本部

ワールドエンド

鳴海

形態
イベント
難易度
難しい
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
能力者
25人 / 1~25人
英雄
25人 / 0~25人
報酬
多め
相談期間
5日
完成日
2018/08/28 19:51

掲示板

オープニング

● 最終兵器浮上

 海は割れ、空には黒雲。
 世界は終わりに近づき、手招くのは終焉を奏でる物。
 その歌は形あるものを破壊し。
 形なきものも粉々にしてはばからない。
 かの者の名前はガデンツァ。
 最後に人類に挑むべく、自身にとって最上とも思えるシチュエーションで登場した混沌の十三騎。
 彼女が駆る戦艦にはH.O.P.E.職員は全員が見覚えがあった。
 かつて上海の海を疾走しH.O.P.E.の拠点となり愚神と戦った海上戦艦。ARK。
 その構造と酷似していたからである。
 しかしアレンジも認められる。
 外壁にに備え付けられたスピーカーとそして黒く光るボディー。
 それをガデンツァは戦艦DARKと呼んだ。
「ふむ、霊力確保は十分、実体かも問題はない、TRVは?」
「各種テレビ局やラジオ局に根回し完了。そこから電波を乗っ取り、全世界に配信する準備が完了しているわ」
 そう影で控えていたロクトが告げた。
「ふむ、しかし準備が整うまでには時間がかかる、そうじゃな?」
「ええ、それにあなたのふさわしい奏者も見つかっていない」
「では、我直々に見つけてこようかの、あてはある」
 ガデンツァが告げると、ロクトが意外そうな表情をむけた。
「いいの? この戦艦を空けるというの?」
「あたりの有象無象をかたずけることなど、ルネ達のみでもできるじゃろうて。お主もおる」
「それは……」
「裏切れば死が待っておる。ゆめ己の職務を忘れるでないぞ」
 告げるとガデンツァは奥の間に姿を消した。
「気は……進まないのだけどね」
 ロクトは冷たい瞳をみせると船内のルネに通達した。
「あたりを掃除して。その後私たちはH.O.P.E.東京海上支部に向かいます」
 船が回転しだす、砲門が開かれる、無情にその砲撃は海上へ降り注ぐことになる。

● 石油プラント調査

 石油プラントの謎の爆破事件を受け。H.O.P.E.や民間の調査員が派遣されていた。
 海上ど真ん中の巨大建造物である。
 その建造物は見れば、大きくひしゃげていた。
 その痕跡をおかしいと睨む矢先に、突如空から降り注いだ光の柱。
 それが何かに力をあたえ、海上に姿を現したのが戦艦DARKであった。
 その登場に怯え、即座に動けない海上調査員たち。
「だめだ!」
 そう誰かが叫んだ矢先、海上ブラントやその脇に止めてあった船に乗る乗組員たちが熱光線の向こうに消えた。
 悲鳴をあげる間もなかった。直後海水の温度が急上昇したことにより海面が爆発。
 激しい水しぶきと衝撃波でさらに調査員たちは散り散りになってしまう。
 それめがけ差し向けられたのはルネ達。
 ルネ達はバランスのいい装備をしていた。肩に乗るような構造のホルンからは広範囲の遠距離攻撃。
 そして腕を刃に変形させて近接攻撃も可能である。
 その手にかかってまた一人、調査員が海の藻屑ときえた。
 腕についた血をなめてルネは新たな獲物を探す。
 絶望が海上を包んだその時、岸の方からモーター音が聞えた。
 H.O.P.E.の救助部隊である。
 しかもありったけの戦力を投入してくれた。
 だがそれでも乗組員たちが助かるかどうかはギリギリの状況である。
 先ずリンカーたちは。この20SQ離れた先にいる乗組員たちを、中型砲塔とルネの手からどうやって救うかを考えなければならない。

● 戦艦DARK
《 性能 》

直径 2キロメートル
高さ 82メートル
最高速度 22ノット 


基本兵装
 大型砲塔 十二門(フォルティシモ)
 中型砲塔 三十六門
 小形迎撃用機関砲 百八門
大型ライブスシールド八機
 大型スピーカー 総数不明
 
 ARK側のjコンセプトは。『長い戦いに耐えうる船』であり。
 防衛機能や生活機能、救護機能の方が充実している。
 だがDARKは少し違う。
 この戦艦はルネ生産プラントとしての役割を担っており、装甲が分厚くなっている。
 さらに攻撃性能は増していて。中型砲塔からはルネを弾丸上で対象に発射できる。
 大型砲塔はかわるがわる発射することで断続的に砲弾を対象物に発射でき、それらすべて霊力で賄っているために、弾薬はほぼ無尽蔵である。
 この拠点こそガデンツァの最終兵器であり、最後の戦いの舞台だ。






解説

目標 近隣住民やH.O.P.E.職員が撤退するまでの時間を稼ぐ。
 相手は戦艦です、どうやって時間を稼ぐのかですが。基本は盾持ちに頼るしかないでしょう。
 近づいてきたルネを切ってほしいのですが。
 このルネは体力が0になると1ラウンドかけて復活し、性能が強化されるという特性を持ちます。

● 救出部隊
 救出部隊として送り込まれる皆さんには三つの役割があります。
1 海上で砲撃を受け止める。
2 ルネの攻撃を止める。
3 小型ボートで乗組員たちを拾い、岸まで送る。

 DARKは現在、沖からどんどん離れて言っていますが。依然として海を漂う調査員たちは攻撃範囲内です。
 総勢十三名の一般人が狙われていますが。これを殺すために放たれたルネの数は10体。
 DARKは大型砲塔を使うそぶりは見せません、中型砲塔の攻撃であればリンカー一人で防ぐことが可能でしょう。
 小型ボートは最新式のエンジンを積んでいるので、攻撃のタイミングさえ注意すれば攻撃を避けることも可能です。
 このボートは五隻貸し出され、一隻に六人人間を乗せることができます。

● 倒すための会議
 次回、あの戦艦と戦うことになるでしょう。真っ向から戦うのか。それとも何らかの策を弄するのか。
 よい案があれば、プレイングを少し割いて記載しておいていただけると、次回までに準備することができるでしょう。

