本部

ひとりぼっちじゃ帰れない

星くもゆき

形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
11人 / 4~12人
英雄
10人 / 0~12人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2015/12/07 22:21

掲示板

オープニング

●兄と妹
 欧州の僻地、一組の兄妹が林の中を歩いている。
 日がすっかり傾いてしまったため、辺りはすっかり薄暗い。
 12歳の兄カールは不機嫌そうな様子でやや早足、4歳の妹アンはそんな兄に手を引かれて申し訳なさそうについていく。
「ったく、大事なぬいぐるみなら置いてくるなよな。というかそもそも持っていくなよ」
「ごめんなさい……」
 2人は林に妹のぬいぐるみを取りに来ていた。
 近隣の小さな住宅地に住む子供たちにとってこの場所は格好の遊び場であり、アンも昼間に友人たちと訪れていた。そしてお気に入りのぬいぐるみを置き忘れてきた。
 そのことに気がついたアンが、ぬいぐるみを取りに戻りたい、暗いから一緒に来てほしいと言ったのでカールはしぶしぶ同行することになったのだ。
 急ぎ足で歩き続けて、兄妹は昼間に妹が遊んでいた場所まで到着した。カールのペースに合わせてついてきたアンはかなり息が乱れている。
「あるかー?」
「あった!」
 地面に鎮座する犬のぬいぐるみ。ここまで兄の機嫌の悪さにこわばっていたアンの顔に歳相応の笑みが浮かぶ。
「それだけだよな。じゃ帰るぞ」
「うん」
 再び手をつなぎ、2人は家路につく。
 兄はやはり早足で、妹がそれに合わせて頑張ってついていく。
 アンがぬいぐるみにひどい汚れが付いていないか確かめていると、唐突にカールが止まる。アンはカールの背中に顔をぶつけてしまった。
「ごめんなさい」
 また兄に迷惑をかけてしまった、とアンは慌てて謝る。機嫌が悪い兄に怒られてしまうかもしれないと思うとつい「ごめんなさい」が口から出てしまう。
 しかし、カールは振り向きもせず黙ったままだ。そしてアンの手を痛いほど強く握ってきた。
 不思議に思ったアンが兄の横からのぞき込むように前方を見ると、『それ』があった。

 身の丈は2メートルは超えるだろう、大柄な人間のようなものが、兄妹をじっと見つめていた。
 シルエットこそ人型をなしているが、むき出しの牙、額から生える一角、異様なほど発達した筋肉の鎧はとてもヒトのものとは思えない。
 鬼のような出で立ちの怪物だった。

 アンはそれが何かもわからず、兄を見上げて彼の反応を待つ。
 カールはアンを抱え上げて一目散に走り出した。さっきまでの不機嫌な表情とは違う、何か焦っているような顔だった。
 しかし疾走する最中、アンはぬいぐるみを落としてしまう。ぬいぐるみは近くの茂みまで転がっていってしまった。
「ワンちゃんが行っちゃう!」
 アンは兄の手をするりと抜けて、茂みに走り寄っていく。
「バカ! 今はそれどころじゃない!」
 カールの怒鳴り声にすくみあがり、恐る恐るアンは振り返る。
 そして心臓が跳ね上がる。
 こちらを向いた兄のすぐ後ろで、拳を振り上げる怪物の姿が見えた。
「うしろーーーーーー!」
 力いっぱいに声を出す。何が起きているかは幼いアンにはよく分からないが、それが兄を傷つけようとするものだということは分かる。
 アンの声に反応し、カールは飛び退いて何とか命を取り留めた。
 無事ではあったが、今度は別の問題が生まれた。兄妹の間に怪物が立ちふさがる形になってしまったのだ。
 数秒の思案の後、カールの表情がまた変わり、じっと怪物を見すえている。
「アン! すぐに林を出ろ! それで誰か大人に怪物が出たって言うんだ、いいな!」
 早口にそう伝えて、カールは怪物に拾った石を投げつける。
「こっちだ! デカブツ!」
 石をぶつけられたことに反応し、怪物がカールに正対する。意識は完全にカールに向けられたようだ。
 怪物は力強く一歩を踏み出し、突進するように走ってきた。アンにちらりと目を向けて、カールもまた走り出す。アンの視界から遠のき、どこかへ。


 兄たちが去り、しんと静まったその場所で、妹はぬいぐるみを抱えてうずくまってしまう。
 兄は林を出ろと言ったけれど、この暗い林をひとりでなんて歩けない。道ははっきり見えないし、方向だって分からない。
 何より、このまま兄と別れたら、もう会えないような予感がしてしまう。
 とても恐ろしいものから、たったひとりで逃げ回っている。それがアンのためだということも何となく分かる。
 林の薄闇の中、妹は大粒の涙をぽろぽろと落としていた。
「ごめんなさい……もっといっばいあやまるから……」
 妹は歩き出す。犬のぬいぐるみを抱えて、兄の言いつけを守らずに、兄を追って歩き出す。
「だから……だからいっしょにかえろぉ……」


