本部

クリスマス関連シナリオ

【聖夜】まともじゃねぇ!クリスマス

紅玉

形態
イベントショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
5人 / 4~8人
英雄
5人 / 0~8人
報酬
少なめ
相談期間
5日
完成日
2018/12/31 19:44

掲示板

オープニング

●そう、それは冬のイベントーー
 12月24日はクリスマス・イヴと呼ばれ、次の日である25日はクリスマスだ。
 温かい家庭は、家族と豪華な洋食と1ホールのケーキをテーブルに並べて、クリスマスらしい番組を流しながら楽しく祝う。
 恋人、夫婦、伴侶が居る人達は甘く、少し苦い、シャンパン等の飲み物を片手に支えてくれる存在に感謝する。

 そう、クリスマスは全ての幸せを祝福してくれる、特別な日ーー……
 だと、思ったかぁぁぁぁぁぁ!!
 何だよ!
 ソロはダメなのかよ!?
 仕事、バイト、用事をワザと突っ込んで、毎年クリスマスから目を反らした!
 そこの、アナタ!
 そうよ! アナタよ! アナタ!
 リア充は(ピー)ね、とか、クリスマスは中止だとか、わが家は仏教だから関係ないとか言ってる君達。
 まともじゃねぇ、クリスマスをやらないか?
 よろしい。
 本題を始める。

●まともじゃねぇ、クリスマス始まります!
『ん、集まった諸君……まともじゃねぇ、くりすますに、ようこそ』
 弩 静華(az0039hero001)がコホンと咳払いすると、集まったアナタ達を見回した。
『それでは、“まともじゃねぇ、クリスマス”の内容をお話しする前に、英雄と能力者は別々の部屋に分けさせて頂きます』
 トリス・ファタ・モルガナ(az0053hero001)がアナタ達、能力者に1枚の封筒を渡すと会議室から出されてしまった。
『それでは英雄の皆さん、説明を始めます。まともじゃない、クリスマスをする為に能力者の恥ずかしい話をしていただきます。それに反応した能力者、もしくは英雄はH.O.P.E.キックされます』
 にこやかにルチア・アーベント(az0137hero001)が説明をすると、誰かがブーッ! と飲んでいた飲み物を吹き出した。
 年末にやっているバライティ番組を思わせる内容に、ただデジャヴを感じるしかなかった。
『能力者ターンと、英雄ターンの2つに分けられいますので、もしH.O.P.E.キックやスタッフをしたい方がいましたら、遠慮無く言ってください。多かった場合は抽選で2名に絞らせて頂きます。能力者には話さずに、ご自身でお決めになって下さい』
 『まともじゃねぇ、クリスマス』と書かれた冊子が配られると、赤いジャージーー通称『芋ジャージ』が配布された。
『あ、当然ですが、配信はされます』
 ルチアがそう言い残して、会議室から出ていった。

解説

【目標】
『まともじゃねぇ、クリスマス』を楽しむ

【場所】
学校の教室を模したスタジオ

【ルール】
能力者ターンは、英雄が『能力者の恥ずかしい黒歴史とか、秘蔵のなんやら』暴露します。
その他に、ミニゲームもありますので、負けたり失格になっても『H.O.P.E.キック』対象となります。
英雄ターンは、能力者が~と立場が逆転します。

能力者には青のジャージ、英雄には赤いジャージで参加してもらいます。

ミニゲーム
・男装、女装コンテスト
・あつあつ給食早食い
・絵心
・痺れないボタンはどっち?
・紐クジで運試し
・抜き打ちテスト
※全員初期成功率は25%となっております。
プレイング次第で成功率に数値がプラスされます。

