本部

日常

瑠璃初めての依頼~スイーツ作り対決~

せあら

形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
  • duplication
参加費
1,000
参加人数
能力者
7人 / 4~7人
英雄
7人 / 0~7人
報酬
少なめ
相談期間
5日
締切
2016/06/19 22:00
完成予定
2016/07/01 22:00

このシナリオは3日間納期が延長されています。

掲示板

オープニング

 瑠璃(az0059)とマーガレット(az0059hero01)の二人は街の中を歩いていた。
 本日は休日と言うこともあり二人は街の中でショッピングを楽しんでいた。その為彼女達の両手には沢山の紙袋が握られていた。明らかに買い過ぎな紙袋を横目で見、マーガレットは隣を歩く瑠璃へと苦笑混じりに話しかけた。
「ねぇ、瑠璃買いすぎじゃない?」
「え? これぐらい普通よ普通」
 マーガレットの問い掛けに瑠璃はにっこりと微笑みながら答えた。
 その時、ドンと瑠璃は一人の少年とぶつかった。
 瑠璃と少年の二人はその場に尻餅をつき、地面には白い紙袋と果物、食材が散らばった。瑠璃は慌てて立ち上がると少年へと近寄り、心配そうな表情をしながら言った。
「すみません。大丈夫ですか?」
「ああ。大丈夫だ。こっちこそ悪かった、大量の食材を運んでいたからあまり前が見えていなかった。お前の方こそ大丈夫か?」
 コック服を身に着けた黒髪の少年は瑠璃にそう言った。瑠璃は頷きながら「大丈夫です」と短い返答をすると少年は安堵の表情を浮かべた。
「なら良かった」
 そして少年は散らばっていた食材を自分が手に持っていた紙袋の中へと入れていく。それを見、瑠璃は少年へと話しかけた。

「店まで運ぶの手伝わせて頂けませんか? ぶつかってしまったほんのお詫びです」


●お家騒動スイーツバトル
 瑠璃達はカフェの中にいた。
 店内はお洒落で落ち着いた雰囲気をしており、その為か若干女性客の出入りも多く感じられた。
 マーガレットは目の前のテーブルの上にあるチョコレートオレンジケーキへとフォークを入れ一口、口の中へと運んだ。
 そして思わず瞳を大きく見開く。
 口の中一杯にチョコレートの甘さと共にオレンジの甘酸っぱさが広がった。一言で述べれば絶品の一品だった。
「これ美味しい! 神様レベルに美味しい!」
「神様レベルって……でも光栄だな。そんな風に言ってもらえるなんって」
 あまりの美味しさに興奮するマーガレットに対して彼女の近くにいた黒髪の少年……健人は軽く笑った。

 あの後、食材を運んでくれた瑠璃達へと健人はお礼として、この店自慢のケーキと紅茶を振る舞っていた。
 瑠璃達は最初遠慮していたが、健人の行為を無下にする訳にはいかず、結果彼の行為に甘える事にしたのだった。彼は若くしてこのカフェの店長であり、目の前のチョコレートオレンジケーキは彼の自信作の一つだった。
 健斗が今経営しているカフェ自体は元々祖母が経営していたものであり、祖母が亡くなった後彼がその後を継いだ。
 祖母はこの店に訪れるお客さん達との小さな繋がりを大切にしていた。その祖母の想いと、思い出が詰まった店を守りたいと思い健人がこの店を引き継いだのだった。

