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金光邸の春のファッションショー
掲示板
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舞台裏【相談板】
最終発言2019/04/07 10:13:00 -
依頼前の挨拶スレッド
最終発言2019/04/05 15:34:45
オープニング
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「――何々? 例のメロエ遺跡での出来事から発展したオーパーツ争奪戦は、無事終了。ヴァンピーロ一味をリンカー達が華麗に撃破して事無きを得た……か。ふむふむH.O.P.E.東京海上支部のリンカーも大変だな」
「何、小難しい事を言ってるのかな? 金光さんらしくも無い」
豪華金光邸の中庭。その縁側で新聞片手にソーダ水を飲む輩が1人。そう。他でもない催奇金光だ。確かにらしくも無い。
彼が振り返ると、そこには褐色肌をしたキュートな乙女がいました。
「それに金光さんもH.O.P.E.東京海上支部の勇敢なリンカーだよね。果たしてその事件は他人事なのかな?」
「まあ、そんな事より――」
「――どんな事より? また何か大枚を叩いて悪戯を企んでるのかな?」
素早いツッコミを返す。キュートな乙女事サーマ・ネリー。
「俺はせこい手は使わない主義。自分の金は自分で熟すんだぜ!」
「カッコいい様に聞こえるけど、大した事ないよね――ックシ!」
「あらあらサーマちゃんはもしかしなくても花粉症?」
「私が花粉に弱いの知ってるよね? そんなんだからいつまで経っても彼女が出来ないんだよ。少しは異性に対してデリカシーと言うものを知った方が良いよ。金光さんは特に」
そんな会話を挟みながら2人はリビングへと移動。いつもの平穏な日常が誰にでも訪れる日常が時々異様に恋しくなる。
――今のこの2人にとっては特に。
「さて――と、今回はどんな悪巧みを行うのかな? 金光さん」
「何――大した事は無い。これを見よ!」手にしていたリモコンの電源を入れる。
ここまでデカくする位ならプロジェクターの方がまだマシだと思えるほどの最新式の100インチプラズマテレビに映し出されたのは何やら海外のファッションショーだ。
「春のファッションショーだよね。場所は本場パリなのかな?」
すぐさま金光はリモコンを操作し早送りをする。どうやら事前に録画したものらしい。
幾人ものスレンダーな男女のモデルさんが画面手前に歩いて来てはくるりと踵を返す。そして途中からCMに入った。
そこで思わずサーマはギョッとした。
スポンサーの紹介の告知に『SAIKI・カンパニー』の文字が躍り出てきたからだ。
「まさか――今回の目的はコレですか?」
「モチのロン♪」
呆れを通り越して春風によるくしゃみも引っ込んだサーマは思わず焦った。何せ催奇金光の父親の企業がスポンサーをしているのだから。
「でもでもでも! わざわざ本場海外のファッションショーに出なくても……! ホラ、リンカーの皆さんも旅費とか色々と大変なんじゃ……!」
「大丈夫。海外での滞在費や旅費、ファッションに使う小道具や実際に着て行く物もこちらがすべて負担する――と、言いたい所だけど実際は……」
「「「金光邸の春のファッションショーですよ~♪」」」
毎度お馴染み(未だ何人いるのかサーマは把握出来ていない)猫耳巨乳メイドさん達が答えを明かしてくれた。
どうやらもうその準備は(いつの間に?)完了していたらしく豪華金光邸のあらゆる場所に舞台(ステージ)は設置されてあった。
「皆も遊びに来てね♪」やけくそなサーマはまるでテーマパークの宣伝みたいに朗らかな笑みを湛えてそう締めくくった。
――でも、おかしいな? 『SAIKI・カンパニー』の事は金光さん自身知らないはずなんだけど……いつ知ったのかな? 等とサーマが無駄な心配をしているよそに金光は何やら小言を吐いた。
「それにしてもこのスポンサー。『SAIKI・カンパニー』だっけ? ネーミングセンスねーな。おまけに俺の苗字と被ってるし……イライラするじゃんか」
実の父親が聞いたら涙した後に軽くボコられそうな発言にサーマはホッとして胸が切なくなった。
催奇金光が父親の存在に気付くのはまだまだ遠い先の未来になりそうだ。
解説
● またもや金光邸でのイベントが始まりました。自身のリンブレでのOPはこれで最後になるかもしれないので皆様、気軽に参加してくれれば嬉しいです。
内容は次の通り。
1.ファッションを行うフロアは全部で4つ。テーマは『春夏秋冬』をモチーフにしています。
『春』――場所:金光邸の中庭。八重桜が生い茂る純和風庭園。水が澄んだ池もあり、中には錦鯉が泳いでいます。和装やそれに見合った服装がベストです。
『夏』――場所:金光邸の外庭。ジャングルを模した緑あふれる庭園。小高い丘や、祠、墓地や、お地蔵さま等独特な雰囲気を持っています。カジュアルな服装がベストです。
『秋』――場所:金光邸のエントランスからリビングまでの廊下。ややアジアンテイストのレリーフが紋様として編まれたカーペットが特徴的。エスニック風の服装がベストです。
『冬』――場所:金光邸の個室。中は教会堂の十字架が特徴的なヨーロピアンテイストです。結婚式の会場をイメージすると良いでしょう。デザイン重視の服装がベストです。
2.各フロアで行うのはもちろんファッションショーですが、自分の個性を主張する為にパフォーマンスを披露するのもありです。
(例)『冬』の幻想的な演出――ロマンチックをアピールする為にドライアイスや粉雪など。ウエディングドレスを着用するなど。
3.他にもウケ狙いのコントや、バンドを組んで歌を歌ったり、PVを創作したりするのも歓迎です。自分の得意分野を存分に発揮して下さい!
