本部

私のカボチャをつかまえて

ゆあー

形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
能力者
10人 / 4~10人
英雄
10人 / 0~10人
報酬
普通
相談期間
5日
完成日
2015/11/01 22:39

掲示板

オープニング

●今夜はハロウィン
 頬を撫でる風がますます冷たくなった秋の空。都内に存在する私立S学園高等学校はこの日、文化祭の最終日を迎えていた。
 校門に設置されたアーチは『カボチャのオバケ』をかたどったものであり、それをくぐる学生や来客者達は皆思い思いに仮装を身に纏っている。
 丁度時期が被ったからと催された最終日のハロウィン・ナイトは、思いの外好評を博していた。
「ふんふんふんふんふふふっふーん、ふんふふ、ふふふーん♪」
 調子の外れた鼻歌を歌いながら露店の準備を進める少女……山田美知子もまた、ハロウィン・ナイトを大いに楽しんでいる内の一人だ。
 彼女がこの日のために用意したジャック・オー・ランタンは人の頭より少し大きい程度のサイズで、ランタンは勿論のことオブジェや被り物としても使える優れもの。
 何事も頑張りすぎる人種というものは存在するもので、多数のダンボール箱に収められたその全てが彼女の手作りだ。その総数は……山田自身10から先は憶えていない、何しろ徹夜続きなのだ。
 眠気で朦朧としながらも上機嫌の山田が露店にカボチャを並べていたその時、不意にカボチャが光った。
「あれ……まだキャンドルに火は点けてないのに……」
 首を傾げた山田の耳にケタケタと愉快気な笑い声が響く。一体どこから? 不気味に発光するカボチャからだ。
「私のカボチャが……う、浮いてる……?」

●楽しいハロウィン
「ひぃーん! 誰か……誰か私のカボチャを捕まえて~!!」
 宙に浮かぶカボチャに気付いた人々が騒然とし始めた頃。
 どことなく気の抜けるような少女の悲鳴は、何の因果か丁度この学園を団体で訪れていたエージェント達の耳にも届いた。
「見ろよアンジェロ! カボチャが飛んでるぜ!?」
 不気味に発光しながらゆるりと空を飛び校舎の屋上へと向かうジャック・オー・ランタンの群れを、白いシーツを被った典型的なオバケ――もとい、メメント・モリ(az0008)が興奮気味に指差した。
「……従魔。それも憑きたてのホヤホヤみたいだ」
 その傍らでアンジェロ・ダッダーリオ(az0008hero001)が答えを返す。こめかみに巨大なネジが刺さっている辺り『フランケンシュタインの怪物』のつもりだろうか。汚れるのが嫌いという割に、ご丁寧に血糊まで付けている辺りかなり楽しんでいるらしい。
「よっしゃ、とりあえず行くぞ!」
「へ? どこに?」
「決まってんだろ、捕まえんだよアレを! 全員でなっ」
 同行していたアンジェロとエージェント達を振り返り、てるてる坊主――もとい、メメントが不敵に笑う。
「誰が一番多く捕まえられるか――勝負だぜ?」
「まーたモリくんの病気が……なんというか、ゴメンねほんと」
 間抜けな格好で真っ先に校舎側へと駆け出していくメメントに呆れながら、アンジェロはエージェント達に苦笑してみせた。
 メメントと張り合ってやる必要は無いが、どのみち今夜のハロウィンを楽しむためには従魔を無力化する必要があるだろう。
 エージェント達は顔を見合わせた後、行動を開始した。

解説

●ジャックランタン……イマーゴ級従魔×たくさん。低速で宙に浮かびながら不気味に発光し、時折ケタケタと笑い声をあげる。
 非常に脆弱でリンカーによる攻撃を受ければ一撃で憑依を剥がされ消滅するが、カボチャへの超過ダメージは無いため一撃までならカボチャを壊す心配は無い。
 攻撃力は持たないが、人間の頭程度の高さで常に浮遊し頭に被った者にBS【洗脳(カボチャ)】を与える。
 洗脳された者はダンスを踊らされたりする事になるため注意が必要。この洗脳の安全な解除には頭のジャックランタンを脱がすかバトルメディックのスキルが必要。

●露店ブース……校門のアーチを抜けてすぐに校庭をぐるりと囲むように露店が設営されている。
 アーチ付近ではあたたかいカボチャのスープとカボチャのパイが無料で振る舞われているほか、中央部では終幕を飾るナイトパレードの準備が進められているがジャックランタンによる執拗な妨害を受けているようだ。 

●仮装コンテスト会場……体育館の特設ステージでは『ハロウィン・ナイトメア』の称号を賭けた仮装コンテストが行われている。
 カボチャを頭にかぶった人間とジャックランタン達がステージに乱入しコンテストの進行を妨げているようだ。