【トリスのQ&A】
Q、怪我しない?
A、しないです。万が一しても、回復しますのでご安心を。

Q、まだ、能力者(英雄)の事を理解してない
A、大丈夫です。ミニゲームがあります。

Q、これって笑っ(略
A、リスペクトです(H.O.P.E.キック

【NPC】
基本は進行役てすが、所持しているNPCから一組だけ道ずれに出来ます。

リプレイ

●能力者編
 青いジャージを着せられた能力者ご一行様。
「あ、冥人さん、冥人さん達は参加されないんですか?」
 何か聞いたことがある催し内容に花邑 咲(aa2346)は、恥ずかしい話をされる仲間を増やすために圓 冥人(az0039)も道連れにしようと引っ張る。
「あ、いや……その、参加しなきゃダメ?」
「はい、ダメですよー」
 冥人の問いに、顔の回りに花を咲かせて満面の笑みで答える。
「じゃ、静華さんネタをよろしくお願いしますねー」
 え、マジで? と言わんばかりの表情で冥人が咲に視線を向けるものの、そんな事はお構いなしに共鳴しているレベルの力強さで引っ張られて連れ去られた。

 で、現在に至る。
 青ジャージ姿のまま、咲とは目を合わせないように明後日の方向に顔を向けたまま、横に並んだ机に座っている。
「はーい、能力者の皆様! それでは、まともじゃねぇクリスマス2018を開催します。トップバッターは勿論、百薬様ー」
 目の前のモニターにティリア・マーティス(さんじゅうにさいどくしん)と書かれたテロップと共に映し出され、隠したいのに隠せれない悪意しかないテロップを叩きながら言った。
「あ、あたしから?」
 突然名前を上げられた餅 望月(aa0843)は、思わず『起立!』と号令された学生の様に立ち上がった。
 画面に映る百薬(aa0843hero001)。
『望月の秘密? えっとね、クリスマスに備えてこっそりベルの練習してるんだけど、鶏鳴の鈴をがらんがらんって鳴らして近所の人に怒られてるの。リズムが合わないから騒音にしかならないんだって』
 悪気0で言う百薬の暴露に、望月は両手で顔を覆い叫んだ。

 ばれてるなんてーーと。

 盛大なSE音と共に胴着に身を包んだ颯 鋼迅(az0137)が颯爽と現れる。
「まて、まて! プロだから! アイツ、体術のプロぉ!」
 冥人が立ち上がり抗議をすると。
「はい、ついでに冥人様も~」
 流れ続けるテロップのせいだろうか?
 ティリア大先生が無慈悲に鉄槌を下す閻魔大王にしか見えない。
「うわっ!」
 お尻にH.O.P.E.キックを受けた望月は、某オモチャみたいにぴょーんと飛び上がった。
「ーーっ!」
 甘んじて受ける冥人は、逃げるように帰る鋼迅を睨んだ。
「はい、それでは次はーーブラッドリー様」
 笑顔の名前を呼ばれた咲は笑顔を絶やさないが、心なしか背筋を伸ばして緊張している様に見えた。
『最近あった事だと、野良猫とのやり取りですかね? ……人懐っこい猫でしたから、サキも抱き上げて撫でたりしていたんです。初めの方は普通だったんですか、段々猫っぽい話し方になっていったんですよ。「君は何処から来たのかにゃ?」とか「可愛いにゃー」とか。可愛かったですよ』
 次に映し出されたブラッドリー・クォーツ(aa2346hero001)が楽しそうに話す。
「……っ!」
 両手で顔を覆い、恥ずかしさのあまりに震える咲。
「あー咲にゃん可愛い~」
「尊い~咲にゃん~」
 冥人のヤジに望月もノリノリで言う。
「み……」
 SEと共に再び入ってきた鋼迅に咲は、声を絞り出して言う。
「皆さんも、お願いしますねー」
 望月と冥人を逃がさないように腕を掴み、咲は笑顔で道ずれにした。
「だー!」
「わー!!」
 良い音を響かせ、冥人と望月が飛び上がる。
「ありがとうございましたー」
「お仕事なので」
 咲が笑顔で言うと、鋼迅は笑顔で答えて去った。
「あれ? 咲さん、は?」
 望月が半泣きしながらお尻を擦っていると、何故かH.O.P.E.キックされなかった咲に視線を向けた。
「さぁ?」
 咲は分からないーと言わんばかりの笑顔で答えると、望月は『あっ、この顔は確信犯だ』と悟った顔で席に戻る。
「続いては、アーニャ様です」
 ドーンと画面にアーニャ ヴァイス(aa4916hero001)の顔が映し出された。
『こやつはのぅ、口では大人大人言うておるが味覚は凄まじくおこちゃまでのぅ。くふふっ、いやこの前は傑作じゃった。儂が「カラスミ」を肴に一献やっておる時にの、カラスミに興味をもったミーニャに食わせてみた所、ぷぷっ、飛び上がった後、卓の上の酒をイッキ飲みしおってのぅ、明後日の方向に走っていった挙げ句柱にぶつかり、衝撃で落ちてきたタライがあたり気絶しおったのじゃ。いや、まるでコントを観ている様じゃったわ』
 手足をばたばたと動かし、腹を抱えて笑いながらアーニャが話す。
「助けてよアーにゃん!」
 ガタッと音を立てながら立ち上がると、ミーニャ シュヴァルツ(aa4916)が切実な思いを叫ぶ。
『いやいや、酒がすすんでしまっての』
 ケラケラと笑い声を上げるアーニャの後ろに影。
「ひどい!」
 わーん! と泣きながらミーニャは机に突っ伏す。
『な、なんでわしなんじゃー!?』
 パーン! と派手なだ音が画面からしたのでミーニャが顔を上げると、アーニャがお尻を擦っていた。
「泣かした罰です。それでは、橙様どうぞ」
 ヴィリジアン 橙(aa5713hero001)はカメラの前に座ると、横にあったモニターに相棒が映っていた。