4.小道具は余程大掛かりな物でない限り金光邸が用意する――と言う事になっています。
――と、まあこんな所です。皆様の参加、期待しています!
リプレイ
●
金光邸春のファッションショー。やって来たのは4人のリンカーとそのパートナーである4人の英雄達だった。
まず挨拶代わりに静かに首を垂れたのは、斉加 理夢琉(aa0783)とその英雄アリューテュス(aa0783hero001)だ。
彼女等の今回の目的は理夢琉の新曲PV撮影と【Rimuru】ブランドのウェディングドレスの発表だ。
『芸能課の撮影クルー参加の許可感謝します。少々熱いメンバーなのでご迷惑をかけるかもしれませんが……』
アリューはそう言い粛々と名刺を催奇金光とサーマ・ネリーに、そして複数人いる猫耳巨乳メイドさん達に次々と手渡した。
「あー、こっちは名刺なんて大それたもんは用意してないから」と、金光。
『そうです。皆様どうぞ肩の力を抜いて楽しんでいって下さいね』と、サーマ・ネリー。
「「「こちらこそよろしくお願いします~」」」そして複数の猫耳巨乳メイドさん達。
それに対し、理夢琉はアイドルスマイルで丁寧にお辞儀をした。
「斉加理夢琉です。場所を貸して頂けて助かりました、よろしくお願いします」
「モデルをさせてくれるのだって、ワクワクするよ」
『良い記念になるな』
そう言ってどんな衣装にしようか早速事前の打ち合わせに熱が入っているのは五十嵐 七海(aa3694)とジェフ 立川(aa3694hero001)だ。
「最後の依頼かもね、派手に行こうか」
『最高のショーアップするよ』
餅 望月(aa0843)と百薬(aa0843hero001)も気合十分。七海とジェフの打ち合わせに参加する。
「金光さんラストは派手に行きましょう! プログラムはお願いしますね」
「おう! もちろん! ここはドカンと一発デカいの打ち上げてくれ!」
男2人で何やらワイワイやってるのは、金光と他でもない荒木 拓海(aa1049)だ。
『張り切るわね』
その様子を少し離れた位置から見て思わず微笑んでいるのはメリッサ インガルズ(aa1049hero001)。
こちらの様子に気付いたのか拓海は小走りで駆けて来て、
「楽しまないとさ……オレ達も、来てくれる人も」
――そしてまた、皆の打ち合わせに入っていく拓海。
「まずは夏のモチーフ。って、ファッションショーに門外漢のH.O.P.E.エージェントがコーディネートとかおかしいよね」
『お金持ちのデザイナーが本気で準備した衣装が楽しみだね』
餅と百薬がそんな事を言っている間に、猫耳巨乳メイドさん達が次々と衣装を用意してくれた。
――まずは薄地のロングTシャツの上に革ジャンのベスト、ボトムはタイトなミニスカート。更に楕円形のサングラス。
「なるほど。夏って感じだね」
『一昔前のギャルみたいな感じ?』
取り敢えずそれを試着室にて着替えてみる。
「夏の原宿とか渋谷とかにいるよね? こういう人」
『洒落た喫茶店のテラスとかでカフェラテ飲んでたり』
少し大人になった(?)餅と百薬を見て、七海は大はしゃぎ。