リプレイ

プロローグ

 その男が現れる時、月が陰る。
 闇夜を照らす僅かな明りでさえ失われ、世界は漆黒の一時を過ごす。
 その男は軽快な口笛を吹きながら唯一の明りであった煙草の火を水たまりに投げ捨てる。
 男は陽気にみえた。
 少なくともその音を聞く限り。
 しかし雲の切れ間から月が顔を出すと男を照らす。
 男は見るからに悪党だった。『火蛾魅 塵(aa5095』は『人造天使壱拾壱号(aa5095hero001 )』を連れ立ってグロリア社エントランスへ。
 その男の姿を見ると受付嬢はすくみ上り姿を隠した。
 しかしそんなことは関係ない。問題ではない、無視していいだろう。
 塵の本当の狙いは一つ。
 グロリア社の研究施設へ。
 廊下を我が物顔で闊歩し研究棟に訪れるとドアを霊力で粉砕する。
 吹き飛ぶ鉄櫂。けたたましいアラーム。
「何者だね、君は、まさかガデ」
 初老の男が話し切る前に塵は素早く歩み寄ってその口を掴んだ。
 タコのような口になってしまった男は目に恐怖の色をうかべている。
「クソババァと一緒にすんじゃねぇ殺すぞ」
 塵はそう笑いながら男性を話すと目の前のガラスのケースに腕を突っ込んだ。
 ガシャーンと派手な音が鳴り響く。
 素手で同じことをしようものなら手首を切っているだろうが共鳴していればお構いなし。
 その手につかんだのは天翔機。
「借りてくぜ」
「ならん! それはまだちょうせい」
「ババァが奪取、ジャックしようとしてるから対策すんだよ、ボケがよぉ、緊急事態だ、黙れよはげ」
 吐き捨てるように告げると邪魔な職員を蹴り飛ばして研究所を後にする。
 塵はチンピラを雇い運転させた車の中でデータを確認していた。
 H.O.P.E.の資料だが気になることがいくつかあったのだ。
「宇宙ステーション、前回のステージ…………。兵器か?」
 塵は何か気が付いたのか、ただただそうしたくなったのかくつくつと笑い声をあげる。
「前回、しこたまやられたもんなぁ、空からよぉ。対策をしねぇわけがねぇ、だとっすとぉ」
 塵は思う考えられる対抗手段は多くない。さらにガデンツァに許される札の数は少ないはずだ。
 その後アジトに戻った塵はモスケールを使い索敵を開始。
 チャーターした秘密兵器を見あげて満足そうにほくそ笑んだ。
「始まるぜぇ、本当のたたかいがよぉ」
 塵は窓の外を見る。巨大建造物が海に浮かんでいた。
 