●校舎……校舎側では露店に出来ない飲食店や仮装喫茶といったもののほか、衣装の貸し出しも承っている。
 カボチャ頭の一団が店を荒らしたり、カボチャ以外のハロウィン・オブジェクト(主にカブのランタン)を破壊する等の非道行為を働いている。

●屋上……ナイトパレードを見下ろせる屋上にはベンチが設置されている。
 カボチャがベンチを我が物顔で占有している他、この高さまで至ったジャックランタン達は他に比べて優れた飛行能力を持ち、ちょっと手が届かない程度の高さまで浮遊出来るようだ。

リプレイ

●カボチャを追って
「随分派手に暴れてくれてんじゃねぇか。行くぜ、征四郎!」
 190cmのシーツおばけが校舎へ向かうのを見て、真っ先にそう言ったのはガルー・A・A(aa0076hero001)だ。
 狼男の仮装でこのイベントに臨んだ彼の身体は手触りの良い毛皮に包まれている。
「ええ。楽しみにしてたぱれーど、みれなくなっちゃうのはざんねんなのですよ。――おぉ、もふもふなのです」
 年齢に見合わぬ毅然とした表情で紫 征四郎(aa0076)がガルーへと応じた。そんな彼女の仮装は年齢に見合った魔女っ子ルックである。
 もちろん、ガルーの毛皮の具合を確かめるのも忘れない。ガルーの毛皮はとてももふもふしていた。
「うん……無粋なカボチャ、だねぇ」
 毛皮を堪能する小さな魔女の言葉に、ユフォアリーヤ(aa0452hero001)も頷いた。彼女の仮装もまた狼女……ただしガルーに比べて、毛皮の量的に露出過多が心配される格好だ。
「憑きたてとは言え厄介だな……せっかくだ、勝負に乗るか」
 夥しい数のカボチャを見た麻生 遊夜(aa0452)もニヤリと口許を歪ませる。常々ワイルドな中年を志す遊夜の仮装は勿論狼男である。
 逆立った毛がさりげなくワイルドさを演出しており、そんな遊夜の背にユフォアリーヤがひっつく。言うまでも無くもふもふだ。
「凄い。お話の中のハロウィンみたいだ!」
 空を飛び不気味に発光するカボチャの群れに、狼男達を率いる小さな魔女が向かう。その光景に楽しそうな声をあげるのは木霊・C・リュカ(aa0068)だ。
 貸衣装屋で征四郎達に見繕ってもらった吸血鬼の仮装も、彼のテンションを上げるのに一役買っている。
「……はしゃいでる場合なのか?」
 呆れと困惑の入り混じった表情を浮かべながらオリヴィエ・オドラン(aa0068hero001)が口を挟む。何の因果か、ランタン持ちの男の仮装をオリヴィエは身に纏っていた。
 この状況に乗っからない手は無い。蝙蝠マントをはためかせ、リュカはオリヴィエとの共鳴を行った。

「わー、みんな楽しそうに走っていっちゃったのよ~」
 狼達と魔女の後ろ姿を眺めながら言峰 estrela(aa0526)がのんびりと声をあげた。
 赤を基調とした魔女の仮装を身に纏っているが、征四郎のそれと比べるとややゴシック色が強い。
「……競争って、参加するの?」
 言峰の隣で疑問符を浮かべたイリス・レイバルド(aa0124)が、傍らのアイリス(aa0124hero001)へと問いかける。
「勿論だとも、祭りというのは盛り上がるべきだよ。なので盛り上がる要素には是非とも飛び込んで行こうじゃないか」
「ボク知らない人苦手なんだけど……」
 思わず尻込みしたイリスだが、微笑を湛えて答えたアイリスは既に臨戦態勢へと入っている。
 笑うという行為は本来攻撃的なものだというが、アイリスが浮かべる微笑みはまさに狩人のそれであった。
「イリスちゃん達もやる気なのよ――ワタシ達も負けちゃいられないわねっ!? ねっ、きゅうべー?」
「……私が何故こんな目に……」
 途端に張り切り出した言峰に、うんざりとした様子でキュベレー(aa0526hero001)が空を仰いだ。しかし、そんな彼女もちゃっかりと仮装を済ませている。
 黒を基調にした魔女の仮装。言峰とお揃いな辺りが、もしかしたらキュベレーの琴線に触れたのかもしれなかった。
「しかし、ハロウィンに、イタズラレベルのイマーゴ級とは……本当に、化かされたような気分、になりますね」
 イリスがアイリスに、キュベレーが言峰に引っ張られていく様子を見て秋津 隼人(aa0034)が苦笑した。
 日々の依頼やH.O.P.E.の大規模作戦で蓄積した疲労を癒すつもりの隼人だったが、リンカーという存在はつくづくトラブルと縁があるらしい。
「むぅ……折角の祭りをジャマするとは不届き千万じゃ!」
 ドラキュラの仮装に身を包んだ椋(aa0034hero001)も付け牙を光らせながら憤るが、
「しかし……んむ、せめて盛り上げに一役買ってもらおうかの? むふふ……」
 そこで何か良い事を思いついたように含み笑いをこぼした。小さなドラキュラが向かうは体育館――仮装コンテスト会場だ。
「……まあ、祭りの一環、と思って付き合いましょうか、ね」
 妙に乗り気な椋の後ろに、隼人がやれやれと続く。タキシード・シルクハット・ステッキ・モノクルを装備した今日の隼人は紳士的だ。

