本部
呪われた女性首相
- 形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 8人 / 4~8人
- 英雄
- 8人 / 0~8人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/04/26 12:00
- 完成予定
- 2016/05/05 12:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/04/25 00:41:09 -
相談卓
最終発言2016/04/26 07:53:48
オープニング
●
イギリスの現首相である女性、キャロリン・サーチスは憂鬱な気持ちを逃がすようにため息をついた。ここ最近、とてもよくないことばかり起こる。しかも、一歩間違えば自分が死んでいたに違いない事故ばかり。
いや、これは事故なのだろうか?
元を辿ればあの日、副首相であるジェフ・ホワイティングが深刻な顔で彼女の家にやってきた時からこの恐怖は始まっていた。
アジアでH.O.P.E.絡みの大規模な事件が発生し、欧州でも支援などの問題でごたごたが続いていた。その最中、どうしても個人的に話がしたい、とジェフがアポイントメントをとってきたのだ。
副首相としてキャロリン自身が任命した相手だ。信頼は厚い。その彼が忙しいことは分かっていてもどうしても話がしたいと言う。そこまでであれば、キャロリンも話したい内容というのが気にかかってくる。無理やりその日のうちに時間を空け、夜も遅い時間に自宅で落ち合うこととした。
夜23時頃、眉間に深い皺を刻んだ男性――ジェフとキャロリンはリビングのソファーにテーブルを挟んで対面していた。
「キャロリン、忙しいところすまない。どうしてもすぐに伝えておかなければならないことがあって……」
「いいのよ、ジェフ。忙しいのはお互い様だもの。それよりも、伝えておきたいことって何かしら?」
ジェフの声は普段よりも少し暗い。それだけ、何か重大なことをキャロリンに伝えようとしているのだろう。キャロリンの問いかけに一度大きく息を逃がしてからジェフはゆっくりと口を開いた。
「君は……呪いというものを信じるかい?」
「何を言っているのジェフ?」
唐突な予想をしていなかった問いかけにキャロリンは驚いた顔で問い返す。彼の口から呪い、という言葉が出てくるのは初めてだった。
「実は……キャロリン、落ち着いて聞いてくれ。話したことはなかったと思うが僕は元々そういうことに精通している集団と通じていて、ね。彼らがキャロリン、君にとてつもない呪いをかけようとしている相手がいることを教えてくれたんだ。そして、数日のうちにその呪いで君が命を落とす、ということも」
「……ジェフ……」
「分かるよ、キャロリン。にわかには信じられないんだろう? だから、これを……」
困惑しているキャロリンにジェフは苦笑いを浮かべて小さな箱を自身のポケットから一つ、テーブルの上に出した。そしてキャロリンに開けるように目で示唆する。
信頼の置けある相手から呪い、だのという話が飛び出て呑まれているキャロリンは大人しく箱を手に取った。恐る恐る開ける。中身は赤く綺麗に輝くルビーの指輪。
「これは……」
「キャロリン、今は僕の話を信じてくれなくていい。ただ、時間がないんだ。本当にここ数日のうちに君は命を落としてしまうんだよ。だから、その指輪をつけていてほしい。その指輪が君を、その呪いから辛うじて守ってくれるはずだから」
ジェフの表情があまりにも真剣であったが故に、与太話、冷やかし、だという考えはキャロリンの中に生まれなかった。指輪を箱から取り出し、右手の人差し指にはめる。
「あら、サイズは丁度いいじゃない。ジェフ、私は貴方のことを信じるわ。それに何も起こらなければそれに越したことはないけど、念の為、ね」
そう言ってキャロリンは指輪を見せるように右手を掲げて見せる。ジェフの表情がほんの少し和らいだ。
●