 ちなみに襲撃されたグロリア社だが。作戦のあと『煤原 燃衣(aa2271』が平謝りをすることで事なきをえた。

第一章 切り札

 海に投げ出された人々は絶望を胸の内に抱いてそれを見あげる。
 巨大建造物、アメリカや日本に配備されているどんな軍艦よりも大きい。
 もはや輪郭全体が見渡せないそれは無数にある対小型戦力用の砲塔を正確に一般人たちに向けた。
 弾丸が放たれる、そう思った時。
 砲塔がはじかれたように海上をむいた。
 見れば猛スピードで何かが近付いてくる。
「うわぁー……戦艦出てくるのはいいけど、そういうのってアニメとか漫画とかなら普通こっち側が出すべきものじゃないの、ねぇ」
――……何度も言うがここはアニメや漫画ではない。まだごっこ遊び感覚が抜けないのなら海に落としてくぞ。
「うへぇ、それは勘弁…………」
『望月 飯綱(aa4705』や『綾香(aa4705hero002 )』をはじめとするリンカーたちである。
「あんな巨大な物いつの間に作ったの!?」
――あの中にガデンツァがいるのかしら。……ロクトも?
『世良 杏奈(aa3447』と『ルナ(aa3447hero001 )』がそう告げる。
――でかっ。この短期間にこんなの作れんのかよ!
 思わず叫んだ『ウォルナット(aa0405hero002 )』
「どうどう」
――興奮してるわけじゃねー。
 そうなだめる『卸 蘿蔔(aa0405』はボートにエアーシェル展開し安定した走行を補助する。その手には大量のロープ、よく見れば輪が作られており人が捕まりやすいようになっていた。
 だが救出可能距離までもう少しある。
 このままでは一般人の皆さんが打たれてしまう、蜂の巣だ。
 それを阻止せんとボートを足場に飛んだ二つの影。
「ロクトさん……!あなたは何故、私達を……!!」
『月鏡 由利菜(aa0873』はその切っ先を巨大戦艦へと向け意識をそらさせる。
 空中漂う由利菜を迎撃するために数十門の砲塔が火を噴いた。
 しかし。
――全く、ガデンツァもしつこいなぁ!……ユリナ、職員さんや一般の人を助けたら、あの戦艦に乗り込むんでしょ?
『ウィリディス(aa0873hero002 )』の言葉に頷きながら由利菜は攻撃をさばき戦艦の装甲を斬りつけた。
「……本部への帰還命令がなければ、このまま行くつもりです。二人に直接聞きたいこともありますし……」
「いや、実はあの中にロクトさんはいないんだよね」
 そうぼそり告げたのは『イリス・レイバルド(aa0124
 彼女がすでにH.O.P.E.の手中にあることは極秘事項なので言えなかったのだが。
――戦艦か……どこから用意したのだろうね。
 水に沈みつつもイリスは盾を構える。
「まずは救出、そのための時間稼ぎ」
 アイリスの言葉にそう返すとイリスは早速盾を傘のように構えて弾丸を弾く。なるべく一般人たちを密集させてその盾で守る。
――今後の事も考えると、あれに乗り込むために対策を考えなければだね。
「砲弾防ぐためにも待ち構えてなきゃだし」
――観察する時間には事欠くことはなさそうなのだよ。
 それはその通りである。実際すでに『蔵李 澄香(aa0010』と『クラリス・ミカ(aa0010hero001 )』が動き始めている。
 クラリスは衛星カメラから砲撃の射程や移動速度、旋回速度、砲塔位置と確認、ARKのテータを元に分析、解析。予測射程把握しタブレットでデータ化。
「みんなの確認はまだなの?」
――澄香ちゃん。皆様の安否の確認が取れました。
 エリザ、ディスペア、アカネ、春香、ついでにECCOの安否は確認済みだ。
「だったら大丈夫だね」
 しかし、嫌な予感は拭いきれない。
 ロクトの話しによるとガデンツァは姿を消しているらしい。どこに行ったのか。
 遊びに行ったというわけではないはずだ。
(胸騒ぎがする、何だろう。何かを見逃してるみたいな)
 だが今は作戦に集中しなくてはならない。
 前線の『彩咲 姫乃(aa0941』から連絡があった。
「中型砲塔動くぞ、何か撃たれてる」 
 それはリンカーたちの背後をふさぐように着弾する。
 次の瞬間会場で霊力が膨大に膨れ上がった。
 それを見て姫乃は不敵に微笑む。
「朱璃、思えば遠くまで来たもんだな」
――何言ってんデスニャご主人?
『朱璃(aa0941hero002 )』が本気でいぶかしんだ。
「あんなデカブツ用意してきたんだ、――流石にそろそろネタ切れってもんだろ」
――あー、あの水晶女も後がないってことデスかニャ。
「いろいろ追っているうちに落とせねぇ荷物も抱えちまった」
 姫乃は両手をみる、担ぎ上げた時の重さがまだ残ってる。
――ひとつ落っことしてますニャ。
 姫乃は両手を覗く、砂のように零れ落ちた彼女の体温はもう。思い出せない。
「でも、いい加減追いつくだろ」
――あたしらは速えーんデス、当たり前でしょう。
「「こんどこそ息の音を止めてやる!!」」
 その掛け声と共に姫乃はボートに乗り海上を飛ぶように跳ね、ボートから戦艦装甲をかけあがりそして、弾幕を回避して砲塔を一機切り裂いた。
 爆発と同時に殺到する砲撃。
 それを姫乃は投げられた盾を足場に回避する、素早く水面に着水。足が沈む前に後方にいったん距離をとる。
 盾は回転しながら水の上を撥ねる。それをイリスが空中でキャッチ。
 次いで一般人を狙った砲撃をイリスが盾で受け止めた。
「おまたせ」
 その周りを旋回する形でボートが到着する、操るのは『餅 望月(aa0843』だ。ボートの上から蘿蔔がロープを投げる。
「この海がある限り、ガデンツァもルネもいなくならないのかもね」
 そう望月は悪夢のようなことを言い始めた。
「何度でも相手にして、被害を食い止めて、愛と癒しを振りまくよ。仕事の後のプリンは美味しいしね」
――そうだね。
 いつもののんきさで『百薬(aa0843hero001 )』がそう告げる。
 次の瞬間望月も海上に出た、攪乱が有効なうちに一般人たちを船に乗せなければならない。
 そう、攪乱が有効なうちに。
「ひぃ、たすけてくれぃ、ごぼごぼ」
 哀れなほどにおぼれているのは『阪須賀 槇(aa4862』扮する一般人。イメージプロジェクターでそれとなく化けている。
 それを救出に向かうのが『犬尉 善戎狼(aa5610』である。
「…………久し振りだ、軍曹。俺だ。犬尉だ」
 そう犬尉は無線機片手にハンドルを操作。
 小型ボートを走らせる。
『戌本 涙子(aa5610hero001 )』はその間に衛星からの映像を確認している。
 槇に近づく間の砲撃は『鬼灯 佐千子(aa2526』が受け止めた。
レアメタルシールドの表面を鉄塊がこすり火花をあげる。あまりの衝撃に体がバラバラになりそうだったが、佐千子も鉄の乙女である。
「これくらいの修羅場、何度でも通ってきたわ」
――肯定だ。まだピンチと言える状況ではない。
『リタ(aa2526hero001 )』がタイミングを告げると佐千子は代わりにへパイトスを突きだす。その銃身は真っ直ぐ空を飛んでいく中型砲塔の弾丸に合されており、それを迎撃。
 ルネを一体叩き落とした。
 次いで中型砲塔への攻撃。その硬い装甲を食い破るには骨が折れそうではあったが、これでこちらを無視することはできなくなった。
 さらに熱い歓迎が犬尉の船を襲う。
「速く乗れ! 遊んでる場合じゃねぇぞ」
 犬尉は華麗に銃弾を避けると槇を船に乗せる。
 その一瞬のすきをついて素早く銃口を船に向ける戦艦だったが、残念ながら反応は槇の方が早い。
 砲塔を打ち抜かれたために一瞬戦艦内に混乱が走る。
「ざまぁねぇお」
 ついでに何人か一般人を助けそのまま岸へと向かった。
 背後から追いすがる弾丸。それも蛇行運転と急カーブ。減速と加速を使ってやり過ごし。水しぶきのカーテンで敵を遮ると槇がその隙間から砲塔を狙い撃った。
――ないっしょー。
「どうだお? だいぶうまくなってきたお?」
――それでも俺の方がうまいけどね。貸して。
 そう体の主導権を『阪須賀 誄(aa4862hero001 )』に渡し後退交代で応戦する阪須賀兄弟。
 そんな二人が銃の射程に不足が出始めた頃犬尉は言葉をかける。
「……阪須賀くん、そのパソコンで頼みたい事があるんだが」
 第一陣の救出はうまく行った。であれば次は一般人を下ろしてなるべく早く戦地に戻ることを目指すべきだろう。
 そう望月は加速しようとした瞬間。
 大型の砲弾が放たれる、中型砲塔から人一人軽く粉々にできそうな砲撃が飛ぶ。
 それを。
「お願いします!」
――任されたよ。
 イリスが抑え込む。
 素早く飛んだイリスは盾を少し斜めに構え砲弾を受ける。
 あまりの威力で飛んだ砲弾はイリスの体を巻き込んで前身。イリスの体を海面にうちつけようとした。
 しかしだ。水も物質である以上高速で、もしくは高圧で物体がぶつかった場合硬く変質する。
 イリスは海面を地面のように捕えてその砲弾を水中へと叩き落とす。
――この砲弾、ルネだな。
「当たったら砕け飛ぶだろうに贅沢な使い方ー」
 アイリスの言葉に耳を穿体振り返る望月、次の瞬間水柱が上がった。
「冷たい!」
 望月が悲鳴をあげる中。イリスはバックステップで船に戻る。
 すると水の中から立ち上がったのはルネ。
――いや、海上だから恐らくすぐに再生するね。
「使った後は再生して兵隊にってことー?」
――攻撃ついでに前線に兵を送り込める、海上は向こうに有利なフィールドだね。
 そう、有利なフィールド、それこそ絶望的なまでにである。
 ルネは即座に水を支配。ボートをからめ捕ろうと動く。
 だがこういう時のために切り札を用意しておくのが参謀の役目である。
「先生、おねがいしますだお」
「…………………………………………任せやがれ!」
 破壊の嵐が吹き荒れた。
 もはや海ごと粉砕しようとしているのではないかという爆炎の嵐がルネ数体を覆う。
 ルネは音と視界にその感覚を頼っている、攻撃に対しては再生できるが攪乱に対しては弱いのだ。
 それを知ってか知らずか『楪 アルト(aa4349』は石油プラント残骸、分厚い鉄骨の上にヒールをおいてほくそ笑む。
「っは! フォルテッシモの名前掲げるってんなら、それなりの覚悟があるってんだろクソババァ!!」
 本日は『‐FORTISSIMODE-(aa4349hero001 )』と共鳴済み、ピグは置いてきた。
 その火力と範囲は折り紙つきである。
 アルトはアクセルを全開にしただけのボートが駆け抜けていくのを確認するとそれに飛び乗り、ルネを迎撃しながらDARK本体へ突っ込んでいく。
 中型砲塔が砲弾をはけばボートから飛び退避。
 次いで放たれるガトリング砲、複製されたガトリング砲は戦艦の表面を戦引くように走る。
 出し惜しみなし、スキルの大盤振る舞いだ。
 ウェポンディプロイでガトリングを量産。
 放たれる攻撃はルネだけではない。
 アルトは石油プラントを伝って距離を詰め戦艦にミサイルを叩き込む。
 轟音、爆音。
 めらめらと燃えたつ炎の華は海に落ちたとしてもしばらく燃え行く。
 だが、アルトの火力をもってしても装甲を食い破るにはまだ至らない。
「砲撃を止めるにゃあ、直接乗り込んで派手に暴れたほうが手っ取り早いってもんよ!!」
 だが、まだ、まだ諦めるには早い。
 避難は完全に終わってないのだ。時間を稼ぐ必要がある。
(……急いでくれよ、こっちも長くはもたねぇかもしれねぇからさ)
 そんな心と裏腹にアルトは叫んだ。
「いいぜ、聞聴効かせてやんよ!!これがあたしの……新しい力ーうたーだあああぁぁぁぁああああああ!!!」
 アルトはウィングスピーカーから大音量で音楽を鳴らす。
 歌はその喉から。戦場をアップテンポでハイビートな曲が塗り替えていく。
 戦況は半分が経過と言ったところ、まだ海上に取り残されている一般人は多い。

