーし! ヒラメイタ!」
地図を握り締め、残念女子は雄叫びを挙げる。
「待ってろよチョコ泥棒! 男だったら本命チョコはひとつだけでいいんだよ!」
●ピエロを倒してチョコを取り戻す!
「とゆーわけで、市内の製菓店及び小売店に協力を要請し、一時的にチョコレートを全撤去して貰いました。防犯と犯人逮捕を兼ねているとはいえこれによる機会損失は大きく、協力は1日に限るという取り決めです」
作戦を立案したヘレンはブリーフィングルームであなたたちを前に説明する。
「犯人は必ず最初の犯行現場に戻ります。そういう習性です」
ヘレンはなぜか自信満々である。
「市内からチョコを撤去した代わりに、このマーケットでは全力でチョコフェアーを行い、チョコの香りをプンプンさせておきます。具体的には揚げたてチュロスにホットチョコレート、チョコクレープにチョコがけドーナツ、チョコパフェ、チョコサンデー、チョコアイス」
具体的なメニューは行けば分かるから! とニーナに突っ込まれてヘレンは咳払いする。
「もちろん、バレンタイン用のチョコを販売するブースも設置します。皆さんは観光客を装い、マーケット内に潜伏して、犯人の訪れを待っていただきたいのです」
マーケットでは主に背の低い台に商品が並べられ、見通しはよいので赤白ストライプのピエロなどが現われれば、どこからでもわかるだろうと言う。
「誰かが犯人らしき人物を見かけたら、全員に連絡を回してください。ピエロの仮装をした一般人が歩いている可能性もありますので、キツい先制攻撃は避けることにしましょう。本格的な攻撃は、相手がチョコを盗むか、ヴィランだと判明してから。盗品を回収する目的もありますので、殺さない程度にシバいて下さい」
ヘレンはお日様の色をした髪を掻き上げ、ひとつ深呼吸した。
「バレンタインデーはこのハワイでも大切なイベントです。市民の幸せを守るため、泥棒ピエロにすべての恨みを叩きつけ……いえ、必ず捕まえて奪われたチョコを取り戻しましょう!」
解説
●目標
ホノルル市内、ワイキキのマーケットで観光客として潜伏しつつ、現われたチョコ泥棒を捕らえる。
●舞台
ワイキキにある生鮮食品マーケット。新鮮な野菜、魚介、肉、惣菜などがひととおり揃い、屋台も数多く出店している。ハワイで一般的なグルメはほぼ手に入るが、ヘレンのおすすめは揚げたてチュロス&アイス、ロコモコプレート、ハワイアンチリ&ライス、フリフリチキン、新鮮野菜のスムージー、アサイーボウルなど。オーガニックサラダや魚介を使ったポキなども種類が豊富。
●登場人物
ヘレン・ヴェガ
ハワイ在住のエージェント。22歳独身。親友とぼっちバレンタインを慰め合おうとして振られたばかり。好きなものは肉と酒とつまみ類。
英雄はラナエという名の自称森の精霊少女で、人ごみが苦手なため幻想蝶の中でまったり過ごしている。
二丁拳銃が得意なジャックポット。
チョコブースの売り子を担当する予定。
チョコ泥棒
逃げ足が早く、派手なピエロの格好で現われる。なにやらチョコを集めているらしい……?
●その他の施設
ハワイ支部は宿泊&簡単な調理・喫食が可能。市内にも各種飲食店あり。
夜には内心やさぐれつつ犯人逮捕に全力で挑むぼっち女子を慰める会が開催されるかもしれない。会員募集中。ぼっちに対する優しい気持ちがあればぼっち、リア充問わず。
マスターより
寒 い ん だ よ !
というわけで、気分だけでも南の島へ行きたい、桜淵トオルです。
当シナリオはコメディ成分高めの予定(多分)。
観光やグルメ、スイーツを楽しみつつ軽い捕り物を行います。ガチ戦闘は期待しないで下さい。
リプレイ公開中 納品日時 2017/02/19 18:07
参加者
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最終発言2017/02/08 21:47:09