「メメントさん、あっという間に行っちゃった……」
「アホでごめんね……」
 雪を思わす純白の着物とマフラーで雪女の仮装とした來燈澄 真赭(aa0646)に、アンジェロ・ダッダーリオ(az0008hero001)が苦々しく言葉を返した。
 シナモンスティック代わりにかぼちゃのパイを咀嚼しながら、真赭はフード付きローブを目深く被った緋褪(aa0646hero001)へと視線を遣る。
「これを振り回す必要があるか……?」
「いくら死神だからって危ないからやめて」
 死神の仮装の仕上げとしてグリムリーパーを実体化させていた緋褪がぼそりと呟くが、真赭がすげなく却下した。
 祭りの雰囲気に浮かれた英雄がおかしな事を仕出かさないか案じていた真赭だが、どういうワケか現実はさらにおかしなことになっている。
「ワタシ達も今日は死神なのよー」
 そこで、同じ死神仲間を見つけた百薬(aa0843hero001)が嬉しそうに背中の羽を揺らして見せた。
 死神にしてはファンシーな羽だが、彼女に言わせれば天使と死神は表裏一体なので何の問題も無い。
「走ってったのはモリ君? だっけ。敵じゃないってことでOKね?」
「そういう君はモチくん? だっけ。とりあえずその認識でOKだよ」
 百薬に合わせてお揃いの仮装をした餅 望月(aa0843)の疑問にアンジェロが簡潔に答えた。
 ほんの短いやり取りだったが、メメントに任せていたらどういう方向に事が進むか分かったものでは無いという点で望月とアンジェロの見解は一致している。
「ドローン壊された」
 一方で、紫色の光線剣を携え黒衣に身を包んだヴァイオレット ケンドリック(aa0584)が無表情で呟く。どこからともなくインペリアルマーチが聞こえてきそうな仮装だが、その詳細は不明である。
 偵察用のドローンを飛ばしたヴァイオレットだったが、その結果はカボチャによる非道な破壊行為であった。
「まぁ、なんじゃ。見える所からやっていこうぞ」
 相棒であるノエル メイフィールド(aa0584hero001)がそれとなく慰めるように言った。
 ノエルは特に仮装していないものの、普段から死神めいた格好のためハロウィンの雰囲気には妙に馴染んでいる。
「よし、僕らは屋上へ向かおうか」
「……」
 一際高く飛ぶカボチャの群れが屋上へと向かうのを見てハーメル(aa0958)がと告げると、仮面の英雄 墓守(aa0958hero001)は無言で頷いた。
 彼女もまた仮装していないものの、その恰好からハロウィンに馴染んでいる。常ならば怖がられる事が少なくない仮面も、この場にあっては小洒落たアイテムだ。
「競争だっけ。負けないよー」
「がんばろー」
 真赭と百薬の間延びした声を合図に、エージェント達は動き出した。

●カボチャが悲鳴をあげる
「うあーん、私のカボチャが~」
 ふわふわと嘲るように浮遊するカボチャと、それを涙目で追いかけるのは山田美知子だ。
 眠気によるものかそれとも元々鈍臭いのか、必死にカボチャを追いかけるものの山田が追いつく気配は全く無い。
「エージェントちょっぷ!」
「……レーラ、ただの手刀だろう」
 そこで、蝶を思わす燐光と共に現れた言峰が行きがけの駄賃とばかりに山田のカボチャを素手で鎮圧した。憑依めいて共鳴するキュベレーが苦言を零すが、言峰は聞く耳を持たない。
「私のカボチャ……グスン」
「私の……って、あなたがこのカボチャを作ったの?」
 確保したカボチャに縋りつく山田に、言峰が小首を傾げて問いかけた。
「――じゃぁ、しっかり回収しないとね?」
 鼻水を垂らして頷く山田に、言峰は微笑みながらカボチャを差し出した。その姿に『後光が差して見えた』と、後に山田はそう述懐している。
「店や人に危害を加えないようにしなければね」
「剣振り回したら、まずい……?」
 喫茶店が立ち並ぶ校舎の廊下。いち早く駆けつけたイリスが暴れるカボチャ頭を盾で抑えながら、共鳴するアイリスと言葉を交わした。
 ちょっとややこしいがこのカボチャ頭は『従魔に憑かれたカボチャに操られる一般人』だ。カボチャ部分はともかく、人体部にイリスの攻撃が当たれば酷い事になってしまうだろう。
 逆に言えば、カボチャ頭の攻撃で共鳴中のリンカーが傷付く心配は無いと言う事でもあるのだが。
「ひっぺがしてやりゃ同じ事だ!」
 そんなイリスの背ではアンジェロとの共鳴を果たしたメメント・モリ(az0008)が、強引にカボチャを引っこ抜いている。
「よーし、じゃあボクもっ」
 アイリスとの共鳴で黄金色のオーラを纏ったイリスに普段の消極的な態度は見られない。メメントに負けじと洗脳された人々を抑え、次々にカボチャ頭達を無力化していく。
「待つんだイリス。カボチャの術中にはまった人を救助する時は、優しく取り外してやらなければならない」
「やさしく……?」
 なんだか楽しそうな姉のレクチャーが妹を導き、校舎のカボチャ頭がその数を減らしていく。
「で、出遅れちゃったのよ!?」
 そこで、山田の手を引きながら現れた言峰が声をあげた。半泣きの山田を慰めるのに随分と時間を取られてしまったようだ。

