本部
【屍国】冥獄闊歩
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/10/08 15:00
- 完成予定
- 2016/10/17 15:00
掲示板
-
【相談卓】四国ハザード
最終発言2016/10/08 14:21:26 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/10/04 20:16:50
オープニング
瞬きをする度にぼやけた視界が輪郭を形作っていった。
滲むようにして露わになった景色――見慣れない天井に灯りの消えた二本の蛍光灯がしつらえられている――を認めたあなたは、微睡みの中にある意識を手繰り寄せながらベッドから上体を起こした。
まるで鉛のように身体が重い……。
サイドテーブルの電子時計を覗くと現在時刻は十三時半を過ぎた頃だと知れた。同時に周囲で幾つかの衣擦れの音や欠伸の声が重なる。あなたが見回すと自分と同じく薄緑色の検査衣に身を包んだ仲間達が次々にベッドから起き上がり始めていた。その中にはあなたの相棒たる英雄の姿も混ざっている。
病室だ。
全員、同じ病室で寝て、同じ格好をし、同じ時間に目を覚ましていた。何故そのような状況にあるのか? あなたはこれまでの経緯を改めて、未だ判然としない頭の中で振り返ってみる事にした。
『この度はご協力頂きまして誠にありがとうございます――』
そうだ、とあなたは思う。確かあの中年の医師は久芳川(ひさよしかわ)と名乗っていた……。
『我々新拠浜病院はグロリア社の提携病院のひとつとして――』
――ひとつとして、主に薬品の研究、開発に協力する形で、AGW開発の一助を担って参りました。この度、幾つかの新薬を開発しまして、皆様にはこれらを服用し、その性能を確かめる、所謂モニターテストを行って頂きたいのです。誤解のないように申し上げておきますが、これらの効果、安全性は既にグロリア社に所属する能力者の方々が身を以て確認しております。敢えて皆様にモニターテストを行って頂く理由は、H.O.P.E.という第三者の立場におられる方々に確認して頂く事で、これらの薬が商品となった際により一層、安全性をアピールしたいというグロリア社の意向によります。試して頂く薬は複数ありますが、健康を害するようなものは御座いませんので、くれぐれもご安心下さい。然しながらこのような依頼を申し付ける事は心苦しくもありますので、せめて謝礼は弾ませて頂きます――
あなたが此処、新拠浜病院を訪れる事となった事情をすっかり思い出すと、電子時計の傍らに置いてある空の小瓶に視線を向けた。
即効性の、既存のものよりも強力な睡眠薬であるという説明だった。今が十三時半である事を考えると、効果時間が二時間であるという事前説明も間違いないのだろう。ていの良い人体実験とも言えるような依頼だったが、久芳川らの身元はH.O.P.E.とグロリア社の双方が保障していた。
あなた達は互いに軽口を交わし合い、或いは事務的な会話を行い、或いはひたすらに無言でめいめい、ベッドから降りて病室を出た。応対する間もなく忙しいのだろうか、遠くで電話の呼び出し音がひっきりなしに鳴り響いていた。恐らくナースステーションの電話だろう。
角を曲がったところで、通路の中央で一人佇む看護師の女性の背中に出くわした。あなたはその看護師に、自分達が起床した事と、薬の効果は間違いなかった事を簡単に伝えた。
振り返った看護師は、下顎が喪失していた。
露出した口内は赤黒く濡れ、血が多分に絡んでいるのか、呼吸のたびにぶちぶちと気泡が鳴った。首筋からナース服の腹にかけてべっとりと血液が滴り、喉の前に垂れ下がる舌は、ヒトのそれが存外長い事を教えてくれていた。
看護師は白く濁った瞳にあなた達の姿を映すと、喉の奥から亡者が如き呻き声を漏らした。
あああ。あああ。ああああああ。ああ。あああ。
その声に釣られたか、看護師が、看護師が、患者が、看護師が、医師が、通路の奥から集まって来た。ある者は右腕がなく、ある者は腹部から漏れ出た臓器を引きずり、ある者は下半身がない為に腕だけで懸命に這い、そしてある者は“無傷のまま”呻き、けれど皆一様に、痛みなど毛ほども感じていないかのように平然と、だがひどく覚束ない足取りであなた達に近付いて来た。其処には僅かな感情も感じられず、ただごく本能的な害意のみがその胡乱な瞳から伝播した。
間違いなく、ヒトの形をしているが、それは敵性体だと本能が告げていた。
何が起きた?
目前の人々は確かにこの病院に勤務または入院していた者達だろう。中には見覚えのある顔も見受けられた。自分達が睡眠薬を服用する前はこの病院はごく当たり前の日常の中にあったと記憶している。だが今の彼らはまるで生気を失い、まるで、そう、まるで……。
あなた達は咄嗟に戦闘態勢に入ろうとして、二つの事実に思い至る。
一つ――身体が鉛のように重い。不自然な程に肉体の機能が低下している。
一つ――装備品がない。モニターテストに影響が出るからと、久芳川が院長室の金庫に幻想蝶ごと仕舞ったのだった。
思うように力を振るえずにいるあなた達の前に、迫り、唸り、牙を剥くヒトの形をしたナニカの群れ。
さあ、“屍の国”から生還しろ。
解説
○目標
病院からの脱出
○状況
PC達は新薬のモニターテストの一環で睡眠薬を服用
二階の病室で起床したところ、病院の異常に遭遇
シナリオ開始時点では装備品は薄緑色の検査衣のみ
武器や防具は一階の院長室にあり、後述するカードキーの在り処もここ以外に心当たりを持たない為
まずは院長室を目指す事になるだろう
また、理由は不明だが生命力・装備力を除く全能力が半減している
○敵情報
・医師看護師患者等々×いっぱい
病院内の至るところにいる。知能も力もないが数が多い
一度に出る数は5体前後を基本とし、状況や場所によって上下する
噛み付きや引っ掻き、拘束攻撃を主に行う
○新拠浜病院
四国某所に構える、グロリア社提携の病院の一つ。三階建て
基本的には何の変哲もない病院だが
有事の際には全ての出入り口と窓にシャッターが降り、シェルターと化す機能がある
だが、今回はこの為にPC達は閉じ込められてしまっている
シャッターを開くカードキーは要職が管理し、院長である久芳川も勿論所持している
○久芳川
新拠浜病院の院長。中年男性。能力者だが戦闘能力は極めて低い
生死不明
以上は事前説明を受けた・状況から察する事が可能として、PC情報として扱ってよい
マスターより
かゆうまー!(挨拶)
なんかやべえ状況です。らららです。
泣き叫ぶもよし、葛藤するもよし、淡々と処理するもよし、最終的に生き残れば万事オッケーです。
さて、既にお気づきの通り、このシナリオはタグ付きとなっております。
【屍国】と題されておりますが、事件の全容につきましてはこの場でご説明する事は叶いませんが
新たな面々を迎えて再出発となりました、Adivがお送りするマジパネェ感じの連動となります(語彙)
今はまだ謎だらけ。なればこそ、皆様の手で真実を……
そして真実の先にある希望を、是非とも勝ち取って頂きたい。
ご参加、お待ちしております。
リプレイ公開中 納品日時 2016/10/24 19:30
参加者
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【相談卓】四国ハザード
最終発言2016/10/08 14:21:26 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/10/04 20:16:50