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テレビに出演しよう

saki

形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 5~10人
英雄
9人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2015/11/20 19:59

掲示板

オープニング

●某テレビ番組
「さぁ、今回も始まりました、このコーナー。『教えて、能力者さん達!』このコーナーでは、様々な能力者さん達に出演していただき、子供たちに能力者とは何かということを教えるコーナーです」
「いやー、そのまんまですよね。このコーナー」
「司会のAと……」「司会のBがお送りします」
 男女二人の司会者が、和やかにオープニングをスタートさせていく。
「けど私、このコーナー実はとっても好きなんですよ」
「あぁ、それはわかります。何せ、現役の能力者さん達に出演していただいて、その格好良さや素晴らしさを存分にアピールしていただくコーナーですから、子供の時に観ていた特撮とか魔法少女ものを思い出して、心がくすぐられますからね」
「それですよ。小さい時、頑張って早起きしてテレビにかじりついていましたもの(笑)」
「一応、このコーナーの注意事項です。『教えて』とありますから、能力者さん達にはそれぞれ能力者とは何かということを説明していただきます。お仕事内容とか、心構えとか、そんな簡単なことで結構です。その上で、格好いい共鳴シーンや素敵な技を披露してもらうのですが、勿論戦闘シーンの披露も大歓迎です」
「希望者の方にはこちらで用意した従魔と実際に戦っていただいて、格好良さを存分にアピールしていただくことも可能です。ただし、こちらはランダムになりますので、どの従魔と当たるかはわかりません。心してかかってくださいね。けど、終わった後にはきちんとこちらで怪我の手当てはさせていただきますので、ご安心ください」
「うちはブラックではありませんからね。これでも一応教育番組ですから(笑)」
 掛け合い漫才のようなテンポで会話が交わされていく。この二人の会話もこの番組の人気を支えている一つである。
「それでこちらの独断と偏見で優勝者を決めさせていただき、優勝者には「一流スター」の称号をプレゼント。……って、誰がいるんでしょうか、この称号。いる人はいるのですかね」
「まぁ、心の広い人は受け流してくださいますよ。ネタだって」
「そうですよね。今日日寒い称号ですから」
「では、今日はどんな能力者さんがいらっしゃるのでしょうか」
「能力者の皆さんの入場です」
 スタジオに能力者達が入場した。

解説

・目的
→能力者の説明と、格好いい共鳴シーンや戦闘シーンを演出し、子供たちに能力者の素晴らしさを知ってもらうこと

・補足
→演出に必要な小道具などもあれば、申請してください
→能力者に関する説明は少しでも良いので、必ず入れてください
→羞恥心は捨てましょう。派手にやれば派手にやる程目立ちます。
 評価をするのは子供目線ですので、堅苦しいことをするよりも、目立ってなんぼの方が高評価です
→戦闘後は回復しますので、安心して戦ってください。
 但し、怪我はしない方が子供からすると凄いと感じるので、圧倒する戦い方や魅せる戦い方の方が高評価です。
 また、凄く強い敵は出ませんが、従魔はランダムで出しますので、どんな相手でも対応できる、戦えるという姿を示してください

リプレイ

●舞台裏にて
 スーツに身を包んだクラリス・ミカ(aa0010hero001)は、同事務所のアイドルである蔵李・澄香(aa0010)と小詩 いのり(aa1420)の宣伝をすべく、『本日は、このような場を設けて頂き誠にありがとうございます。こちら、ほんのお口汚しですが』と、挨拶に回った。
 名刺交換をしているクラリスの横で、二人も「今日はよろしくお願いしまーす!」と挨拶を忘れない。
 成程、アイドルとしてこういうことに慣れているだけはあり、笑顔も挨拶も慣れたものである。こういう地道さこそ、成功の第一歩なのだ。