 戦列に言峰を加えた校舎組がカボチャをちぎっては投げしていた頃から、時間は少し遡る。
「百薬ブレード!」
 共鳴する百薬の掛け声と共に屋上へと駆け上がった望月が、英雄の力で生成された超常のメスでジャックランタンを斬りつけた。
 噴き出る血もないカボチャだが、従魔の憑依を剥がして消滅させるには十分すぎる一撃だ。
「ブラッドオペレートって言うらしいけど?」
「かっこ悪いからヤダ」
 望月のこぼした疑問に百薬が即答する。『ブラッドオペレート』……天使ならぬ望月には計り知れぬ事だったが、百薬の思い描く天使像に相応しい名前ではないらしい。
「……飛ばれると厄介だぞ」
「うん……!」
 望月の攻撃から続けざまに飛び込んだハーメルが、墓守のアドバイスを受けながら栄光の手を用いて手近なカボチャを殴りつける。そんなハーメルの頭には、先程まで存在しなかったカブ製のランタンがある。
 カボチャを被ると洗脳されるなら、最初から別のモノを被っていれば良い――そう、これはハーメルなりの洗脳対策なのだ。更に、ジャックランタン達の注意を引く効果もある筈だ。
「これ、望月さんも被りませんか?」
「よし、協力していこうか」
「ヤダー!」
 ハーメルの提案を受けて真面目に頷く望月だが、百薬がそれを拒んだ。彼女の思い描く天使像にカブの頭は無かったのかもしれない。
 ハーメルの頭のカブを認識し、群がり始めたジャックランタンだったが、そこで更に二つの人影が屋上へと踊り込んだ。
「さぁ、お仕置きの時間だぜ」
 短い宣言と共にニヤリと笑った遊夜が、挨拶代わりの三連射をベンチに屯するジャックランタン達へと叩き込む。
 遊夜の感覚で言えば小手調べ程度であったが、それだけで従魔は憑依を剥がされただのカボチャへと戻っていく。
「リーヤ、これなら手数があった方が良いか?」
「ん……ユーヤ、ダメ……」
 共鳴を解く事で攻撃の手を増やそうと考えた遊夜だが、それを制したのは他ならぬユフォアリーヤであった。
 対愚神・従魔兵器であるAGWの力を引き出すためには能力者と英雄がリンクする必要がある。
「……ボクは影、ユーヤの影なの……」
「――あぁ、そうだな!」
 遊夜とユフォアリーヤ、いずれかを欠いてしまえば攻撃力を失ってしまう。遊夜は頷くと、グリムリーパーへと得物を持ち替え従魔達を刈り取り始めた。
「ランタン持ちの男だから、今俺達仲間みたいだね!」
「全部撃ち落とすけどな」
 大鎌を手に颯爽と駆ける遊夜と共に、蝙蝠マントを陽炎の如くはためかすランタン持ちの男――オリヴィエが共鳴するリュカへと短く言い捨て、ハーメルに向かうジャックランタンを撃ち落としてゆく。
 上空に逃げられると撃ち落とした際、地上の人々に被害が出るかもしれない、それだけが懸念事項だったが。
「誘蛾灯代わりになりそうだな」
「うん、今日の主役は君達だ。ハーメル君も置いておこう」
 遊夜が道すがら拾い集めていたカブのランタンを、望月がベンチに整列させてゆく。カブ頭のハーメルも粛々とそこに並んだ。
 上空に逃れかけていたジャックランタン達がカブ目掛けて飛来する。オリヴィエはそれらに黙々と銃の照準を合わせ、淡々とトリガーを引き続けた。