●H.O.P.E.にて
「プリセンサーが事件を予知しました。子供の兄妹2人がデクリオ級の従魔1体に襲われてしまうようです」
 集まった能力者たちにH.O.P.E.の女性職員が説明を行っている。
「場所は田舎の雑木林のようですね。今から向かうとなるとちょうど事件発生直後といったところでしょう」
 能力者たちが予知の詳細が記された資料に目を通す。
「予知によると、兄の少年が従魔から逃げ回っているとのことです。一般人に逃走を許すということは鈍重な敵であるということでしょう。そしてもうひとり……妹の女の子ですが、困ったことに少年を追って林をさまよっているらしいのです。幼い子ですから、早急に保護をお願いします」
 職員の話が終わり、能力者たちは現場に向かう準備を始めるのだった。

解説

目標:従魔を討伐し、兄妹を助けてあげて下さい。

場所:日没後の林の中となります。

敵:デクリオ級の鬼型従魔が1体です。
  動きは遅く、回避も高くありません。
  その分、頑強で物理攻撃の威力が高いです。
  知能も獣並というところです。

その他:従魔はカールを追って動いています。
    さらにフィールドを幼いアンがウロウロしています。
    兄を探していますから、光や物音があればそちらに向かうでしょう。
    アンはひとりで従魔から逃げるような体力はありません。
    小さな子供なので、抱きながら移動や戦闘が行えます。

状況:オープニングの後から行動開始となります。
   あらかじめ二手に分かれておくなどは可能です。

リプレイ

●兄妹を捜せ
「どうして朝まで待てなかった、が大人の感想ってとこだが」
「小さな子にとって大切なぬいぐるみは家族にも等しいものですわ」
「なるほど。そういうもんか」
 事件現場に向かう輸送機の中で、赤城 龍哉(aa0090)とヴァルトラウテ(aa0090hero001)はそんな会話をしていた。快活な武道少年がそのまま大人になってしまったような龍哉がアンの心情を理解できないのは無理もなかった。
「そうそう! 私も小さい頃に似たような思い出が……」
 龍哉たちの会話に反応したのは大宮 朝霞(aa0476)だ。遠くを見る目つきで、昔の記憶を思い起こしているようだ。
「朝霞……推測だがお前の場合はぬいぐるみなんかじゃないんだろう?」
 呆れたような視線を朝霞に投げかけるのは、彼女の契約英雄ニクノイーサ(aa0476hero001)である。当然ながら彼は朝霞の趣味嗜好をわかっている。朝霞が幼い頃にどこかに置き忘れたというものがぬいぐるみでない何かだということも察しがつく。
「いやいや、何よその目! それはまぁ……確かにぬいぐるみではなかったけど、でも私にとっての家族よ! 家族だったのよ!」
 朝霞はものすごい剣幕でまくしたてる。語気が強いのは、みんながいる前でこれ以上その話を拡げるなというサインでもある。
 ニクノイーサに顔を寄せた朝霞は、その向こうに見知った顔を発見する。救助部隊の中にいるにはあまりに不自然な小さな少女、紫 征四郎(aa0076)だ。
「紫さん、ガルーさん。今回もよろしくね」
 ニクノイーサ越しに挨拶をかける。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
 少女の答えに明るい笑顔を返して、朝霞はニクノイーサに再び何かを語りかけている。征四郎はその様子を横目で眺めつつ、ひとり思いに耽る。
「何を考えてんだ? 征四郎」
 征四郎の右隣に座る、ガルー・A・A(aa0076hero001)が尋ねた。
「いえ……ぬいぐるみ遊びというものを征四郎はやったことがなかったな、と思っただけですよ」
「やりたかったのか?」
 ガルーの問いに、征四郎は少しの間考える。
「考えたこともなかったです」
 わずかな笑みを浮かべて征四郎は答えた。考えたこともない、そんな自分に少し呆れているような笑みだ。
 ガルーが征四郎にどういう言葉をかけてやろうかと思案しているうちに、白杖をついた色白の男がすっと征四郎の左隣に座ってきた。
「せーちゃんなら、今からぬいぐるみ遊びをしてみたっていいんじゃないかな?」
 木霊・C・リュカ(aa0068)が答えのわかりきった冗談を発する。
「リュカ、征四郎はいちいちそんな言葉に応えませんよ」
 あからさまに不機嫌な表情を見せる征四郎。リュカは軽い謝罪で取り繕う。リュカの傍に控えるオリヴィエ・オドラン(aa0068hero001)は頭を下げる自身の契約者を少し冷めた目で見ている。
「相変わらずって感じだな」
 ガルーがオリヴィエに目配せする。オリヴィエは黙って頷くのみだった。
 たわいもないやり取りがそこかしこで行われている中、輸送機の動きが止まる。現場近くに到着したようだった。