「誓約して1年たってないし、一緒に何かするのはいいことだよな!」

 なーんて、ルカ マーシュ(aa5713)が言うもんだから参加したものの、まだ1年も経ってないけどノートの話をする。
『……何か呪文? みたいなの書いてあるノート……そんで……その呪文? を部屋で叫んでる……なんか……言ってて俺が恥ずかしくなってきた……』
 だんだんと視線が下がる橙は、話す声が小さくなっていった。
「魔法使いになるためには、日々の努力が大切だよな!」
 ルカは嬉々とした表情で答える。
『満月に向かって財布振ってなかった……?』
 そういえば、と思い出したかの様に橙は問う。
「金が溜まるらしい!」
 はい! と手を上げるとルカが即答した。
「はい、次は奏楽様」
『えーと、黒歴史ってわけじゃ無ェけど。くまたんの独身については、いろんな場所でつっこまれるよね』
 重力を忘れた 奏楽(aa5714hero001)が、話に迷っている様子で視線を宙に向けた。
「僕自身の結婚観は、まあ縁があったらするかなって感じだよ。無理にするものではないと思ってる。したくない、と思ってるわけじゃないよ」
 熊田 進吾(aa5714)がうんうんと頷きながら答えてる間に、真神 壱夜(az0039hero002)が割り込む。
『みてみてー! 冥人のちっちゃい時のお姫様姿ー!』
 画面いっぱいに幼き頃の冥人が映されると、『くーちゃん4才』と書かれたお手製のアルバムであった。
「やめて! だから、大兄は拗らせて嫁が出来ないんだよ!」
 机に突っ伏した冥人は、だんだんと叩きながらネタ提供した犯人の事を叫んだ。
「くーちゃんだって! くーちゃん! んふふふ」
 望月はお腹を抱えながら、冥人を昔のあだ名を呼んだ。
「まぁ、愛らしいですね! くーちゃん、可愛いですよー」
 悪気0な咲は、ちょっと嬉しそうに写真を眺めながら言った。
「く、くーちゃん……ぷふっ!」
『なんちゅう愛らしい幼少期の写真じゃ……くふっ』
 明らかに笑いを堪えてるティリアとアーニャ。
「コウ……ヤれ」
 SEと共に入ってきた鋼迅に、殺気のオーラを纏った冥人は笑う仲間を指す。
 望月、咲、ルカ、進吾の4名にH.O.P.E.キック!
「んぎゃっ!」
「きゃっ!」
「ついでにじゃないかー!?」
「お婿に行けなくなる!」
 4名はそれぞれの思いを口にしながら、H.O.P.E.キックされた。