第二章 ルネ

 救出班が往復する中、もっぱらの問題はルネ達が人を襲う事だった。
 戦艦からの砲撃とルネの遊撃。
 状況はあまりよろしいとは言えなかった。
「ゲシュペンスト『アーベント』で水上走行します!」
 グングニルで水上を撫でながら弧を描くように由利菜はルネに接近。
 その首をグングニルで跳ねた。
 海に沈んでいくルネを尻目に振り返るとその槍を投擲する。
「距離約40mでも、この神槍なら! ペルヴェルク!!」
 放たれた槍はルネの胴体を穿ち吹き飛ばそうとするが傷口はすぐに再生した。
 恐るべき再生速度だった。
 由利菜の背後で水の柱が立ち上る。先ほどのルネが巨大化し、その体から触手を生やして由利菜をからめ捕ろうとする。
「くっ」
 由利菜は素早くトリアイナに換装、その切っ先をルネに突き立てるとルネは動きが封じられた。
「倒れる度に強くなって復活している…………!」
 もがくルネの手ごたえを感じながら由利菜はそう告げる。
――なら、生殺しにすればいいでしょ!
「……そう簡単にいけば楽なのですけどね……」
 直後ルネが渾身の力で暴れ出す、頭が大きく伸びて由利菜を包みこもうと迫るが。
 それを打ち抜く弾丸があった。
「やれやれ、よくもまぁここまで似せたもんだ」
『麻生 遊夜(aa0452』である。
――……ん、意趣返し……かな? ……アレンジ加えてる辺り、おばさんらしい。
『ユフォアリーヤ(aa0452hero001 )』が不敵に告げる。
 遊夜はボートを操作し海に浮かぶ一般人の元へ駈けつけようとする中、トリオでルネを複数狙う。
 腕や足を吹き飛ばして行動不能を狙った。
「どうせ回復するんだろ? お前らが好きな水は豊富だもんな」
 苦々しげに告げる遊夜。
――……ん、だから……そこで寝てて、ね?
 海上プラントや船、その漂流物等を利用したダンシングバレットやテレポートショットで死角を狙う。
「戦場で一番きついのは、死者が増える事じゃなく……」
――……怪我人……戦闘不能者が増える事、らしいね?
 水中内から伸び上がりボート全体を包みこもうとするルネ。その顔面に遊夜は44マグナムを向ける。
 弾丸は絶対の破壊力となってルネを穿った。
 雨のように水が遊夜たちに降り注ぐ。
 その直後である。
――降り注げ、生命と浄化の雨! アクア・ヴィテ!
 ウィリディスの声を共に戦場を癒しの光が包んだ。
 前線はまだ、もう少しなら持ちそうだ。
 それを確認すると『迫間 央(aa1445』はルネの群の中に踏み込んだ。
――……戦えない者ばかりを狙うなんて、随分余裕を見せるわね。
 告げたのは『マイヤ サーア(aa1445hero001 )』
「俺達の戦力を削ぐ事に注力しなかった……その余裕が命取りだ」
 アサルトユニットを自在に操りスライドするように横移動。
 砲撃をかわしながら潜伏しルネに接近した。 
 蘇生したてのルネは前後不覚に陥っている。
 その足元で恐怖の表情を浮かべていた一般人だったが近づいてくる央が、唇に指を当てているのを見ると安どのため息を漏らす。
 そして。一刀のもとに央はルネの首を吹き飛ばす。
 だがすさまじいのは再生能力。
 央はまだ再生しきっていないルネを海面へ叩き付けた。
 そのままアサルトユニットのホバーを調整、海面に吹付け水飛沫を浴びせる。
 さらには手持ちのMM水筒の水を叩きつけた。
「なければないなりに工夫するまでだ」
 央はもがくルネを尻目にあたりを見渡した。
 救助活動は滞りなく、ただルネに囲まれているリンカーなどのために援護には出なければならなかった。
 央は『黛 香月(aa0790』の狙う個体に迫り銀腕のビーム剣状に形成。それでルネを切り裂いた。
「剣を摂れ、銀色の腕……アガートラム!」
 ルネがはじけ水しぶきが上がる。
 その水しぶきの向こうで香月は別のルネに視線を向けていた。
「こんなデカブツで堂々と乗り付けてくるとは、大胆な宣戦布告だな。貴様の息の根は私が必ず止める……忘れていないだろうな?」
 香月は依然倒したガデンツァを思う。彼女は以前倒したはずだが復活し、狼藉している。
 だが何度ガデンツァが復活しようと、息の根を完全に止めるまで香月の刃は留まることを知らない。
「乗っていくか?」
 香月は央にそう問いかける。
 央はその言葉に首を振ると香月は急発進、ルネに船体を叩きつけるように停止。
 切っ先をルネに向けると、音で体が切り刻まれるのにも構わず香月は刃をルネに叩きつけた。
 停止した香月を打ち抜こうとホルンを構えるルネがいる。
 香月は素早く反応。
 アンチマテリアルライフルで狙い撃つ。
 だが完全破壊はしない。
 見れば香月の思惑と同じく線上には四肢を吹き飛ばされ放置されたルネなのが多くいる。
 完全には破壊しないことで、戦闘不能状態にして放置しているのだ。
「余裕がでてきたか」
 香月はDARKを見あげる。
「なぜ、戦艦は大型砲塔を使わない?」
 その香月を取り囲むルネ達。だがその包囲網はすぐに粉砕されることになる。
 同時に佐千子のアハトアハトが追いすがるルネ達を遮るように撃ち放たれた。
「なにか気付いたのか?」
「いや……」
 香月は考える。戦艦の意味、今出現した理由そしてガデンツァの思惑。
 おそらく読み間違えれば致命的になる。
「そこ退け!」
 姫乃は前を遮るルネをハングドマンでまきとって、その加速度のままに水中を引き回す。
 液状化する兆しが見えたらその体を大きく跳ねあげて空中にさらした。
「いま、第弐陣が返ってきた、もう少しだ」
 告げる姫乃の言葉に頷く香月。
 姫乃はそのまま落下するルネにをさらにがんじがらめにハングドマンで縛って沖を眺めた。
 こちらに甚大な被害はない。だが誰もがフルスロットルのまま走り続けている。
 時間をかければこちらが不利だ。
 いまだ犠牲者は出ていない。このまま最初の戦いをやり過ごすことができたなら、それは大きい戦果と言える。