「鈍重な敵とはいえガキどもの体力では長くは持つまい、時間との勝負だな」
「ん……急ごう」
 輸送機の着陸後、各員が捜索の準備を進める中、麻生 遊夜(aa0452)は闇に覆われた林を眺めながらぽつりと呟く。遊夜に寄り添って、彼の言葉を聞いていたユフォアリーヤ(aa0452hero001)が応える。
 暗闇に包まれ、ひとりきり。子供らにとっては過酷に過ぎるだろう。兄妹の命はもとより、精神的なダメージも遊夜には気がかりに思える。
「日が落ちた林の中で鬼ごっこか……トラウマにしないためにも救ってあげなきゃね」
 來燈澄 真赭(aa0646)が、まるで遊夜の心持ちを察したような発言をする。遊夜は思わず真赭のほうに振り向くが、彼女の言葉は遊夜ではなく彼女の相棒、緋褪(aa0646hero001)に向けられたもののようだった。
「この暗さでは足を踏み外して怪我ということもありえるからな――」
 アクシデントの可能性に言及したところで、緋褪は自分たちを見る遊夜の姿に気づく。軽く真赭の肩に手を置き、遊夜に向き直るよう促す。
「麻生さん、今回はよろしくね」
「よろしく頼む。そちらのパートナーさんの言うとおり、何があるかわからん。手早く見つけるとしようぜ」
「了解」
 それぞれ連絡先を交換し、一人ひとりがライトを手に持って捜索の準備は整った。H.O.P.E.から借りられた物は直射型のライトだけだったので少々心もとないが、任務に支障が出るほどのことではない。
「今行くぜ……待ってろガキども」
 一斉に散開、林に進入していく。
 早く、一刻も早く、子供たちを救い出すために。

●見つけた
 11人のリンカーたちは移動中に決めておいた方針のとおり、5班に分かれて林の広範囲に捜索網を拡げている。
 龍哉、朝霞、紅鬼 姫乃(aa1678)の3人は広い林の中央に向けて進んでいた。
「善は急げ、何が起きるかわからないし、早速変身よ! ニック!」
「こんな夜中……しかも人もまったくいない場所でやる必要あるのか?」
 急を要するような状況でも一切の妥協を見せない、というかこだわりを捨てない朝霞にニクノイーサは呆れ果てる。
「当然! ヒーローのお約束よ! 変身、マジカル☆トランスフォーム!」
 有無を言わさぬ華麗な変身、もといリンクドライブで一体となる2人。そこに現れたのは白とピンクに彩られ、林の闇の中でも異彩を放つ風貌の特撮ヒロインだ。
「何ていうか……悪い、俺には理解できそうもない」
 胸を張って堂々とポージングをする朝霞に、龍哉はどういう反応を示せばよいかわからず困惑してしまう。
「いいんです、理解されなくても。私は私のポリシーに従って進むのみですから!」
「素敵な生き方ですわね」
 姫乃が手を叩いて賛辞の言葉を贈る。
「色々お話を伺いたいところですけれど、それは子供たちを助けてからにいたしますわ」
 朝霞の変身でわずかに緊張が緩んでしまったが、姫乃の言葉で元に戻る。急がなければならない、緊迫感が3人の間に走る。
「そうだな。今はまず2人を見つけるのが先決だ」
 龍哉は周辺を見回し、何かしらの痕跡を探る。大きい従魔なら移動の跡が残るはずだ。龍哉が期待するのは、木々の枝に残るであろう痕跡だ。
「とっさに自分が囮になる覚悟を決められる奴だ。逃げるときでも機転を利かせているだろうよ」
「……そうですね。それだけの勇気がある子なら、きっと大丈夫なはず!」
 朝霞は手に持っていたライトをぐるぐると振り回して、四方に光を散らす。
「カールー! アーン! 返事してー!」