●英雄編
 さてさて攻守交替し、教室に英雄が芋ジャージ姿で席に着く。
「百薬の秘密の秘密って言うか……」
 画面に望月が映ると、こほんと咳払いすると話を続けた。
「大好きなプリンに醤油かけるとウニの味がするって言って出してあげてるんだけど。あれ実は何の糖分も入ってない寒天ゼリーなのよね。グルメなふりして味覚テキトーなのよ」
『なん……ですと……?』
 力無く百薬は机に突っ伏すと、唖然とした表情で呟いた。
「あ、ごめん平和になったらちゃんとしたウニ食べに行こうね」
 今まで見たことのない百薬の様子に望月は慌ててフォローする。
『つまり、騙してたという事ですね』
 ブラッドリーが率直な意見を言うと、画面の向こうで望月がH.O.P.E.キックを受けて飛び上がっていた。
「ブラッドは、寝ている時に近くにある温かいものを抱き締めて眠る癖があるみたいで、わたしやドール、最近だと、毛布や布団なんかをよく抱き締めて眠っているみたいです。可愛いですよね」
 次に咲が映し出されると、笑顔で最近のブラッドリーの話をした。
『……あぁ……』
 自覚が無い分、咲よりダメージが大きくてブラッドリーは頭を抱えた。
 SEが鳴り響くと、甘んじてH.O.P.E.キックを受けるブラッドリーの姿。
「じゃーん! アーにゃんの本棚にあったえっちな本! どーだ!」
 続いてミーニャが、ばーんと画面に本を映すが予め一部モザイク処理がされていた。
『儂が男の性癖について勉強していた教本じゃの。顔だけでは男は堕とせんからのぅ。この前は「ねえねえ、お兄ちゃん、アーニャと遊ぼっ♪(きゃるん)」とか言ったらアッサリついて来おったぞ?』
 つまらなそうに欠伸を1つすると、アーニャはニヤリと口元を吊り上げた。
「じゃじゃん! アーにゃんの本棚の裏にあったおてがみ!えーと、『愛する帝さm』」
 木製の巻物を広げ、ミーニャがはきはきと大きな声で朗読を始める、が。
『ぎゃーーー!? ば、ばかもの! 読み上げるでないっ!』
 悲鳴に近い声を上げ、アーニャは言葉を遮るがミーニャは絵本を読み上げる様に内容を言う。
 なお、内容はベッタベタな内容の数百年前の恋文や、逢い引きのプランがびっしりと書かれたもの、メッチャ浮かれまくりの日記の様なもの等々。
『~~~~~っっっっ//////! ぅ、ぅわあぁぁぁぁん!!』
 恋文を世界中に公開されたアーニャは、顔を真っ赤にしながら涙で頬を濡らし、教室から出ていった。
「あれ? アーにゃん、どこ行くのー?」
 読み終えたミーニャは、アーニャが教室から出ていくのを見て首を傾げる。
『愛は素晴らしいモノだよ!』
 恋文に感動した百薬は、うんうんと頷きながら拍手をした。
「僕は知ってんだぞ! この前なんかエロい本読んでただろ!」
 次に映し出されたルカが、橙を指しながら大きな声で言った。
『……? もしかして、エロティシズム的な本……? 読む……?』
 橙が首を傾げながら答える。
「よ、よ、読まないよ!」
 ふるふると首を横に振り、ルカは少し頬を赤らめながら答えた。
 諸事情により本の名前は伏せられたが、興味があったら調べてみると良いと思う!
「静華……? うーん、妹の制服を着て鏡の前で、可愛くポーズをしてたよ?」
『……むぅ、そういう……年頃……多分……』
 冥人の言葉に、静華は視線を逸らして答えるもののH.O.P.E.キックの対象に。
 進吾からは、奏楽に関する話は無いので省略されると、能力者と英雄が教室に顔を合わせた。

●激闘?
『それでは、ミニゲームの一覧はこちらです』
 トリス・ファタ・モルガナ(az0053hero001)が黒板に紙をバーンと貼る。
 ・男装、女装コンテスト
 ・あつあつ給食早食い
 ・絵心
 ・痺れないボタンはどっち?
 ・紐クジで運試し
 ・抜き打ちテスト
『それでは、時間も迫っていますので~ダイジェスト形式でご覧ください!』
 画面に向かってトリスが言うと、何となくウィンクしたら画面は暗転した。