『これは……日曜の朝のような雰囲気でやれば良いのですよね!?』「毎週かかさず見ているアレか……? と、とりあえず、俺はこういうの不得手だからな。お前に任せる」と、緊張した面持ちのセラフィナ(aa0032hero001)に、真壁 久朗(aa0032)は答えた。
 包帯を巻いた久郎の怪我を格好いいとも思い、大怪我をしている久郎の分も頑張るのだとセラフィナは『はい』と良い返事をした。

 倉内 瑠璃(aa0110)は「き、共鳴姿を電波で全国に晒せって!? 本気で言ってるのか、フィリス……!」と、焦った声を上げた。
 その姿を見て、『ええ、本気も本気。本気と書いてマジと読む位には本気ですよ?』と、ノクスフィリス(aa0110hero001)は愉し気な声を上げ、完全に確信犯の彼女に瑠璃は恨みがましい視線を向けた。

『おい、本当に大丈夫か』と、心配そうな声を上げるマルコ・マカーリオ(aa0121hero001)にアンジェリカ・カノーヴァ(aa0121)は「大丈夫、このボクが怪我如きで参る訳ないじゃない。テレビの前の子供達にバッチリ恰好いい所見せるんだから! あてて」と、怪我の痛みに顔を顰めた。
 こう言いだしたら聞きそうにないアンジェリカに、マルコは溜息を吐いた。

「なぜ、こんなことに……」と、イリス・レイバルド(aa0124)は肩を落とした。その姿はまだ幼い女の子がやるのには大人びているような、庇護を誘うようなものでもあった。
 そんなイリスを前に、アイリス(aa0124hero001)が『ふむ、《共鳴》すれば大丈夫だろう』と言うが、「放送時は《共鳴》してないよ。思い出して泣けてくるよ、きっと……」とイリスは少々後ろ向きのようだ。『まあ、多少は慣れたまえ。私は側にいるからさ』

「テレビに出演なんて滅多にないよな! 自慢の英雄を紹介とかカッコいい戦闘を見せるとか想像が膨らむぜ!」と、神鷹 鹿時(aa0178)は目を輝かせた。
 そんな鹿時にフェックス(aa0178hero001)は、『そうか?』と首を傾げた。
「当たり前だろう!……けどまぁ、問題はフェックスが常識はずれの行動に出ないかだな~」と、最後の方はフェックスに聞こえないように呟いた。

『日頃の研究成果を発揮するのじゃ』と、やる気満々な王 紅花(aa0218hero001)にカトレヤ シェーン(aa0218)は呆れた風に「おまえ、ずっとこんな事を考えていたのか」と返した。
『勿論じゃ。ここは我に任せてみるのじゃ』「そうか。なら、期待しているからな」『うむ、大船に乗ったつもりでいると良いぞ』

 まるで双子のような容姿の秋姫・フローズン(aa0501)と修羅姫(aa0501hero001)であるが、口を開けばそれが大きな間違いであるということに気が付くだろう。
「楽しみですね」とふわふわ笑う秋姫に対し、修羅姫は『そうか?』と何処か尊大ささえも感じられる口調で首を傾げた。しかし、何処となく気安さのような絆のようなものが感じ取れ、本当に親しいのであるというのが感じられるようなそんな二人であった。

「能力者のカッコいいところですかぁ……、他の皆さん程かっこいいのはちょっと自信ないけど、ここは雨流古流剣術をお披露目しちゃおうかな」と、少し自信のない言い方ではあるが、雨流 明霞(aa1611)は自身の剣技に対しては十分の自信が感じ取れるものであった。それに同調するように、火神 征士郎(aa1611hero001)も『子供達のための実演か。そうだね、厳しい世の中だし僕らの存在を誇示して希望を与えるのも立派な仕事だね』と頷いた。