 リュカと征四郎は林を北に向けて進んでいた。近場の山を目印にして、迷うことなく着実に歩を進めている。
 征四郎がやや先行し、リュカが続く。できる限りの速力で捜索範囲を潰していく。
「助けに来たぞ! 誰かいたら返事をしろ!」
 リュカは断続的に声をあげながら、手を上げてライトを回す。小さなアンの目にもとまるように。
 しばらく立ち止まって物音の有無を確認するが、感じ取れる異変はない。
 征四郎もライトをあちらこちらに向けてアンの反応を待つが、人の気配は感じられない。
「ダメですね。この辺りにはいないのでしょうか……」
 ガルーと共鳴した姿の征四郎は凛々しい青年で、発する声色も大人びたものがある。だが表情には少しばかりの陰りが見られる。
「どうした、征四郎?」
 リュカが問う。
「いえ、昔のことを少し思い出したのですよ」
 静かな一言だった。
「征四郎が家に取り残されたときのことですよ。残された場所は家でしたが、それでも怖くて悲しかった……。こんな暗い中でひとり、というのはやっぱりつらいのですよ。早く見つけてあげたいのです」
 自身の経験から、征四郎はより強く兄妹のことを憂う。
「大丈夫だ。きっと見つかる」
 リュカはそれだけを発する。征四郎の憂いを解消するのは言葉ではできない。兄妹を見つけることでしかできないのだ。
 2人はしばらく、その場に立ち尽くした。
「あっ……」
 ――ふと征四郎の肩に蜘蛛がひっ付いているのをリュカが見つける。自然豊かな場所である、蜘蛛や毛虫が這っていようと珍しくない。
「征四郎、肩に蜘蛛」
 何の気なしにリュカが報告する。
「ぴゃああああああ! くくくくくくも! くも! ととととと取ってくださいぃ!」
 どくん、と心臓が跳ね上がる。征四郎はもちろん、唐突な奇声に面食らったリュカもだ。外見とリアクションのギャップが激しすぎる。
 征四郎があまりにも大げさに地団駄を踏んで騒ぎ立てるものだから、リュカが特に対処するまでもなく征四郎の肩から蜘蛛が揺り落とされた。
「征四郎、今落ちた」
 脅威が去ったことに気がつかず、珍妙なダンスを披露する征四郎に告げる。
「ああ……助かりました。死んでしまうかと思ったのです」
(「……その姿で『ぴゃああ』はやめろよお前」)
 心のうちに語りかけてくるガルーの声が聞こえる。

 真壁 久朗(aa0032)と夢月(aa1531)も入念な捜索を行っている。
「聞こえていたら返事をしろ! 俺たちは助けに来た!」
 久朗はライトで辺りを照らして呼びかけを徹底。夢月は周辺の様子を観察している。
「何か見つかったか?」
 痕跡探しに注意を注いでいる夢月に久朗が尋ねるが、首は横に振られる。
「そうか」
 再び足を進めようとしたとき、枝が折れたような乾いた音が背後に聞こえた。
 鬼か、それとも――。
 2人とも武器に手をかけてすぐさま振り返り、音の方向へライトを当てる。
 そこには、犬のぬいぐるみを両手に抱え、土汚れにまみれた衣服の少女がいた。アンがいたのだ。ずっと泣きながら歩いていたのだろう、目や鼻が赤く染まり、顔は涙でぐしゃぐしゃだ。
 久朗と夢月は幼いアンを発見できて安堵の息をもらすが、アンは怯えきった表情をしている。何せ目の前の2人は、片目が機械化している男と、マスクで顔の半分以上を覆っている女なのだ。
 じり、とアンは後ずさる。2人は急いで武器から手を離し、精一杯やわらかいだろう表情を作る。
「大丈夫か? 心配しなくていい、俺たちはH.O.P.E.のエージェントだ。……と言っても何のことかわからんか。そうだな……俺たちはおまわりさんみたいなものだ。カールも仲間たちが捜している」
 できる限り、子供に怖がられないような感じで話しかけるが、残念ながら彼の高身長の威圧感や特異な風貌を補えるほどではなかった。
 アンのこわばった表情は全く崩れない。さらに2歩、3歩と後退する。
 事態の悪化を受け、夢月が顔を覆ったマスクを首まで下ろし、アンにゆっくりと歩み寄る。
「君たちは私たちが必ず守る。もう怖い思いはしなくてもいいんだ」
 かがみこみ、アンに話しかける。女性である分、久朗よりいくらか優しげな印象をアンは受けたが、それでも張り詰めた糸を緩めることはできていない。
「仕方ないな。任せるぞ」
 深く息をつき、久朗は共鳴を解除する。髪色が戻り、前髪が力をなくしたように垂れ下がって彼の左目を隠す。
 久朗との共鳴を解いて姿を現したのは、柔らかな銀髪を揺らして人懐こい笑顔を浮かべる少年、セラフィナ(aa0032hero001)だ。
「もう大丈夫ですよ。ここは危ないので僕たちと一緒に行きませんか?」
 セラフィナの言葉で、アンの表情が少し和らぐ。彼の柔和な面立ちは、アンにとってはとても接しやすいように感じただろう。
 アンの心をさらに解きほぐそうと、セラフィナはクッキーやぬいぐるみをあたかも手品のように次々に取り出してみせる。
「ほら! カンガルーさんもねこさんもクマさんもいっしょですよ! もう独りじゃないのです」
 目の前で踊りだすぬいぐるみたちに、アンの目が輝く。1歩、2歩とこちらに近づいてきた。
 夢月も共鳴を解く。現れるのは、怜悧な眼差しを持つ女、ジェネッサ・ルディス(aa1531hero001)だ。ジェネッサは素早い手つきで猫と熊のぬいぐるみを用意する。
「こんにちは、お嬢ちゃんとワンちゃん。ボクたちが迎えに来たよ!」
 クールな出で立ちとは裏腹に、何とも愛嬌のあるセリフが彼女の口から飛び出てくる。
「ワンちゃん、君はお嬢ちゃんを守っていたんだね。えらいなー。今度はボクたちが守るからね!」
 器用にぬいぐるみを操作しながら、アンの抱えるぬいぐるみと触れ合わせる。こちらを見るアンの肩にもう片方のぬいぐるみで触れる。これでもうアンに逃げ去られるようなことはないだろう。
「あそこのマスクをしたお姉ちゃんは、ちょっと見た目は怖いけどいい人だから安心してね!」
「……」
 ジェネッサの余計な説明に、夢月は黙って抗議の念を目で伝える。
「あそこのお兄さんも、怖そうですけどとても優しいんですよ!」
「そんなことをわざわざ言わなくていい……」
 少し面白がって便乗したセラフィナを、気遣い無用とばかりにあしらう久朗。
「おにいちゃんたち、おまわりさんなの……?」
 ようやく、恐る恐る、アンが口を開いた。
「そうだよ。ボクたちはおまわりさんなんだ。だからおうちに帰るまで、ボクたちと一緒にいよう!」
 ジェネッサが腹話術で答える。わさわさと両手のぬいぐるみを動かしながら。セラフィナも加わってさながら人形劇の光景だ。
「おまわりさんなら……おにいちゃんもたすけてくれる?」
 心配そうに尋ね、アンは4人に視線を巡らせる。祈るような心境で、イエスという答えを待っている。
「お兄ちゃんもボクたちの仲間が守ってくれているよ、さあ行こう!」
 ジェネッサの操るぬいぐるみにアンは頷き返す。その小さな体を夢月は優しく抱きかかえた。
「妹は保護した」
 久朗はスマートフォンに向けて、一報を告げる。