第三章 反逆する者

 救出班第二陣。戦場は先ほどよりも激化しているがなんとかルネをかいくぐり
『希月( aa5670 ) 』は要救助者の隣にボートをつけた。
 そのまま男性を引っ張り上げると希月は『ザラディア・エルドガッシュ(aa5670hero001 )』に体の主導権を渡す。
――……ザラディア様、お願いします。
「……まぁ、力仕事は俺の領分ではありますからねぇ」
 ザラディアは頷くとハンドルに手をかける、それをなじませるように二・三握っては放すを繰り返した。
「そっちも準備はできてるか?」
 そうボートの最後尾で佇む女性に声をかけるザラディア。『無月(aa1531』は振り返り言葉をかける。
「だしてくれ、私が誰も近づけさせないと誓う」
――いや、どっちかというと僕だろ。
 告げると無月は『ジェネッサ・ルディス(aa1531hero001 )』にバトンタッチ。
 リボルバー「バルイネインST00」を構え周囲に群がるルネを妨害していく。
 縫止で足止めすれば、とけるころにはかなりの距離が開いている、これなら逃げられるはずだ。
「あぶない!」
 遠方からのルネの攻撃には無月が体を張って防御を。
 ボート内にかくまった女性の頬に血が飛ぶが、それをぬぐってジュネッサは告げる。
「傷は無いかな?」
 戦域から離れれば敵からの攻撃は薄くなる。
 その間に今後攻略するであろうDARKのことは観察しておきたかった。
 攻撃パターン、侵入可能な個所の有無、死角や脆弱そうなポイント、動力系や管制装置の場所。外部構造からわかる全ての事を観察する。
――あの時死ねなかったことをきっちり後悔させてやる……。
 無月がそう言葉を噛みしめるのを希月はただ黙ってみているしかなかった。
 次いで岸にボートがつけばザラディアは投げ捨てるように救助者を岸に下ろした。
――もう一度です、ザラディアさま。
「おう、わかってるよ!」
 ザラディアは再び海へ。それに並走する形で小隊【暁】のボートも沖にでた。
 その隣を燃衣が並走している。
 目標とすべきはもちろん。ルネ。
「みなさん僕が先陣を切り開きます、援護を」
 燃衣の言葉に応じて槇と犬尉が射撃を浴びせる。ルネ達の再生速度はすさまじくそれでも燃衣へと距離を詰める。
 音が水をまきあげてもう突する中、その左右を少女たちが固める。
『藤咲 仁菜(aa3237』が左からの攻撃を『無明 威月(aa3532』が右からの攻撃を防ぐ。
「前方から砲撃。やり過ごせますか?」
「受け止めて見せる」
 仁菜と威月がそろって盾を構えると砲撃はそのど真ん中へ。
 そのあまりの衝撃に二人は吹き飛ばされかけるがそれでも踏ん張る。
 燃衣はその時みた。砲弾として加速度を維持しながらも水晶の塊から人型へ転じるルネを。
「……っ」
――されば! 立ち上がって戦え。
「…………っあ」
――いかなる運命にも意志をもって!
 威月の言葉を『青槻 火伏静(aa3532hero001 )』が代弁する。
 その言葉に頷いて燃衣は空気摩擦で高温となったルネの胸ぐらに手を突っ込んだ。
「いまなら」
 仁菜と威月はいったん後退、燃衣はそのまま円運動でルネを放り投げた、ルネは海面を何度もバウンドし着水。
 左右から迫るルネは右側のみ対応した、左側から迫るルネは仁菜がガード、その間に槇と犬尉が射抜く。
 燃衣につかみかかったルネは感情をのぞかせることなく無表情に燃衣を覗き込み、息を吸い込んだ。その歌で燃衣を攻撃するつもりなのだろう。
 だが燃衣はその小さな体を左右に振って。
 海面に叩きつけ。そして喉を締め上げる。
 ギリリと血が流れるまで歯を食い縛りつつ、聞こえているであろう言葉に呪詛を込める。
「…………ルネさん。人の心が傷付くのは、幸せですか? それが貴方の存在意義ですものね」 
 返事は帰ってこない。
「けれど見て下さい。あの日弱かったボクは。貴方のお陰でこんなにも、強くなった」
 燃衣はルネを吹き飛ばすと、その脇を暁メンバーである仁菜と威月が固めた。
「貴方が傷付けようとする度に、ボクらは強くなった」
 けど。
 そう燃衣は言葉を呑む。
「その先にある景色を……貴方と一緒に見たかった……」
 燃衣の霊力がまるで、海の水を全て蒸発させるような勢いで膨れ上がる。
「「…………覚悟は良いか、死ねよガデンツァ」」
『ネイ=カースド(aa2271hero001 )』と言葉重ね弾丸のように突貫した燃衣。
 燃衣は叫びながら敵の集団に食らいついていった。
 全ては避難作業が完了するまでの話。
 そんな燃衣の背後から大量のルネが迫る。
 なぜか。
 それは飯綱の活躍にある。
「うわわわわ」
 飯綱はシャドウルーカーに混ざり隠密してトリオやロングショットなどで敵を牽制していた。
 苦無投擲、ルネの攻撃を受けて体をずぶぬれにしながらも走っていた。
 ただ、隠密に長けているクラスではない。
 なので結果大量のルネのヘイトを買い、現在に至るというわけだ。
 飯綱は燃衣に助けを求めていた。
 その間後方支援組は情報収集を欠かさない。 
 槇はスマホ、ノートPCを同時使用。仲間のスマホや衛星経由の映像を取得し適時確認していた。
 対岸と敵母艦の位置関係を元に地形を座標化。敵の攻撃のデータを細分に取って行った。
 そんな槇を見て思うところがあったのか犬尉は槇へと視線を送る。
「おい、涙子」
 その言葉に犬尉の相棒は呆けた声を出した。
――わぅ?
「お前、こいつらとどっかであったことあるって」
 そんな犬尉の言葉を遮って涙子は言う。
――そんな事より! 沢山ぶっ殺すのじゃ! 懸賞金なのじゃあああ!
 そんな大はしゃぎな涙子に槇は問いかける。
「…………妹者? 何処かで会いましたかお? 」
 その言葉に答えをもらわぬうちに戦況は変化した。燃衣が敵陣地最奥に到達した。
 つまりDARKに手が触れられそうな距離ということだ。
 たださすがに弾幕が激しく二人のガードがあっても近づくことは容易ではない。
 代わりに……。
――いい気になるなよ。《虐鬼王拳》ッ!
 ネイは気合と共にルネを戦艦向けて吹き飛ばした。
 反撃とばかりに放たれるルネの攻撃。
 それを威月はライブスミラーで受け止めた。
「…………諦めません…………兄さま…………力を貸して下さい……!『鏡花水月』ッ!」
 跳ね返された霊力がルネの上半身を溶解させる。
 それを確認して威月は全員へ言葉をかけた。
「これしきの事で…………! 私たちが、負ける訳には…………行きません!」
 その言葉は戦場に高らかに響く。
「今度こそ、企みを打ち砕き! 阻止しましょう!
 そして示しましょう! 人の強さを、意志を! 絆をッ!
 皆さま! 気合入れやがれです!」
――…………口調。
 相棒の指摘で赤面する威月。
 それに応じて杏奈がボートで突貫してきた。
 燃衣たちの横で止めると海面に魔術を叩き込む。
「のって! 倒すと強くなっちゃうみたいだし、動けなくするわ!」
 そうサングラスを投げ捨てると杏奈は海面に手をかざした。するとみるみる凍りつくルネ達。
「体制を立て直すからみんなを呼んで来いって」
 置きに向けてボートを飛ばす杏奈。同時にすれ違ったのが 『鬼子母 焔織(aa2439
 殿と務めるように杏奈の後ろにつく。
「小隊【暁】が隊員…………鬼子母 焔織…………馳せ参じ申しタ!」
 かき集めたヒールアンプルが入ったカバンを杏奈のボートに投げ入れ自身は戦う気概を見せる。
――さぁ~かっとばして行こうじゃないか!あちらの犬お嬢さんに負けんようになぁ! 
 告げる『青色鬼 蓮日(aa2439hero001 )』
「と、イウことでス。犬尉どノ、宜しく頼み申ス」
 アクセルを全開に踏み込む焔織。
――あとであとであとで犬耳なめさせてお嬢ちゃあああああん!
 そんな蓮日の声がドップラー効果のように音程を変えていく。
 今回、ルネは海上ではほぼ無敵の従魔と化している。
 であれば真っ向から戦うのは不利。
 ならば攪乱するのが最適解だろう。
 砲門を確認し焔織はジグザグ走行で弾丸を避けながらルネ達をひきつける。
――焔織ぃ! 何処で覚えたこんな操作ぁ!
「子供のコロに!仕込まれマシたのデ!』
――お前それ便利なセリフだなー!
 そこで焔織たちの耳に入ったのは救助が完了したという報告。
 あとはミイラ取りがミイラにならないように全員で帰還するだけ。