●出演者登場
「では、順次今回のゲストに登場していただきましょう」「では、どうぞ」

<澄香・クラリス&いのり組>
『テレビの前の良い子のみな様、ごきげんよう。今日は、とっても可愛らしいアイドルのリンカーを紹介させて頂きますわね』と、クラリスのナレーションが響き渡る。
『蔵李澄香ちゃん。ちょっとドジな頑張り屋、歌は演歌が一番得。 お笑い系のアイドルさん。風情溢れる温泉旅館で伸び伸び暮らす16歳。そんな彼女の一番の秘密を教えちゃいます! 澄香ちゃんをただのリンカーではありません。リンカーはリンカーでもなんと。魔法少女なのです!』
 スポットライトが当たり、「テレビの前の良い子の皆、私の活躍見ててよね!」と澄香がウインクした。
『こちらもアイドルのリンカー小詩 いのりちゃん。得意な楽器はピアノ。 歌は意外にも賛美歌が一番得意な妹系のアイドルさん。小洒落たカフェでお喋りにふける16歳。いつも元気いっぱい小麦色の肌が眩しい、歌って踊れるリンカーです』
「アイドル少女コウタイノリ! みんなの祈りを叶えるよ!」と、スポットライトに当たったいのりがポーズを決めた。
『それでは、澄香ちゃん参りましょう。共鳴!』
 その言葉とともに光が弾け、フリルとなり髪と瞳は桃色に変わった。
「魔法少女クラリスミカ! 貴方のハートにくらくらりん!」
 共鳴を完了した澄香の横で、既に共鳴済みにいのりは「ボクたちリンカーは、みんなが困っていることを解決するのがお仕事だよ!」と、笑顔でそう言った。

<久郎・セラフィナ組>
『みなさんこんにちは! 僕はセラフィナ。こちらは真壁久朗ことクロさんです!』「よ、よろしく」
 元気よいセラフィナに対し、照れが勝るようで久郎はぶっきらぼうに答えた。
『僕達の仕事は従魔や愚神が起こす事件を、常人離れした力で解決するんです』
「ライヴス……異世界の力を介した現象でないと能力者はダメージを受けない。だから火災の火でも共鳴していればこちらは燃えることはないんだ」
『つまり、10階建のビルを駆け上がって、火をモノともせずに人を救助できるんです!それにバトルメディックは人のキズを癒す事ができるんですよ』
 そして共鳴すると、舞台を降り、前列に居た子供に近づいた。子供の膝には絆創膏が貼られているようで、その部分に向けて「ケアレイ」を唱えた。
「絆創膏を剥がしてみろ」
 その言葉に子供は恐る恐る絆創膏を剥がすと、そこには綺麗な肌があった。「すげーっ」と子供は感心したような声を漏らした。
「お兄ちゃん、ありがとう」
 その言葉に手を上げて再びステージに戻ると、今度はネイリングソードを取り出して振った。
 既に先程のことで掴みはバッチリの為、子供たちのきらきらとした視線がステージに向けられている。
「見るか?」
 その言葉に、子供たちがステージへと殺到した。

<瑠璃・ノクスフィリス組>
「まずは能力者と英雄の関係を説明する必要があるんだけど……英雄がこれ(女装魔族)だからな……」と、チラリと視線を送ると、『言うに事欠いて私の事をこれ扱いですか。まあ、構いませんけどね』と肩を竦めた。
「何れにせよ、英雄っていうのはあらゆる異世界……例えるなら絵本の中から呼び出された絵本の中の登場人物の様な物だ。で、その英雄と誓約…破ってはいけない約束をする事で能力者となるんだ。もしかしたら、これからそういう出会いがあるかもしれないな」
 そこまで言うと、再び視線を横に向け「で、次は共鳴……しないとダメなのか……」と口にすると、『それは当然でしょう、子供達を楽しませるのが今回のお仕事です。かっこいい所を見せれば、可愛いという印象も覆せるかもしれませんよ?』「 …なら、やってやるさ」『…チョロいですね(ぼそ』と、共鳴した。
 そして、トリアイナを演舞のように大きく振るう。
「ってな感じで、これがラピスの共鳴姿。共鳴姿は能力者によって色々違って、ラピスの場合はこんな感じで女の子になっちゃうんだー……。……って引いてないよね、大丈夫だよね?」