●交戦開始
「よかったー! アンちゃんは見つかったみたい」
 ニア・ハルベルト(aa0163)はアン発見の報告を受けて喜びの笑顔を見せる。
「あとはお兄さんだけということね」
 ルーシャ・ウォースパイト(aa0163hero001)もまず一安心、といった感じだ。
 2人は志賀谷 京子(aa0150)とアリッサ ラウティオラ(aa0150hero001)とともに行動している。
「京子、妹さんは保護されたようです」
「そうみたいね、アリッサ。残るはカール君……彼は従魔に追われているんだし、従魔の痕跡を探すのがいいでしょうね」
 京子はそう言うと、アリッサに地面や木々を注意深く見るように言付ける。大型の従魔なら痕跡は派手に残されるはず。足跡や何かをひきずった跡、木の枝や地面の草が不自然に折れたり曲がったりしていないか。必ず手がかりがあるはずだ。
「痕跡か……。よーし、ルーシャ! 私たちもキョーコちゃんたちを手伝うよー!」
「そうね、早く見つけてあげないと」
 ニアは気合を入れなおして、些細な異変も見逃すまいと四方に首を振って歩いていく。
(気負っていなければいいけれど……)
 前方を歩くニアの背中を見ながらルーシャは思いを巡らせる。ニアが落ち着いて動けなかった場合は、自分がブレーキをかけるのだと、心に決める。
「ちょっと、これ見て」
 京子が足を止め、ある方向を指差す。
 その先では、地の草が踏み潰されたように根元から折れ曲がり、立ち並ぶ木々の枝にもつい最近折れたような形跡がある。
「これはもしかすると……かもね」
 京子を先頭に、4人がその跡を追う。50m、100mと進むうちに、前方に明らかな物音を確認する。
「アリッサ、急ぐよ!」
「ええ」
 2人は共鳴し、全速で走っていく。
「ルーシャ! 私たちも!」
 ニアとルーシャも共鳴し、京子の後に続く。距離は離されてしまっているが、恐らく目的の位置は遠くない。さして問題にはならないだろう。
 先んじて京子が、その場所に躍り出る。
 いた。鬼がいた。体力が尽きたカールの首根っこを、今まさに捕まえようとしている鬼がいた。
「させない!」
 間一髪、京子の体が両者の間に割って入る。幻想蝶からブラッディランスを取り出し、威嚇射撃。大きな鬼の胸に命中し、怯ませた。
 だがダメージは弱く、すぐに体勢を立て直した鬼は巨大な腕を一振り。カールを庇いながら避けようとした京子はかわしきれず、カールともども弾き飛ばされた。
「いって……何だ? お姉さん誰……?」
「まったく……身を晒すなんて趣味じゃないんだけどね」
 何とかこらえて立ち上がる京子だったが追撃の手が伸びる。カールがいなければ回避することは難しくなさそうだが、彼を放ってはおけない。
 やむなく、両腕をかかげて防御の構えをとる。
 瞬間――。
「いっくよーー!」
 間延びした声。遅れて到着したニアの力いっぱいのストレートブロウが鬼の巨体を浮かせる。強烈な一発が鬼を後退させる。
「キョーコちゃん、大丈夫?」
 その言葉とともに伸ばされた手を京子は取って、ニアと並び立つ。
「大丈夫よ。それじゃ手筈どおり、ニアさんはカール君をよろしく」
「OK、任せて!」
 どんと胸を叩き、ニアはその身に不釣合いな大剣を振る。そして地面に腰を落として唖然とするカールに向き直る。
「よく頑張ったね、もう大丈夫! お姉ちゃんたちがあいつをやっつけるからね!」
 強いセリフは、自らの覚悟の表れでもある。怖い思いはもうさせない。眼差しが鋭い威圧となって、鬼を刺す。
 息巻くニアをよそに京子は槍を収め、上空めがけてクロスボウをかかげる。
 フラッシュバン――閃光が闇夜の空に煌く。目標発見の合図である。
「さぁ、仕方ないから相手してあげるわ」
 眼前の鬼を挑発する。京子の役目はカールから敵を離しておくこと。接近戦をするつもりはないが、あくまで自分を標的にさせねばならない。