「でもマーガレットじゃぁないけれど、このケーキ紅茶とも良く合うし本当に美味しいです」
「そりゃぁ良かった。喜んでもらえて俺としても嬉しいよ」
 そんな会話を交わしていたその時、カランとした鈴の音と共に扉が乱暴に開かれた。店の入口に一人の赤い髪の少女と二人のガタイの良い大柄な男達がいた。
 少女は大柄な男達を引き連れ、堂々とした足取りで店内に入り、健人の前で足を止めた。
 少女の顔を見て健人は思わず顔を歪める。
「菜々美何の用だ? 言っとくがこの店は絶対に渡さねーからな!」
「言うと思った。いつもの決まり文句だもんね。でもこれを見てもまだ同じ事が言えるかしら?」
 そう言いながら菜々美は自分のバッグの中からある一枚の紙を取り出すとそれを健人へと渡した。それは健人の祖母の遺言書だった。
 遺言書を見、彼は驚愕した。
 そこには遺産の全てを孫の菜々美へと相続すると記載されていた。
 あまりの事に言葉を失う。そんな彼へと彼女は憐憫のような視線を向け、言った。
「でも、それじゃぁ健人は納得出来ないでしょ? だから勝負しない?」
「勝負?」
「そう。私達の得意のスイーツで、ね。今の旬の果物夏みかん、ブドウをメインにしたオリジナルのスイーツ、またはデザートはどう? あなたが勝ったらもう私はこの店には手出しはしないし、店もあなたにあげるわ。私が勝ったらこの店は貰うってのはどうかしら?」
「面白い。受けてたってやるよ。お前その言葉絶対に忘れるんじゃねぇぞ」
 低く、ドスの聞いた声音で健人は静かに菜々美へと言い放つ。
 それに対して彼女は怯む事は無く余裕の態度で、そして彼に一言告げた。
「あっ、言い忘れていたけど勝負は団体戦よ。団体戦スイーツバトル」


 店を後にした菜々美達は商店街通りを歩いていた。
 そんな中彼女は傍らにいた茶髪のロン毛の男へと心配そうな表情で訊ねた。
「あれで良かったのかしら」
「ぜーんぜんバッチリですぜ。お嬢。これに勝てばあの店ぶっ潰して、レジャーランド建てて、その中であのガキに自分の店でも持たせてやればお嬢の優しさに気づいて惚れてしまいますぜ!」
「そうそう。大体あんな古くさいカフェなんってすぐ潰れるんだ。儲かりそうに無いしな」
「古くさいって言わないで! お婆様のカフェなのよ」
 下卑た笑いを浮かべる男達へと菜々美は叱りつけるような口調で強く言い放った。
 菜々美の側にいる男達の正体はヴィランだった。彼らは元々資産家である菜々美の祖母の土地を狙っており、祖母の死後落ち込んでいた菜々美へと彼らは近づいた。彼らは彼女に優しく接した。寂しさの為か菜々美は簡単に彼らの事を信用し、自分の想い人である健人の事を打ち明けた。すると彼らは菜々美へとこう提案をしたのだ。

「あの店を潰してあのガキに儲かりそうな場所で新しい店を持たせたらいい。そしたらあのガキはお嬢の事を好きになる」

 その言葉を彼女はあっさりと信じてしまったのだ――。

 ……これできっと大丈夫。彼は私に振り向いてくれる……

 そう彼女は心の中で呟く。
 だが彼女は知らなかった。男が唇の端を僅かに吊り上げた事に。
 そしてレジャーランドと言う言葉は男達が菜々美から遺産を全て騙しとる為の嘘だったと言う事に―――



「くそ……団体戦か」
 健人は頭を抱えながら一人テーブルの上に突っ伏す。
 先程菜々美に啖呵を切っていた彼の様子とは180度違う今の彼の姿に半ば躊躇いがちに、そしてある事に気づきながら瑠璃は彼へと話しかけた。
「健人さん、もしや一緒に出てくれる方がいないのですか?」
「ああ、そうだ。悲しい事に俺は友達が少ないんだ。あいつそれを知っててワザとけしかけてきやがった」
 瑠璃の言葉に健人は顔を上げ悔しそうに、まるで吐き捨てるかのように言った。その言葉にマーガレットはガタっと席から立ち上がり自信満々でドヤ顔で言った。


「健人さん安心して下さい。確かスイーツ対決でしょう? オリジナルの。でしたら私にいい考えがあります」
 そう言ってマーガレットはスカートのポケットから携帯電話を取り出すとH.O.P.E.へと連絡をした。