 所変わって体育館。カボチャ頭とジャックランタン達が特設ステージ上で暴れていたその時だ。
「まてぇい!」
 特設ステージの独占という非道行為の真っただ中に飛び込む小さな人影あり。
「祭りをジャマする不届き者め……わしらが成敗してくれようぞ!」
 小さな人影――椋が高らかにそう宣言すると、カボチャ頭達が慄くように動きを止めた。傍らに控えた隼人が苦笑を浮かべる。
「ゆくぞ隼人! 変っ身!」
 その隙を逃さず、ライヴスの燐光を放ちながら椋が隼人とリンクする。そのポーズは、いつか隼人とテレビで見た変身ヒーローのそれだ。
「たまにはこういうのも良いでしょう」
 にわかに沸き立つ審査員やギャラリー達を横目に、隼人が芝居がかったようにそう言った。
 共鳴に伴って入り混じったお互いの仮装と瞳のように、椋のテンションに隼人が引き摺られているのだ。
「いや……ちょっとこれ、いったいいくついるの……」
 我に返って暴れ出したカボチャ頭へと四本の尾を揺らしながら真赭が立ち塞がり、呼吸を合わせた小手投げや四方投げで次々と投げ転がしてゆく。彼女がグリムリーパーを振るわないのはギャラリーの目に配慮してのことだ。
「真赭、あれを出したらどうだ?」
「出したら壊されそうなんですけど……」
 ステージを離れて人々へと迫ろうとするジャックランタンに、緋褪が思い出したように提案する。対する真赭の表情は複雑だ。
「來燈澄さん、策があるなら俺も協力します」
 何事か悩んでいた真赭だが隼人の言葉を受けて、幻想蝶から立派な桜島大根製の和風ジャックランタンを取り出す。そして逡巡の後……真赭はおもむろにそれを隼人の頭に被せた。
 隼人の協力がもたらした奇跡の調和――真赭がその出来に頷いた直後、大根頭と化した隼人にジャックランタン達が群がった。

 時間はやや前後して、校庭・露店ブース。
「イタズラするならイタズラ返しなのですよ」
 用意しておいたカブのランタンをこれ見よがしに揺らして走る征四郎へと、露店ブース内のジャックランタンとカボチャ頭達がふわふわと追いすがる。
 真赭やハーメルがそうしたのと同じように征四郎はジャックランタンを惹きつける事を選んだのだ。立ち並ぶ露店や一般人達をカボチャとの戦いに巻き込まないようにするには最善手だと言える。
「折角の祭りなのじゃし操られていたでは、悔しかろうて」
「……あぁ」
 ノエルの言葉に短く頷きながら、ヴァイオレットがカボチャ頭を実力行使で引き剥がして回る。征四郎が囮となった事で、幸いにもカボチャ頭の数は少ない。
「少し眠ってもらうのですよ」
 その僅かなカボチャ頭達が征四郎の眼前へと迫るも、即座に放たれたセーフティガスが洗脳された人々の意識を刈り取った。
 あくまでも『従魔に憑かれたカボチャに操られる一般人』でしかないカボチャ頭にとってセーフティガスは効果覿面だ。
 身体が動かぬと見るや頭から離れて浮き上がろうとしたジャックランタンを逃さず、ヴァイオレットと征四郎の攻撃が叩き落としてゆく。
「それにしても数が多いのですよ……!」
「ノエル、アシストを」
 それでもわらわらと集まってくるジャックランタンに、征四郎とヴァイオレットの姿が徐々に埋もれていった。

●カボチャどもが夢のあと
 露店ブースにて、征四郎とヴァイオレットがジャックランタンの群れに囲まれたその直後。
 人員数から殲滅の早かった屋上・校舎からそれぞれエージェントが応援に駆けつけた事で、ジャックランタン達は瞬く間に駆逐された。
「……で、嬢ちゃん達は何体捕まえた? 俺様九体だ」
 共鳴を解きアイリスの背に隠れたイリスへとメメントが尋ねる。余談だが視線の高さが全く合わないため、メメントが膝立ちで屈み込む形である。
「じゅ、十三体……数え方って体、で良いのかな?」
 頭しかないカボチャを指すのに体とはこれいかに。おずおずとしたイリスの答えを聞き、メメントは破顔した。
「わははは! 完敗じゃねーかよアンジェロ!」
「なんでオレがモリくんに笑われてるんだ……?」
「ワシらも九体じゃったな」
「……」
 憮然とした表情を浮かべるアンジェロの隣で、無表情のヴァイオレットと楽しげなノエルが頷いた。
「せーちゃん達はどうだった? お兄さん達は十一体だったよ!」
「征四郎とガルーはじゅうになのですよ」
 リュカと征四郎がそう言って互いに笑い合う。どうやら彼らが僅差でトップを争っていたようだ。
「お姉ちゃんが乗り気だったから……」
「怯える人がいるならば全速で駆けつけ全力で護らなければ。そうだろう?」
 傍らの妹がそう言うと、寄り添うように立つ姉はそう答えて悪戯っぽく微笑んでみせた。