 鬼は京子に対して敵意をむき出しにして襲いかかってきた。京子は身を翻して距離を保ち、射撃で牽制する。矢は命中しているのだが、勢いは衰えない。
「浅いか……。それなら」
 分厚い書物を手に取る。それを開くと紙状の刃が現れ、鬼めがけて飛んでいった。無数に切り傷を与えるも、それでも鬼は動じていない。
「効果ナシか」
 鬼が間合いを詰めるのを見て、京子も離れる。つかず離れず、されど離さず。そんな攻防を繰り返すうちに、待望の援軍が着く。
「手を貸しますわ」
 不意に、全身を覆えるほどの黒い長髪をなびかせた、獣耳の姫乃が戦場に舞い降りる。姫乃は鬼が振り回す腕を避け、翻弄するように動き回る。
「鬼さんこちら、手のなるほうへ♪」
 巨体の鬼をからかって楽しむかのようにステップを踏む。姫乃のその神経に唖然としながらも、京子は肩の荷が下りたと安堵する。
「待たせたな。と言っても合図を見て到着したのは俺らが最初か」
 はつらつとした声が響く。龍哉は両の拳を合わせ、臨戦態勢は万全といったところだ。
「私たちも鬼の跡を追っていたから、その分早く来れたんでしょうか」
 朝霞も京子に駆け寄るが、変身姿の異様に京子は思わずちょっと退いてしまった。
「まぁここは、各々役割を果たすとするか」
 龍哉はそれだけ言うと、戦闘の渦中へ飛び込んでいく。
「力と頑丈さには自信ありってところか?」
(「子供を追い回すような邪な鬼に情けは不要ですわ」)
「同感だ。それじゃ鬼退治といきますか!」
 龍哉は身の丈ほどの戦鎚を振り、ひとまず敵の出方を探る。間合い、攻撃手段、身のこなしを把握するためだ。
 鬼は殴打や蹴りでの攻撃ばかりを繰り返し、龍哉らの繰り出す攻撃をろくにかわせもしないほど鈍い動きを見せていた。戦力分析は順調に済んだ。
「一気呵成だ。いかせてもらうぜ」
 龍哉の豪快な一振りが鬼の頭に直撃し、火の粉の輝きが闇の中で鮮やかな色を見せる。耐久力に長じた鬼とはいえ、頭を襲った痛打にはさすがに苦悶のうめきをあげる。
「追撃、いきます!」
 鬼の側面に位置取りをしていた朝霞のフェイルノートが一矢を放つ。龍哉が打った頭部へ突き刺さる。
「ウウォオオオオオオオオ!」
 初めて、大きな咆哮をあげる鬼。迫りくる危険を感じ取りつつあった。
「ふふふ、追いかけられる立場は楽しいかしら?」
 愉悦の微笑みを浮かべるのは姫乃だ。戦闘に悦びを感じる彼女にはいささか物足りない相手と感じてしまってはいるが、驕った強者が弱者へと変わる瞬間も愉快なものだ。
「鬼ごっこはこれからですわ♪」
 姫乃は練り上げた魔力で針を生成し、的確に鬼の体へ撃ちこんでいく。追われる側となった獲物を、逃がしたりはしない。足を奪い、確実に仕留める。
「遅くなった」
 カールを守りつつ戦況を見守っていたニアの近くに、久朗と夢月が姿を現した。
「おにいちゃん!」
 夢月にしがみついていたアンが、ニアの傍らのカールを発見する。ぱっと表情が明るくなった。
「アン……よかった。無事で」
 夢月に下ろしてもらったアンは一目散に兄のもとへ駆けていき、彼に体を預けるように抱きついた。
「2人とも……よかったね」
 微笑ましい光景についついニアの頬も緩む。
 久朗と夢月は2人のことをニアに託し、さらなる加勢に加わる。
 おもむろに、久朗は鬼の前にその身を晒す。怯んでいた鬼も、無防備な相手を発見してすかさず豪腕を振り上げた。
 腰を落とし、盾と頑強な体で一撃を受けきる。刹那に盾を幻想蝶に収納し、盾にもたれるように体重をかけていた鬼のバランスが崩れる。
「隙あり」
 上空から長槍が降る。夢月が突き下ろした槍が鬼の背を穿つ。追撃、久朗のブラッドオペレート。切り裂かれた鬼の脇腹から血液が噴き出す。
「上手く事が運んでる……ってところか」
 再びニアの隣に人影。共鳴して犬耳を生やした遊夜が立っていた。その隣には同様に獣の耳を生やした真赭の姿もある。
「じゃあ、うちは向こうに行ってくるね」
 真赭が鬼と仲間たちの方向を指し示しながら、遊夜を見る。