<アンジェリカ・マルコ組>
「何時か世界一の歌姫になる者、アンジェリカだよ。こっちはボクの相棒、マルコさん。どうぞよろしくね~」
 笑顔で手を振りながら、カメラや観客から見えない死角でマルコに愛想を催促するように、アンジェリカは無言で蹴りを入れた。
「こないだ戦闘でちょっと怪我しちゃったんだけどね。能力者は大怪我しても五日あれば全快するんだ。ほらほら、全然元気そうでしょ♪」と腕をぶんぶん振り回す姿は、メイクの技術もあって到底怪我人のようには見えなかった。しかし、笑顔の裏では十二分の痛みに耐えている。それを周囲に知られないように振舞えるのは、やはりこの小さな少女がプロであるからだろう。
「でもね、ボク達は皆を悪い従魔や愚神から守る為に怪我も恐れず日夜戦い続けよ。だから皆、ボク達を応援してね!」
 そこまで言うとアンジェリカは幻想蝶からシルフィードを取り出し、跪くマルコに剣先を向けた。
「我が騎士マルコ・マカーリオ、我と一つになる事を命ず!」と、厳かな声が響き渡る。それに『我が姫の御意のままに』と応えがある。
 それは正に、姫と騎士そのものえあった。それだけの威厳が二人には備わっていた。
 その瞬間二人の姿が光に包まれ、そして消えると、そこには大人の女性になったアンジェリカが現れた。

<イリス・アイリス組>
「お、お姉ちゃんまかせたからね……?」『いや、イリスが説明するのだが?』「なぜ!?」『何故と言われれば、コーナー名が『教えて、能力者さん達!』だからかな』「せ、せめて《共鳴》を…」『お楽しみは取っておくものだよ、イリス』「うーあー…」
 そんな二人のやり取りに、周囲から「頑張ってー」「可愛い」といった応援の声が上がる。
 それに後押しされたのか、「え、えと……能力者のお仕事は、人によって……いろいろ、ちがいますが……」とたどたどしく話し始めた。
「ボクたちの場合は、えと……」
 困ったように視線を向けるイリスに、アイリスは心得ているとばかりに頷き、『ああ、私たちの場合は戦闘が多いね』と助け舟を出す。
『戦闘力だけが全てとは言わないが、それでも戦闘力が必要な事件は多いからね。そんな時に誰かの命を繋ぐ為に私たちは日夜力を育てていくんだよ。だから選ぶ仕事も戦闘が多くなるね。命短し励めよ少年少女。一生懸命はきっと報われるさ。頑張りたまえよ』
 殆どの説明をアイリスがしたが、それでも一生懸命のイリスに向かって大きな拍手が巻き起こった。

<鹿時・フェックス組>
 舞台袖からダッシュし、一回転しながらステージ上に着地した。掴みはバッチリである。
 しかし、肝心な所をフェックスがカメラに興味を持ち度アップで写り、結果妨害の形となった。
「夢はでっかくトレジャーハンター! 神鷹鹿時登場だ! みんなロックって呼んでくれ!」
 ポーズまで決めているというのに、『がう~……? これがテレビカメラか……?俺お茶の間に写ってるのか……?』とフェックスがそれと邪魔してしまった。
「おい、俺の登場が台無しじゃないか!」という突っ込みが響く。そしてフェックスをぐりぐり攻撃していると、「しまった」と自分の失態に気が付いた。
 そしてその分を取り戻そうとばかりに、エージェントの魅力を語った。
 それはもう、熱く語った。
「何と言っても一番は英雄だな! 一部には彼女にしてる奴もいるぜ! 俺は教育者みたいな感じだがな!」
『痛いぞ~……! もうあんな事しないから許してほしいぞ~……!』
 そのやり取りを見ていたら、納得せざるを得ない組み合わせのようにも見えてきた。

