本部
パーティーはこれにて終了です
- 形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
- 1,000
- 参加人数
-
- 能力者
- 6人 / 4~6人
- 英雄
- 6人 / 0~6人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/02/04 07:30
- 完成予定
- 2016/02/13 07:30
掲示板
-
最後のパーティは盛大に
最終発言2016/02/03 00:32:54 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/01/31 09:19:59
オープニング
●思いっきりやらかそう!
HOPEのエージェントとして幾多の戦場を駆け抜けてきた、鈴木“MF”華。
病院の正面玄関を背に、契約英雄であるキャサリン・ベックへひと言。
「追いつかれてもうた」
カウガール衣装に身を包むキャサリンは、そばかすの浮く頬をびくりと引きつらせ、作り笑顔で震える言葉を絞り出した。
「そぉ。思ったより早かった感じぃ?」
華はうなずいた。
「なんやったら、ウチのライヴス全部喰べてええよ?」
「ダムン! 今さら愚神やれるかってのぉ」
元は愚神となるべくこちらの世界へ送り込まれたキャサリン。しかし、彼女は華と出逢い、英雄となる道を選んだ。
「アタシはアンタに誓約したし、アンタはアタシに誓約したでしょぉ?」
誓約、それは「死ぬまで思いっきりパーティータイム!」。
以来、ふたりは得物のショットガンを振り回し、爆薬をばらまいて数々の愚神や従魔を吹っ飛ばしてきた。その火薬特盛り、容赦も仁義もないオーバーキル上等の過激さからMF――ミズ・ヒューズ(導火線女)の称号をつけられるほどに。
――ふたりの出逢いは半年前。
愚神となるべくこの世界に現われたキャサリンは、たまたま目の前にいた「おいしそう」な少女へと迫った。しかし、その少女は平らかな表情で、
『ウチ、導火線つきなんや。病気の火ぃがウチの命に届いたらドカンでサヨナラ』
だから喰べたいんやったら好きに喰べえ。死ぬんやったら今日も明日もいっしょやろ。
キャサリンは華のライヴスを奪えなかった。彼女の記憶はひどくあいまいで、自分がためらった理由もわからないのに、それだけは――華の心に押し詰まった虚無の重さだけは、なぜかわかってしまったから。
もしかしたらキャサリンも、向こうの世界では同じような身の上だったのかもしれない。
目の端にちらつく鬱々と白いばかりの天井と、鼻の奥をつつく消毒液の臭いを追い払い、キャサリンは手を差し伸べた。
『だったら……死ぬまで思いっきりパーティーやらかしてみない? クラッカーみたいにショットガン鳴らしてぇ、爆薬点火でみんな“に”ダンス!』
華は、考える間もなくその手をとっていた。
彼女はそれまで、なにひとつ「した」ことがなかった。今ある生から目を反らし、迫り来る死をただ待っているばかりで。
死んでいないのに、生きてもいない。そんな「半生」を、覆したい。
もうすぐ死ぬなら、それまでの間だけでも生きてみたい。だから。
「思いっきりやらかしたろか」
そして、ふたりのパーティーは始まったのだ――
「最期まで」
キャサリンは右手でサムズアップ。
「ふたりで思いっきりパーティーでしょぉ!?」
華はあわてて――
そんなん知るかボケぇ!
ウチのことなんかパパっと忘れて、ぴっちぴちの相方見つけぇや。
最期もふたりて、ウチとアンタは熟年らぶらぶカップルか! キモいわっ!
ウチの銅像造ってHOPEの玄関に飾るんがアンタの使命やろがい。
――言おうとしたのだ。でも。言えなかった。
心がどうしようもなくあたたかくて。覚悟が涙でぐずぐずにふやけて。
「……思いっきり、やらかしたろか」
華がやっと紡いだひと言に、キャサリンは左手でもサムズアップ。
「お客様は誰にするぅ? どっかの愚神に招待状? それとも最近話題のヴィランズにサプライズぅ?」
「最期の最後のお相手やからね――」
●送り人
「挑戦状が届きました」
丸っこい字で『退職願』と書きつけられた白い封筒をテーブルに置いて、HOPEの新人女子職員がライヴスリンカーたちに告げた。
「送り主は鈴木華さん。みなさんと同じHOPEのエージェントです」
封筒の中には2枚の便箋。1枚めには「一身上の都合で退職します!」。そして2枚めには「今日からヴィランになりました。HOPEに挑戦するので、エージェントのみなさんよろしくお願いします」。
女子職員は目尻ににじんだ涙を小指の先でぐじぐじ散らして。
「鈴木さんは難病で、いつ倒れてもおかしくない体でした。昨日、病院のほうからも連絡がありまして……もう、彼女の体、機能が停止し始めてるそうです」
ライヴスリンカーは英雄とリンクすることで人を超えた力を得る。しかし、その加護が及ばない領域というものもあるのだ。たとえばそう、病気による死。
資料を見れば、華が短期間でどれだけ多くの戦場にのぞんできたかがわかる。死に追い立てられながら、どれだけ太い「生」を追いかけてきたかがわかる。
そんな華だからこそ、最期の場所に戦場を選んだのか。それも敵ではなく、仲間に送られることを願って。
「鈴木さんの退職願は受理しないことになってます。ですから、みなさんにお願いするのは鈴木さんとの模擬戦です。彼女が望んでるとおり、思いっきり戦ってあげてください……最後まで」
解説
●依頼
全力で鈴木華を撃破してください。
●戦場
・HOPEが所有する、5階建ての訓練用ビルです。
・各階ワンフロアでドアはなく、事務机やイス、スチール棚などのオフィス用品が置かれています(最近使われていなかったので埃っぽいです)。
・電源は華の手で復活しており、電灯も点けられます。
・階の移動にはエレベーターと階段、さらに屋外の非常階段が使えます。
・ビルの何カ所かに、華がブービートラップをしかけています。
●鈴木華(+キャサリン・ベック)
・ショットガン(射程1~3/単体物理攻撃)とプラスチック爆薬(範囲2×2スクエア/範囲物理攻撃)を使います。
・開戦当初は1階の正面玄関口におり、その後は各階を移動しながら、奇襲や待ち伏せ等を織り交ぜたダーティーな戦いを展開します。
・ずっと病気を抱えてきたことから、格闘戦には苦手意識を持っています。
・会話は自由。
・戦闘終了もしくは30ラウンドが経過すると死を迎えます。
●備考
・あなたは華と「知り合い」であることも、「見知らぬ元同僚」であることもできます。
・知り合いである場合、思い出等は自由に設定できます。
・戦いをしかける時刻は自由です。
・ブービートラップおよび華の爆薬は、起動のほかにリンカーもしくは華の攻撃によっても起爆します。
・華を見送るも見送らないも自由となります。
マスターより
はじめまして。電気石八生(でんきいし はちお)と申します。
こちらは募集リンカー少数限定でお贈りする完全シリアス系の戦闘シナリオとなります。
みなさまのプレイングで、限られた時間を太く生き抜こうとした少女を見送るドラマチックなストーリーを描いていただければ幸いです。
また、描写注文表をご用意しております。
描写重視要素がおありの方は、お手数ですが本シナリオタイトル下の私の名前をクリックし、紹介ページにてご確認いただきますようお願いいたします。
リプレイ公開中 納品日時 2016/02/09 14:51
参加者
掲示板
-
最後のパーティは盛大に
最終発言2016/02/03 00:32:54 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2016/01/31 09:19:59