「わかった。子供たちは俺に任せろ」
 返事を聞き届け、真赭はマビノギオンを開いて鬼の討伐にかかる。
「あんたも行って構わないぞ」
 彼女の背を眺めていたニアにも、遊夜は告げる。ニアはまんまるの瞳を遊夜に向ける。
「では、お任せします!」
 意気揚々とニアも接近戦の輪の中へ。
 カールとアンをかばうように自分の背に置き、遊夜はスナイパーライフルを取り出す。
 ちらりと子供たちを一瞥。2人は恐怖こそしていないものの、やはり安寧とは遠い面持ちだ。
「待ってろ、すぐ終わらせてやるからな」
 ポン、と2人の頭に手を置く。何気ない行動ではあったが、2人にとってその手の感触は不思議と頼もしく感じられた。
 遊夜はスコープを覗き、照準を定める。威嚇射撃で前線組の援護を始める。
 1発撃ったところで、別の角度からの射撃。射手がいるだろうほうへ遊夜は顔を向ける。
「遅くなってすまない」
 遊夜の目線の先には、同じくスナイパーライフルを構えたリュカの姿があった。風貌はリュカに近くとも内面は完全にオリヴィエ。銃を構えた姿は板についている。
「カール、この先は幼子が見るようなものじゃない。目を塞いでおけ」
 リュカがアンを指差す。カールは言われるがままに両手でアンの目を覆う。どうしたの、とアンが不安そうに聞いてきたが、優しい言葉をかけてなだめた。
「デカブツの散りざまか。確かに見てもためにならんな」
 微笑を浮かべて、スコープを覗き直す遊夜。リュカも射撃体勢に入る。
 前線では新たに征四郎が戦列に加わっていた。
「紫征四郎、参ります!」
 槍を振るって腹部へのブラッドオペレート。度重なる負傷で、鬼の体から血しぶきがほとばしる。
 続けざまに足を突き、移動力を削ぐ。二度と兄妹を脅かせないように。
「そろそろ倒れてもらわないとね」
 真赭のマビノギオンから射出された魔法剣が鬼を斬りつけ、ライヴスの毒が鬼の体に浸潤していく。
「一気に攻めるよー!」
 ニアの全身全霊の猛攻、オーガドライブによる捨て身の一撃が鬼の胴を深々と斬る。致命傷となっておかしくない傷だが、それでも鬼は膝をつかない。
 とどめを刺すべく、龍哉も捨て身、渾身の一振りを鬼の一角に打ちつける。威容を誇っていた一本角は根元から折れ、粉々に破砕した。
 決定的一打を受け、ついに膝をつく鬼。だが目には未だに気が宿っている。
 消える直前の灯火のように最後の力を振り絞って立ち上がった鬼は、こともあろうにカールとアンを目指して怒涛の勢いで走り寄ってきた。わずかな可能性、生存のためのライヴスの確保、そのために最も弱い相手を襲うということなのだろう。
 しかし、立ちはだかる者はいる。
「まったく、往生際が悪いことだ」
「俺は脚を狙う」
 遊夜とリュカ。二人の狙撃手が獲物に狙いをつける。
 銃声――リュカの弾丸がまず鬼の脚部を捉える。転倒しかかるが、鬼は片手を地につき、その反動でなおも兄妹に向かってくる。
「その耐久性、恐れ入るぜ」
 遊夜の賛辞の言葉。もう眠れという合図。
 トリガーを引き、鬼の目を撃つ。弾丸は見事に眼窩を抜き、後頭部を貫いた。普通の生き物ならば完全に絶命するだろう。
 しかし従魔である鬼は、脳髄を損傷しようが動きを止めない。だが向きは変わったようだ。
 兄妹にたどり着くには障害物が邪魔だ。障害物、リュカと遊夜に矛先が向く。
「あっちにこっちにと、忙しい奴」
「まぁ好きにするといい」
 2人を狙い、鬼は捨て身で襲いかかろうとするが、遊夜は悠然と構える。
「ただ、そんなに俺たちに気をとられると……ほれ、やられるぜ?」
 リュカと遊夜に向けられて伸ばされた鬼の拳は、2人に届くことなく止まる。ほどなく、鬼の目からも光が消えた。
 完全停止した鬼の体からは2つの武器が突き出ている。背中から胴を貫き腹と胸から。
「麻生さん、おつかれさま」
「リュカも無事ですか?」
 真赭と征四郎、彼女らの得物が鬼の命を絶ったのだ。