 同時刻、体育館にて。
「壊されなくて良かったぁ……」
 桜島大根ランタンを大事そうに抱えた真赭が呟く。特設ステージの周囲には最早動きもしないカボチャランタンが大量に転がっていた。
 一時はどうなる事かと思ったが、露店ブースと同じく校舎・屋上のエージェント達が応援にやってきてくれたおかげで事なきを得たのだ。
 彼女の和風ジャックランタンも、カボチャ達との死闘を繰り広げてなお無事であった。
「ふっ……悪は滅びた。では、さらば!」
 大根頭から解放された隼人――あるいは椋――が、そう言って共鳴を解こうとしたその時である。ずっとこの瞬間を待っていたのか、それとも単なる偶然か?
 体育館の天井付近を浮遊していた最後のジャックランタンが、唐突に隼人の頭へと被さったのだ。
『ポォーウッ!!』
 彼が発した叫びとポーズはカボチャの洗脳に対する魂の抵抗だったのだろうか? 何もかもが不確かで曖昧な従魔がもたらす事象の全てを説明する事は誰にも出来はしない。
 しかし今この瞬間、隼人の身体は羽のように軽やかに、あるいは機械のように精密に踊り出した。
「わ、私のカボチャにカッコいい身体が生えて……!?」
 裂帛のシャウトと共に繰り出されるキレッキレのダンスに、山田とギャラリーが軽い恐慌状態に陥る。
「えーと、天使っぽい事もしとかないとね」
「エージェントちょっぷ!」
 呆気に取られていた望月がクリアレイを放ち、隼人の頭を離れた最後のジャックランタンを言峰の鋭い手刀が仕留めた。
「皆様お騒がせしました。飛び入り参加の狐娘と……パンプキン・マイコーによるサプライズアトラクションでした。引き続き仮装コンテストをお楽しみください」
 ふらつく隼人の隣で、いつの間にかマイクを手にしていた真赭がギャラリーに一礼した。数瞬の沈黙の後、割れんばかりの拍手が体育館を満たす。
「負けてられるか、称号は我らが頂くぜぃ! ……リーヤ、それは被るなよ?」
「……ん!」
 先程からカボチャを手にうずうずとしていたユフォアリーヤに釘を刺してから、遊夜が満を持して特設ステージへと乗り込んだ。
 まず手始めに、共鳴に伴うライヴスの燐光を散らしながらのブレイクダンスがギャラリーの目を釘付けにした。続いて共鳴を解き、各々の身体能力を活かした派手なパフォーマンスでギャラリーを大いに沸かせる。
「ワタシも拍手されたいよー」
「よし、みんなの名前書いちゃお」
 隼人と遊夜達に触発されたらしい百薬が羨ましそうに声をあげ、望月がエントリーシートにエージェント達の名前を書き連ねてゆく。
「こうなったらきゅうべーも一緒に出るのよっ」
「やめろレーラ、引っ張るな……!」
「墓守も出たい?」
 言峰に腕を引かれて必死の抵抗を見せるキュベレーを横目に、カブのランタンを手にしたハーメルが墓守へと問いかけた。
 少し考えた後、墓守はゆっくりと頷き返す。仮面に覆われたその表情は窺えないが、彼女なりにハロウィンは気に入っているようだった。
 そうして遊夜がワイルドに、ユフォアリーヤがセクシーにポーズを決めてパフォーマンスを締めくくったその時だ。
「おっ、なんだ!? 今度はこっちで勝負か!」
「よーし。せーちゃん達も、カボチャのジャックと踊ろうよ!」
「ケンド、おぬしも行って来い。南瓜の飾り切りを見せてやれ」
 露店ブースに居たエージェント達も続々と集結し、仮装コンテストは異様な盛り上がりを見せた。