「かっこ可愛くなったね。餅さん、百薬ちゃん!」
そんな中、さっきまで静かだった理夢琉は自宅をファッションショーに改造してしまう催奇金光に興味津々。
「サイカとサイキ、親近感がわきますねっ!」
「おうよ! 嬉しい事言ってくれるじゃんか! ぜひ楽しんでいってくれ!」
拓海とメリッサは複数のステージに出る事を希望。
各舞台は離れている為、スムーズな移動ができる様に裏方スタッフのメイドさん達と家具の配置や必要な小道具を手伝って運び出し、通路の確保。
もちろん他の皆とも交流。タイミングの相談をする。
「「「それじゃあ、撮りますよ~」」」
猫耳巨乳メイドさん達がまずは確認の試し撮り。
衣装の良さが映える様にウォーキングや立ち方の録画をする。
皆でそれを見てそれぞれがベストな位置を決める。
『春夏秋冬』をモチーフにした皆の衣装を見て――可愛い・綺麗・格好良い――と、きゃーきゃー興奮する七海と対照的に異世界では舞台俳優だったジェフはこの手のステージは手慣れたものと落ち着いていた。
「程々にしないと舞台で転ぶぞ」
理夢琉の衣装のお手伝いに勤しむ七海を見てジェフは微笑む。
そして、それぞれの舞台は決まった。
巡る季節 空は晴れて
咲き誇る 笑顔の華
その瞳に 映る 景色 鮮やかに染め上げてく~♪
自身のPV撮影に理夢琉はっちゃける。やって来たお客様はもちろん、クルーの猫耳巨乳メイドさん達は熱く撮影しまくり! サーマも思わずカメラを構え、金光はうんうん頷いてる。
連続するカメラのフラッシュの中、『冬』の教会。結婚式場をテーマにした舞台(ステージ)で、理夢琉はフリルのミニスカートウェディングドレスに小さな帽子のレースをはためかせる。
「今回は非共鳴で理夢琉が歌い軽やかなダンスを生かそう」
舞台の上で声高らかにそう言い、歌いながらダンス。
白く幻想的な理夢琉が教会の中を舞う。
夏のモチーフでは、結局トラ柄の夏パーカーにバイザーでスキップをする様に跳ねながらアピールする餅と百薬。
『かき氷も欲しいなー』
「それは単に百薬が食べたいだけじゃないの」
そこで金光の目が光った。伊達に今回のファッションショーのプログラムを任された訳じゃない。
「夏と言えばかき氷じゃん」
「え? あるの?」
『わーい。ワタシ、ブルーハワイ!』
「じゃあ、あたしイチゴで」
――パチン! 金光が指を鳴らすと、
「「「ご注文の品、お待たせしました~」」」と、これまた猫耳巨乳メイドさん達がかき氷を持って来てくれた。
レトロモダンで決めた拓海とメリッサは最初『春』の舞台に登場。
卒業シーズンを思わせる袴姿の2人。和傘を被り純和風と見せて着物は現代模様。
最近は和装=和柄ではないものも多く生活スタイルに合わせた仕様。和洋折衷。
そのスタイルは八重桜に溶け込む様に和の中庭に上手く馴染んだ。
左右から同時に歩き出した2人は、庭園の中央で出会った瞬間、共鳴!
顔は拓海のまま銀色の髪の毛が尾を引く様に伸びている。
そしてそのまま予め準備しておいたクス玉に向かって上空に『烈風波』をかます!