解説

健人と団体戦でチームを組み、オリジナルスイーツを作り菜々美に勝利して店を守る。ヴィラン達から菜々美を引き剥がすと同時に健人との関係を円満に納める依頼になります


登場人物

健人(18)カフェの店長
祖母からのカフェを引き継ぎ経営をしている。祖母と同じく人との繋がりを大切にしている


菜々美(17)健人の従妹
両親が幼い頃他界してしまった為、祖母から引き取られ育てられる。その為祖母の死後全ての遺産を相続する。健人に恋心を抱いている
スイーツバトルの時はダン達とチームを組んでいる
専門学生(パティシエ)


ヴィラン  ダン(35)
大柄な体格をした茶髪のロン毛の男
相手に奇襲をかけ、勝負に出れないように陰で襲いかかる

攻撃 スコーピオンの毒を塗った短剣で襲いかかる。毒の性質は麻痺であり動けなくなった相手へと短剣で刺し、攻撃する


ヴィラン  シラタキ(35)ダンと同じ体格をした禿げ頭の男
卑怯な手口を使い相手の料理に何かを仕込もうとする。ダンと共に菜々美から遺産を騙し取ろうと目論んでいる

食材
夏みかん、ブドウ。
夏みかん、ブドウの品種は自由。
必要な材料、食材(果物なども含む)飾り付けの物は何でも使っても良い

機材
冷蔵庫、オーブン、ミキサー

審査員
二人の祖母の友人プロのパテシエ
普段は優しいがスイーツ作りの事になるとスイーツの鬼と言われている。
審査は公平な審査をする

場所
健人の店。主に勝負は健人の店の厨房で行われる
食材などは業者の輸送、店の近くにスーパーなどがあるのでそこからも使用可能

状況
マーガレット、H.O.P.Eから連絡を受け健人の変わりにスイーツ対決に出ると言う設定

Pl情報
ダン達はどんな汚い手を使ってでもスイーツバトルに勝とうとする。その為手段を選ばない
スイーツは食べれるものでないと失敗してしまう
菜々美達はゼリー系を作ろうとしている

NPC 瑠璃&マーガレット
バトルメディック
主に行動は皆さんのサポートになります

マスターより

今回のシナリオはスイーツバトルになります。健人と一緒にチームを組み、皆さんのオリジナルスイーツで健人のカフェを守ってあげて下さい。
皆さんの考えたオリジナルスイーツのプレイング楽しみにしております。

関連NPC

  • エージェント
    瑠璃az0059
    人間|16才|女性|防御適性

リプレイ公開中 納品日時 2016/06/30 22:17

参加者

  • ライヴスリンカー
    赤城 龍哉aa0090
    人間|25才|男性|攻撃
  • リライヴァー
    ヴァルトラウテaa0090hero001
    英雄|20才|女性|ドレ
  • 太公望
    御神 恭也aa0127
    人間|19才|男性|攻撃
  • 非リアの神様
    伊邪那美aa0127hero001
    英雄|8才|女性|ドレ
  • ようへいだもの
    鴉守 暁aa0306
    人間|14才|女性|命中
  • 無音の撹乱者
    キャス・ライジングサンaa0306hero001
    英雄|20才|女性|ジャ
  • まだまだ踊りは終わらない
    餅 望月aa0843
    人間|19才|女性|生命
  • さすらいのグルメ旅行者
    百薬aa0843hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • 痛みをぬぐう少女
    北里芽衣aa1416
    人間|11才|女性|命中
  • 遊ぶの大好き
    アリス・ドリームイーターaa1416hero001
    英雄|11才|女性|ソフィ
  • 危急存亡を断つ女神
    ファリンaa3137
    獣人|18才|女性|回避
  • 君がそう望むなら
    ヤン・シーズィaa3137hero001
    英雄|25才|男性|バト
  • 緋色の猿王
    狒村 緋十郎aa3678
    獣人|37才|男性|防御
  • 血華の吸血姫 
    レミア・ヴォルクシュタインaa3678hero001
    英雄|13才|女性|ドレ

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