 女装・男装対決。
「ふふん!」
『そ、そんなぁ! 完璧……!』
 適当に選んだハズの望月、完璧な男装をして百薬との戦いに勝つ。
 続いては、咲vsブラッドリーはーー僅差でブラッドリーが勝利。
『サキも素敵ですよ』
「やっぱり、敵わないです」
 こちらは穏やかに互いを健闘しあった事に褒めた。
『な、なんじゃとー!』
「やった!」
 少女らしさが抜けないアーニャに対し、ミーニャは少年っぽさがあり此方も僅差でミーニャの勝ち。
「姉ちゃんいるからな! 流行は任せてよ! 惚れんなよ!」
 頑張ってお洒落したルカが颯爽と現れるが、まさかの流行が少し遅れた服装に!
『……よく分かんないけど……これじゃない……?』
 ボディコンに身を包んだ骨太なおなご橙が、ファーの付いた扇子を片手にぷるぷると足を震わせながらヒールを何とか履いていた。
「そ、それは卑怯だっ!」
 まさかのバブリーな姿にルカは腹を抱えて笑いこけた。
「こうでしょうか?」
『なってない!』
 進吾が艶やかに大和撫子風に出ると、奏楽はシンプルにワンピース姿!
「可愛くない!」
 ティリアに一言で終わらさせられ、奏楽の方に手を上げた。
 お察しの通りに、負けたらH.O.P.E.キック!

 あつあつ給食早食い。
「奏楽には給食早食いゲームに挑戦してもらいます。勝っても負けても、来年からは小学校へ通ってもらうよ」
 熱々の給食を前に、進吾が奏楽に詰め寄る。
『えっ?! 選択肢無しかよぅ!』
 動揺した奏楽にSE音と共に、H.O.P.E.キックが!
『なんでだよ、くまたん……嫌なんだけど!』
 お尻を擦りながら座ると、奏楽は目の前に居る進吾にブーイング。
「きみは社会生活をするうえでの基本ルールを学んだほうがいいと思うな。集団生活を経験するのも、今後の人生いおいて重要だよ。苦手や得意を把握して生かしていかないと。王との戦いが終わったら、ぴかぴかの一年生。いいね!」
 進吾が爽やかな笑みを浮かべると、奏楽に向かってサムズアップ。
『むぐっ……言い返せないうえに、テンションが上がらねェ……!』
 とりあえずスプーンを手にしたものの、奏楽はしゅんと落ち込んだ。
「僕の大好きだった、カレーを用意してもらったよ」
 進吾はスタッフに目配せすると、奏楽の机にカレーライスが置かれた。
『あ、これなら……って、ぐわっ、あちーし! かっら! 辛いー!』
 嬉々として奏楽は、カレーライスをスプーンで掬ってぱくりと口にするが、口から火が吐けそうな位に辛い。
「容赦の無い食育カレー。僕も食べたいなあ」
『もう、とりあえず食べるからな! 完食したら牛乳飲ませてくれな! 』
 ニヤニヤしながら進吾が眺めていると、奏楽が抗議しながら食べ進めたものの……食べきる事が出来なかった。
「しんとーめっきゃくすれば火もまた熱っ!!」
 ルカが給食を口に突っ込むが、熱すぎてスプーンを落としてしまう。
『……知ってた。面白くない、やり直して……』
 軽口をたたく橙は、ルカとは正反対に確実に熱々の給食を攻略していった。

 絵心。
「なんか……」
『皆の絵は心がありすぎだよねー』
 望月と百薬は、皆が描いた絵を見回して感想を漏らす。
『前衛的だな』
 橙がルカの絵を見て、率直な感想を言う。
「……ごめん」
 スケッチブックで顔を隠しながらルカは謝ると、個性が足りない橙の絵も問題では? と思った。
『ふふん、わしの方がうまかったようじゃ』
 何処で培ったのだろうか? と、思うほどにアーニャの水墨画は良い出来であった。
「むぅ……」
 ミーニャの子供らしいクレヨンで描かれた絵もまた良し。