クス玉は見事に割れて、中から花吹雪と鳩が舞う。
――ピュー♪ ピュー♪――
周囲から、お客さん達指笛交じりの大歓声が拍手喝采する中――
袴の袖を脱ぎ、片腕もろ肌となった共鳴中の拓海とメリッサは歌舞伎の見切りのポーズを決めた。
『秋』の舞台に登場したのは七海とジェフ。
七海が着ているのはジョージアの女性衣装を現代のドレス&ワンピース風にアレンジした物。
合わせたジャケットはボレロ。そしてアクセサリーとミュールのサンダルで見事にイメチェン。
カジュアルな恰好とビジネス向けから結婚式2次会まで幅広く使えるのを順に重ね着。
一方ジェフも同じくジョージアの男性民族衣装を現代のスーツ風にアレンジ。
所々に映える刺繍とシルエットを生かし、柄を抑え目にしたのはビジネスに――
色合いを派手にすればお洒落なパーティーもOK――
それ等、数バージョンを重ね着して早変わり。
観客達がワクワクと待ち受ける中、エントランスの入り口から2人は同時にステージへと上がり踊る様に歩く。
そのまま軽やかにターンする度に重ね着していた衣装を1枚ずつ脱いでいく。
――オオオオ!!!――
観客達が目を奪われたのは、色柄の大きく違う衣装。
七海とジェフが事前に下に着込んでいた代物。
これぞファッションショー。ナイスな演出だ。
『夏』――活動的な普段着だけどお洒落なデート向けの仕様で『春』の舞台から颯爽と現れたのは、拓海とメリッサ。
先程とは打って変わって拓海はアメリカンカジュアル。
薄手のTシャツの上にチェックのパーカー。そこにはちょっとリアルな猫がポケットから顔出した風の刺繍入り。
メリッサはそれとは対照的に犬の刺繍の入ったお揃いのパーカーでショートパンツにミュールのサンダル。
「だから、それはリサが悪いんだろ!?」
『いーえ違いますー! 悪いのは拓海の方よ!』
2人はカップルの痴話喧嘩をしながら交互に相手の前へと揃う。
ジャングルを模した緑あふれる外庭の小高い丘を陣取り、祠の前――そのステージの中心で手を合わせる。
観客全員が固唾を呑んで見守る中、拓海とメリッサは一瞬共鳴して――
――そして解除した。
――オオオオ!!!――
その瞬間だけ幻想蝶が華やかに舞い、観客達からどよめきが起こる。
――パチパチパチパチ!!!――
『愛してるわ。拓海』
「俺もだよ。リサ」
拍手喝采の中、喧嘩はどこへ? と思わせる仲睦まじさで手を繋ぎ、2人に戻った拓海とメリッサは舞台袖へと消えていく。
そしてラスト。舞台は『冬』の教会――
皆がそこに集い、最後のパフォーマンスを存分に披露する。
――アンコール! アンコール!――
観客達の声援に応える為に、最初に現れたのは餅と百薬。
「リンカーならではの演出をしようか」
『お祭りがド派手になるのは歓迎だよ』
「よし、一緒にやろう」
コツンとお互いの額を合わせて共鳴。
その次に現れたのは黒と白の戦闘衣装に身を包んだ拓海とメリッサ。
黒は拓海。白はメリッサ。
共にロングコートと革ロングブーツで颯爽と舞台の中央へ。
出会った2人もそのまま共鳴。今度は女性バージョンの顔はメリッサのまま白銀の髪の毛にすらりとした銀色の鎧を纏う戦乙女だ。
さっきまで歌って踊っていた理夢琉もそのまま参加。
『お、俺はどうすれば良いんだ――!?』
理夢琉の英雄のアリューはこの手のものに慣れていないらしく、振り回されまくり。
そんなアリューに理夢琉は歌って踊りつつ小さくウインク。
「こうすれば良いのよ!」
かつての様に理夢琉の声に導かれたアリュー。2人もそのまま共鳴。
最後に現れたのは七海とジェフ。
共鳴し、大人になった七海が華やかなドレス姿で舞台中央へ駆け抜ける。
そして皆の視線がアイコンタクトとして交わった瞬間、共鳴中の餅と百薬がタイミングを合わせて、『ライヴス結晶』を使用。
――リンクバースト!!!――
その時、ド派手な打ち上げ花火のスターマインや、ヒーロー戦隊モノに出てくる爆発物の仕掛けが宙に地に一気に降り注ぎ観客達の度肝を抜いた。
――ウオオオオオ!!!!!――
――キャアアアア!!!!!――
観客達の歓声は鳴り止まない。
金光が予め仕込んだ演出。己の私財を使って、有名な花火師やその手の仕掛け屋に注文しておいた代物だ。
そんな中、かすり傷1つ付かないリンカー達の春のファッションショー及びパフォーマンスは続く。
共鳴中の餅と百薬は翼を広げた黒い天使の様な堕天使の様な姿。
幻想蝶を模した『ケアレイ』の光をまいて、通常の人力ではありえないスピードで上空へと跳躍し、高速移動する。
コートを脱ぎ捨て戦闘ポーズに入る共鳴中の拓海とメリッサは更に足に装着していた『ライヴスジェットブーツ』で観客の上を舞う。