<カトレヤ・紅花組>
「能力者のカトレヤ シェーンだ。よろしくな」
『その英雄の王 紅花じゃ。よろしくじゃ』
 ステージの上でも平時と変わらない程、堂々とした挨拶である。そこには威厳さえも感じられる程の堂に入ったものだ。
「まずは、能力者についてだな」と説明を始める。
「能力者はH.O.P.E.って組織に所属しているぜ。まぁ、要は地球防衛隊だな。地球及び地球人類を敵から守るのがお仕事だぜ」
『敵は、異界人や怪獣なんかじゃ』
 子供でも実に解りやすい説明である。子供達は皆、ほぉとした顔で頷きながら聞いている。
「そして、能力者に欠かせないのが俺の隣にいる英雄って存在だ。いずれ君達にも君達の素敵な英雄と出会う時が来るだろうぜ」
『だが、悪い子の前には現れんぞ』

<秋姫・修羅姫組>
「そう……ですね………簡単に言えば………「困った人の味方」……です……」
 秋姫は能力者についてそう答えた。それに修羅姫も頷く。
『そうだな………そして、妾達天……「英雄」と共に生きる……者達でもある……』
 それは誇らしさや信頼感が感じ取れるような言葉であった。二人とも、言葉ではなく言外にそれが滲み出ている。
「ふふ………私は………「家族」と思っていますけど………ね?」
 茶目っ気たっぷりの笑みに、修羅姫は顔を赤くした。
『な! ………恥かしい事を言うでないわ………! ………この……うつけが……!』
 その言葉よりも態度に如実に表れたその姿、観客達は微笑ましいものを見るような視線をステージに向けた。

<明霞・征士郎組>
「子供たちに能力者の説明が必要だけど……、難しくないように説明するの、ちょっと難しいわね……。なら、英雄との誓約と絆について話しちゃおうかな、どう征士郎?」
 明霞の言葉に征士郎は頷いた。
『僕ら英雄と能力者は、誓約と言われる約束を結ぶんだよ。その約束事はどんなものでもいいんだ、「絶対にくじけない」とか「嫌いなピーマンを残さない」とかでも』
「でも、この誓約と言う約束事、もしも破っちゃうと、次の約束事を英雄と結ばないと英雄は消えちゃうの」
 そこで明霞は言葉を一度区切った。
「でも皆、わたし達は簡単に諦める約束はしてないわ。だって、能力者と英雄は絆っていう大事な繋がりを持った仲間なの。ふふっ、だってヒーローって、思いの強さが力になるでしょ?♪」
 その言葉に子供達は頷いた。真剣に話を聞いてくれている子供達を前に、二人は顔を見合わせて笑んだ。

●戦闘シーン
「他のお仕事で怪我をしてしまった為、今回真壁さんとカノーヴァさんの戦いシーンはなしとさせていただきます」
「どうかご自愛ください。また次の機会は是非、素敵な戦い姿を披露してくださいね」

<澄香・クラリス&いのり組>
 二人で戦うこともあり、現れた従魔も二体。
 シャープクロウとデスアーミーだ。
 この二体だとデスアーミーの方がレベルは高い。二人はまずシャープクロウに狙いを絞った。
 澄香は銀の魔弾を放つ。それはシャープクロウに命中し、敵はバランスを崩す。そこをすかさずいのりが距離を詰めて攻撃しようとするが、そこにデスアーミーが襲い掛かる。
「無駄無駄♪ そんなの効かないよっ♪」
 踊りのステップでも刻んでいるような動きで軽々と避けると、すかさずオフェンスブーストを決めて軽々と葬った。
 アイドルではあるが、二人とも能力者なのだ。この程度の敵が相手では余裕である。
 そしてもう一体、シャープクロウに向き直る。
 適度な距離から銃弾を撃ち続ける澄香と、「おっと危ない♪ でも大丈夫♪」と相手の攻撃を軽々と避けつつも攻撃をし、確実に相手を削っていくいのり。しかし、「くっ……。ダメ、魔法の力がぎりぎり足りない」と、澄香が膝を着いた。
『大変です! テレビの前の皆、二人を応援してあげて』と、録音されたクラリスの声が響く。
『せーの、がんばってー』その声に合わせ、子供達も「がんばって」と繰り返した。
「あとちょっとなのに……。みんな、元気をちょうだい!」といのりが言えば、更に『もう一回、がんばってー!』と続いた。
「皆の力が幻想蝶に集まってきた! 行こう、いのりちゃん!」「皆の祈りが幻想蝶に集まってきたよ! 行こう、澄香!」
 澄香は近づいてきたシャープクロウをゴーストウィンドウで一蹴した。
「今だよ、澄香!」「うん」
 ブルームフレアが炸裂し、炎が巻き上がる。爆炎の中に飛び込むと、いのりはハードアタックで敵を両断した。
「大勝利! くらっ!」「やったね♪」
 見事勝利し、ハイタッチを交わした。