第四章 ダカーポ

 最後の要救助者が船に乗った。
 その報告を受けて『エリズバーク・ウェンジェンス(aa5611hero001 )』は安堵のため息をつく。
 彼女は陸に乗り情報&通信統括を担当していた。
 リンカーたちがスムーズに救助活動ができたのは彼女のおかげでもある。
 常にルネ達の動きを監視。撤退が困難な場所に的確に応援を向かわせた。
「ガデンツァは、来ませんでしたね」
 その言葉に不吉を感じる『アトルラーゼ・ウェンジェンス(aa5611
 そんなアトルラーゼをなだめながらもエリズバークは海を見つめる。
 戦いは終わっていない。
 最後まで支援は必要だ、現にルネがボートに迫ってきている。
「ルネの現在位置DARKから50M圏内。ただしボートに追従するルネが二体ありますわ、水瀬のところに向かっておりますのでお気をつけください」
「ああ、あの見えてるルネね」
『水瀬 雨月(aa0801』はギアをあげる。
「捕まっていて」
 最大加速、ただそれでもルネの移動スピードは速い、度重なる戦闘で破損個所を修理しながら進化してきたのだ。
 そんな化物のような存在に追いすがられて阪須賀の雨月も肝を冷やしていた。
『アムブロシア(aa0801hero001 )』のようにのんきに寝ていられるくらいの精神があればよかったのだが。
 次いで発射される砲弾。
 モスケールの反応から十体目のルネだと観測された。
 それは雨月の眼前に落ちると海中を高速で泳ぎ始めた。
「水中から高速で水瀬様の元へ接近するルネがあります。奇襲を狙ったつもりでしょうが、返り討ちをお願い致しますわ」
「と言っても……ねぇ」
 雨月はハンドルを切る。
 雨月がもともといた場所を無数の杭が通過した。
 それは空中で水となると針の形を取りさらに雨月へと降り注ぐ。
 その攻撃に身をさらす少女がいた。
 澄香がアサルトユニットで会場を蹴ると高速詠唱。
 空中で装備をレイジ・マトリクスに変更した。
 発生する特殊バリアを水が叩く。その水の針は確実に澄香の防壁を破壊し、一層目が塵と消える。 
 その瞬間光が散乱し虹色の光が周囲を照らすも。
 綺麗等とは言っていられない。
 澄香の防壁の二層目が食い破られた。
 ただ、その間にボートはルネの包囲網を突破。
「走って!」
 澄香は告げて海面に着水。
 海に沈みながらマナチェイサーを発動。
 水に擬態したルネを正確にとらえ。そして。
「しろ! 私の指先から50センチ先」
 その言葉に頷く少女。
「でも今日はウォルなんですよねぇ。いけるかなぁ」
 鷹の目で澄香を観測。
 構えるハウンドドックは的確に澄香の指先50センチをボート上から射抜く。
「わわわ、すみちゃん砲弾がボートに」
 澄香はレイジマトリクスをアサルトユニットに変更。浮力を最大限に利用して海上に飛び上がった。
 その手にはパイルバンカー。
 体が回転する勢いそのままにそのバンカーを砲弾にうちつける。
 空中で大爆発が起こった。
(動きは読めます。後は、遅れなければ!)
 蘿蔔はやっと追いついてきた二体のルネに対応。蘿蔔の妨害を厄介と見たのかルネ達は肩口にホルンを生成。風を伴った霊力の塊を叩きつけてくる。
「ちょっと荒いですが大丈夫! 絶対に当たりません」
 その攻撃はすでに見切っている。風の芯を打ち抜いて攻撃を相殺。暴風が蘿蔔の髪を巻き上げるも特にダメージはない。
「帰りましょう、絶対に」
 告げると蘿蔔を乗せたボートに澄香がマジックブルームで追従。 
 雨月のボートを追いつつ、ルネを迎撃する。
「その距離であれば私の支援範囲内ですわ」
 三体分のルネが速度をあげながら岸まで追いすがってくる。
 その妨害射撃にエリズバークも加わった。
 集中砲撃を受けるルネは、腕、足と吹き飛ばされていく。
 背後から砲撃。
 その砲弾とボートの間にエリズバークは大量のシールドを展開。
「カバー致します。そのまま突き進んでくださいませ」
 水まで腰につかりながらエリズバークは手で盾を操り砲撃を一発防いでみせた。
 だがARKには円状の外壁を回転させることで、一点に的確に砲弾を連射する機能が装備されていた。
 その機能はDARKも健在のようで、最後の抵抗ともいうべきか中型砲塔が連続で火を噴く。
 それに対しては由利菜とイリス。望月そして威月がかわるがわる現れて防御。
 暁のボートが横付けで停泊し、そのボートの上で仁菜が盾を構え砲弾を受け止めた。
 わずかにそれた砲弾は海に着水して爆発。大きく雨月のボートの速度を削ぐ。
 大きく波打つ海面に持って行かれまいと雨月は船をコントロールするが転覆しないのが奇跡である。
 それにルネが追い付いてきた。
 だがその戦闘のルネへ、隕石のような何かが激突した。 
 それは青く、不吉に燃える何か。
 隕石ではない。振り返った威月はその姿を観測していた。
 エリズバークはそのおぞましい霊力の波動を感知している。
 次いで海面が爆発、浮かび上がるように姿を現したのは塵。
 その背にはズタズタになった天翔機。
「ヨォ紅孩児に旦那、魔女ォ、上手くやってっかぁ? ハッハ!」
 次いで塵は高速で隣をすり抜けようとしたルネに掴みかかる、海面を引きずられるようになりながらルネの反撃を恐れずヘッドロックをかけた。
 そしてそのまま塵は並走するルネに視線を向けた。
「戦艦の後ろから迫る敵の大群がお前の目に見える、行け」
 その言葉に引きつるように体を縮こまらせるルネ。
 必死に命令に抗いながらもその場に立ちつくしてしまう。
「いい案ね、確実に妨害できる。けど今回は支配者の言葉を詰んでくる余裕がなかったわ」
 つげると雨月は凪いだ海上を一気に駆け抜けた。
 塵の絡みついたルネが迫るのを見るとローブでアクセルやハンドルを固定。
「岸が近付いたら飛び降りて」
 雨月はALブーツを装備、そのまま海上に飛び立った。
 水しぶきをあげながら海上を蹴り、ルネに向かっていく雨月。
 ボートはそのまま真っ直ぐエリズバークの元へ。
 船員たちは恐れおののいて浅瀬に飛び込んだがボートは止まることはなく。
 それはものすごい勢いで岸に乗り上げると加速度そのままに港の倉庫に突っ込んで大爆発。
 それと時同じくして、雨月と塵の魔術がさく裂。
 ルネは跡形もなく消し飛んだ。
 一般人たちの救出が無理と知るとルネ達は水に同化して消えていく。
 戦いは終わった。犠牲者無しの最上の結果である。



