本部
- 形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 9人 / 4~10人
- 英雄
- 9人 / 0~10人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/03/25 22:00
- 完成予定
- 2016/04/03 22:00
掲示板
-
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/03/22 09:33:09 -
相談卓
最終発言2016/03/25 19:38:25
オープニング
●希望の船
香港での戦闘に伴い、横浜港より数隻の船が出港した。
軍艦、武器を積んだ輸送船、そして多数のリンカー乗組員からなるH.O.P.E.の船団である。
香港支部への援軍派遣を主眼としたそれは、言うまでもなく大規模作戦にて最大限機能するべきものだ。
然るに到着は前提にして必須、事前に危ぶまれる事などあってはならない。
幸いにして出港時は天候に恵まれ、予報上も時化などの気配はなく、順調な航海が期待された。
だが、忘れるなかれ。
全てを得んとする者は、全て失う覚悟をしなければならない事を――。
●司令室
「ハール(海霧)ですって? 聞いてないわ!」
テレサ・バートレット(az0030)は苛立たしげに天気図が表示された気象予報のモニターにかぶりついた。
H.O.P.E.の船団が小笠原諸島沖に差し掛かった途端、この海域に濃霧が立ち込めたのだ。
仕事を奪われたスタッフがおろおろと見守る中、何度確かめてみても現時刻に霧が発生する見込みは、ない。
「待ってテレサさん」
ミュシャ・ラインハルト(az0004)がそれを制する。
船窓を見遣り、あたかも異界へ紛れ込んだかの如く薄ら寒い光景に、眉をひそめ。
「……タイミングが良すぎると思わないか?」
「同感だ。恐らく――」
「小笠原諸島周辺のライヴス濃度急激に上昇中!」
「――ね?」
頷く圓 冥人(az0039)の示唆を、ほぼ同時にレーダー技士が補完した。
「前方より所属不明船舶数隻、及び二十――五十――夥しい数のライヴス反応が接近中! 従魔です! ミーレス級からデクリオ級相当! 更に高ライヴスの個体が二点。うち一方の波形は生駒山近郊、並びに明石海峡大橋のデータと酷似!」
即ち――ヴォジャッグ!
「最悪の船出ね」
「まだ生きてたのか……!」
「で、もう片方は? そっちもモヒカンなのか?」
「データありません、ただしケントゥリオ級と推定――」
●海の絶望
「――ククク、これで奴らは死んだも同然」
そのケントゥリオ級の愚神ことキャプテン・リーチは、船の甲板に立ち、邪に口元を歪めていた。
自らが展開した霧のドロップゾーン、その首尾に満足して。
今から襲い、奪い、踏みしだける事に満悦して。
やがて、彼は右手代わりの巨大なフックを掲げる。
「よォし野郎ども! 何から何まで奪ってこォい! 皮も、爪も、髪の毛の最後の一本まで余さずむしり取ってきやがれぇぇ!」
リーチの威勢の良い号令に伴い、ボロボロに傷んだ胡乱な船が、大砲を積んだボートが、無数の大きな魚影が、首なしライダーの集団が、そして――
「へっへっへへへ見てやがれあのエージェントのクソ虫のクソ以下のクソにも劣る最悪のクソから生まれたクソオブクソどもぉお――クジラの餌はやめだ、どいつもこいつも片っ端からぶっ潰してぎっちぎちに丸めてクジラに玉芸仕込んで見せびらかしてやるずぇぁああ~~!!!」
そして、ヴォジャッグが。
耳障りな声で罵詈雑言を並べ立てながら、暴虐的なカスタムを施した水上バイクを悪辣に唸らせ――進撃を開始した。
「ヒィイイイヤッハアアアアアーーーー!!!」
●洋上、我に敵無し
濃霧。海面は大きく揺れて荒れ狂い、曇天の空が重くのしかかる。
霧中の航海は死への旅路。
香港へ向かうH.O.P.E.の船団は、今まさに死海をさまよっていると言ってよい。
一帯に広がったドロップゾーンは一般人の精神を支配するようなことはなく、軽い体調不良を生じさせた程度だった。ライヴス収奪という点における脅威はまるでない。
しかしゾーン内に満ちる霧はエージェントの戦いにまで影響してくる。一般人への影響は弱いものの、エージェントの戦闘を阻害するこのドロップゾーンは戦局を左右しうるものである。
視界不良、航行不能、迫るは有象無象の異形。死臭漂わす従魔の群れが艦船を覆い尽くす。
エージェントたちが死力を尽くし、破壊と略奪の手から船を守る。ある者は甲板で骸骨のような従魔を斬り伏せ、ある者は海中にゆらぐ海棲型従魔の影を撃つ。大群といえど矮小な従魔では易々とエージェントたちが乗り込む船を落とすことはできない。