 戦闘が終わると、真っ暗な林にわずかな賑わいが生まれた。
「アンちゃん、お兄ちゃんの言うことはちゃーんと聞かなきゃダメだよ? カールくんもアンちゃんを独りにしないこと! お姉ちゃんと約束だよ!」
 ニアはすぐに兄妹に駆け寄って、2人を叱る。怒るのではなく叱る。ルーシャは子供らを注意するニアの姿を微笑みながら眺めている。
「どうしたの? ルーシャ?」
 ルーシャの視線にニアが感づく。
「いえ、何でもないの」
 何でもないって何なの、と問い詰めながら、ニアはルーシャと並んで歩み去る。
 アンとカールのもとに、今度は京子が近づいてくる。
「もう大丈夫よ、2人ともがんばったわね。特にカールくん、よくがんばった」
 カールは照れくさそうに俯いて、せわしなく指を絡ませるように動かしている。
「そのとおり、よく妹を護って頑張ったな坊主」
 いつの間にかそばに来ていた龍哉がにっと大らかな笑顔を作り、カールの頭に手を置く。
「ただ、これからは夜遅くに出かけないことですわ」
 ヴァルトラウテが苦言を呈する。家族のように大切なぬいぐるみを置き忘れたとしても、やはり夜中は子供の活動時間ではないのだから。
「ごめんなさい……」
 アンが小さくなって謝罪する。
「でも、無事で何よりですわ」
 優しくアンの頭をなでる。気落ちしていたアンだが、頭をなでられてどこか嬉しそうだ。
「歓談が終わったなら……帰ろうか。家に帰らせるまでが任務、ってな」
「ん……帰ろう」
 遊夜の号令で、一団は林を出るために進んでいく。疲れきって眠そうなアンは遊夜が背負って行くことになり、ユフォアリーヤは羨ましそうに眺めている。
 背負われているアンは、見るともなく周りを見ていると、夢月と偶然に目が合った。
「おねえちゃん、ありがとう」
 当初の夢月への警戒感は、彼女に抱きかかえられていたわずかな時間ですっかり消えうせたようだ。
 夢月はアンのもとまで寄り添ってきた。
「君たちが助かったのは君たちの絆の力だ。それに、この子も暗闇の中で君を守っていた。これからも大切にしてあげるといい」
 アンがずっと抱いて離さない犬のぬいぐるみを指差して、夢月は語りかける。
「そうだ、よければこれを君にあげよう」
 そう言いながら夢月はジェネッサが使っていた猫と熊のぬいぐるみを取り出す。
 が、アンは首を横に振った。
「いらないのか、気に入らなかったかな」
 再びアンが首を振る。ふるふると、横に。
「あたしもこのコとはなれたくないから……きっとねこさんとくまさんもおねえちゃんとはなれたくないとおもう……」
 何とも可愛らしい回答に、夢月もマスクの下で思わず口角がつり上がる。
「家族に連絡を入れた。2人の帰りを待ってる」
 久朗は保護者への通達を済ませたことを皆に伝え、空を見上げた。
「星が……綺麗だな」
 皆が久朗の視線の先を見る。
 闇の中に光の粒。スクリーンにはいっぱいの星が広がっていた。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • 此処から"物語"を紡ぐ
    真壁 久朗aa0032
    機械|24才|男性|防御
  • 告解の聴罪者
    セラフィナaa0032hero001
    英雄|14才|?|バト
  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 仄かに咲く『桂花』
    オリヴィエ・オドランaa0068hero001
    英雄|13才|男性|ジャ
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 優しき『毒』
    ガルー・A・Aaa0076hero001
    英雄|33才|男性|バト
  • ライヴスリンカー
    赤城 龍哉aa0090
    人間|25才|男性|攻撃
  • リライヴァー
    ヴァルトラウテaa0090hero001
    英雄|20才|女性|ドレ
  • 双頭の鶇
    志賀谷 京子aa0150
    人間|18才|女性|命中
  • アストレア
    アリッサ ラウティオラaa0150hero001
    英雄|21才|女性|ジャ
  • 守護者の誉
    ニア・ハルベルトaa0163
    機械|20才|女性|生命
  • 愛を説く者
    ルーシャ・ウォースパイトaa0163hero001
    英雄|20才|女性|ドレ
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • コスプレイヤー
    大宮 朝霞aa0476
    人間|22才|女性|防御
  • 聖霊紫帝闘士
    ニクノイーサaa0476hero001
    英雄|26才|男性|バト
  • もふもふの求道者
    來燈澄 真赭aa0646
    人間|16才|女性|攻撃
  • 罪深きモフモフ
    緋褪aa0646hero001
    英雄|24才|男性|シャド
  • 夜を切り裂く月光
    無月aa1531
    人間|22才|女性|回避
  • 反抗する音色
    ジェネッサ・ルディスaa1531hero001
    英雄|25才|女性|シャド
  • エージェント
    紅鬼 姫乃aa1678
    機械|20才|女性|回避



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