 痺れないボタンはどっち?
「うぅ、意外と痺れますー」
『サキ、大丈夫ですか?』
 勘でボタンをポンと押した咲は電撃でビリビリされてしまうと、ブラッドリーが心配そうに駆け寄った。
「うん、なんとか大丈夫です。ほら、押してください」
「だから! なんで?」
 冥人がボタンを押すのをじっと、咲は見つめたまま待つ。
「まて! これ、電圧間違ってない!?」
 ボタンを押した冥人は電撃に驚き、ティリア達を睨みながら叫んだ。
「こんなの運だけだよね」
『あばばば!』
 何て、気軽にボタンを押した望月と百薬は、指先から感じる電撃に驚きの声を上げた。

 紐クジ。
「この紐の先にお嫁さんがいたりして……ふふっ」
 マジ乙女な進吾は、くいっと紐を引いた。
『乙女してんじゃねェよ、おっさん! マジでクマはクマでも、どんぐり主食のクマだな』
 そんな進吾を見て、奏楽は背中の産毛がぞわぞわーと立つ感覚に襲われながらも叫んだ。
「自分の研究とか、恋愛以外で忙しいからね。だから縁も遠のくわけだけど」
『優先順位がなあ……』
 二人で遠い目で明後日の方向を見ていたが!
『何で私に紐が付いているのでしょう?』
 紐の先にはトリスが付いており、進吾は気付かないまま引っ張っていたのでぶつかってしまった。
「ごめんなさい! ごめんなさい! あははは!」
『いえ、大丈夫です。多分、犯人は分かっていますので』
 進吾が笑いながら謝ると、トリスは紐を引き千切るとティリアに向かって駆け出した。

 抜き打ちテストも散々な結果で終わると、MCが話している姿をただ眺める。
『これは……何だったんだ……』
 疲れきった顔で橙が問う。
「僕にも分かんない……」
 ハーッと、深く息を吐くとルカは首を振りながら答えた。
「クリスマスなので、皆さんにプレゼントです」
 咲は、参加した皆にジンジャークッキーとカップケーキが入った袋を配っていた。
「Merry Christmas& A Happy New Year」
 皆にそう言うと、咲はふと窓の外を見たら雪がしんしんと降りだしていた。
「わぁ、雪!」
 ミーニャが大きな瞳を輝かせながら声を上げた。
「そうだ、後で皆も雪だるまとか作らない?」
 望月が提案すると、ミーニャが真っ先に手を上げた。
『ジャージだし、汚れても大丈夫だよね。あとは、手袋とかあれば』
『え、あれって冷たいの!?』
 百薬が辺りを見回していたら、奏楽は驚きの声を上げた。
「そりゃ、あれは雨が空で固まってるからですよ」
 進吾が鉛色の空を指しながら言った。
「はいはい、まだ時間もあるみたいだから良いってよ。それだけじゃ寒いから、色々と用意してるからね」
 冥人が手袋やら、マフラーやらと防寒具が入った箱を差し出した。
『やったー!』
 奏楽が真っ先に飛び付き、子供用の手袋を手に付ける。
「アーにゃん! 行こう!」
『仕方がないのう……』
 ミーニャに手を引かれ、アーニャは笑みを溢しながら付いていく。
 この日が終われば、年末に向けてエージェント達は忙しくなるかもしれない。
 年が明ければ、新しい年に待ち受けるモノは何かは分からないけど、ただ少しでも今を楽しもうと思う。
 再び笑顔で迎えるその時までーー。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

重体一覧

参加者

  • まだまだ踊りは終わらない
    餅 望月aa0843
    人間|19才|女性|生命
  • さすらいのグルメ旅行者
    百薬aa0843hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • 幽霊花の想いを託され
    花邑 咲aa2346
    人間|20才|女性|命中
  • 守るのは手の中の宝石
    ブラッドリー・クォーツaa2346hero001
    英雄|27才|男性|ジャ
  • おもてなし少女
    ミーニャ シュヴァルツaa4916
    獣人|10才|女性|攻撃
  • おもてなし少女?
    アーニャ ヴァイスaa4916hero001
    英雄|10才|女性|ドレ
  • 魔法マニア
    ルカ マーシュaa5713
    人間|19才|男性|防御
  • 自己責任こそ大人の証
    ヴィリジアン 橙aa5713hero001
    英雄|25才|男性|カオ
  • エージェント
    熊田 進吾aa5714
    獣人|45才|男性|生命
  • エージェント
    重力を忘れた 奏楽aa5714hero001
    英雄|6才|?|ブラ
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