<瑠璃・ノクスフィリス組>
「……ま、何言われても戦闘でかっこいい所見せればいいんだ。頑張れ、ラピス……じゃなくて俺」
 目の前に現れたのはオークである。RPGでもお馴染みの豚男だ。
 オークは接近戦を主体とする為、マギノビオンを出現させる。
「かかっておいで」
 その言葉を理解できたのか否か、オークは棍棒を振り回しながら襲い掛かってくる。明らかに届く位置ではないのに振るっているのは、知性を持ち合わせていないその大雑把さ故だろう。
 オークは攻撃力こそ高いが、素早さは大したことがない。
 瑠璃は軽々と相手の攻撃を避け、ウィザードセンスを発動させる。そして、武器を持たない左手から銀の魔弾を射出させた。
 生命値が高いために決定打にはならないが、それでも大分削れてきた。そこを畳みかけるようにブルームフレアが炸裂する。
 黒焦げになり、地に伏したオークの前で「ふふん、ラピスを甘く見ない事ね」と言いながら左手を突き上げて勝利を決めた。

<イリス・アイリス組>
 幻想蝶を取り出すと二人は胸の前で包み込むように両手を添え、互いの額が付く位顔を近づけると、「頑張ろう、お姉ちゃん」『ああ、イリスが望むなら力を貸すよ。頑張りたまえ』「うん、お姉ちゃんと一緒なら……どんな敵が来たって大丈夫だよ!」と共鳴した。
 視線に居るのは鬼のような外見をした従魔――バンデットである。人語を理解しないその従魔は、イリスのことを確認するとすぐに襲い掛かって来た。
 いきなりの攻撃にも慌てることなく、盾でその攻撃を受け止めると、剣で敵を切りつける。それでもバンデットは怯むことなく攻めてくるが、イリスの鉄壁の防御の前ではそれも意味をなさない。
 そんなバンデットを前に、段々とイリスの輝きは増していく。
 リンクコントロールにより、黄金のオーラが輝いているのだ。それはまるで浄化の光のように煌めいている。
 イリスはバンデットの攻撃を楯で弾くとライヴスリッパ―を発動した。そして、更にライヴスブローにて畳みかける。
 黄金の四枚羽を翻しながらの大回転切りをし、「この黄金の翼がボクたちの絆の強さだ!」と血振るいのように剣を横に一閃をした。そして翼を広げながら天高く剣を掲げて決めポーズをし、勝利を掲げた。

<鹿時・フェックス組>
「共鳴時の変化は色々多いな! 俺は髪が赤色になるのが一番の変化だな!」
 赤い髪を強調するかのように、鹿時は不適に笑んだ。ラージ・モンスパイダーが接近してくるが、それにも動じていないかのような余裕の振舞いである。
「本来は連携して倒すのが普通だが、これぐらいなら俺一人でも十分だぜ!」
 ライフルで敵の急所へ弾を撃ち込む。そのまま接近して距離を詰めると、威嚇射撃をし、横回転で側面へと回った。そしてそのまま、ゼロ距離でストライクが炸裂する。
 強烈な一撃である。
「これが……銃使いのロマン攻撃だぜ!」
 それでも尚、しぶとく蠢くラージ・モンスパイダーにストライクを放った。
 それが止めとなった。
 完全に動かなくなったその前で、「これが一流エージェントの実力だぜ!」と肩にライフルをかけ、にっと笑って親指を上げた。
 そして共鳴を解くと、「この機会に是非『骨董&発掘屋トレジャー』に来店してくれ! 美味しいホットサンドと特製コーヒーを用意して待ってるぜ!」『雑談だけでも大歓迎だぞ……!でも決して喫茶店じゃないからそこは注意だぞ……!』と、店の宣伝までして余裕の勝利を見せつけた。