●一日の終わりに
 全てのジャックランタンを捕獲した後、エージェント達はハロウィンを思い思いに楽しみ始めた。
「お野菜はあんまり好きじゃないのですよね」
「多分気にいると思うけどな」
 難しい表情で呟いた征四郎の口に、ガルーがカボチャのパイを押し込む。
「むぐっ……おいしい! オリヴィエ、このパイおいしいのですよ!」
「あぁ……」
 大きな目をキラキラと輝かせる征四郎に促され、傍らのオリヴィエがもそもそとパイを口に運ぶ。
 はしゃぐ征四郎に引き摺られながらも何事か思う所があったのか、オリヴィエは安堵するように一つ息をついた。
「……あのどちび、ちいとはしゃぎ過ぎじゃねぇか?」
 あちこちの露店を巡る征四郎とオリヴィエを眺めてガルーが呟く。しかし、咎めるような事はしない。
「秋はカボチャが美味しくていいね!」
 何しろ良い大人であるリュカまでもがこうしてはしゃいでいるのだから。リュカが祭りの人混みにぶつからないように先導してやりながら、ガルーはやれやれと苦笑を浮かべた。
「うん、素材の味が出てるね。すごくカボチャだ」
「おいしー」
 カボチャのスープを啜りながら、望月と百薬がほっと一息ついた。
 日没と共に気温が下がり始めた昨今、振る舞われたスープは体の芯から暖まる味わいだった。
 偶然居合わせただけとはいえ、従魔退治となればH.O.P.E.からの報酬が出るのは間違いない。食べ歩くに当たって軍資金を心配する必要は無いと言う事だ。
「色々買ってきたから、墓守も食べよう」
「……いただく」
 そんな彼女らの食べ歩きに付き合っていたハーメルが、露店で購入したお菓子の包みを墓守へと差し出した。
 それを受け取る墓守の口数はやはり少なかったが、瞳をほんの少し細めて笑ったような気がした。

 一方その頃。店を荒らしていたカボチャ頭を無力化した際に『後ほどお礼をするから寄って欲しい』と言われたイリス達は、校舎の貸衣装屋を訪れていた。
「お、お姉ちゃん、どうしよう……」
 様々な衣装を手にした店員たちに取り囲まれ、イリスが姉の背に隠れながら問いかける。
「仮装で祭りを楽しめという粋な計らいだろうさ」
 対するアイリスは余裕たっぷりに答えながら妹へと柔和な笑みを浮かべた。
 消極的なイリスの意向から、彼女らは仮装を身に着けていなかった。ならば店員たちの用意したとっておきの仮装こそが、ハロウィンを助けてくれたイリス達へのお礼という事なのだろう。
「た、助けてぇ……」
「観念するんだ。なにしろ、もうすぐパレードの時間なのだからね」
 試着室へと連れられていくイリスを、アイリスは屈託なく笑って見送った。
「イリスちゃん、がんばるのよ……」
 偶然その一部始終を目撃した言峰が、静かに戦友の無事を祈る。
 山田にカボチャのランタンを返却した後、言峰は目当ての仮装喫茶店へと足を運んだ。
「ふー、従魔もいたけど面白い一日になったのよ~」
「……こんなに酷い喧騒はかつて味わった事の無い苦痛だ」
 のんびりとした調子で一日を振り返る言峰に対して、キュベレーはとても疲れた表情でカップに口を付けた。
 この英雄がここまで憔悴し、飲食物を口に運ぶのは珍しい事だった。いっそ戦いよりも消耗が大きいかもしれない。
「それってきゅうべーの耳が長いからじゃない?」
「……フ、今の私は魔女だぞ? 蛙にされたくなければ魔女の悪口は慎む事だな」
 思わず茶化した言峰の言葉に、他人であれば気付かない程度の笑みをキュベレーが返した。
 輪をかけて珍しい英雄の冗談に言峰が微笑んだその時だ。
「あの……もしかして、王様ペンギンの映画に出てた……」
 仮装に身を包んだ学生達が、色紙を持って言峰たちを取り囲んでいる。
「――に、逃げるのよ!?」
「本当に、酷い喧噪だ……」
 どうやら一日を振り返るにはまだ早かったらしい。静かな場所を求めて、言峰とキュベレーは駆け出した。