第五章 対策会議。

『魅霊(aa1456』と『R.I.P.(aa1456hero001 )』は手分けして浜辺を駆けずりまわっていた。
 長時間海水にさらされた一般人の衰弱は激しく、戦闘の余波で傷を負った一般人もいる。
 その治療だけで大忙しだった。
 その治療に由利菜とウィリディスも加わる。
 その救出された一般人たちを集めて塵は幻影蝶をはなつ。
 従魔や愚神は紛れ込んでいないと判断できた。
「御苦労様です」
 つげると魅霊は体温回復のためのドリンクと毛布を配って、傷を負った者の手当てを再開していく。
 さらには傷ついたリンカーも多い。
 特に澄香は砲撃に身をさらしたのだ。救急手当が必要となる。
「あまり……無茶はしないでください」
「体が勝手に動いてたんだよね。私もびっくりだった」
 ただ、リンカーたちの仕事がこれで終りかというとそうではない。
 あの会場の脅威に対して全員で意見をまとめる必要がある。
 会議の時間が必要だった。

    *   *

 揺れる車内で疲れなどとれるはずがない。
 それでもDARKの出現は世界を揺るがしかねない。
 一刻も早く対処が必要な事案だった。
 DARKは今H.O.P.E.東京海上支部に向けて微速前進中。
 そのためにできることはなにか、それを早急に見つめ直す必要がある。
「今回のあたしの出番はここまで……かな?ユリナの幻想蝶の中に、ラシル先生も同行してるんだよね」
 会議室前で告げたのはウィリディス。
「ラシル……もしその時が来たら、頼みますよ」
 告げると由利菜が入室した。希望者はこれで全員。
「今回の件で真っ向からの突撃は無理とわかったわね」
 告げたのは遙華。
 遙華はARKの設計図をホログラフで展開。中心に立って話し合いを進めていた。
「アルトが乗り込んだけど、あんな捨て身の特攻全員ができるものではないわ。それにDARKの装甲は硬すぎる」
 その言葉に頷いたのは遊夜。
「正面からは悪手。ならやるべきは搦め手か……」
 遊夜が提案するのは正面に囮を、陽動に海中からドリル付き爆弾で突き上げ足止めという案。
「それは賛成だお」
 手をあげたのは槇である。提案したのは海上に囮船団、本命航空と潜水戦力での奇襲攻撃。
「更に陸上からの長距離兵器はどうあお」
「ライブス・プラズマ・カノン?」
 リンカーたちの大きな戦いでは幾度も顔を出している平気だ有効かもしれないが、対策されている可能性も高い。
「あとは、宇宙からの落下と突入はどうだお?」
 その言葉に遊夜が思い出したように告げた。
「宇宙からの星落とし、大質量霊力物質を敵中枢にブチ込むのが良いだろう……ロクトさんがそう言ってたもんな」
「ほし……ね」
 遙華は眉根をひそめた。
「星を落とすのは賛成です」
 蘿蔔が告げた。
「幸い沖から離れていってるし不可能ではないかな」
「そうね、あらかじめエンジンを積んでおけば地球への被害は減らせるだろうし、ただ、どの衛星を落すにしても、人類側の被害が……」
「宇宙ステーションにあるマスドライバーから隕石でも撃ちだして質量弾は流石に精度が足りないかしら」
 告げたのは雨月。
「ああ、なるほど、ただそれだけの精度を出せるかどうか」
「リンカーを発射すれば、微調整はできるわよ」
「雨月、あなたたまに鬼のような発想をするわよね」
「たしかに……人間砲弾でDARKに飛ばす片道切符? はちょっとやり過ぎかも? まぁ最近あちらに手を付けられなかったからまだ残っているのか分からないのだけど」
「大丈夫、あちらも指揮官クラスが撃破されたせいで動きは遅くなってるから」
「星を落とす」
 その言葉を噛みしめるのは仁菜。
「そもそも、星って衛星や、宇宙ステーションの事なのでしょうか。
 そう言えばライトニング・ステアウェイは整備すれば使える?」
「何とも言い難いわね、あれは燃え落ちているし、再現するにしたってなにせ」
「発射までの時間が長すぎる?」
 仁菜がそう遙華の言葉を引き継いだ。
「ガデンツァなら簡単に避けられる?」
「ARKの航行速度でも発射を感知してからさけることはできると思うの」
「じゃあライトニング・ステアウェイを元に衛星砲を作る?」
「いちから作るには時間が足りないわ」
「宇宙ステーションはあるじゃないですか、威力はもっと落としていいと思いますし」
 仁菜の言葉にふむと遙華は考える。頭の中で想定を巡らせる。
「その分正確に、発射までの時間を短く。マーカーを付けた場所に確実に落とす」
「ただ、それらの大型兵器は準備が間に合わない可能性が高いわ。使えない可能性も十分に考えておいて頂戴」
 遙華が言った。
「ただ、ひとつ懸念があります」
 手をあげたのは魅霊。
「今回使われなかった大型砲台。あれは使われなかったのではなく、リンカー相手に使えなかったのではないかと思いますが、いかがですか?」
 全員の目が魅霊に向く。
「大型砲塔は、大型且つ単数の脅威対策と見ていいでしょう。
 星が落ちても火力で砕く といったところでしょうか」
 その可能性は否定できない。
 ただ。
「ただそれは弱点にもなりえます。当然ながら艦船というもの。大型の砲塔とはそれ自体が弱点 それが十二もある」
 先ず攻撃するならここでしょう。そう言葉を区切ると澄香が次いで話しだす。
「ARKで隙ができたDARKへ突撃を仕掛けます。
 Drakへの正面からの揚陸は被害が大きい事と、人類側の戦艦では対抗できない点からこちらも戦艦を使う必要はあるかと。
「それに天翔機も欲しいところね」
 佐千子が告げた。
「敵が海上に居る以上、いずれにせよ地の利は相手にある事が課題となる。加えて相手は特殊な技術により電子戦、情報戦にも強い。
 相手の干渉を受けずに戦力を展開する場合、ルネの届かない超高高度くらいしかない」
 確かに空は唯一こちらのフィールドである。
「ただ、海からだけだと的にされるから空からも攻めるのは有効だとおもうの、対空砲火の備えがないとは考え難いけど」
 雨月がそう告げた。
「それでも不十分。歩兵部隊も工夫しないとね」
 そこで佐千子が提案したのはスパイ部隊。
「夜陰に乗じ、少数精鋭の工作員が潜水にて接近、乗り込んで破壊活動を行う」
「ただその場合、DARK内でルネに遭遇すると大変なことになりませんか?」
 仁菜が問いかける。
「その時のために、水龍シリーズをグロリア社で再現はできませんか?」
「水龍装備? できると思うけど、見解をきかせて」
「水龍の紋章を使うと霊力が乱れると思うんです。
 それを逆に利用し、紋章を艦隊に貼り付け霊力のコントロールを邪魔する……」
 たとえば。敵の大型砲発射時にライヴスミラーで跳ね返して。
 エネルギーの道を作って、その道を利用し破魔弓の先に水龍の紋章を付けて放つ。
 敵の砲で艦隊に穴を開け、矢を確実に艦隊に打ち込む」
「そのためにはDARKの足を止めないといけないか」
 澄香は用意してきた資料を画面に投影した。
「機雷の起爆による足止めとドローンによる防衛火器の引き付け。
 それにガデンツァへの精神面でのとっかかりを」
 澄香は告げる。
「希望の音で使用した宇宙ステーションの使用を提案する」
「それに関しては」
 遙華が澄香を見つめる。
「この前の依頼でもって帰ってきてくれたガデンツァの心を砕く歌。カウンターソングが出来上がりそうよ。澄香たちにも開発に関わってほしい、お願いできる?」
「ガデンツァと言えば、前回の失敗から、逃げ切る前に力尽きさせる方法は必要だと思います」
 蘿蔔が懸念するのはガデンツァのスキル。
 ガデンツァはイミタンド・ミラーリングという身代わり技を持つ。
「広範囲に隙間なく攻撃できる手段は欲しいです。衝撃に霊力を乗せる……とか」
 そんな中犬尉が一つの汚い手を提案する。
「…………この、『まるごとるね』ってあるだろう。これを使ってみたらどうだ」
 潜入に調整したルネスーツを着用する作戦の提案である。それと夜戦と照明機器の使用を提案、敵は視力に頼る為有効だと思われると。
「みんな意見ありがとう。やっぱり沢山の人で話し合った方が有効な戦術が出るわね。ブラッシュアップしていきましょう」
 先ずは、星落としに関して。
 そう遙華が告げる。
 会議はまだまだ続きそうだ。
 そしてこのあとリンカーたちは忙しく走りまわされることになる。