<カトレヤ・紅花組>
「いくぞ、紅花」『おう』
 助走をとったまま互いに後方宙返りし、クロスした所で共鳴すると、そのまま2回転して着地を決めた。そして幻想蝶からわからないように花束を取り出し、右手で高く真上に放り投げ、花を舞い散らし「戦装!」とポーズを決めた。
 ハーピーがその鋭い爪で襲い掛かってくるが、すぐさま距離を取り、「来い、我が魅惑の魂、Cattleya」の声とともにフェイルノートが出現する。すぐさま「Fascination Arrow」と唱えながら矢を放ち、羽を抉り、バランスを崩した所で急接近した。
 近づきながら「来い、我が熱狂の刃、ベニバナ」と武器を持ち替え、フルンティングを振り回すと上段に構えた。
 そのまま一気に攻め、振り下ろし、猛攻が繰り出される。
 そして高らかに跳び上がると、「ジャスティシアキック!」と高角度からの強烈な飛び蹴りを決めた。
 それに耐えきれずハーピーが吹っ飛ぶと、「くらえ、百花繚乱!」と叫びながら、死角から取り出した沢山の花束を投げつけ、その花束ごと滅多切りをした。
 武器を一振りすると、幻想蝶に仕舞うとカメラに向かって親指を立て、「地球は俺達が守るぜ」と格好良く決めた。

<秋姫・修羅姫組>
 オーガが突進してくる。しかし、二人は構えもせずに立っているだけだ。そして攻撃が繰り出された瞬間、「甘い……ですね………」『全くだ………気配でばればれ……だ……』と素早く避け、揃って蹴りを繰り出した。
 上へ蹴り上げると、落ちてきた所に「『双技(そうぎ)・破砕脚!』」と強烈な蹴りをお見舞いし、その身体を壁へと叩きつけた。
 派手な音を立てたオーガの前で、「『遺言は……もう……いいですか……?』」と共鳴し、武器を向けた。
 怒りで狂ったように暴れるオーガを再び蹴り飛ばすと、今度は斧を投げつけるという強烈な攻撃をお見舞いした。その上これでもかとばかりに容赦なく、『今だ………やれ……!』「一撃……必中……!」と、弓矢でも追撃した。
 これにはたまらず、逃げようと巨体を振るわせるオーガの首に鞭を巻き付けて引き寄せると、共鳴を解き、二人で蹴りを入れた。それによって少し鞭が緩むと再び引き寄せ、更に連続蹴りをお見舞いする。
『逃がさぬ……!』「逃がしません……!」
「『双技(そうぎ)・蹴り山彦(けりやまびこ)』」
 えぐいまでに鮮烈な蹴りが入ると、オーガは崩れ落ち、それを見ながら二人は悠然とその場に立っていた。

<明霞・征士郎組>
「征士郎、共鳴よっ! かっこよく楽しくいきましょ♪」
 言葉の通り、共鳴すると楽しそうにシアナスネークと対峙した。
「今日は雨流古流剣術五の型、いわゆる居合の型で行くわ」
 その宣言通り、シアナスネークが動き出す前にすぐさま間合いを詰め、瞬速の居合を披露する。
 正に一閃。
 目にも留まらぬ速さで斬撃が繰り出されたのは熟練のそれだ。しかし、今度は一転して激しく派手に乱斬りが行われる。
 だが、それを喰らってばかりのシアナスネークではない。反撃しようと毒を帯びた刃をくねらせるが、素早く、時にはアクロバットにそれを掻い潜る。
 そして一瞬にして距離を詰めると、ライヴスブローによる苛烈な斬撃で一刀両断した。
 その戦いの様はまるで、日本の剣術を知らしめるようなものであった。確かに戦隊や魔法少女ほどの派手さはないが、日本古来の伝統を知らしめるのには十分なものであった。
 剣をくるくると回し、チンと涼し気な音が響き渡るように格好良く納刀すると、「いつもだらしないって征士郎には言われるけど、本気出せばざっとこんなものね♪」と笑みを浮かべた。