虹を模したレインボーが花火として天高く幾重にも出現する中、共鳴中の理夢琉とアリューも空を飛ぶ。
共鳴中の七海とジェフはドレスのスカート部を破る様に脱ぐと、腿には大型のモデルガン。
「バーストは最期の戦いへ赴く様なのよ」
ポーズをとり、容赦なく大型モデルガンの引き金を引く。
――ワアアアアアア!!!!!――
観客達の大歓声が会場内を包み込む。
スキル『バレットストーム』を発動し、およそ40メートルの範囲にクラッカー音とリボンが雨の様に注ぎ、舞台とモデルを繋いだ。
空中にいた共鳴中の3組。理夢琉とアリュー、餅と百薬、拓海とメリッサは、ラストの装備を展開した演武、模擬戦の様な打ち合いをする。
ドカン! ドカン! と、色とりどりの花火や爆発物が鳴り止まぬ中――
「『リムル、いきまーす!!』」
「『荒木くん、お手柔らかにお願いします』」
「『餅ちゃん達こそ、宜しくね』」
それぞれが共鳴した姿で、それもリンクバーストを活かした晴れやかな舞踏を剣戟を繰り出した後に――
感動のフィナーレを飾る大花火がステージ中央に炸裂した。
――アンコール! アンコール!――
観客達の大合唱に応えたのは、共鳴を解いた餅と百薬だ。
「この力を、これまで人類を守る為に振るってきました。そしてこれからも、いつでも、世界の為に、戦って、一緒に泣いて笑って生きていきます」
そして一息つき――餅は続ける。
「皆さんは、これからもH.O.P.E.への期待と信頼を寄せて下さい」
百薬もそれに倣って、
『H.O.P.E.は皆さんとワタシ達自身の希望に応え続けます』
「今後もよろしくお願いします」
それが終了の合図となった。
「楽しかったよ~~またお手伝いしたいな」
『初めてにしては上手いもんだったぞ』
ジェフに褒められご機嫌な七海。
楽しい一時に感謝してスタッフの猫耳巨乳メイドさん達と共に片付けの手伝い。お礼も忘れない。
そして隙を見てさり気なく金光に――うんと可愛くおねだりしてみる。
「今日の衣装はとっても素敵だったね、欲しいな……」
その様子に金光は腹を抱えて笑いながら、
「可愛いじゃんか! OK。後でメイド達に例の衣装の仕立ても兼ねてクリーニングに出す様に言っておく」
「良かった~! ありがとう!」
そこへジェフがゆっくりとやって来て耳打ち。
『その衣装、何に使うんだ?』
それを聞いた七海はニヤリと口角を曲げ、可愛らしくこう言った。
『貰えたら今度は早変わりじゃなく、お家でじっくりと着て2度目のステージをするんだよ♪』
そんな七海の言葉に思わず苦笑したジェフの元へ1人の少女がやって来た。
理夢琉だ。
「すみません。唐突で申し訳ないんですけど、ジェフさん。一緒に教会で撮影してくれませんか? 【Rimuru】ブランドのウェディングドレスの発表をしたいんです!」
『え? ああ、俺なら構わないが……』
チラッと横目で七海の方を見る。
「行ってきなよ。せっかくの機会なんだし、記念にさ。そうじゃないと理夢琉ちゃんが可哀想だよ」
『そうだな。七海がそう言うのなら。理夢琉さん。宜しく』
「キャー! 嬉しいです! 確かジェフさんって、元俳優さんなんでしたよね?」
『……そうだけど、記憶が曖昧だな』
「ぜひとも私のカップル役としてお願いします!」
『え? カップル?』
さすがにその言葉に戸惑いの色を隠せないジェフの様子を見て、七海は苦笑。英雄のアリューはと言うと――
『全く付いていけないな』
ボソリと一言。
そして半ば強制的に理夢琉に連れていかれたジェフは無事、教会での撮影をカップル役として熟したのでした。
一方、来客サービスで一緒に写真撮影やトークをしていた拓海とメリッサ。
「今回のショーは全て録画されてるんですよね?」
そのままスタッフの片付けを手伝いながら、拓海はショーの準備や様子を含めたメイキングビデオを作成して貰い一般販売を持ち掛ける。
それには金光が答えた。元々主催者はこの男だ。
「良いアイディアじゃん? リンカーの皆も頑張ったし、お客さん達も喜んでくれた。今回のファッションショーは大成功だ。メイキングビデオ、売れる事間違いなし!」
当然にして出演料のメイキングビデオ1本を貰う事を約束された拓海はそれを妻への土産に。
「『金光さんもスタッフさんも、皆も、お疲れ様でした!』」
拓海とメリッサが終了の挨拶をする。
「よーし皆! 今日はお疲れさん! このまま打ち上げするぞー!」
金光がそう叫んだのを合図に、多方面で群がっていた皆がぞろぞろと集まって来た。
こうして豪華金光邸の春のファッションショーは大成功で幕を閉じたのでした。(了)
結果
シナリオ成功度 | 大成功 |
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