結果

シナリオ成功度 成功

MVP一覧

  • トップアイドル!
    蔵李 澄香aa0010
  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
  • 永遠に共に
    月鏡 由利菜aa0873
  • 紅蓮の兵長
    煤原 燃衣aa2271
  • その背に【暁】を刻みて
    藤咲 仁菜aa3237
  • 暁に染まる墓標へ、誓う
    無明 威月aa3532

重体一覧

参加者

  • トップアイドル!
    蔵李 澄香aa0010
    人間|17才|女性|生命
  • 希望の音~ルネ~
    クラリス・ミカaa0010hero001
    英雄|17才|女性|ソフィ
  • 深森の歌姫
    イリス・レイバルドaa0124
    人間|6才|女性|攻撃
  • 深森の聖霊
    アイリスaa0124hero001
    英雄|8才|女性|ブレ
  • 白い死神
    卸 蘿蔔aa0405
    人間|18才|女性|命中
  • エージェント
    ウォルナットaa0405hero002
    英雄|15才|?|シャド
  • 来世でも誓う“愛”
    麻生 遊夜aa0452
    機械|34才|男性|命中
  • 来世でも誓う“愛”
    ユフォアリーヤaa0452hero001
    英雄|18才|女性|ジャ
  • 絶望へ運ぶ一撃
    黛 香月aa0790
    機械|25才|女性|攻撃
  • 偽りの救済を阻む者
    アウグストゥスaa0790hero001
    英雄|25才|女性|ドレ
  • 語り得ぬ闇の使い手
    水瀬 雨月aa0801
    人間|18才|女性|生命
  • 難局を覆す者
    アムブロシアaa0801hero001
    英雄|34才|?|ソフィ
  • まだまだ踊りは終わらない
    餅 望月aa0843
    人間|19才|女性|生命
  • さすらいのグルメ旅行者
    百薬aa0843hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • 永遠に共に
    月鏡 由利菜aa0873
    人間|18才|女性|攻撃
  • 花の守護者
    ウィリディスaa0873hero002
    英雄|18才|女性|バト
  • 朝日の少女
    彩咲 姫乃aa0941
    人間|12才|女性|回避
  • 疾風迅雷
    朱璃aa0941hero002
    英雄|11才|?|シャド
  • 素戔嗚尊
    迫間 央aa1445
    人間|25才|男性|回避
  • 奇稲田姫
    マイヤ 迫間 サーアaa1445hero001
    英雄|26才|女性|シャド
  • 託された楽譜
    魅霊aa1456
    人間|16才|女性|攻撃
  • エージェント
    R.I.P.aa1456hero001
    英雄|18才|女性|バト
  • 夜を切り裂く月光
    無月aa1531
    人間|22才|女性|回避
  • 反抗する音色
    ジェネッサ・ルディスaa1531hero001
    英雄|25才|女性|シャド
  • 紅蓮の兵長
    煤原 燃衣aa2271
    人間|20才|男性|命中
  • エクス・マキナ
    ネイ=カースドaa2271hero001
    英雄|22才|女性|ドレ
  • 我ら、煉獄の炎として
    鬼子母 焔織aa2439
    人間|18才|男性|命中
  • 流血の慈母
    青色鬼 蓮日aa2439hero001
    英雄|20才|女性|ドレ
  • 対ヴィラン兵器
    鬼灯 佐千子aa2526
    機械|21才|女性|防御
  • 危険物取扱責任者
    リタaa2526hero001
    英雄|22才|女性|ジャ
  • その背に【暁】を刻みて
    藤咲 仁菜aa3237
    獣人|14才|女性|生命
  • 守護する“盾”
    リオン クロフォードaa3237hero001
    英雄|14才|男性|バト
  • 世を超える絆
    世良 杏奈aa3447
    人間|27才|女性|生命
  • 魔法少女L・ローズ
    ルナaa3447hero001
    英雄|7才|女性|ソフィ
  • 暁に染まる墓標へ、誓う
    無明 威月aa3532
    人間|18才|女性|防御
  • 暗黒に挑む"暁"
    青槻 火伏静aa3532hero001
    英雄|22才|女性|バト
  • 残照と安らぎの鎮魂歌
    楪 アルトaa4349
    機械|18才|女性|命中
  • 反抗する音色
    ‐FORTISSIMODE-aa4349hero001
    英雄|99才|?|カオ
  • 妙策の兵
    望月 飯綱aa4705
    人間|10才|男性|命中
  • 妙策の兵
    綾香aa4705hero002
    英雄|17才|女性|ジャ
  • その背に【暁】を刻みて
    阪須賀 槇aa4862
    獣人|21才|男性|命中
  • その背に【暁】を刻みて
    阪須賀 誄aa4862hero001
    英雄|19才|男性|ジャ
  • 悪性敵性者
    火蛾魅 塵aa5095
    人間|22才|男性|命中
  • 怨嗟連ねる失楽天使
    人造天使壱拾壱号aa5095hero001
    英雄|11才|?|ソフィ
  • エージェント
    犬尉 善戎狼aa5610
    獣人|34才|男性|命中
  • エージェント
    戌本 涙子aa5610hero001
    英雄|13才|女性|シャド
  • …すでに違えて復讐を歩む
    アトルラーゼ・ウェンジェンスaa5611
    人間|10才|男性|命中
  • 愛する人と描いた未来は…
    エリズバーク・ウェンジェンスaa5611hero001
    英雄|22才|女性|カオ
  • 光明の月
    希月aa5670
    人間|19才|女性|生命
  • エージェント
    ザラディア・エルドガッシュaa5670hero001
    英雄|25才|女性|ドレ
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