●結果発表
「いやー、本当に能力者って凄いですよね」
「私、手に汗握ってしまいましたもの」
 興奮も冷めぬまま、AとBはふおーと意味不明の言葉を叫んでいる。
「皆さん、本当に凄いですよね」
「私、この番組大好きですよ。……けど、この中から優勝者を決めないといけないんですよね」
「そうですよ。それがこの仕事の辛いところなんですよ。皆さんそれぞれ凄いんですから、それで良い気もするんですけど」
「けど、そうは問屋が卸さないのがこの番組なんですよ」
「誰が決めたんですかね、こんな意地悪なこと。……って、あっ、プロデューサーさんですよね。すみません」
「決して悪口を言った訳ではないのですよ。甲乙が付け難いっていうだけで」
 だから番組から外さないでくださいと頭を下げた二人に、あちこちから笑いが起こった。
「さぁ、気を取り直しましょう」「スタッフの方々の気が変わらない内に締めましょう」
「「と、いうわけでこちらの独断と偏見で優勝者を決めさせていただきます」」
「選ばれなかったからといって、何かが劣っているということがありません」
「あくまでも、今回たまたまそうなっただけですから」
「「では、結果発表です」」
 ステージの証明が落とされる。そして、スポットライトが優勝者を照らし出した。
「優勝は秋姫・修羅姫組です」
「おめでとうございます。お二人には、番組特性「一流スター」の称号が付与されます」
「「皆さん、拍手を」」
 その言葉に、観客から拍手が巻き起こる。
「では、今回はこれまで」
「また来週お会いしましょう」
 カンペで「ポーズを」と指示があり、それぞれが手を振ったり、思い思いのポーズを決めたりして、番組は終了を迎えた。

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

  • トップアイドル!
    蔵李 澄香aa0010
  • エンプレス・ルージュ
    カトレヤ シェーンaa0218
  • 誇り高きメイド
    秋姫・フローズンaa0501
  • トップアイドル!
    小詩 いのりaa1420

重体一覧

参加者

  • トップアイドル!
    蔵李 澄香aa0010
    人間|17才|女性|生命
  • 希望の音~ルネ~
    クラリス・ミカaa0010hero001
    英雄|17才|女性|ソフィ
  • 此処から"物語"を紡ぐ
    真壁 久朗aa0032
    機械|24才|男性|防御
  • 告解の聴罪者
    セラフィナaa0032hero001
    英雄|14才|?|バト
  • クラインの魔女
    倉内 瑠璃aa0110
    人間|18才|?|攻撃
  • エージェント
    ノクスフィリスaa0110hero001
    英雄|20才|女性|ソフィ
  • 希望を胸に
    アンジェリカ・カノーヴァaa0121
    人間|11才|女性|命中
  • コンメディア・デラルテ
    マルコ・マカーリオaa0121hero001
    英雄|38才|男性|ドレ
  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 深森の聖霊
    アイリスaa0124hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • キノコダメ、絶対!
    神鷹 鹿時aa0178
    人間|17才|男性|命中
  • 厄払いヒーロー!
    フェックスaa0178hero001
    英雄|12才|男性|ジャ
  • エンプレス・ルージュ
    カトレヤ シェーンaa0218
    機械|27才|女性|生命
  • 暁光の鷹
    王 紅花aa0218hero001
    英雄|27才|女性|バト
  • 誇り高きメイド
    秋姫・フローズンaa0501
    人間|17才|女性|命中
  • 触らぬ姫にたたりなし
    修羅姫aa0501hero001
    英雄|17才|女性|ジャ
  • トップアイドル!
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