だが、海上にてエージェントたちを悠々と蹴散らす愚神がいた。
「ノロマなノロマな船よのォう! そんなグズな船に乗る貴様らでは! このキャプテン・リーーーーーーチ様のッ! リーーーーーーーーーーーーチ号に触れることも敵わんぞッ! ぐ~~~わッハッハッハッ!」
みなぎる自信とともに一声を飛ばし、我が物顔で洋上を疾駆する者。自慢の海賊帽を風に揺らしながら、右腕に付いたフック型義手でH.O.P.E.の船団を指し示し、攻撃を号する。
ヴォジャッグの傍らにいた愚神、キャプテン・リーチである。リーチは『リーチ号』と称した己のクラシックな海賊船を走らせ、艦船にぐんぐんと近づいていく。船団に近づけまいと行く手を遮ろうとした者たちは1度の砲撃で吹き飛ばされ、船上に飛び移ろうとした者たちは機銃の集中攻撃を浴びて落とされる。リーチ号と称された彼の海賊船は、嵐のような火力をもって、船団との距離を詰めていく。
船に積まれる物、武器に物資、更には人間、あらゆる物を奪い尽くすために。
戦艦の装備で迎撃を試みるも、海上を自由に動き回るリーチ号を沈めることは不可能に思えた。
生半可でない敵。その場にいた何名かのエージェントが思い至る。ヴォジャッグとともにあったという大きなライヴス反応、それはこいつではないのか。
霧は恐らくドロップゾーンによる影響。船団を飲み込むほど大きなゾーンを展開するほどの力を持つ敵など、ヴォジャッグ以外では奴しかいない。
奴を討てば、戦局は好転するはずだ。
多くの仲間が艦上で戦闘を繰り広げる中、エージェントは従魔の群れの中に血路を開き、海を荒らし回る海賊を討ちに走る。
ALブーツを装着し、海面に降下し、海賊船を沈めんと集結するエージェントたち。
船首で戦場を見渡していたリーチが、自分を見上げる者たちの気配を感じ取り、にやりと笑む。
「全てだッ! 全ての物を献上しろ! 血の一滴まで絞り出し! 皮の一片まで削ぎ落とし! 骨のひとかけらまで置き並べたら! 心置きなく死んでゆけィィ!! ぐ~~~~~~~~~わッハッハッハッハッ!!」
それは降伏勧告。海の強者の言葉。
跳ね上がった口ひげをフックでなで、略奪者は哄笑した。
そして笑い疲れるとゆっくり呼吸を整え、エージェントたちを尻目に、前進の号令を下す。
暴虐の戦利品、黄金に輝く装飾品から下品な金属音を鳴り響かせ、キャプテン・リーチの猛進が始まる。
解説
■目標
愚神『キャプテン・リーチ』の撃破
■敵戦力
『キャプテン・リーチ』と『リーチ号』 ケントゥリオ級
船と船長で一体と言ってよい愚神。船もライヴスにより構成されている。
リーチはライヴスの多くをリーチ号に注いでいるため、船を壊すことがリーチの撃破に直結する。
船上に飛び移ろうとしても迎撃されてしまうので、まず船を破壊することが目標になる。
船体にダメージを蓄積させれば破壊できる。
大きい対象なので回避は低いがその分、耐久力は高い。
・リーチ号の主な攻撃方法
砲撃……複数対象・範囲3の高威力魔法攻撃。使用後1ラウンドは使えない。
機銃……複数対象・範囲2の物理攻撃。
超小型魚雷……単体対象の物理攻撃。高命中。命中した相手を海中に落として1ラウンド行動不能にする。
毎ラウンド、上記の3つのうち2つの攻撃をしてくる。
リーチ号の耐久力が30%を切ると、砲撃に使うライヴスが航行性能維持のために使われるようになる。(以後の砲撃は不可能)
リーチ号撃破後のリーチはせいぜいデクリオ級下位といった程度。
剣戟による攻撃等をしてくる。
■フィールド
広大な海上での戦闘となる。
PCはALブーツ装着で海面にいる。
ALブーツは貸与、装備済みとする。(ALブーツを装備しなくても良し)
霧の影響で視界が悪い。命中にマイナス修正が入る。
■状況
急襲された状態なので、事前準備で行える行動は限られる。
せいぜい30秒で出来る程度のことと考えて下さい。
混戦模様なので他者の支援はない。
ドロップゾーン内だがPC間の通信に支障はない。
後方には船団があり、PCが敗北すればリーチはそのまま船団を攻撃する。
マスターより
どうも、星くもゆきです。
今回は海賊船と戦って頂くシナリオとなります。
戦場を覆う霧のドロップゾーンを展開している愚神を倒せれば、戦況は好転することでしょう。
リプレイ公開中 納品日時 2016/04/02 19:15
参加者
掲示板
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依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/03/22 09:33:09 -
相談卓
最終発言2016/03/25 19:38:25