結局、あの三日後、キャロリンはジェフの話の意味を実感する。議会に参加すべく階段を上っていた時、何者かに後ろ髪を強く引っ張られた。実際に引っ張られたのか、その時はよく分からなかった。ただ、自身の体が後ろに倒れ、味わったことのない浮遊感と一瞬見える天井。次には踊り場に仰向けで倒れていた。暫く自分に何が起こったのか、キャロリンは分からなかった。すぐに病院に運ばれることとなったが、幸運なことに軽い打ち身だけ、という診断だった。
それだけではない、次の日には引っ張られたような感触がして車の前に飛び出しそうになった。ある日は包丁がドアを開けたら降ってくる。そんなことが毎日続き、キャロリンは命の危険をひしひしと感じていた。
そんな日々に疲れ切り、憂鬱なため息ばかり出てしまう。誰にも見えない何かが確実にキャロリンを追いつめている。起きる事故も徐々に規模が大きくなっているように感じる。普通のボディーガードではもう何の役にも立っていない。
いつもギリギリ、せいぜい軽い怪我で助かっているのはジェフがくれた指輪があるから。でも、それもいつ限界を迎えるか分からない。
自室の電話をとるキャロリン。通話先はH.O.P.E.。
「ごめんなさい。そちらが忙しいことは分かっているのだけれど……えぇ……依頼をするわ。私のボディーガードを……」
H.O.P.E.へ、自身のボディーガードを数名頼む依頼を取り付けた。
●
H.O.P.E.へイギリスの首相キャロリン・サーチスより依頼が入りました。内容は彼女のボディーガードです。数日前から彼女の身に不可解な事故が多発しているそうです。
誰の目に見えない何かに引っ張られたり押されたり、また、所謂ポルターガイスト現象の発生も確認されていることから一般人には対処できない域に達しているものと思われます。彼女は首相として仕事を休むわけにはいかないので、その仕事をしている間のボディーガードをお願いします。
また、彼女からの依頼内容には入っていませんが、不可解な現象の究明も行ってください。このまま続けば遠からず彼女は命を落としてしまうでしょう。
依頼人からの説明では原因が全くと言うほど分かっていない状態ですので気を付けて任務に当たって下さい。
解説
●目的
・イギリス女性首相のボディーガード
・首相に起こっている不可解な現象の究明
●当日簡易スケジュール
・朝、自宅から議事堂まで車で移動
・議会への参加
・議事堂から車で会食があるホテルへの移動
・メディア幹部との会食
・ホテルから自宅への移動
※車での移動の際に首相との会話をすることが可能です。
※車の最大乗車人数は運転手、首相を含め10人となります。その為、乗車最大人数を超える場合、首相とは別の車で移動する、英雄が幻想蝶の中に入る、共鳴状態になるなどで対応して下さい。
※すべてがスケジュール通りに行われる保証はありません。
※大きな事故が発生する可能性があります。
※原因究明の際、首相から離れる必要が出てくる場合、最低エージェント4人はボディーガードとして首相の元に残って下さい。
●会食が行われるホテルについて
テムズ川に接している高層ビル。会食は最上階の夜景が楽しめる高級レストランで行われる。メインロビーはシャンデリアなど数々の装飾品で彩られ明るく広い。
エレベーターは3つだがそのうちの2つは外を眺めることのできるガラス張り仕様。
●起こり得る事故について
・他の車との衝突事故
・走行中の車のブレーキの故障
・議事堂からテムズ川への転落
・ホテルにてシャンデリアの落下
・ホテルエレベーターの故障
・ホテル最上階での窓ガラスの破裂
・ホテル最上階からの転落
※全ての事故が起こる保証はありません。ボディーガードプレイングの参考程度にご利用ください。
マスターより
こんにちは、時鳥です。
今回のシナリオはある種の推理力を発揮していただく内容となっています!
ホラーテイストやサスペンス物好きが滲み出ているかもしれません。
ボディーガードをしつつ女性首相を恐怖から助けてあげてください。
どうぞよろしくお願いします!
リプレイ公開中 納品日時 2016/05/04 22:33
参加者
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/04/25 00:41:09 -
相談卓
最終発言2016/04/26 07:53:48