「やれやれ……流石に、少し、疲れましたね」
 少なくない疲労感に苛まれる隼人が小さくため息をついた。ダンスの所為か、普段使わない筋肉を酷使した感がある。
「ふふふ、たまにはハデにヒーローするのも良いものじゃの!」
 対照的に、英雄の椋は高揚感が疲労を上回っているのか終始ご機嫌だった。審査員特別賞なる称号を授与された事も大きいかもしれない。
「ハデさじゃ俺達も負けてなかったつもりだが……まさかカボチャを被るとは思ってなかったぜ」
「うん……カボチャダンス、凄かった……」
 コンビネーションを活かしたパフォーマンスで見事に仮装コンテスト優勝をかっさらった遊夜達も、隼人達の健闘を讃えている。
「メメントさん、今日は誘ってくれてありがとね」
 露店で購入したカボチャの焼き菓子を頬張りながら、真赭がメメントへそう言った。
「っは、礼を言うなら俺様の方だな。おかげで面白ぇ事になったんだからよ」
 にっと笑みを深めてメメントが返す。視線の先には、今日の戦いを共にしたエージェント達の姿があった。
「ケンド。おぬし、その生姜の色をしたソーダ水ばかり飲んでおると骨が溶けるぞ」
「ノエル、それは迷信だ」
 配られていたジュースを勢いよく飲み干すヴァイオレットをノエルが見咎めた。
 楽しみ方をよく分かっていない様子だった彼女も、メメントや他のエージェント達に連れ回されるうちに少しずつ勝手が分かってきたようである。
「……っと、そろそろパレードが始まるぜ!」
「パレード?」
 怪訝な表情を浮かべたヴァイオレットに対して、校庭の中央に集まった仮装者の列を指差した。
 そこには恐るべき『キラーパンプキン』の仮装を身に着け行進するイリスとアイリスの姿もあった。
「Carpe Diem! とにかく『今を楽しんどけ』ってやつさ……遅れんなよっ!」
 言うなり、メメントが再び駆け出した。睡魔に抗いながら真赭が続き、首を傾げていたヴァイオレットもそれに習う。
「……オレ、もう疲れたんだけどなぁ……」
「こうなったら付き合うしかないだろう」
「ワシはこの南瓜菓子のレシピを聞いてこねば……」
 アンジェロ・緋褪・ノエル。三人の英雄は暫し顔を見合わせた後、ゆっくりと歩き出した。
「やれやれ……羽休めのはずが、こうなりますか」
 筋肉の疲労に苦しむ隼人はといえば、元気の有り余っている椋に引っ張られるような形で仮装パレードへと合流させられている。
「次はガキ共も連れてくるか」
 隼人と同じようにユフォアリーヤに手を引かれる道すがら、孤児院でお菓子を待っているだろう子供たちの顔を思い浮かべて、遊夜は小さく笑った。

「無事に片付いてよかったよ」
 校舎の屋上にて、カボチャのモンブランを味わいながら望月がパレードを見下ろす。
「お菓子も一杯でうれしいの」
 その隣でもぐもぐとカボチャのお菓子を頬張る百薬が、機嫌良さ気にぱたぱたと羽根を揺らす。
 英雄という点を差し引いても目立つ百薬だが、ハロウィンには違和感無く馴染むのが有り難かった。
「良い息抜きにはなったかな?」
 パレードを無言で見下ろす墓守に、ハーメルが問いかけた。
「……ハロウィンは気に入った」
 墓守の言葉はやはり短かったが、今はそれで十分だった。小さく笑みを浮かべながら、ハーメルは英雄と共にパレードを眺める。
「……どちびは寝ちまったか」
 オリヴィエの背中におぶさられ、すやすやと寝息を立てている征四郎を見てガルーが呟く。
 なにか良い夢でも見ているのだろうか? 時折身じろぎしては頬を緩める征四郎を、ガルーは肩を竦めて見守っていた。
「金木犀」
「うん?」
 寝付いてしまった征四郎を背負ったオリヴィエが何事か呟くのを聞いて、リュカが続きを促すように相槌を打つ。
「この光は、金木犀に似ている」
 地上に煌めく光の粒を見て、オリヴィエはぽつりぽつりと呟くように言葉を続けていく。
 リュカはサングラスを外し、盲いた目でその光を感じながら……ただただ嬉しげに笑って頷いていた。

結果

シナリオ成功度 大成功

MVP一覧

  • 挑む者
    秋津 隼人aa0034
  • まだまだ踊りは終わらない
    餅 望月aa0843

重体一覧

参加者

  • 挑む者
    秋津 隼人aa0034
    人間|20才|男性|防御
  • ブラッドアルティメイタム
    aa0034hero001
    英雄|11才|男性|バト
  • 『赤斑紋』を宿す君の隣で
    木霊・C・リュカaa0068
    人間|31才|男性|攻撃
  • 仄かに咲く『桂花』
    オリヴィエ・オドランaa0068hero001
    英雄|13才|男性|ジャ
  • 『硝子の羽』を持つ貴方と
    紫 征四郎aa0076
    人間|10才|女性|攻撃
  • 優しき『毒』
    ガルー・A・Aaa0076hero001
    英雄|33才|男性|バト
  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 深森の聖霊
    アイリスaa0124hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • エージェント
    言峰 estrelaaa0526
    人間|14才|女性|回避
  • 契約者
    キュベレーaa0526hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • LinkBrave
    ヴァイオレット メタボリックaa0584
    機械|65才|女性|命中
  • 鏡の司祭
    ノエル メタボリックaa0584hero001
    英雄|52才|女性|バト
  • もふもふの求道者
    來燈澄 真赭aa0646
    人間|16才|女性|攻撃
  • 罪深きモフモフ
    緋褪aa0646hero001
    英雄|24才|男性|シャド
  • まだまだ踊りは終わらない
    餅 望月aa0843
    人間|19才|女性|生命
  • さすらいのグルメ旅行者
    百薬aa0843hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • 神月の智将
    ハーメルaa0958
    人間|16才|男性|防御
  • 一人の為の英雄
    墓守aa0958hero001
    英雄|19才|女性|シャド
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